赤ちゃんがお座りをするようになるのは、生後どのくらいからなのでしょうか。
日々赤ちゃんの成長を見守っていると、「うちの子、お座り遅いかな?」「お座りの練習ってそろそろ始めたほうが良いの?」と、気になることも多いでしょう。
そんな赤ちゃんのお座りについて、今回は主に以下3つのポイントを紹介します。
- 赤ちゃんがお座りする時期
- 赤ちゃんのお座り練習での注意点
- 赤ちゃんのお座り練習3つのステップ
赤ちゃんはどのような発達段階を経て、いつ頃お座りができるようになるのかを正しく理解しましょう。
そして、お座りができないことを不用意に焦ったり、誤った練習をしたりしないようにし、赤ちゃんがのびのびと成長できるよう見守りましょう。
目次
赤ちゃんがお座りをするのは生後何か月頃から?
赤ちゃんの発達段階の一つとして重要な「お座り」。
赤ちゃんがお座りをできるようになるのは、個人差がありますが一般的に生後7~8ヶ月頃と言われています。
赤ちゃんがお座りをできるようになるまでの、前兆となる姿勢の発達や動きから順に説明します。
生後3~4ヶ月頃 首が据わり、うつぶせの状態で頭や胸を床から上げられるようになる
それまでは仰向けで過ごすことが多かった赤ちゃんですが、生後3~4ヶ月頃から、首がしっかりと据わってきて、うつぶせ状態で過ごすこともできるようになります。
まだお座りの姿勢をすることはできませんが、体全体の筋肉や骨格、神経がしっかりと発達している証拠です。
生後5~6ヶ月頃 寝返りができるようになり、腰が据わってくる
生後5~6ヶ月頃になると、赤ちゃんは自分で体をひねらせて寝返りができるようになります。
寝返りができるということは、それまで丸かった赤ちゃんの背中や腰が伸びてきて、筋力も発達し体の自由がきくようになったということです。
完全にお座りができるようになるのはもう少し先ですが、この頃から腰も据わってくるので、床に手をついてお座りのような姿勢になることができる赤ちゃんもいます。
生後7~8ヶ月 両手をはなして一人でお座りができるようになる
生後7~8ヶ月頃になると、両手の支えがなくても一人でお座りができるようになる赤ちゃんが多いです。
お座りの状態で両手におもちゃを持って遊ぶようにもなります。
ただし、赤ちゃんの発達にはかなりの個人差がありますので、もっと早くお座りができるようになる赤ちゃんもいれば、生後9~10ヶ月頃になる赤ちゃんもいますので、あくまでもこの時期が目安と考えてください。
参考 社会福祉法人 全国社会福祉協議会発行『改定3版・保育士要請講座 第5巻 小児保健』, p65
赤ちゃんのお座りの練習や補助はしたほうが良いの?お座り練習での注意点!
そろそろお座りができるようになるかな?という時期になると、お座りの練習をさせるパパやママも多いと聞きます。
お座りの練習をさせることは悪いことではありませんが、通常赤ちゃんは、自分でさまざまな姿勢や動きを覚えていきますので、無理に練習をさせる必要はありません。
赤ちゃんのお座りの練習をするときは、以下の点に注意しましょう。
生後5~6ヶ月を過ぎて寝返りを覚えてから練習を始める
あまり早い時期からお座りの練習をさせても、赤ちゃんの体の状態はお座りができる準備が整っていません。
一般的にお座りができるようになるのは、寝返りができるようになった後です。
焦らずにまずは寝返りができるようになってから、お座りの練習を始めるようにしましょう。
赤ちゃんが嫌がるのに無理に練習させない
お座りができる時期になったとしても、赤ちゃんが嫌がるのに無理に練習をさせるのはやめましょう。
もしかすると、まだ腰やおしりの筋肉や骨の状態が整っておらず、お座りの姿勢が辛いということも考えられます。
また、無理に練習をさせることで、お座りの姿勢を不快と感じてしまい、よりお座りの習得を遅らせてしまうことにもなりかねません。
お布団ややわらかいマットの上で練習する
お座りの練習中は体が安定しないため、前や後ろに倒れてしまうことも多いです。
頭を打ってしまうことがないように、お布団ややわらかいマットの上で練習をしたり、周りにクッションを置いたりして危険を防ぎましょう。
お座りの練習中は目を離さない
赤ちゃんに一人でお座りの練習をさせることはないと思いますが、少し体勢が安定しているからと言って目を離すことのないようにしましょう。
目を離した隙に倒れてしまったり、椅子やソファなどに乗せて練習をしている場合は、転落してしまう危険性もあります。
練習中は目を離さず、不意の事故を防ぐようにしましょう。
赤ちゃんのお座り練習方法 ~ 3つのステップでお座りに慣れよう!
