つらいつわりの症状に苦しめられ、妊娠中期になってやっと落ち着いたと思ったら、また吐き気などのつわりのような症状が現れてブルーになっていませんか?
その症状は果たしてつわりのぶり返しなのでしょうか?
違う病状なのか、赤ちゃんへ影響はないかと心配になります。
こういったストレスに悩まされるのも嫌ですし、できればつらいつわりの再発は防ぎたいものですよね。
そこで今回は、妊娠中期につわりが再発する原因、食べられない時の食事の方法などについて解説しています。
また、妊娠中期に発症するつわり再発を防ぐ方法は次の5つです。
- よく噛むことで胃の負担を軽減
- 水分摂取で便秘を解消
- マタニティヨガで自律神経を整調
- 胃や腸を圧迫しないよう姿勢を良くする
- 食後すぐ横にならない
こちらの方法は、妊娠中期のつわりの予防だけでなく、吐き気などの症状でお悩みの方にも有効ですよ。
ぜひ実践してみてくださいね!
目次
つわりが復活?妊娠中期になってもつわりが終わらない!その原因とは!?
吐き気や嘔吐、食欲不振などの症状が現れるつわり。
通常、妊娠4か月位には症状が収まると言われています。
しかし、妊娠中期に入ってもまだつわりの症状が続いていたり、一旦症状が収まってまた復活したという妊婦さんは多いよう。
週数でいうと、妊娠18週~23週頃でしょうか。
中には妊娠7ヶ月でも、つわりのような症状に悩まされている方もいるようです。
これはつわりなのでしょうか?
また、このような症状は何が原因で発症するのでしょうか?
妊娠初期のつわりとの違いって!?
(画像出典元:渋谷区医薬品管理センター)
妊娠初期に起こるつわりは、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)というホルモンの働きが原因と言われています。
妊娠が成立すると、hCGが大量に分泌されます。
個人差はありますが、妊娠8週から10週前後がピークで最も分泌量が多くなり、その後は緩やかに減少。
つわりもこの頃が吐き気や嘔吐などの症状のピークとなり、ほとんどの妊婦さんは徐々に症状が収まっていきます。
したがって、妊娠中期のつわりのような症状は、つわりの再開やぶり返しとは別物と言えるでしょう。
妊娠中期のつわりのような症状は女性ホルモンの働きによって発症
妊娠中期になると、女性ホルモンのプロゲステロンやエストロゲンがたくさん分泌されるようになります。
これらの女性ホルモンには脳内にある嘔吐中枢を刺激する働きがあるため、吐き気や嘔吐といったつわりと同じ症状が現れます。
さらに、プロゲステロンには消化器官の平滑筋を弛緩させる働きも。
これによって胃や腸の運動機能が低下するので消化不良になり、吐き気や嘔吐を発症するんです。
膨張した子宮の圧迫も原因の一つ
妊娠中期以降、赤ちゃんの成長にしたがって子宮がどんどん膨張。
子宮が胃を押し上げるようになると、胃酸などの内容物が食道へ逆流する逆流性食道炎を発症する妊婦さんは少なくありません。
逆流性食道炎になると、酸っぱい液体や苦みのある液体がこみ上げてきたり、吐き気や胸やけなどの症状がみられます。
また、膨張した子宮が腸を圧迫することで腸の活動が低下し、便秘になりやすくなります。
腸内に便が貯留し腸全体の動きが悪くなると、消化液は消化管に貯留しやすくなり吐き気の原因となります。
(出典元:東京学芸大学保健管理センター)
つわりの復活かと放っておいたら、こういったように思わぬ疾患にかかっている可能性もあります。
少しでも様子が違うな?と思ったら、かかりつけの医療機関に相談してみてください。
自律神経の乱れが原因の可能性も
妊娠中期以降、女性ホルモンのプロゲステロンやエストロゲンの分泌量が増えることについては、先ほど解説したとおりです。
女性ホルモンは脳の視床下部からの命令でコントロールされています。
自律神経も同様に視床下部で働きがコントロールされているので、女性ホルモンの分泌量が増えたり減ったりすると、その影響で自律神経のバランスも崩れてしまうんです。
また、妊娠中のストレスが自律神経の乱れの要因になることも。
自律神経には、主に活動時に働く交感神経と就寝時などに働く副交感神経があります。
交感神経が優位になると、胃の運動が低下。
逆に副交感神経が優位になると、胃酸過多になります。
つまり、どちらが優位になっても嘔吐や吐き気といったつわりのような症状が現れます。
妊娠中期のつわりの再発で食べられない!食事の方法やおすすめの食べ物は?
