目次
赤ちゃんは麩をいつから食べても大丈夫?3つの注意点とおすすめレシピ!
煮物やお味噌汁に使われる麩。
焼き麩は用途の幅が広く、生麩はもちもち食感がたまりませんね。
赤ちゃんはいつから麩を食べることができるのでしょうか?与える時の3つの注意点と、おすすめレシピを紹介します。
この記事のポイントは5つです。
・そもそも麩とは?
・赤ちゃんは麩をいつから食べていい?
・麩をあげる時の3つの注意点
・緊急時の対応!
・簡単おすすめ!麩の離乳食レシピ
それでは解説をしていきます!参考にしてください♪
そもそも麩とは?
麩って何?
麩は、小麦タンパク(グルテン)の加工食品。
小麦粉に水を入れて団子状に練ると、徐々に粘りがでてきます。
それを「麩ができる」といい、その団子状になったものを水で洗うと、水が白く濁ります。
これは小麦粉の中のでんぷん質が流れ出しているものです。
何度か水を取り替え、洗い続けるとだんだん水も濁らなくなり、でんぷん質も全て溶けだしてしまいます。残ったものが、グルテン=小麦タンパク質。
それをもち米などを加えて、茹でたり蒸したりすれば「生麩」。
小麦粉を加えて焼けば、「焼き麩」になります。
種類
麩は大きく分けて5種類に分かれます。
・生麩…型に入れて茹でる。よもぎ麩、あわ麩、ごま麩など。
・すだれ麩…茹でてから天日干しする。すだれのような、大きな平たい麩。
・直焼き…麩に直接火があたるので、香ばしくパリッとした食感。車麩、庄内麩、うず巻き麩など。
・釜焼き…窯で焼くので、ふっくら軽いものができる。おしぶ、あられ麩、色あられ麩、新発田麩など。
・蒸し焼き…蒸して焼くので、しっとりとした出来になる。すいもの麩、ちくわ麩、白玉麩など。
他にも形で分類する方法もあり、まんじゅう麩・つぶし麩・押し麩・揚げ麩など地方によって様々です。
栄養成分
麩は、高タンパクなのに低カロリーな食材。
植物性のタンパク質が豊富に含まれていて、お肉の代わりになる栄養素があります。
タンパク質の他にもナトリウムやカリウム、カルシウム、鉄、亜鉛といったミネラルが凝縮されています。
アミノ酸の一種であるプロリンも多く、プロリンはコラーゲンの合成を促進し活性化させます。
一度破壊されてしまったコラーゲンを、修復する働きがあるので女性には強い味方!
また保水性が高いので、少ない量でも満腹感を得ることができます。
値段と用途
楽天市場で「生麩」と検索すると一番安いもので120gで140円で売っています。
生麩は水分を含んでいるので、このような重さになります。
生麩はそれだけで売っているよりも、おまんじゅうなどに加工されたものが多く目立ちました。
また、「焼き麩」と検索すると、一番安いもので43g410円のものが出てきました。
43gと聞く少なく感じますが、1つ1つがとても軽いのでグラムよりもたくさん入っています。
用途
生麩は薄味の煮物、田楽に向いています。また、そのもちもち食感を生かしてデザートにもすることができます。
焼き麩の場合は、水につけて柔らかく戻してから使います。
お味噌汁に入れたり、そのまま加えることもできます。他にも煮物や鍋、和え物などにも。
選び方と保存方法
生麩は、表面がしっとりとして弾力のあるものを選びましょう。
粘りや臭みが出たものは、避けます。ラップをして冷蔵庫で2~3日しか保存できません。
ただし、冷凍すれば長期間保存しておくことが可能です。
焼き麩の場合は、形が残っているものを選びましょう。
賞味期限が長く、常温で保存できます。
商品によりますが、開封してからも2年は賞味期限がもちます。
焼き麩は湿気に弱いので、高温多湿を避けて風通しの良い、虫が来ないようなところに密閉して保存しましょう。
また冷凍保存が可能で、ラップに包んでからアルミホイルで包んでから冷凍すると、さらに1年ほど日持ちします。
赤ちゃんはいつから麩を食べていいの?
