初産のお母さんだけでなく、何人目かの出産をしたお母さんでも、新生児のお世話は何かと慎重になりますよね。
その中でも出産後すぐから始まり、数時間おきに何度も繰り返される授乳。
お腹から出てきた赤ちゃんにとって唯一の栄養源なので、しっかり与えてあげたいと意気込むお母さんも多いと思います。
授乳とセットで、赤ちゃんに母乳やミルクをしっかり飲んでもらうために大切なげっぷ。
教えてもらった通りにしていても、なかなか出してもらえないこともありますよね。
赤ちゃんのげっぷが出ないと、焦ったり不安になったりするお母さんもいると思います。
そこで今回は赤ちゃんのげっぷについて。
記事のポイントは5つです。
・赤ちゃんにげっぷが必要な理由
・赤ちゃんのげっぷはいつまで必要?
・赤ちゃんにげっぷをさせる方法
・赤ちゃんにげっぷをさせる時の注意点
・どうしてもげっぷが出ないとき
それでは解説していきます。
参考にしてみてください。
目次
赤ちゃんにげっぷが必要な理由
赤ちゃんにげっぷをさせるのは、授乳中に飲み込んでしまった空気を胃から吐き出させるためです。
哺乳瓶で授乳する場合、ミルクや母乳と一緒に瓶内の空気まで飲み込んでしまうことが多くあります。
母乳の場合でも、扁平乳頭や陥没乳頭のような形状では、乳首と口の間に隙間ができやすく空気が入り込むことがあります。
また、赤ちゃんが空気を飲み込むのは授乳時だけではありません。
空腹を訴えるために赤ちゃんは泣いて知らせてくれますよね。
その、大きな口を開けて泣いているときにも空気を飲み込んでいるのです。
空気が入ることで余分に胃が張ってしまい、赤ちゃんの小さな胃はパンパンになってしまいます。
大人も食べ過ぎなどでお腹が張るととても苦しいですよね。
このような状態だと、単に胃が張っている苦しさに加えて、一度胃に入って胃酸と混ざり合った母乳やミルクが逆流しやすくなり、胸やけのような状態になってしまいます。
授乳後に赤ちゃんが「うー」とうなるような声を上げているときは、この胸やけが不快になっている可能性があります。
しかし、赤ちゃんはまだ自分でうまく空気を吐き出すことができません。
できる限りこのような不快な症状は取り除いてあげたいですね。
赤ちゃんのげっぷはいつまで必要?
明確な決まりがあるわけではありませんが、げっぷをさせる目安は生後3~4ヶ月頃までです。
体の成長発達とともに、空気を飲み込まずに哺乳するようになり、補助がなくても自分でげっぷやおならとして空気を出せるようになってきます。
これは赤ちゃんそれぞれの体質もあり、月齢で区切るのは難しいところです。
月齢よりもお腹が張っていないか、うなって苦しそうにしていないかなどの様子をみてげっぷを促してあげるようにしましょう。
赤ちゃんは母乳やミルクを飲みながらそのまま眠ってしまうこともありますよね。
そのような場合は、新生児であっても無理に起こしてまでげっぷをさせる必要はありません。
重要なことは、赤ちゃんが苦しそうにしているかどうかということです。
赤ちゃんにげっぷをさせる方法
まだ首のすわらない新生児を色々な方向に抱きかかえるのは、慣れるまではなかなか難しいことですよね。
しかし、ポイントを抑えれば意外と簡単です。
パパや家族にも一緒に覚えてもらっておくと安心ですね。
まずは、一般的な2つの方法がこちらです。
・縦抱きにして、背中を優しくトントンと叩く
赤ちゃんの顎が肩に乗るように縦に抱き、背中を優しく叩きます。
慣れない抱き方かもしれませんが、首元さえしっかり支えてあげれば大丈夫です。
・膝に赤ちゃんを座らせて背中を下から上さする
赤ちゃんの胸に手を回して脇を抱え込むようにし、膝の上に座らせます。
そこで背中を下から上の方向に優しくさすります。
それでも出ない場合…
・一時的にうつ伏せ寝にさせる
赤ちゃんの胸に手を回して脇を抱え込むようにし、口や鼻がふさがらないように注意しながら、膝の上やベッドの上でうつ伏せに寝かせてみましょう
