つわり時期は吐き気でなかなか思うように食べられなくて辛いですよね。
つわりが落ち着いて「これから美味しいものを食べよう!」と思っていたのに、なぜか胃もたれがする…とお悩みではありませんか?
そこで今回は、妊娠中期に起こりやすい胃もたれの原因や次の5つの対処法などをご紹介しています。
- 消化のよいものを食べる
- よく噛んで食べよう
- 刺激物など胃酸の分泌を増やす食べ物は避ける
- 温かいものを摂取するなど身体を冷やさない
- 横になる時は身体の左側を下に
こちらの対処法を実践して、胃もたれを解消して快適なマタニティライフを過ごしましょう!
目次
妊娠中期の胃もたれ。げっぷや吐き気でムカムカする!その原因は?
やっとつわりの症状から解放される妊娠中期。
ところがこの時期に入ってから、胃もたれやげっぷ、吐き気などの症状を訴える妊婦さんは少なくありません。
この原因を順次解説します。
胃が子宮に押し上げられることが原因
(画像出典元:ヨガスタジオマヒナマイン)
妊娠中期に入ると、赤ちゃんの成長にしたがって、子宮がどんどん大きくなる上、羊水も増えるので重たくなっていきます。
図のように子宮が胃を押し上げるため、胃酸や胃に残っている未消化の食べ物が食道へ逆流。
逆流性食道炎になり、胃もたれやげっぷ、吐き気の他、酸っぱい液がこみ上げるなどの症状が起きるのです。
女性ホルモンの作用によるもの
妊娠中期から、女性ホルモンのプロゲステロンが多く分泌されるように。
このプロゲステロンは、乳腺を発達させたり、子宮壁の筋肉活動を抑え、流産や早産を防ぐ働きがあります。
(出典元:金山レディースクリニック)
ところが、子宮壁の筋肉だけでなく胃などの消化器官の筋肉にも作用するため、胃の消化活動が低下。
それによって消化不良になり、胃のムカムカやげっぷ、吐き気が誘発されてしまうんです。
食べ過ぎによるもの
妊娠中期に入ると、つわりの不快感から解放。
食欲が回復してついつい食べ過ぎてしまうこともありますよね。
食べ過ぎは吐き気だけでなく、妊婦糖尿病や妊娠高血圧症候群になるリスクがあります。
お腹の赤ちゃんのためにも、過食しないよう栄養のバランスに気を配った食事に留意してくださいね。
自律神経の乱れによるもの
先ほども解説したとおり、妊娠中期になると女性ホルモンの分泌が増加します。
女性ホルモンも自律神経も、脳の視床下部を司令塔としているので、女性ホルモンのバランスが乱れると自律神経も影響を受けてバランスが乱れてしまうんです。
また、妊娠中はストレスもたまりがちになりますので、こうしたストレスも自律神経の乱れをひき起こす原因に。
自律神経のバランスが乱れると、胃酸過多の状態になり、胃のムカムカやげっぷ、吐き気、胃痛などの症状が現れやすくなります。
妊娠中期の胃もたれで薬を飲んでも大丈夫?
胃もたれになると、救急箱の中の胃薬を飲んでしまいたくなりますよね。
妊娠中の薬の服用は、妊婦さんや赤ちゃんに影響を及ぼす可能性もありますから、注意が必要です。
一般的には、市販の胃薬であればそうした影響はないとされています。
しかし、薬剤師さんがいる薬局などで販売されている第1類医薬品の中には、妊婦又は妊娠していると思われる人は服用しないよう注意書きされているものもあります。
したがって、面倒でも医師に処方してもらった薬を飲むのがおすすめ。
妊娠中は自己判断で安易に市販薬を飲まないようにしましょう。
関連記事⇒妊婦は胃薬を飲んじゃダメ?妊娠中にも服用可能な5つの胃薬
ムカムカ対策の食事法も!妊娠中期の胃もたれを解消する5つの対処法
胃もたれはかなりストレスになりますよね。
ストレスは早産や低体重児の原因になるともいわれ、お腹の赤ちゃんに影響を及ぼす可能性も。
そこで、ムカムカした不快な胃もたれを解消する対処法を5つご紹介します!