赤ちゃんは麩を離乳食中期のモグモグ期(7~8ヶ月)から食べることができます。
麩の原料は小麦のタンパク質、グルテン。
小麦アレルギーの心配があるので、それまでは控えましょう。
そのままの形で味噌汁に入れたり、すりつぶしてとろみとして使用することもできます。
生麩をあげる時は、食べやすい大きさに切ってあげましょう。
麩を与える時の注意点3つ!
栄養豊富な麩。赤ちゃんに与えるときには、次の3つの事に注意して下さい。
1つめは、与える前!
麩を与える前に、必ず身内の中に小麦アレルギーの人がいないか確認してください。
食物アレルギーは遺伝することがあります。
もし身内に小麦アレルギーの人がいたら、必ず医師に相談してから与えるようにしましょう。
2つめは、初めて与える時!
麩は小麦アレルギーを発症する可能性があります。
初めて与える時は必ず、「平日の午前中、病院に行ける時」に、「加熱したものを少量だけ」にしましょう。
麸に限らず、離乳食の基本ですね♪
アレルギーを発症した時に軽症で済ませられますし、万が一重症化してもすぐに病院に行くことができます。
3つめは、誤嚥に注意!
生麩を与える場合は、誤嚥に注意しましょう。
生麩にはもち米が含まれているので、もちもちしています。
咀嚼力が未熟な赤ちゃんが間違えて食道ではなく気管に入ってしまわないよう、食べているときは注意してあげましょう。
1回の麩の量は?
月齢別に麩の与える量の推奨量は特にありません。
生麩の場合は10g程度、焼き麩の場合は大きさにもよりますが車麩2~3個程度。
とても小さいものなら10個以下。
栄養豊富でも、麩ばかり食べ過ぎないようにしましょう。
麩の食物アレルギー
麩は小麦粉が原料なので、食物アレルギーが出る可能性があります。
アレルギー症状が出てしまった時の対応、治療法を簡単にまとめてみました。
症状
症状の現れは、食べた後1~2時間後。遅くても4時間以内。
一番多いのは皮膚症状。食物アレルギーの原因である食品を触った手や口周りが赤くなったり、背中がかぶれたり、湿疹が出たりします。
他にも白目が赤くなったり、まぶたが腫れる、涙が止まらなくなる、目が痒くなるなどの目の症状。
大量の鼻水、止まらないくしゃみや咳、鼻がつまり続けるなどの喉や鼻に関する症状。
息苦しい、ゼーゼー呼吸する、過呼吸、犬の鳴き声のような咳や声、かすれた咳などの呼吸症状。
下痢や腹痛、嘔吐などの消化器症状。他にも頭痛や不快感など。
赤ちゃんは言葉で症状を訴えることはできません。
急に機嫌が悪くなりミルクも飲まない、いつまでも泣き続けて落ち着かないなどといった場合は、アレルギーが発症している可能性があります。
多くの場合は1つの症状が起こりますが、複数の症状が次々と起こることもあります。
重症な場合はアナフィラキシーショックを引き起こし、意識が朦朧としたり、呼びかけても応答がない、気絶してしまうなど命が危険な状態に陥ります。
食物アレルギーは調理状態や食べた本人の体調によって症状が変化します。
食品が生のままだったり、食べた本人が疲れていたり、風邪をひいている時などは症状が悪化する恐れがあるので特に注意しましょう。
赤ちゃんに初めての食品を与える時は元気で機嫌のいい時に、加熱したものを少量だけ与えます。
対応
アナフィラキシーショックを起こした場合は、すぐに救急車を呼びましょう。アレルギー症状は手遅れになると、死に至る恐れもあります。
軽いかぶれや湿疹の場合は食物アレルギーでない場合もあります。
問題がない場合はしばらく様子を見て、必要なら病院に行きましょう。
治療法
食物アレルギーの治療法は症状によっても異なります。
少しずつ食べてみる負荷試験、食べることを避ける除去食、食べることをやめる延期などがあります。必要な場合は薬の投与も。
病院で検査と問診を受け、医師の判断のもと食物アレルギーを判断します。
家庭での食物アレルギーの判断やむやみな除去食は絶対に行ってはいけません。
専門医でもアレルギー食品の判断は難しいもの。本当のアレルギー食品が違うものだった場合、大事故になりかねません。
また除去食は牛肉がダメな人は牛乳もダメや、鶏卵がダメな人は鶏肉もダメなどといった勘違いもあります。
素人だけでは訳が分からなくなってしまうので、必ず専門医と二人三脚していきましょう。
なんでも除去してしまうと、赤ちゃんが栄養バランスを崩したり味覚の幅が狭まってしまいます。
食物アレルギーは乳幼児期に一番多いもの。
しかし、発症しても小学生になる前に治る人も多くいます。
なのでアレルギー症状が出ても焦らず、専門家の指示のもとしっかり治療をして食べれるようにしていきましょう。
万が一誤嚥してしまったら!