妊娠中期につわりのような症状が発症すると、気持ち悪くて食欲がなくなってしまうもの。
そんな時にはどのように対処したらいいのでしょうか?
そこで、妊娠中期につわりの症状がみられた場合の食事の方法やおすすめの食べ物をご紹介します。
少量を何回かに分けて食べる
妊娠中期のつわりのような症状は、その多くが胃腸の活動低下による消化不良によってひき起こされます。
そのため、胃や腸に負担をかけないよう、少量ずつ何回かに分けて食べるのがおすすめ。
吐き気などに見舞われて気持ち悪い時には、一度にたくさん食べられませんよね。
そうした時には、朝昼晩の三度の食事にこだわらず、食べられるだけの量を少しずつ取るようにしましょう。
また、空腹になると気持ち悪くなる食べづわりも、少しずつ分けて食べることで症状が軽減。
この食べづわりは、自律神経の乱れや血糖値が下がることによって発症すると言われています。
少しずつ食べる場合、ついつい食べ過ぎてしまって体重オーバーになりやすくなります。
運動を禁止されていない場合はウォーキングのような軽度の運動を行うなど、体重管理に気をつけてくださいね。
消化しやすい食べ物を取る
膨張した子宮の圧迫などによって胃や腸の活動が低下する妊娠中期。
吐き気や嘔吐などのつわりのような症状が現れたら、胃腸に負担がかかりにくい消化しやすい食べ物を取るように心がけましょう。
揚げ物や脂身の多い魚や肉、ごぼうやレンコンなど食物繊維の多い野菜は消化しにくいので、極力避けるようにした方がいいですね。
芋類でもじゃがいもや長いもは消化しやすいのですが、意外なことにさつまいもは消化しにくいんです。
実は私、さつまいもは消化しやすいものだと誤った認識をしていて、胃の調子がすぐれない時に食べて症状を悪化させてしまった経験があります。
よって妊娠中期に焼き芋は避けた方が無難です。
発酵食品で腸の働きを促進
乳酸菌には腸の働きを促進する働きがあります。
したがって乳酸菌を多く含む発酵食品を食べるのも、便秘による吐き気などの症状を防止するために有効と言えるでしょう。
ヨーグルト、納豆が有名ですが、味噌や醤油、キムチを含む漬物も発酵食品です。
乳酸菌などの善玉菌は、エサとなるオリゴ糖を一緒に摂取するとより効果を発揮します。
ヨーグルトにオリゴ糖をかけたものをおやつに食べると、腸内環境が整って便秘がすっきり解消しますよ。
妊娠中期につわりのような症状にならないための5つの再発防止策
妊娠中期につわりのような吐き気や嘔吐の症状を発症しないためには、どのようにすればいいのでしょうか?
