「八」という漢字について
字画数:2画
音読み:はち
訓読み:やっ-つ、や-つ、よう
目次
「八」の意味や由来や成り立ちと特徴
「八」は2本の縦線がお互いに背くような曲がった形をかたどったもの。
2本の縦線の間にはすき間があり、2つに分かれていることを表しています。
このことから「八」は「分」の元になった漢字だと考えられています。
漢字の意味としては、大変わかりやすい“数の8”です。
もともと“ふたつに分かれているようす”を絵にした漢字です。
8割る2は4、4割る2は2、2割る2は1、というふうに、二つに分けやすい数であるため“8”を表すと言われています。
また、「八重桜」「八千代」のように、数の多さを表すことも。
訓読みでは「やっつ」と読むのが基本ですが、「八つ当たり」のように「やつ」と読んだり、「八百屋」「八木」などのように「や」と読むこともあります。
また、「八日」では、読み方が変化し「よう」となります。
名付けで使われるときは「かず」「は」「わ」「わかつ」という読み方もされます。
「八」は末広がりの形をしているため、昔から縁起の良いおめでたい数字として、人々に親しまれてきました。
人生で成功を収める秘訣は、才能と努力と少しの運だと言います。
「八」の持つ幸運のパワーは、名前の持ち主の人生を確実に後押ししてくれるでしょう。
先頭字に「や」がつく名前は、春の光のようにあたたかく、すべてを包み込むような優しさを秘めたオーラを持っています。
母性を感じさせる名前が多いのはこのためです。
控えめでありながら、存在感があり、周囲の人が思わず頼りたくなるような女性になるでしょう。
止め字に「や」を使うと、あ行の持つ音の特徴である、優しい解放感にあふれた印象になります。
“あや”“まや”など、どことなく少女の面影を残したあどけなさを感じさせます。
素直で、純粋無垢なこころを持つ女の子に成長して欲しい、という願いを持たれるご両親に、おすすめしたい止め字です。
その他の読み方についても、見ていきましょう。
「かず」は、きりりとした聡明な女性にぴったりの響きです。
「は」は、気風の良い姉御肌の女性に。
「わ」は、どんどん膨らんでいくイメージです。
才能豊かな芸術家になったり、人とはちょっと違った個性的な面白い人生を歩むことになりそうです。
また、「や」「は」「わ」は、万葉仮名風の使い方もできます。
「八」は日本的な和の美点を引き出す漢字でもあるのです。
「八」を使った熟語
八景(はっけい)
意味:ひとつの国、ひとつの地方のなかでも、特に優れた景色を8か所挙げたもの。
日本では「金沢八景」「南都八景」などが有名です。
八角堂(はっかくどう)
意味:八角形に造られている仏堂のこと。
阿弥陀仏や観音菩薩を安置するために、その多くは建てられています。
八十八夜(はちじゅうはちや)
意味:立春から数えて88日目の5月2日頃のことを言います。
農業に従事する人々にとっては、種まき・茶摘み・養蚕など、この頃から本格的に忙しい時期を迎えます。
八分目(はちぶんめ)
意味:1.全体の8割程度を表します。
2.物事をほどほどで控えることを言います。
八面玲瓏(はちめんれいろう)
意味:1.なんのわだかまりもない、清らかなこころの持ち主のこと。
2.どこから見ても曇っている様子がなく、明るさに満ちている様子。
「八」の説明の仕方
例えば電話で自分の名前を名乗った際に、「どういう漢字を使われますか?」と尋ねられることがあります。
あらかじめ漢字の説明の仕方を考えておくと、いざという時に慌てずにすみます。
・A「はちは、八の字の八です」
・A「はちは、漢数字の八です」
「八」は分かりやすい漢字ですので、この2つでじゅうぶん相手には伝わるでしょう。
「八」を使った名前の有名人・芸能人
バチェラー 八重子さん(アイヌの歌人・キリスト教伝道者)
曙 真八さん(元宝塚歌劇団)
浅見 八瑠奈さん(柔道家)
鳳 八千代さん(女優)
貝谷 八百子さん(バレエダンサー・振付家)
清水 八重子さん(元バスケットボール選手)
木下 八百子さん(女優)
瀬戸内 美八さん(元宝塚歌劇団星組トップスター)
新島 八重さん(皇族以外の女性で政府より初受勲)
武村 八重子(ピアニスト・作曲家)
「八」を使った名付け候補
八恵(かずえ)
八華(はな)
美八(みよう)
八重(やえ)
八代(やしろ)
八都(わかつ)
紗八架(さやか)
八寿喜(はずき)
八智代(やちよ)
八香菜(わかな)
まとめ
色々な読み方ができ、字そのものに幸運のパワーが宿っている「八」という漢字ですが、意外にも女の子の名付けにはあまり使われていません。
人と同じはいや、個性的で運に恵まれるような名前がつけたい、などの希望をお持ちの方には、「八」は狙い目の漢字です。
ぜひ、他の漢字と上手に組み合わせて、お子さまに素敵なお名前を付けてあげてくださいね。