赤ちゃんのお肌はとてもデリケートです。
特に生まれてすぐは、乳児湿疹のトラブルに見舞われることも。
初めてのお母さんの場合は、その対処法に困ってしまうかもしれません。
中でもステロイド系の薬であるロコイド軟膏は、どのように使えば良いのか悩んでしまうお母さんが多いようです。
『乳児湿疹はなぜおこるの?』
『ロコイド軟膏はどのくらいをいつまで使えばいいの?』
『ロコイド軟膏を使ったら、副作用はあるの?』
など、はじめてママなら気になることはたくさんありますよね。
こちらの記事では、赤ちゃんを健やかに育てるための11のポイントを解説します♪
- 乳児湿疹の症状と原因
- ロコイド軟膏の特性
- ロコイド軟膏の使用法
- 乳児湿疹の防ぎ方
ぜひ参考にしてくださいね。
目次
乳児湿疹って何?
赤ちゃんの肌って羨ましいほど、プルプル、ツルツルですよね。
ですが、生まれて一ヶ月過ぎた頃に、ほとんどの赤ちゃんが乳児湿疹を発症します。
可愛いお顔がパンパンに膨れて、目があかないような状態になってしまう子もいます。
乳児湿疹は程度の差こそあれど、誰でも見られるものなので慌てる必要はありません。
しかし、ひどい場合は、放置していると大変なことになってしまいます。
細菌が感染したりして、治るまでに時間がかかり何度も通院するはめになったり…。
何より、赤ちゃんが不快感で泣き止まず、かわいそうなことになってしまいます。
乳児湿疹の症状が確認できたら、すぐにでも対処してあげたいですよね。
では、乳児湿疹にはどのような症状が見受けられるのでしょうか。
乳児湿疹の症状は?
この時期は、皮脂の分泌がとても多く、肌も敏感です。
生後すぐはお母さんからもらった免疫で守られていますが、この頃から少しずつ外気の影響を受け始めます。
乳児湿疹と呼ばれる主な症状は以下の通りです。
- 赤み
- かゆみ
- はれ
- 侵出液
アトピー性皮膚炎と同じような症状がでる子もいます。
ニキビのような発疹は、「新生児ざそう」といわれます。
また、フケやかさぶたのようなものがつく「脂漏性湿疹・皮膚炎」も乳児湿疹の一つです。
あらわれる場所はさまざまです。
- 顔・・・目頭が赤くなる。額(おでこ)がただれる。
- 頭・・・髪にフケのようなものが見られる。
- 首・・・あせものように赤くなる。
- 背中・・・赤い発疹が出る。
- おしり・・・おしりのわれめ、太もものしわなど、かゆみをともなってただれる。
肌荒れは全身に起こりうることなので、いつもと変化がないかお風呂時などにチェックしておくと良いですね。
関連記事⇒赤ちゃんのフケがひどい!頭のフケの取り方3つのポイントとシャンプーやオイルの効果
乳児湿疹を悪化させないようにするには?
我が子の場合は、髪にフケのような白い粉が見られ、よく頭皮を見ると赤くただれていました。
生後一ヶ月に行われる一ヶ月検診で、相談したところ、次のように言われました。
- 乳幼児湿疹はほとんどの赤ちゃんが経験する。
- 軽い乾燥から来るものであれば、クリームなどを特別に塗る必要はない。
- 石鹸残りが原因のことがあるので、顔には石鹸は使わない方がよい。
- 顔や頭の皮脂が気になる場合は、石鹸を使い、しっかりと洗い流す。
- 背中や首は汗をかきやすいので、体温調節を。
- 乾燥がただれの原因にもなるので、保湿すること。
ひどくなければ、石鹸なとで皮脂をよく洗い、清潔に保つだけで改善されるとのこと。
指導された通りにしたところ、我が家の場合は、2~3日で改善しましたよ。
上記のことをしても症状がおさまらない場合は、早目に小児科や皮膚科にかかりましょう。
また、はじめからかゆみが強い、湿疹が広範囲に及ぶ場合は、一ヶ月検診を待たずして受診しましょう。
治療の必要があるとされれば、軟膏が処方される場合があります。
関連記事⇒乳児湿疹の原因はミルクやおっぱい?本当の原因と4つの部位別正しいケア方法
ロコイド軟膏って何?
乳児湿疹と診断された場合、よく処方される薬が「ロコイド軟膏」です。
赤ちゃんに塗る薬なので、やはりその効果や影響が気になりますよね。
効果は、
- 皮膚の炎症をおさえる
- 赤み、はれ、かゆみなどの症状を改善する
などです。
湿疹や皮膚炎、乾癬などの治療に使用される場合が多いです。
そして、気になるのが『ステロイド』の薬だということ。
ステロイドがあまり良くない印象をもっている方も多いのではないでしょうか。
ステロイドって危険?
あまりよくない印象のステロイド、どのようなものなのでしょうか。
- 副腎(腎臓のちょっと上にある)で作られるホルモンのこと
- これを薬として使用すると、免疫力や炎症を抑える効果がある。
- 適切に使用しないと副作用が生じる。
- ステロイドを長期使用すると、常用しなければならなくなる。
以上のように、ステロイドには心配なこともあります。
そのため医師からロコイド軟膏を処方されても、使用をためらってしまう方もいるようです。
しかし、用法、容量を守れば、乳児湿疹を早く沈めることが可能です。
大切なのは、ロコイド軟膏の特性を知ることです。
ロコイド軟膏の強さは?赤ちゃんでも大丈夫?
