妊婦は便秘薬を飲んじゃダメ?妊娠中の市販・処方薬の副作用と影響や3つの対策

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妊娠前は、便秘に無縁だった人も、妊娠をし、身体が変化することで、便秘に悩まされる妊婦さんは多くいます。

何故、妊娠中は便秘になりやすいのでしょうか。便秘が改善されない場合は、便秘薬を飲んでもいいのでしょうか。

そこで、今回は、妊娠中に悩まされる便秘の原因、改善方法、便秘薬の服用と影響・リスクをご紹介します。

・妊娠中の便秘の原因

・便秘の予防策

・便秘の解消法

・妊娠中に使用可能な便秘薬

・便秘薬服用の影響とリスク

・便秘薬以外の使用可能な薬について

妊娠中は、予防をしても便秘になる可能性が高くなります。

1度便秘になると慢性化しやすくなるのも、この時期の特徴です。

ただでさえ、他のトラブルも多く発生する時なので、解消できるトラブルは早めに改善して、快適なマタニティライフを送って下さいね!

目次

・妊娠前の便秘の原因

妊娠前は、便秘で悩んだことのない人でも、妊娠すると便秘になりやすいと言われていますが、何故便秘になるのでしょうか。その原因を3つご紹介致します。

ホルモンバランスの変化

妊娠をすると、女性ホルモンの1つである「プロゲストロン」の分泌が活発化します。

子宮の収縮を抑え、妊娠を継続させる働きがあります。

この影響で食べ物を肛門に送り出す「平滑筋」という筋肉も収縮されてしまうため、便秘になりやすくなります。

また、プロゲストロンは、身体に水分を蓄えるようと働きかける性質があります。

身体は水分を蓄えようとして、多くの水分を大腸から吸収しようとするため、便の水分量が減り、固い便になり、便秘になりやすくなります。

大きくなった子宮が腸を圧迫

妊娠後期になると、お腹の赤ちゃんが大きくなることで子宮も大きくなります。

その影響により、腸や肛門が圧迫され、血液循環が悪くなり、便秘のみならず痔さえも引き起こします。

自律神経の乱れ

妊娠をすると、悪阻で食べられなかったり、身体のあちこちが痛くなったりなど、多くのマイナートラブルが起こります。

精神的にも肉体的にも不安定になり、何かとストレスを感じやすくなります。

精神面のバランスが不安定だと、腸の運動に関わる自律神経のバランスも乱れ、便秘になりやすくなってしまいます。

・便秘の予防策

妊娠中は、体型や体質、ホルモンバランスなどが変化していることで、便秘になりやすくなっていますので、日常的に便秘にならないよう、対策をしておくことが大切です。

お腹の赤ちゃんのためにも、薬にお世話にならないよう、日頃から予防対策をしておきましょう!

〈適度な運動〉

運動不足による便秘を防ぐため、体調の良い時は、適度な運動をしましょう。

散歩やスクワット、マタニティヨガ、ストレッチなど、ゆっくりと運動をしましょう。

妊娠初期は、不安定なので、安定期に入ってから行うようにして下さい。

また、後期は、お腹が張りやすいので、張った時は、休憩するようにしましょう!

妊娠の経過によっては切迫早産など、運動ができない妊婦さんもいるので運動をする前は必ず医師に相談するようにして下さい。

〈水分補給〉

妊娠中は、女性ホルモンの働きやお腹の赤ちゃんの分などで水分が消耗されるので、通常よりも多くの水分量が必要となります。

1度に多くの水分を吸収すると、身体が浮腫んだり、冷えたりするので、ゆっくりと小分けにして飲むようにして下さい。

〈食物繊維を摂る〉

水分補給をしながら食物繊維の多い食品を摂るように心がけましょう。

食べ物の水分などによって、固くなった便を柔らかくして出しやすくする働きがあります。

・便秘の解消法

毎日、便秘にならないよう予防をしていたとしても、やはり便秘になってしまう可能性は高いです。

便を促す食品を食べ、適度な運動で解消しましょう!

〈便を促す食品〉

【プルーン】

水溶性食物繊維が多く含まれた食品です。

ソルビトールという糖類下剤という成分が含まれていて、便を促します。また、鉄分も多く含まれているので、貧血でお悩みの妊婦さんにもお勧めです。

【オリーブオイル】

イタリアなどの地中海地域では、昔から子供の便秘解消法として飲まれています。

オリーブオイルに含まれるオメガ9のオレイン酸は、腸を刺激して蠕動運動を促進する効果があります。

【牛乳】

乳糖が含まれているので、穏やかに便を促します。乳糖不耐症の人だと、お腹を下してしまうので、お勧め出来ません。

・妊婦でも便秘薬を飲んでもいいの?

予防策でも、解消法でも改善をしない酷い便秘の場合は、便秘薬に頼るのも1つの方法ですが、そもそも妊婦さんは便秘薬を使えるのでしょうか。

基本的に、市販の便秘薬は効き目が強く、直接腸へ刺激を与えるものばかりなので、妊婦さんの使用は避けてください。

市販のほとんどの便秘薬に、「妊娠中の使用は医師に相談をして下さい」という注意書きがあります。

便秘薬が必要な場合は、主治医に相談をして、病院で処方をしてもらうようにしましょう。

・便秘薬服用の影響とリスク

市販の便秘薬は、直接腸へ刺激を与え、蠕動運動を促進させて排便を促す効果があるので、お腹の赤ちゃんへの影響も高いと言えます。

もし、薬によって子宮が刺激され、収縮してしまった場合は、流産や早産の原因となります。

薬によって、切迫流産を引き起こすリスクが高いことは、臨床的にも報告されおり、危険性が指摘されているので、十分に注意をして下さい。

また、妊娠中でも、使用可能なレシカルボン座薬や漢方、酸化マグネシウムがありますが、

副作用や飲む期間に注意が必要なものとなりますので、必ず使用前に主治医にご相談下さい。

〈レシカルボン座薬〉

直腸内でガスを発生させ、自然に近い刺激で排便をさせることができる座薬です。

肛門に入れてから少しの間、ガスを我慢しなければなりませんが、酷い便秘にも効果的です。

産婦人科などで処方されるお薬の1つです。

〈酸化マグネシウム〉

腸の水分を集め、便を柔らかくし、腸を直接刺激せず、自然な排便を促すお薬です。

ただし、酸化マグネシウムは副作用があり、厚生労働省より注意喚起されています。

※副作用:腹痛や下痢、高マグネシウム血症によるめまい、立ちくらみ、吐き気などがあります。

高マグネシウム血症は、腎不全患者が発症しやすい病気で、過去に死亡例もあります。

〈漢方薬 桂枝加芍薬湯〉

妊娠中でも使用できる便秘に効く漢方薬です。

短期間の使用のみ妊娠中にも使えますが、漢方薬は、ひとりひとりの体質によって使い分けるお薬ですので、服用前に必ず、主治医または薬剤師さんにご相談下さい。

まとめ

一般的に日本人女性は、便秘で悩まされている人が多いので、普段から便秘薬を服用している人も多いことでしょう。

妊娠中に普段と同じだからといって、便秘薬や下剤を使用してしまうと、赤ちゃんに大きな影響を与え、早産や死産に繋がります。自己判断での使用は、絶対に避けるようにして下さい。

些細なことでも、必ず主治医に相談するようにしましょう。