「円」という漢字について
音読み エン
訓読み まる(い)
主な名乗り つぶら・のぶ・まど・まどか・みつ
画数 4画
目次
「円」の意味や由来や成り立ちと特徴
「円」という漢字は、元は「圓」と書かれていました。
「圓」という漢字は、会意兼形声文字です。
会意文字というのは2文字以上の漢字の形や意味を組み合わせてできたもので、形声文字というのは、意味を表す漢字と音を表す漢字を組み合わせてできたものです。
「口」と「員」という漢字が組み合わさってできています。
古代文字では、周辺を取り巻く線「口」の中に丸い口とその下に中国のかなえという器の絵を組み合わせていました。
周辺を囲んでいることから、「巡る」というイメージがあり、そこから「まるい」という意味になりました。
「円座」「円卓」などがその例えです。
また、丸は欠けたところがないということから「円熟」「円滑」という言葉にも使われています。
「円」という漢字にはお金のイメージが強いかもしれませんが、実際にはお金の単位として使われる「えん」よりも「まる」を表す時の意味で使われることの方が多いのです。
「丸」という漢字も「円」と同じく「まるい」という意味を持ちます。
この2つの漢字の違いは「丸」が立体的なものを表すときに使われるもので、「円」は平面的な丸い形を強調したいときに使われます。
「圓」という字で書かれていた時は、部首は「囗(くにがまえ)」でしたが、「円」にはその形が含まれないため、便宜上「冂(まきがまえ)」に分類されています。
「円」という漢字を名付けるときに込められる思い
「円」という漢字には、「まるい」「おだやか」「なめらか」「欠けたところがない」などの意味があります。
そのため名付けに使われるときには「温かい人柄の子になって欲しい」「優しい子になって欲しい」「穏やかで人を包み込むような子になって欲しい」「全てにおいて満ち足りた子になって欲しい」という思いが込められます。
また「えん」という響きを「縁」とかけて「良縁に恵まれて欲しい」という願いも込められるそうです。
「円」という響きからも受ける印象
「円」という漢字は名付けでは、「つぶら」「のぶ」「まど」「まどか」「みつ」と読みます。
「つぶら」という響きには、控え目な印象の中に強い集中力と内なるパワーを感じます。
「のぶ」という響きには、のどかで、包み込むような優しさを感じます。
「まど」「まどか」という響きには、満ち足りていて、甘く優しい印象を受けます。
「みつ」という響きには、イキイキとしていてフレッシュでかわいい印象を受けます。
男の子にも女の子にも名付けられる「円」
「円」という漢字は一文字で「まどか」「つぶら」と読み、一文字名にもすることができます。
ただ「円」という漢字は、「まるい」「おだやか」「なめらか」「欠けたところがない」という意味が女の子にも男の子にも受けるため男女どちらの名付けにも使われる漢字です。
漢字の字面だけ見たときに、男の子か女の子かわかりにくいというところもあります。
字面からも女の子らしい雰囲気を出したい場合には「円香」「円花」など組み合わせる漢字を工夫すると良いでしょう。
「円」を使った熟語
円満(えんまん)
穏やかなこと。
満ち足りていること。
円滑(えんかつ)
なめらかなこと。
滞りなく物事がスムーズに進むこと。
福徳円満(ふくとくえんまん)
すべてのことに恵まれていて、何不自由ないということ。
福徳は、幸福と財産があるということ
円頓止観(えんどんしかん)
雑念がなく、すべてにおいて完璧な人格のこと。
智円行方(ちえんこうほう)
智円は、知らないことがないほど、物知りなこと。
行方は、正しい行いのこと。
智円行方は、知識が豊富で行いが正しいということ。
「円」の説明の仕方
電話でのやり取りのときに、あなたの名前がどの漢字を使っているか聞かれることがありますよね?
そういったシーンで「円」を説明する例を紹介します。
例えば、
A「名前は、〇〇円といいます。」
と伝えると、
B「〇〇まどかさんですね。「まどか」はどういった漢字を使いますか?」
と聞かれた場合、「円」の部分の説明の仕方としては、
・A「まどかは、1円、2円の「円」です。」
・A「まどかは、まるいという字です。」
・A「まどかは、円満の「円」です。」
などが挙げられます。
いくつかパターンを持っておくと、確実に相手に伝わりますよ!
「円」を使った名前の有名人・芸能人
浅居 円さん
市川 円香さん
佐藤 円香さん
吉田 円佳さん
米澤 円さん
「円」を使った名付け候補
円(まどか)
弧円(こまど)
円羅(つぶら)
円恵(のぶえ)
円佳(まどか)
円香(まどか)
円美(まるみ)
円希(みつき)
円穂(みつほ)
円世(みつよ)
円実(みつみ)
円瑠(みつる)
まとめ
「円」という漢字は、見た目の字面からも穏やかで優しい印象を受けますが、その意味も知るとますます魅力を感じますね。
大切なお子さまの名付けの参考にしていただければ幸いです。