妊娠するとイボ痔になるひとは多いです。
イボ痔で悩んでいる妊婦さんがいたら「大丈夫!妊娠するとよくある話」そういってあげたいですね。
患部が肛門付近ということで産科医に相談しづらいと思いますが、先生のほうは妊婦のイボ痔には慣れています。
悩まずに相談をするのがベストです。
今回は妊娠中のイボ痔について気になる全てを解明していきます。
目次
■妊婦がイボ痔になりやすい原因は何?
一般的に妊婦はイボ痔になりやすいといわれています。
妊婦がイボ痔になる原因はどこにあるのでしょう。
▼妊婦がイボ痔になる3つの原因
- ホルモンバランスの乱れ
- 子宮が大きくなることで起こる血行不良
- 便秘
妊婦がイボ痔になる原因は以上3つが考えられます。
詳しくみていきましょう。
・ホルモンバランスの乱れ
妊娠中はホルモンのバランスが乱れます。
ホルモンのバランスが崩れることで便秘になりイボ痔になることがあります。
黄体ホルモンの分泌が過剰になる
↓
黄体ホルモンは大腸の働きを抑制する働きがある
↓
大腸の働きが抑制されることで腸のぜん動運動が少なくなり便秘になる
↓
イボ痔になる
・子宮が大きくなることで起こる血行不良
胎児が大きくなるにつれ子宮も大きくなり肛門付近が圧発され血流が悪くなります。
圧迫された肛門付近の血管は血流が悪くなるので、うっ血します。
これがイボ痔の始まりです。
・便秘
イボ痔になる原因の殆どが便秘から始まるといっても過言ではないです。
便秘は妊婦に限らず全てのかたがイボ痔の原因になっています。
便秘になると無理にいきんで便を押し出そうとします。
このとき直腸粘膜の血管に圧がかかりうっ血した状態になります。
これがイボ痔(内痔核)の始まりです。
また肛門の下にできるイボ痔(外痔核)も同じように肛門付近の血管がうっ血することから起こります。
■イボ痔の種類は2種類ある!
イボ痔には2種類あります。2種類のイボ痔を解説していきます。
・内痔核
・外痔核
以上イボ痔には、2つの種類があります。
〇内痔核
内痔核は直腸粘膜にできたイボ痔です。
痛みがないのが特徴ですが、排便をすると出血や外にでてくる場合があります。
内痔核が外に飛び出た状態を「脱肛」といいます。
脱肛がすすむと排便のたびに苦痛です。できたイボ痔を肛門内に戻す作業が待っています。
(戻さないと、常に肛門付近に違和感があり苦痛です)
〇外痔核
外痔核は肛門付近がうっ血することでおこるイボ痔です。
痛みがありますが比較的簡単に治すことができます。
■妊婦のイボ痔3つの予防と対策
イボ痔になったらどんな対策をとればいいのでしょう。
イボ痔の予防と一緒に解説していきます。
▼イボ痔を予防する3つのポイント
- 食事に気をつける
- 身体を冷やさない
- 排便時無理にいきまない
イボ痔を予防する3つのポイントを詳しくみていきましょう。
〇食事に気を付ける
イボ痔になる原因は便秘です。食事に気を付けることで腸内環境が整い便秘を改善していきます。
・食物繊維(不溶性食物繊維・水溶性食物繊維)をバランスよく摂る。
・2つの食物繊維をバランスよく摂ることで腸内環境が整い便秘が改善されます。
・水分を多く摂る(ルイボスティーがおすすめ)
・刺激のある食べ物は食べない(トウガラシなど)
〇身体を冷やさない
身体の冷えは血流が悪くなっている証拠です。
入浴は半身浴がおすすめ。ゆっくり湯船につかって体温をあげて血の流れをよくしましょう。
前述したとおりイボ痔の原因は血管がうっ血することで起こります。
血の循環をよくすることでイボ痔の予防ができます。
〇排便時無理にいきまない
便秘になると便を出そうと無理にいきむクセができます。
いきむことで肛門付近の血管に血液が集まりうっ血します。
うっ血することでイボ痔になってしまいます。
▼イボ痔になったときの3つの対策
イボ痔になってしまったらどんな対策をとればいいのでしょう。
3つの対策をみていきましょう。
- 患部を温める
- 適切な薬を使用する
- 早目に病院で診てもらう
〇患部を温める
患部を温めることで血流がよくなりイボ痔が改善されます。
ゆっくりお風呂につかりリラックスすることが大切です。
〇適切な薬を使用する
イボ痔の種類によっては座薬や塗り薬と違ってきます。
適切な薬を使用して初期の段階で早めに治してしまいましょう。
〇早目に病院で診てもらう
イボ痔かなと思ったら恥ずかしがらずに病院にいきましょう。
1日1日行く日をずらしていると、悪化する可能性があります。
内痔核の場合は酷くなると脱肛に移行して指で押し込む作業が待っています。
もっと酷くなると、咳をするだけで出てしまうことがあります。
初期の段階で病院での受診がベストです。
■妊婦のイボ痔どこで診てもらったらいいの?
