最近の夏は年々暑くなってきますね。
天気予報は毎日「今年一番の暑さ」を更新したニュースばかり。
そんな時に心配になるのは熱中症です。
大人でも怖い『熱中症』ですが、大人よりも赤ちゃんのほうが熱中症になりやすいってご存知ですか?
抵抗力の弱い赤ちゃんは、体温調節の機能が未発達のため、気温が高くなると熱中症にかかりやすくなります。
夏になると「車の中に赤ちゃんが置き去りになり死亡した」という悲しいニュースも耳にすることも。
熱中症は命も危険にさらされるので怖い症状のひとつです。
『赤ちゃんの熱中症のサインってあるの?』
『熱中症の症状が出たらどうすればいいのかな?』
『熱中症を予防できる方法が知りたい!』
赤ちゃんや新生児の熱中症についてわからないことがあり不安な人もいるでしょう。
- 赤ちゃんの熱中症のサイン
- 後遺症のリスク
- 熱中症にかからない6つの予防策
赤ちゃんや子どもの熱中症でいざという時に対処ができるためにも、知っておくことは大切です。
熱中症は対処が早ければ早いほど、後遺症や良くなるスピードに影響します。
熱中症について大切なことを、頭の片隅にでも置いて頂ければ嬉しいです。
目次
新生児の熱中症のサインを見逃さないで!
私たちはあらゆる体のサインから自分の体の不調をとらえることができます。
言葉の話せない赤ちゃんも体を使っていろんなサインを出してくれます。
特に生後1ヶ月未満の新生児は免疫が十分に備わっていないので、そういったサインを見逃すと重篤になりかねません。
それでは、新生児をはじめとする赤ちゃん達は熱中症にかかるとどういったサインや症状が出るのでしょうか?
熱中症のサイン
熱中症は初期の段階で見つけて、早めに対処することが大切です。
そのためにも、赤ちゃんが発する熱中症のサインを見逃さないようにしましょう。
赤ちゃんは「暑い」など言葉を発することができません。
実際には身体が熱くなる、体調が悪いことなどから、機嫌が悪く泣き止まないことも。
その他にも、熱中症の初期症状のサインがあります。
- 頬が赤く、熱くなっている。
- ぐったりとしていて、呼びかけても元気がない。
- ミルクや母乳をいつもより多く飲みたがる。
- おしっこの量が普段より少ない。
- 唇が乾燥している。
泣いている以外に上記の症状が確認出来たら、熱中症の可能性があります。
熱中症の症状
次に、熱中症になったときの症状をみていきましょう。
熱中症はⅠ、Ⅱ、Ⅲの段階に分かれており、Ⅲに向かって重度の熱中症となります。
- 汗をたくさんかく。
- 嘔吐や下痢になる。
- 手足が冷たくなる。
- 体温が高くなる。または、40度近くの発熱がある。
- ミルクや母乳を飲んでくれない。
ⅠやⅡの症状が進行すると、熱けいれんや意識がなくなる場合もあり、命が危険にさらされます。
危険な症状としては、汗が出なくなる・尿が出ていない・熱が下がらない・目の焦点が合わない・けいれんしている・意識がない場合などです。
尿の出る時間差には個人差はありますが、6時間以上出ていない時は注意が必要。
症状が確認できた時には、急いで医師のもとへ行きましょう。
熱中症の応急処置の方法
もし、赤ちゃんや子どもが熱中症にかかってしまったら、そのままにしておくことは危険です。
すぐに応急処置をして体温を下げるようにします。
まず、日影などの涼しい場所に移動させましょう。
その後、衣服を脱がせ(または緩め)て、熱を外に出します。
足を高くして寝かせて、脳に血を送ります。
そしてアイスノンや冷たいタオルで身体を冷やすようにしましょう。
冷やす場所は、首の周りやわきの下、足の付け根などがよいでしょう。
保冷剤は直接当てるのではなく、タオルやガーゼにくるんでから使用してくださいね。
手順が多くて、実際に熱中症の子どもを目の前にしたら慌ててしまいできないかもしれません。
普段から持ち歩いているメモ帳などに記録しておくと、いざという時に役に立ちます。
併せて、意識があるときには、脱水症状を防ぐために水分補給をしっかりとさせましょう。
一気に飲ませるのではなく、少しずつ飲ませてあげてくださいね。
熱中症による後遺症のリスク
赤ちゃんが熱中症にかかり、正しい応急処置や早めの判断、そして正しい処置により回復していくのですが、後遺症が残る場合もあります。