ステロイド剤の薬はその作用の強さで、レベル分けされています。
- Weak(弱い)
- Medium(中間)
- Strong(強い)
- Stronger(とっても強い)
- Strongest(最も強い)
レベル1のものは、作用が弱いので現在はあまり処方されていないようです。
乳幼児はステロイドのレベルが低いものを使用するように決められています。
ロコイド軟膏は低いレベルのマイルド、つまりステロイドが強くない部類になります。
ロコイド軟膏は、どのくらいをいつまで塗ればいいの?
レベルが示すように、ロコイド軟膏は作用がそれほど強くありません。
だからこそ、適切な量をしっかり塗るというのが大切です。
ステロイドが入っているから不安と思い、ちょっぴり塗っているだけでは効果が得られません。
また、治らないからとダラダラと長期使用するのは危険です。
完治せずに、少しよくなったからと途中で使用を止めてしまうのも、ぶり返す原因になってしまいます。
大切なのは用法・容量を守ること。
また、必ず処方された使用期限内のものを使うようにしてください。
使用期限はチューブ本体かキャップに記載されているので、確認してみてくださいね。
ロコイド軟膏の用法・容量
日本アレルギー学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドラインによると、
「人差指の先から第1関節までチューブから押し出した量(約0.5g)が、手のひら2枚分を塗る量」
とされています。
赤ちゃんの顔と首に塗る場合、大体大人の手の平2枚分です。
つまり、
- 人差し指の第1関節にのせた量を
- 顔と首に塗り広げる
- 朝夕の2回使用すると
- 0.5グラム×2回=1グラムが一日の適切な使用量
となります。
グラムのチューブが一般的ですから、一本を5日間で使いきるという計算になります。
症状が改善してきた場合も、急に塗るのを止めるのではなく、回数を減らして効果を確認しながら使用しましょう。
急にやめると湿疹がぶり返すことがあります。
基本は一週間使用し、効果があるかないかで、再診の必要があるかないかがわかります。
ロコイド軟膏の塗り方のポイント
次に、塗り方のポイントを紹介します。
- 朝夕2回
- 夕方は沐浴、入浴後
- 塗る前に手をよく洗う
入浴後に塗る場合は、10分以内に塗ることで保湿効果も得られます。
ロコイド軟膏と一緒に保湿剤も処方された場合は、
保湿剤・クリームを全体的に塗り広げ、ロコイド軟膏を湿疹に部分的に塗るとよいです。
各部位の具体的な塗り方については、診察の際に、医師または看護師に教えてもらいましょう。実際に塗ってもらうとより分かりやすいです。
注意したいのが、外出前に薬を塗る場合です。
直射日光があたることで、薬を塗った部分が過度に日焼けしてしまう場合があります。
湿疹がひどい場合は、外出をさけたり、外出前には保湿剤だけにしたりするなどの注意が必要です。
ロコイド軟膏を使っても治らないときは?!
赤ちゃん一人ひとりで、生まれもっての肌の強さは違います。
お肌がデリケートで治りにくい赤ちゃんもいます。
ロコイド軟膏を使っても、なかなか治らない場合は何らかのアレルギーが関係しているかもしれません。
また、カンジダが悪さをしている可能性もあります。
ロコイド軟膏を一本、一週間使用しても症状が改善しない場合は、再度、医療機関に受診しましょう。
乳児湿疹を繰り返さないようにするには?
乳児湿疹は、赤ちゃんあるあるです。
一度治ったからといって安心はできません。
何度もぶり返さないように、次のことに気を付けましょう。
- 皮脂をよくおとす
- 石鹸はしっかり洗い流す
- 乾燥を防ぐ
- 空調、気温管理をしっかりと
- 清潔を保つ
- 赤ちゃんをお世話する時は手を清潔に
- お肌に触れるのは綿100%のものを
乾燥も乳児湿疹の原因になりますが、暑い時期、梅雨時などはまた別です。
とくにおむつかぶれは、ムレが原因で起こってしまいます。
おむつかぶれがひどい場合は、
- おむつを替える回数を増やす
- 新しいおむつをつける前に、よくかわかす。
- おむつかぶれ防止クリームをつける。
- ベビーパウダーをつける。
などをためしてみましょう。
赤ちゃんのおむつ替えは、1日に8回程度と言われますが、その子によって適切な回数は違います。
我が子の場合、うんちがゆるめ、回数も多かったので、15回は替えていました。
関連記事⇒赤ちゃんの保湿は必要ない?ある?顔や体の保湿におすすめ保湿クリーム10選と塗り方
まとめ
今回は、乳児湿疹に使うロコイド軟膏について解説してきました。
伝えたかったのは、次の4つです。
・乳児湿疹には、フケやかさぶた、脂漏性皮膚炎もあること。
・ロコイド軟膏は、弱めのステロイドであること。
・量を控えるのではなく、用法・容量をしっかり守るのが、治す近道だということ。
・安全だとしても、薬を使わなくてもよいように、湿疹を繰り返さないようにするのが大切なこと。
乳児湿疹と一言で言っても、原因は様々です。
赤ちゃんの皮膚をよく観察し、一人ひとりにあったケアをしてあげましょう。
この記事が、乳児湿疹やロコイド軟膏の使用に疑問をもつお母さんのお役に立てれば嬉しいです。