イボ痔になったらどこで診てもらったらいいのでしょう。
▼イボ痔を診てもらえる病院
・産婦人科
・肛門科
イボ痔は産婦人科と肛門科で診てもらえます。
殆どの産婦人科では触診をしなくても座薬や塗り薬を処方してくれます。
(触診をする場合でも姿勢が楽です)
肛門科での触診は殆どの場合横向きです。
お腹がでてくると横向きでの受診は疲れます。
産婦人科と肛門科、どちらでも受診可能ですが、イボ痔に気づいたら進行する前に早めに産婦人科で診てもらうほうがおすすめです。
■トレイの後ティッシュに血液付着!気をつけることは何?
痔になるとティッシュに血液が付着することはよくある話です。
しかし妊婦の場合は、気をつけて欲しいことがあります。
▼ティッシュに血液付着、妊婦が気をつけること
出血はどこからなのか確認する必要があります。
内痔核が出来ている場合、排便と共に出血することはよくあります。
ティッシュに血液が付着した場合、どこからの出血なのかよく確認しましょう。
■妊婦のイボ痔、市販の薬は使えるの?
妊婦になると使う薬には気をつかいます。胎児に影響がないのか心配になりますね。
イボ痔に使う市販の薬を妊婦は使えるのでしょうか?
▼イボ痔、市販の薬(ステロイド配合)を使うのはOK?
イボ痔になったとき、どうしても病院にいけない場合は市販の薬を使う場合があります。
薬によってはステロイドが入っているので使っても大丈夫なのか心配になりますね。
ステロイドが入っているものは、抗炎症作用があるのでイボ痔にはよく効きます。
イボ痔にはよく効きますが、妊婦が使用しても大丈夫なのでしょうか?
結果からいうと、妊婦が短期間ストロイド入りの座薬や塗り薬を使用して健康被害があったという報告は1件もありません。
1件もないのですが、100%安全ということではないようです。
薬局で薬剤師さんに聞くと「心配な場合は医師に相談してください」という回答が返ってきます。
薬剤師のかたに聞いても同じような答えがかえってきます。
そこで産科の先生に尋ねてみました。
「用量をきちんと守って使用するなら大丈夫です。
ステロイドが入った飲み薬を継続して使うと副作用がみられることがありますが、塗り薬の場合は副作用の報告はありませんね。問題ないですよ」
という回答がかえってきました。
産科医でもステロイド入りの塗り薬を処方するかたもいるほどです。
「ボラギノールA軟膏」は、よく耳にする痔の薬です。
この軟膏にはステロイドが含まれています。
副作用の報告はないけれど、100%安全ではないので、妊婦の場合は何が起こるかわからないのでステロイド入りは注意したほうがよさそうです。
▼ボラギノールA軟膏の使用上の注意に記載されていること
・妊婦または妊娠していると思われるひとは使用する前に医師・薬剤師または登録販売者に相談すること
・10日間位使用しても症状がよくならない場合は使用を中止。医師、薬剤師または登録販売者に相談すること
・患部が化膿しているひとは使用不可
・長期連用しないこと
▼後日必ず病院に行こう
市販の薬を使っていて改善しない場合、必ず病院にいくようにしましょう。
市販の薬は全てのひとに効く成分を配合しています
ダイレクトにイボ痔に効かせるためには、市販薬よりも病院での薬のほうが効果はあります。
病院で処方される薬はその患部に直接作用する薬を先生がだしてくれます。
早く的確に治療したい場合は、後日必ず病院にいくようにしてください。
市販の薬を購入するより、病院で処方してもらうほうがお財布にも優しいですね。
■妊娠中でもイボ痔の手術はできるの?
妊婦にとってストレスは最大の敵です。
イボ痔が酷くなると毎日気になってストレスになります。
そこで早くイボ痔から解放されたいですね。
「内痔核が酷くなると手術になる」場合があります。
手術は産婦人科ではできません。肛門科での受診になります。
でも、妊婦はイボ痔の手術ができるのでしょうか?
▼妊婦はイボ痔の手術ができる?できない?
結果からいうと酷くなったイボ痔の手術はできます。
しかし、妊婦が手術をする場合殆どの肛門科の先生は手術をしません!
「妊娠中は何が起こるかわからない」という理由から手術はしないという先生が殆どです。
中には妊婦でも手術をしてくれる病院もあります。
実際、手術をした翌日産気づいたという妊婦もいるほどです。
イボ痔の手術と胎児の命。すこし大げさですが、イボ痔は命に関わる病気ではありません。
また、手術をしたから胎児が亡くなったという事例もありません。
どんなにイボ痔が辛くても命まではとりません。
さてあなたならどうしますか?
■まとめ
イボ痔ができたら恥ずかしいから自分で治したい。
「できたら病院に行きたくない」そう思う妊婦のかたは多いですね。
でも、イボ痔だけに限らす病気は早目に診てもらうことで進行を食い止めることができます。
肛門周りに違和感、ティッシュに血液が付着するなどの症状がある場合は、早目に産婦人科医で診てもらいましょう。
妊娠中は、子宮が大きくなるので肛門付近の血管を圧迫してイボ痔になる可能性が高くなります。
日頃から食事に気をつけ便秘にならないようにしておきましょう。
妊婦とイボ痔について解説してきました。
ぜひ参考にしてください。