赤ちゃんの誤嚥といったらピーナッツや豆、干し芋などですが、もちもちとした食感の生麩や、丸い焼き麩のてまり麩も誤嚥の危険性があります。
誤嚥とは?
誤嚥とは食べ物が誤って気管に入ってしまうこと。
本来食べたものは食道に入りますが、食べてる時に驚かされたり、咀嚼力が十分でないと、誤って食道ではなく気道に入ってしまいます。
誤嚥は大変恐ろしく、肺炎や窒息死を引き起こす可能性があります。
誤嚥とよく間違われる「誤飲」ですが、これは食べ物でないものを赤ちゃんが誤って食べてしまうことです。
ボタン電池やタバコ、防虫剤などが事故のもとになります。
予防策!
誤嚥を予防するために気をつけることは、次の4つです。
1つめは、食べ物は赤ちゃんが食べやすいように。
赤ちゃんはまだ租借力が未発達です。月齢に合わせた食べ物の柔らかさやサイズにし、赤ちゃんが食べやすいようにしてあげましょう。「おえっ」となったら、まだ固いか大きいかとろみ付けが必要です。
ただし、いつまでも柔らかいペースト状で与えていると咀嚼力の発達を促せません。少しずつ形のあるものや、硬さがあるものにして赤ちゃんが自分で噛む練習ができるようになるにしてあげましょう。
麩の場合、食べやすい大きさにしてあげたり、水分を含ませてあげるなどの工夫が必要です。乾燥した麩をそのまま与えると口の中がぱさぱさしてしまうので、控えましょう。
2つめは、集中させること。
赤ちゃんにテレビを見せながら、ダラダラと食べさせていたり、周りで驚かせてしまうと誤って誤嚥してしまう可能性があります。
食べる時はテレビ等を消して、食べることに集中させましょう。
9ヶ月頃から遊び食べが始まりますが、それは食べ物を手でつかんで学んでいる証拠。
お母さんが許せる範囲で、見守ってあげましょう。
3つめは、せかせか・だらだらと食べさせないように。
赤ちゃんの口の中にまだ食べ物が入っているのに、次々と食べ物を運ばないようにしてあげましょう。
大人からすると食べるのが遅くて、次々に口に運びたくなってしまいますが、口の中がいっぱいだと飲み込むことが難しくなります。
また、1時間も2時間もかけてしまうとお母さんも大変です。
ダラダラ食べに繋がってしまうので、食事は30分位で切り上げましょう。
4つめは、しっかり水分を取りながら食べること。
水分を全く取らないで食べるのは大人でも難しいこと。
食パンなど口の中の水分を吸い取ってしまう食品には特に注意してあげましょう。
対応
赤ちゃんが誤嚥してしまったらすぐに救急車を呼ぶか、病院に連れて行ってもらいましょう。
そして救急車を待っている間や病院に向かう途中で、赤ちゃんをうつ伏せにして背中を叩いてとにかく異物を吐き出せます。
そのときに行う「背部こう打法」を、下記に記載しました。
消費者庁のホームページには、図で詳しい方法が載っています。
緊急対応は一度家族で確認して、緊急時にいつでもできるように、家の中の目のつく冷蔵庫などに「方法」を貼っておきましょう。
0歳児【背部こう打法】:片腕にうつ伏せに乗せ顔を支えて、頭を低くして、背中の真ん中を平手で何度も連続してたたきます。なお、腹部臓器を傷つけないよう力を加減します。
1歳児【背部こう打法変法】:立て膝で太ももがうつ伏せにした子のみぞおちを圧迫するようにして、頭を低くして、背中の真ん中を平手で何度も連続してたたきます。なお、腹部臓器を傷つけないよう力を加減します。
満5歳以上【腹部突き上げ法(ハイムリック法)】:後ろから両腕を回し、みぞおちの下で片方の手を握り拳にして、腹部を上方へ圧迫します。この方法が行えない場合は、横向きに寝かせて、又は、座って前かがみにして背部こう打変法を試みます。
引用_消費者庁「豆や干し芋は、3歳頃までは食べさせないようにしましょう!」
簡単!おすすめレシピを紹介
中期モグモグ期(7〜8ヶ月)向け!