赤ちゃん自身の体重でお腹を圧迫することと、背中側にある噴門(ふんもん)という胃の入り口が上になるためげっぷが出やすくなります。
赤ちゃんの体格などによって安定しやすい姿勢も違うので、赤ちゃんに合った方法を探してみてくださいね。
赤ちゃんにげっぷをさせる時の3つの注意点
赤ちゃんのために何とかげっぷを出してあげようと、ついついげっぷを出すことだけに集中しすぎてしまうことがあります。
そこで、げっぷをさせるときに気をつけておきたい注意点を紹介します。
強く叩かない
たくさん母乳やミルクを飲んだからといって、必ずげっぷが出るとは限りません。
何としても出そうと、強く叩くのは絶対にやめてください。
下から上にさすったり、叩く角度を変えるなどで工夫をするとよいでしょう。
口や鼻をふさがない
げっぷをさせる時の姿勢は、赤ちゃんの顔が見にくくなります。
げっぷや支えることに気を取られすぎて、口や鼻をふさいでしまうこともあります。
背中を刺激する前に、赤ちゃんが安全で楽な姿勢になっているか確認するようにしましょう。
ガーゼやタオルを敷いておく
赤ちゃんは授乳した直後やげっぷの時に、母乳やミルクを垂らすように吐くことがありますよね。
このように赤ちゃんが母乳やミルクを吐くことを溢乳(いつにゅう)といいます。
これは、大人のように胃腸の調子が悪いということではなく、文字通りあふれ出ているような状態であることがほとんどなのです。
その原因として、赤ちゃんの胃の形状が関係しています。
赤ちゃんの胃は、大人のように横長ではなく、縦長の形をしているのです。
また、各神経や筋肉の発達が未熟なため、大人にはある胃の逆流防止機能ができあがっていません。
そのため、お腹に少し力が入ったり、外から圧迫されるだけで簡単に押し出されてしまうのです。
すぐにふき取れるよう、ガーゼやタオルを赤ちゃんの口元に敷いておくとよいでしょう。
どうしてもげっぷが出ないとき
赤ちゃんの体質などにより、どの方法を試してもげっぷが出にくいこともあります。
それでも、お腹の張りや苦しそうな様子がなければそのままでも大丈夫です。
しかし、出なくて苦しそうな様子があれば、出やすい体勢にして様子を見てみましょう。
自然と胃の空気が上に上がってくるように、ハイローチェアやバウンサー、クッションなどで上半身を高くすることも良いでしょう。
また、胃に入ったものを腸へ送りやすいよう、縦長に折りたたんだバスタオルを背中に入れて、体の右側が下になるように少し角度をつけてあげるという方法もあります。
ハイローチェアやバウンサーは、新生児には不向きなものやずり落ちる可能性もあるので、製品に合わせて目を離さず使用するようにしましょう。
クッションの場合でも、赤ちゃんの首が不自然に曲がらないように注意しましょう。
この状態とは反対に、毎回噴水のような勢いで吐くという場合には幽門狭窄症(ゆうもんきょうさくしょう)という病気に注意が必要です。
胃の出口である幽門(ゆうもん)が狭くなる病気の可能性もあります。
吐物に血や黄緑色の胆汁が混ざっていたり、体重増加や顔色に異常があれば小児科へ受診するようにしましょう。
まとめ
赤ちゃんは、哺乳時に飲み込んでしまった空気を自分ではうまく吐き出せないので、生後4ヶ月頃まではげっぷのお手伝いが必要です。
首が座らない時期の赤ちゃんのお世話はおそるおそるになりがちですが、げっぷをさせるコツと注意点さえマスターすれば、パパも授乳育児に参加できるチャンスです!
それでも、赤ちゃんによってはうまくげっぷが出にくいこともあります。
心配になることもあるかもしれませんが、赤ちゃんが苦しそうにしていなければ姿勢を工夫しながらそのまま様子を見ていても大丈夫です。
げっぷ一つをとっても赤ちゃんには個性があります。
育児書通りに行くことばかりではないので、あまり神経質にならずにげっぷのタイミングを見守ってあげるようにしてみましょう。