妊娠が分かって、今の仕事を辞められそうにない。
そこで気になるのは、力仕事による体への影響ですよね。
それぞれの仕事の中で重いものを持つ場面がありますよね。
たとえば、20㎏の段ボールを運ぶ仕事や子どもたちを抱えなければならない幼稚園教諭、たくさんの給食を作っている栄養士さんだったらどうでしょうか?
『妊娠したから、仕事を辞めなきゃいけないの?』
『どのくらいの力仕事は注意が必要?』
『仕事を続けるためにはどうすればいいの?』
など、たくさんの不安の声が聞こえます。
妊娠初期は赤ちゃんもお母さんの身体もとても不安定です。
実は妊婦さんの10人に1人は流産を経験しています。
その流産の9割が妊娠12週までに起こっているのです。
妊娠中に重いものを持つ仕事をするときには、気を付けてほしいことがあります。
・重いものを持った時の危険性
・どのくらいの重さまではOK?
・転倒しやすくなる
・貧血になりやすい?
今回の記事では、以上の点についてまとめています。
妊娠中のお仕事でお悩みの方の参考になればと思います!
目次
なぜ重いものをもったらいけないの?
まず、妊娠中になぜ重い荷物をもったらいけないと言われるのでしょうか?
重いものをもち腹筋に力が入ると、子宮が下がりやすくなります。
そうなると、流産や早産に繋がる恐れがあります。
簡単に言うと、腹筋に力をいれることで出産時のいきみ「ふーん!」と同じような力が加わるため、
身体がいきみと間違えて子宮口が広がってしまうのです。
子宮口が広がってしまうと、赤ちゃんも自然と外に出なきゃと思ってしまい、流産になってしまいます。
力仕事をする場面が多い方は、出来るだけ早めに勤めている会社に妊娠したことを伝えましょう。
お腹が膨らんでくるのはまだ3,4ヶ月先で見た目には分かりづらいのですが、
身体の負担を考えると妊娠が分かった時点で伝えた方がよいでしょう。
労働基準法では、下記のように妊婦さんを守ってくれる法律があります。
使用者は、妊娠中の女性及び産後一年を経過しない女性(以下「妊産婦」という。)を、重量物を取り扱う業務、有害ガスを発散する場所における業務その他妊産婦の妊娠、出産、哺育等に有害な業務に就かせてはならない。
―引用 労働基準法―
この他にも時間外労働など、いくつか法律が定められているので、
妊娠したからと言って『辞める』という判断をすぐに出すのはもったいないのです。
関連記事⇒j妊娠超初期の仕事4つの注意点~重いものやストレス、通勤の影響と流産リスク1つの対策
どのくらいの重さを持ったら危ない?
実際に、力仕事以外にも、上の子どもを抱っこしたり、お買い物袋を持ったりする機会はたくさんあります。
では、どのくらいの重さまでだったら大丈夫なのでしょうか?
産婦人科では「重量が10㎏までなら大丈夫です。」と話されましたが、
実際は個人差があり、5㎏でも辛い方もいらっしゃいます。
そこで目安としては、お腹に力をいれなくても持てる重さなら大丈夫です。
ただ、その日の体調もあり、荷物を持ってお腹が張ってくるようなら、すぐにやめましょう。
「軽いものの持ち運びや、長時間の仕事で腰が痛くなる。」
この症状を軽くする方法として、とこちゃんベルトをつけると随分腰が楽になりますよ。
産前産後と付けられるベルトで、普段着の下にも付けることができます。
―引用 トコちゃんベルトHPー
きつめのタイプからゆったりと腰を支えてくれるタイプもあるので、ご自身の体質に合うものを試してみてくださいね。
関連記事⇒妊娠初期に腰が痛い!腰痛はいつからいつまで続く?4つの対策方法
転倒する危険性がある!
妊娠中は転倒しやすくなります。
お腹が大きくなると、身体のバランスが崩れ支えられず、足元が見えにくくなって転びやすくなります。
力仕事をするときも注意が必要です。
重いものを持つことでバランスを崩しやすくなり、転んでお腹を打ってしまうかもしれません。
上のものを取るときに、小さな脚立や椅子の上に立つこともありますが、
これも転倒したら大変危険なのでやめましょう。
その他、オフィスに階段や段差があるところにも注意が必要です。
プライベートもですが、仕事中もスニーカーや上履きなど転倒しにくい靴を履いてくださいね。
貧血になりやすくなる
立ち仕事や力仕事などを長時間続けると、今までは大丈夫だったのにフラフラっとすることがあります。
妊娠すると赤ちゃんに鉄分を多く送るため、貧血になりやすい身体に変化します。
そのため、妊娠中は鉄分が多い食べ物をたくさん食べるように勧められています。
鉄分の多い食べ物として、レバーやほうれん草、ブロッコリーやごぼうなどがあります。
そのほか、鉄分のサプリメントや産院で薬を出してもらうこともできるので、
貧血気味の方は倒れる前に摂取するよう心がけてくださいね。
職場で貧血気味でフラフラする場合には、横になり休むようにしましょう。
関連記事⇒妊婦は貧血になりやすい?妊娠中の貧血の原因と影響、2つの貧血改善レシピ
どうしても力仕事をしなくてはいけない場面に出会ったら
妊娠中の力仕事はやめた方がよいのですが、どうしてもしないといけない場合もあるでしょう。
重いものを持ち運ぶのはもちろん母体に負担になりますが、
実は、高いところから下に荷物を下ろすのも腰やお腹に大きな負担がかかります。
自分では気づかずに負担となっている場合もあるので、気を付けましょうね!
また、出来るならば周りに甘える技を身につけましょう。
「力仕事を任されたら他の人に変わってもらう。」
「こまめに休憩を取らせてもらう。」
こんなお願いを上司にして、『ダメだ!』という方は少ないでしょう。
無理せずに、仕事を続けられるならそれが1番です。
まとめ
力仕事の危険性についてご紹介しました。
お腹に力を入れないような作業や、こまめに休憩できる環境、妊娠したことをすぐに会社に伝えることができる
そんな素敵な職場でしたら、今のまま仕事を続けることができるはず。
しかし、どうしても力仕事の多い職場でお腹の赤ちゃんにも負担がかかる場合は、産院や職場の上司に相談し、その後続けるかを判断された方がよいでしょう。
貧血や転倒しやすくなるなど、妊娠すると危ない場面がいくつも出てきます。
お腹の赤ちゃんだけでなく、お母さんの身体も危険にさらされることになるため、
2人を守ることができるよう、注意点に気を付けて対策を行ってくださいね!