野菜と麩の煮物
材料:焼き麩…2個
だし汁…70cc
にんじん…20g
かぼちゃ…20g
作り方:1.にんじんとかぼちゃは食べやすい大きさに切る。
2.焼き麩を水につけてもどし、水けをきる。
3.野菜と麩をだし汁に入れて弱火で煮て野菜を柔らかくする
4.麩をスプーンで食べやすい大きさにする。
お麩の魚とろとろ
材料:白身魚…10g
焼き麩…5g
だし汁…1/2カップ
作り方:1.白身魚を茹でて、皮と骨を取りのぞき、粗くほぐす。焼き麩は乾燥したままをほぐす。
2.小鍋に白身魚、焼き麩、だし汁を入れ、ひと煮立ちさせる。
後期カミカミ期(9〜11ヶ月)向け!
焼き麩のフレンチトースト
材料:焼き麩…6個
牛乳…小さじ4
砂糖…小さじ1/2
溶き卵…小さじ1
バター…少々
作り方:1.牛乳、砂糖、溶き卵をよく混ぜ合わせる。
2.1の液体の中に麩を入れて染み込ませる
3.フライパンにバターを温めて弱火で両面をよく焼く
麩の卵とじ
焼き麩…3個
チンゲン菜…30g
軟飯…70g
溶き卵…1/2個
だし汁…大さじ5
水溶き片栗粉…小さじ1
塩…少々
作り方:1.麩は水につけて余計な水分をしぼり食べやすい大きさに切る。チンゲン菜はみじん切りにする。
2.鍋にだし汁、焼き麩、チンゲン菜を入れて火にかけ煮立ったら中火で2分ほど柔らかくなるまで煮る。火を止めて水溶き片栗粉を加え混ぜる。
3.溶き卵を入れてしっかり火が通るまで煮て、塩を少し加えご飯の上に乗せる。
完了期カミカミ期(1歳〜1歳6ヶ月)向け!
焼き麩のラスク
材料:焼き麩…8個
バター…小さじ1
砂糖…小さじ1/2
作り方:1.耐熱容器にバターを入れて電子レンジ500Wで20秒加熱する。
2.1に砂糖を加え焼き麩を液につけて染み込ませます。
3.アルミ箔を敷いてオーブントースターで3分焼く。
焼き麩入りグラタン
材料:焼き麩…3個
バター…小さじ1/2
小麦粉…小さじ1/2牛乳…大さじ2
プロセスチーズ…少々
作り方:1.焼き麩は水に浸して軽く水気を絞り、食べやすい大きさに切る。
2.耐熱容器にバターと小麦粉を入れてラップをして電子レンジ500Wで30秒加熱しよく混ぜる。
3.牛乳を混ぜてさらに50秒加熱をする。
4.耐熱容器に焼き麩と3で作ったホワイトソースを入れ、チーズをふりかけオーブントースターできつね色になるまで焼く。
まとめ
赤ちゃんと麩についていかがでしたでしょうか。
赤ちゃんは麩を、離乳食中期のモグモグ期(7~8ヶ月)から食べることができます。
ただし、原料である小麦はアレルギーの危険性があるので、様子を見ながら与えましょう。
また生麩やミニトマトサイズのてまり麩などは誤嚥の危険性もあるので、食べやすい大きさに切るなどの工夫も必要です。
麩は高たんぱく低カロリーな優れもの。
とろみ付けなど様々な使い方で離乳食のレパートリーを広げていきましょう。