ここでは、妊婦さんが行える防止策を5つご紹介します。
よく噛むことで胃の負担を軽減
あまり噛まずに飲み込むと、その分消化に時間がかかるので胃に負担がかかり、吐き気や嘔吐などの症状を起こしやすくなります。
特に妊娠中期は胃の活動が低下していることから、吐き気などのつわりのような症状がより発症しやすい状態に。
そこで、妊娠中期につわりのような症状の再発を防ぐためには、よく噛んで食べましょう。
また、食べてから満腹を感じるまで15分程度かかると言われていますが、早食いするとお腹いっぱいまで食べ過ぎてしまい、体重オーバーになることも少なくありません。
よく噛んで食べることは食べ過ぎを防止できるというメリットもあるんです。
さらに、妊娠中は抵抗力が低下するため、虫歯や歯周病にかかりやすくなりますが、よく噛んで食べることでたくさんの唾液が分泌され、虫歯や歯周病を防ぐ効果もあります。
水分摂取で便秘を解消
つわりのような症状が現れると、水分も受け付けなくなることもあるでしょう。
しかし、妊娠中期以降、妊婦さんの血液量が増加したり、子宮の中の羊水の量も多くなるなど、多くの水分を必要とします。
妊婦さんの体内の水分が不足すると便秘になりやすくなります。
また、血液がドロドロになって血栓ができることも。
その他にも、赤ちゃんに充分栄養が行き渡らなくなったり、羊水の量が減少するなど、水分不足によってさまざまなリスクが発生する可能性があるんです。
便秘による吐き気などの防止だけでなく、そうした生命にかかわるリスクを防止するためにも、しっかり水分を摂取するよう心がけましょう。
マタニティヨガで自律神経を整調
自律神経のバランスの乱れからつわりのような症状が起こっている場合は、自律神経を整えることで症状が軽減します。
そこでおすすめなのは、マタニティヨガ。マタニティヨガの深い呼吸やストレッチは、乱れた自律神経を整えるのに最適なんです。
こちらでは、自律神経などに効果的な太陽と月の呼吸法の動画をご紹介します。
医師から運動を制限されている妊婦さんでも可能ですので、ぜひ試してみてくださいね。
胃や腸を圧迫しないよう姿勢を良くする
妊娠中期になるとお腹が大きくなるだけでなく、羊水の量も増えるため重たくなります。
そのため、ほとんどの妊婦さんは猫背か反り腰になってしまうんです。
猫背になると、胃や腸を圧迫して吐き気などのつわりのような症状が現れやすくなります。
したがって意識的に姿勢を良くするように心がけてくださいね。
妊娠中の良い姿勢とは、
顎を軽く引き、赤ちゃんを包み込むような気持ちでお腹を軽く背中側に引くようにします。
そうするとお腹回りが安定します。
身体の中心になるべく重心を置くよう意識しましょう。
(出典元:東京マザーズクリニックのブログ)
また、椅子に座る時は、浅く座ると腰に負担がかかるので、なるべく深く座るようにしてくださいね。
背筋を伸ばしてお腹を圧迫しないように気をつけましょう。
食後すぐ横にならない
妊婦さんは、子宮が胃を圧迫することによって胃の内容物が食道に逆流する逆流性食道炎を発症しやすいと言われています。
食後、胃で食べたものが消化されている時に横になると、胃酸や未消化の食べ物が食道に逆流し、逆流性食道炎になり、嘔吐や吐き気、胸やけ、胃痛などの症状を発症することも少なくありません。
そのため、食後はすぐ横にならず、お腹を圧迫しない姿勢を取るよう心掛けてくださいね。
まとめ
妊娠初期に発症するつわりはhCGというホルモンの作用によるものです。
一方で、妊娠中期につわり様の症状をひき起こす原因は子宮の圧迫などであり、妊娠初期のつわりとは異なります。
もし妊娠5ヶ月以降につわりのような症状が復活したら、妊娠初期と異なることや疾患を抱えていることを視野に入れてください。
嘔気の程度によっては医療機関への受診も考える方がよいでしょう。
また妊娠中期のつわりのような症状を防止するには、胃や腸を圧迫しないよう、また負担をかけないようにすることです。
そしてつわりが落ち着いた妊娠中期以降を快適に過ごせるよう、ご紹介した方法を実践してみてくださいね。