意識がないほどの重度の熱中症(Ⅲ度)になると、腎障害に繋がることも。
さらにⅢ度の熱中症は、致死率が『30%』に至ることがわかっており、侮れません。
もう一つは、脳障害が起きるケースもあります。
熱中症になり、脱水症状になると、血液が脳に送られにくくなり脳への影響がでます。
脳の影響として、視床下部にある体温調節中枢に永久的に障害を残してしまい、その後の熱に対する耐性が低くなってしまいます。
この他、幻覚や視力が下がる、運動障害や意識障害、肝機能低下などの後遺症がのこった例もあります。
熱中症のサインを見つけたら、とにかく早く対処することが大切なのです。
赤ちゃんの熱中症を防ぐ6つの予防策
では、赤ちゃんが熱中症にならないためには何ができるのか、何をしなくてはいけないのかみていきましょう。
室内でも温度管理を徹底する
生後1ヶ月前後の赤ちゃんは室内で過ごすことがほとんど。
外に出歩かないから熱中症にはならないだろうと思われがちですが、室内での熱中症のケースも多々あります。
これは、熱が部屋にこもってしまい、日差しを浴びなくても熱中症になるのです。
暑い日には、エアコンや扇風機を利用したり、窓を開けて換気したりしましょう。
また、遮光カーテンや遮熱カーテンも合わせて利用すると効率があがりますよ♪
こまめな水分補給をする
熱中症により、脱水症状を引き起こしてしまうこともあるので、水分補給は忘れずにしてください。
赤ちゃんが、のどが渇いてなくても飲ませるようにしましょう。
10℃ほどの水分で、体の中から冷やすことも大切です。
また、汗をたくさんかいた赤ちゃんには、ベビー用のイオン飲料もおすすめ。
イオン飲料は飲みすぎると糖質が気になりますが、ミネラルを含んでおり、水分をすばやく吸収できるメリットがあります。
また、昼や夜など、眠くなると赤ちゃんはたくさんの汗をかきます。
寝る前に十分な水分補給と、寝汗をしっかりと拭きとるようにしましょうね。
熱を逃がす対策をする
ベビーカーやチャイルドシートは、夏になると想像以上に熱がこもっています。
地面からの放射熱も強いので、ベビーカーに乗っているととても暑くなります。
その際には、保冷シートや保冷スプレーなどを使い、熱がこもらない対策をしましょう。
また、赤ちゃんは汗をかくことも多いので、背中にタオルを敷くとよいですよ。
赤ちゃんに直射日光を当てないようにと帽子をかぶらせることがありますが、帽子は通気性のよいもの、夏用のものをかぶせるようにしましょう。
帽子内にも熱がこもり、熱くなってしまうことがあります。
肌着や洋服は、涼しい素材(通気性がよい、吸汗、速乾素材)のものを着せるとよいですね。
汗をかいたときには、こまめに着替えをさせてください。
夏場に車を利用するときには…
夏に関わらず、車には絶対に赤ちゃんを1人残さないでください。
トイレや電話などで少しだからいいかなと、車内に一人きりにさせると取り返しのつかないことになるかもしれません。
ご家族が車から少しでも離れる時には一緒に外に出すようにしましょう。
手間もかかり大変なことですが、これ1つ気を付けることで悲しいニュースが減るのではないでしょうか。
また、日よけなどのグッズをうまく使い、直射日光を当てないようにしましょう。
栄養をしっかりと摂らせる
熱を逃したり直射日光を防いだりする以外にも、熱中症にかからない体作りをすることも大切ですよ。
まずは、新生児には母乳やミルク、離乳食が始まった子どもたちには朝ごはんをしっかりと食べさせましょう。
規則正しい食生活は、熱中症の予防に繋がります。
日中の外出を控える
最後は、夏の暑い日、日差しの強い日、気温の高い日には、外出することを控えるようにしましょう。
外で遊ばせたいという気持ちも分かりますが、涼しい午前中や曇りの日などを選んで出かけるとよいですね。
また、その他にも支援センターや室内の施設で思い切り身体を動かせる場所を探してみてください。
まとめ
大人だけでなく、赤ちゃんの熱中症も怖いということが伝わったでしょうか。
熱中症のサインをいち早く見わけて、早い対処ができるようにしておきましょう。
熱中症の予防の方法もたくさんご紹介してきましたが、赤ちゃんも子どもも大人にとっても、熱中症を予防するためにとても大切なので、ぜひやってみてくださいね。