赤ちゃんのお座りを練習する場合、具体的にどのように補助しあげると良いのでしょうか。赤ちゃんのお座りの練習方法について、3つの段階別で紹介します。
STEP1 赤ちゃんの腰を後ろから支えて座らせる。練習用チェアの活用もOK!
お座り練習の初期の段階で、まだ前に手をついて座るのが難しい場合は、後ろから腰を支えてあげると良いです。
パパやママが後ろから抱きかかえるようにして腰を膝で挟んで座らせたり、ソファに持たれかけさせて座らせたりして、少しずつお座りの姿勢に慣らしていきましょう。
また、赤ちゃんのお座り練習用のチェアも販売されています。
赤ちゃんが転倒しないよう腰回りをしっかり固定できるものが多く、素材もやわらかくて安心なため、活用してみるのも良いでしょう。
STEP2 赤ちゃんの両足を開き、両足の間に手をつかせて座らせる。
後ろに倒れることが少なくなってきたら、赤ちゃんの両足を開いてあげて、その間に手をつかせてみましょう。
自分で手をつき体を支えてお座りができるようになってきます。
最初は短い時間からはじめて、赤ちゃんがご機嫌な様子なら少しずつ時間を長くしていきましょう。
STEP3 座っている赤ちゃんの前方におもちゃを見せて、床から手をはなすように誘う。
赤ちゃんが手で体を支えて座ることができるようになったら、赤ちゃんの前方におもちゃなどを見せてみましょう。
赤ちゃんがおもちゃで遊ぼうと自然と手を床からはなしたら、倒れないように腰を少し支えてあげてください。
これを繰り返すうちに、両手を床からはなしてお座りができるようになり、お座りをしたままおもちゃで遊ぶことも増えてくるでしょう。
赤ちゃんがなかなかお座りできないのはどうして?病気や障害の可能性もあるの?
赤ちゃんの姿勢や運動機能の発達には個人差があるため、多少他の赤ちゃんよりもお座りの時期が遅いからと言って心配することはありません。
まずは、寝返りなど先にするべき動きがちゃんとできているかを確認し、お座り練習の段階も1つ前に戻すなどして、赤ちゃん個人のペースに合わせて一つ一つできるようにしていきましょう。
生後8ヶ月を過ぎてもお座りができない場合は医師に相談してみましょう
生後7~8ヶ月でおおよそ8割の赤ちゃんは、お座りができるようになると言います。
よって、生後8ヶ月を過ぎてもお座りができない場合は、定期健診や小児科を受診するタイミングで医師に相談をしてみると良いでしょう。
例えば、足が突っ張りかたいことでお座りができない場合は、脊髄や脳の障害が潜んでいることも考えられます。
またお座りなど運動機能の発達が遅いことは、発達障害の一つのサインでもあります。
こうした病気や障害の可能性がある一方で、例えばベビーチェアをよく使うことで、赤ちゃんが背をもたれかけて座ることに慣れすぎてしまいお座りが遅くなっていたというケースもあります。
いずれにしろ、医師の診察で原因がはっきりすることが多いので、気になる発達の遅れはきちんと相談するようにしましょう。
参考 あいち小児保健医療総合センター / 乳幼児期の健康診査と保健指導に関する標準的な考え方 第3章
赤ちゃんのお座りの時期や練習方法をよく理解し、焦らずに成長を見守ろう
赤ちゃんが一人でお座りできるようになる時期は、おおよそ生後7~8ヶ月頃と言いますが、お座りなど運動機能の発達は個人差が大きくあります。
なかなかお座りができないからと言って、赤ちゃんが嫌がるのに無理に練習したりはせずに、発達の遅れが気になる場合は医師に相談してみると良いでしょう。
また、お座りの練習をする時は、転倒することも視野に入れて周囲の環境に気をつけてください。
そして、今回紹介した練習方法も参考にしながら、少しずつお座りに慣らしていき、赤ちゃんがお座りで楽しく遊べるようサポートしてあげましょう。