妊娠中はさまざまな体の変化が起こり、戸惑うこともありますよね。
デリケートな体の悩みはなかなか身近な人に相談しにくいこともあると思います。
そんな妊娠期にみられる変化の一つで、正常乳房以外に乳頭や膨らみがみられるのが副乳です。
実際この変化に気づいても、なかなか人に相談できず一人で不安を抱えて悩んでいる人もいるかもしれません。
そこで今回は副乳について。
記事のポイントは3つです。
- 副乳って何?
- 副乳とわかったときの対策
- わきの下のしこりの原因は?
それでは解説していきます。参考にしてみてください。
目次
副乳って何?
副乳とは、もともと哺乳類が複数持っている乳房が、人間の進化の過程おいて、退化が不完全で部分的に残った乳腺組織のことです。
このうち、乳頭だけが残ったものを副乳頭(多乳頭症)、乳腺組織とともに残ったものを副乳腺(多乳房症)といいます。
腋窩から恥骨上縁にわたる表皮が肥厚したところを乳腺提といい、その部位のどこでも発生する可能性があります。
遺伝的な関係もあるとされており、女性の5%、男性でも2%の人にみられます。
その発生は、左右ともにある場合や一側のみの場合もあり、場所も腋窩や乳頭下などさまざまです。
副乳は生まれつきのものですが、ほくろやしみと間違われて気づかれないこともあります。
副乳は、正常乳房と同じようにホルモンの影響を受けるため、生理前や妊娠、授乳期になって膨らみで気づかれることもあります。
妊娠や授乳で膨らみが増した場合は、授乳が落ち着いてくるとまた目立たなくなってくることが多いです。
さらに、副乳に乳口がある場合、少量ですが授乳期には乳汁の分泌がみられることもあります。
副乳と分かったら
副乳は、通常病気が発症しなければ正常の乳房と同じように何もする必要はありません。
女性ホルモンの影響を受けるので、生理や妊娠の影響により腫れや痛みが生じることはありますが、ほとんどが一時的です。
腫れや痛みが出た場合の対処法としては、保冷剤などを清潔なガーゼで包み皮膚を刺激しないように冷やすと良いでしょう。
痛みが強い場合は、鎮痛剤やホルモン剤などを処方されることもあります。
しかし、妊娠中では、胎児への影響を考慮して治療はせずに経過観察となることもあります。
病気がなくても見た目などが気になる場合、手術が可能です。
乳頭だけが残った副乳頭(多乳頭症)の場合は、レーザーにて局所麻酔でほくろやシミのように取り除くことができます。
乳腺組織ももつ副乳腺(多乳房症)の場合は、副乳部を切開して乳首部の切除と乳腺の除去を行います。
この場合、再発の可能性があるともされています。
ただし、これらは病気ではない状態なので自由診療となり、全額実費負担で数万~数十万円ほどと高額になってしまいます。
わきの下のしこりの原因は?
副乳というものを知っていても、突然わきの周囲に膨らみがでると不安になると思います。
わきの下に膨らみがあった場合、副乳以外に考えられるのがこちらです。
- 汗腺、皮脂腺の炎症
- リンパ腺の炎症
- 悪性腫瘍の転移
良性で治療の必要がないこともありますが、早期に適切な治療が必要となることもあります。
また、ごくまれですが副乳にも正常乳房と同じように乳がんができることがあります。
これは乳がん全体の0.4%とされています。
治療法は正常乳房と同じで、手術や化学療法、ホルモン療法などが主となります。
正常乳腺とは繋がっていないことがほとんどなので、温存療法を選択できる可能性が高いとされています。
いずれにしても、素人が自己判断するのはとても危険です。
しこりや腫れに気づいた時、気になった時は早めに乳腺の専門医を受診するようにしましょう。
まとめ
副乳とは、もともと哺乳類が複数持っている乳房が、人間の進化の過程おいて退化が不完全で部分的に残った乳腺組織のことです。
副乳はほくろやシミと間違われて気づかれないこともあり、正常乳腺と同じようにホルモンの影響を受けるため、生理前や妊娠、授乳期になって膨らみで気づかれることもあります。
副乳は、通常病気が発症しなければ正常乳房と同じように何もする必要はありません。
女性ホルモンの影響を受けるので、生理や妊娠の影響により腫れや痛みが生じることはありますが、ほとんどが一時的です。
授乳が落ち着くと膨らみが目立たなくなることも多いです。
痛みが強く続くなど、必要であれば薬が処方されることもありますが、妊娠中は経過観察となる傾向にあります。
病気でなくても気になる場合、レーザー等の切除手術を受けることはできますが、自由診療となり高額な費用負担が必要となります。
副乳以外にわきの下のしこりの原因となるのが、汗腺や皮脂腺の炎症、リンパ腺の炎症、悪性腫瘍の転移があります。
ごくまれですが副乳にも正常乳房と同じように乳がんができることがあり、正常乳房と同じような方法で治療が必要になります。
適切な治療が必要となることもあるので、自己判断せずに専門医を受診するようにしましょう。