消化によいものを食べる
胃もたれは胃の機能低下や胃酸過多によってひき起こされるもの。
油ものや食物繊維の多い食べ物など消化しにくい食べ物、胃酸の分泌を促す食べ物は、さらに症状を悪化させてしまいます。
極力避けるようにしましょう。
肉はヒレ肉や鶏のささみ、レバーなど、魚はタイやタラなどの白身の魚は脂肪分が少ないので、胃に負担がかかりません。
また、野菜や果物では、ジャガイモ、里芋、大根、ニンジン、キャベツ、白菜、リンゴなども消化にいいですよ。
豆腐や味噌の大豆製品も、胃に優しい上、妊婦さんにとって大切なたんぱく源ですので、積極的に取りたいもの。
逆流性食道炎の場合、納豆やオクラなどのネバネバした食品は胃の粘膜を保護するのでおすすめですよ。
よく噛んで食べよう
妊娠中期は胃の働きが低下するため、あまり噛まずに飲み込んでしまうと、消化不良が起こり胃もたれの原因になります。
早食いの方は要注意です。
たくさん噛んで食べるようにすると、胃に負担がかかりにくくなりますよ。
厚生労働省は、
ひとくち30 回以上噛む「噛ミング30(カミングサンマル)」を推奨しています。
(出典元:厚生労働省「歯科保健と食育の在り方に関する検討会報告書」)
たくさん噛むことで、満腹中枢を刺激する化学物質や食欲を抑える働きのあるホルモンのレプチンが分泌。
レプチンは分泌されるまで時間がかかるため、早食いすると分泌までに時間がかかって食べ過ぎてしまうんです。
よく噛みながらゆっくり時間をかけて食事を取ることで、消化を助けるだけでなく食べ過ぎも防止します。
刺激物など胃酸の分泌を増やす食べ物は避ける
唐辛子などの香辛料や甘いもの、塩辛いもの、酸っぱい食べ物は、胃酸の分泌を促進。
胃酸過多による胃もたれが起こりやすくなります。
特に胃もたれが起こっている時には避けた方が無難でしょう。
温かいものを摂取するなど身体を冷やさない
子宮が大きくなるなどの原因で胃の機能が低下している時に、冷たいものを飲んだり食べたりすると、血流の悪化からさらに機能低下を招き、胃もたれしやすくなります。
食べ物だけでなく、身体の冷えも同様です。
胃がムカムカしてきたなと思ったら、温かいものを取ったり、お腹や腰の辺りにカイロを貼るなどして身体を温めると、症状が緩和しますよ。
妊婦さんが身体を冷やすと、胃もたれだけでなく、自律神経の乱れや免疫力の低下、子宮収縮などさまざまな不調をひき起こす可能性も。
妊娠中はなるべく身体を冷やさないように心がけてくださいね。
関連記事⇒妊婦の冷えは大敵!妊娠中の冷え、胎児への影響9つの理由と対策
横になる時は身体の左側を下に
胃の調子が悪い時は、身体の右側を下にして横になった方が消化が促進されて症状が緩和されます。
ところが、妊婦さんが右側を下にして横になると、子宮が下大静脈を圧迫して血圧が低下。
妊婦さんが酸欠状態になるばかりか、赤ちゃんも酸欠になり危険な状態になることもあるんです。
また、お腹が大きくなった妊婦さんが仰向けで寝ると、胃が圧迫されて胃もたれが起こりやすくなります。
妊娠中期からは、身体の左側を下にして、右の手足を曲げて横になるシムスの体位で寝てくださいね。
シムスの体位のポイントを説明した動画をご紹介します。
胃の圧迫で胃もたれをするという人は、ぜひ試してくださいね。
まとめ
妊娠中期以降、多くの妊婦さんが経験する胃もたれ。
食べすぎは防ぐことができますが、主な原因である子宮の圧迫やプロゲステロンの増加はどうすることもできません。
胃もたれは出産まで起こる可能性があります。
胃のむかつきはストレスの元。
今回ご紹介した5つの対処法を実践して、不快な症状を緩和し、再発を防いでくださいね。