離乳食が始まる生後5~6か月頃は、お母さんからもらっていた免疫がなくなってくる頃だと言われていますよね。
この時期には外出が増えたり食事が始まったりと、外部の何らかの菌と接触する機会も増えてきます。
そんな時に起こりやすいのが赤ちゃんの下痢です。
下痢になると、ご飯を食べさせて良いのか、病院へ行ったほうが良いのかなど悩むお母さんも多いと思います。
そこで今回は、赤ちゃんが下痢をした時の食事について。
記事のポイントは4つです。
・赤ちゃんの下痢とは?
・赤ちゃんが下痢になる原因
・赤ちゃんが下痢をした時、食事はどうしたらいい?
・赤ちゃんが下痢をした時のおすすめメニュー
それでは解説していきます。参考にしてみてください。
目次
赤ちゃんの下痢ってどんなの?
大人と違い、母乳やミルクを飲んでいる時期の赤ちゃんの便は、もともと柔らかい状態のことが多いですよね。
いったいどんな便が出たら注意が必要なのでしょうか。
そこで、下痢かな?と感じた時の確認ポイントを紹介します。
・いつもと比べて明らかに柔らかい
・いつもより回数が多い
・突然水のような便になった
これらが下痢の状態です。
しかし、各器官が未熟な赤ちゃんは下痢になることも少なくありません。
家庭でのケアで様子が見られる場合もあるので、受診が必要な場合との違いを知っておくと安心です。
しばらく様子をみる
・食欲があり、発熱がなく不機嫌でない
・離乳食で初めての食材を使用した
(初めての食材を食べて、激しい嘔吐や血便があった場合は受診しましょう)
早めに受診する
・不機嫌な状態が続く
・飲む量、食べる量が極端に減った
・全体が白色の便、または粘液が混じった血便が出た
・特定の食べ物で毎回下痢になる
育児で慌ただしい中、頻回なオムツ交換毎にしっかり便をチェックするのは簡単なことではありませんが、便は体調のバロメーターです。
異変があった場合にすぐに対応できるよう、日頃の排便状態をしっかり観察しておくといいですね。
便に異常を感じて受診をするときは、少し抵抗があるかもしれませんが、その時の便をオムツに包んだまま密閉して持っていくのも良いでしょう。
その便の状態から何か分かることもあります。
赤ちゃんが下痢になる2つの原因
赤ちゃんが下痢を起こした場合、受診を考慮するためにもある程度原因を見極めることが重要になります。
赤ちゃんが下痢を起こす時の主な原因がこちらです。
感染症
食中毒や風邪などの原因となる細菌やウイルスなどが体内に入り込み、腸に炎症を起こして下痢が起こります。
急な下痢が起こった場合、約80%がウイルスによるものなのです。
これらの場合、発熱や嘔吐を伴い赤ちゃんがぐったりすることがあるので、なるべく早めの受診が必要です。
離乳食
離乳食において、初めて食べた食材が消化しきれなかったり、アレルギー反応を起こすことで下痢を起こすこともあります。
粘液や血便などの強い炎症症状や、特定の食品に続けて反応していれば食物アレルギーの可能性が高いので注意しておく必要があります。
赤ちゃんが下痢をした時、食事はどうしたらいい?
赤ちゃんが食べられるようであれば、食事は続けたほうが良いです。
母乳やミルクも止める必要はありません。
また、ミルクを薄めに作ったり、特別な治療用のものに変える必要もないのです。
これまでは医療者の中でも、下痢の時に食事を摂ると悪化してしまうのではという意見がありました。
しかし、大規模な臨床研究の結果、食事を摂っても下痢の悪化がないだけでなく、回復にも有効ということが分かっているのです。
絶食の期間が長引くほうが、栄養が補えず回復が遅れてしまいます。
吐き気や倦怠感を伴い食事が摂れそうになければ、経口補水液だけでも摂るようにしましょう。
市販のスポーツ飲料は、糖分が十分すぎるくらい含まれているのに、脱水時に補いたい塩分があまり含まれていません。
経口補水液のOS-1やアクアライトORSは薬局などで購入することができます。
これらは乳幼児用のものがあったり、乳幼児でも飲めるものとなっています。
下痢に気づいたら、3~4時間以内に経口補水液を飲ませるようにしましょう。
吐き気が強い場合でも、脱水予防のためにスプーンに1口からでもいいので摂取したほうが良いです。
下痢が続き脱水状態が悪化してくると、痛みを伴う点滴治療が必要になってしまいます。
できる限り未然に防ぎたいですよね。
尿量減少、唇など粘膜の乾燥、目のおちくぼみなどが脱水のサインです。
こうなる前に病院を受診して、適切な治療を早めに開始しましょう。
赤ちゃんが下痢をした時のおすすめメニュー
下痢をしていても、赤ちゃんが食べられるようであればいつも通りの食事を食べさせて大丈夫です。
特別なメニューは必要ありませんが、同じような食事であっても、消化の良い食材を選ぶとより安心で栄養も効果的に摂取できます。
消化の良いもの
白パン・粥・うどん、脂肪の少ない肉や魚(とり肉、たい等)、豆腐、軟らかく煮た大根、すりおろしたりんごなど
消化の悪いもの
ラーメン、脂肪の多い肉や魚(豚肉、マグロ等)、ごぼう、レンコン、海藻、みかんなど
食欲がなさそうだと、口当たりの良いものをあげたくなりますが、アイスのような冷たすぎるものはやめましょう。
まとめ
色々な機能が未熟な赤ちゃんは下痢を起こしやすいので、いつもと違う便がみられたら、まずは脱水予防に注意しましょう。
赤ちゃんの常日頃の便の状態をしっかり把握し、受診が必要な明らかな異常を事前に知っておくと、症状が出た時も落ち着いて対処することができます。
赤ちゃんは未熟ながらもたくましく成長してくれているので、活気や食欲があればそれほど慌てる必要はありません。
大事なのは、経口補水液でのこまめな水分補給です。
ただし、あまり長引くようであれば受診するようにしましょう。