女性は元から月経などで貧血になりやすいものです。
それは妊娠しても同じことです。
妊娠すると月経はなくなりますが体の変化から貧血になりやすくなります。
妊娠中はお腹の赤ちゃんのためにも、自分自身の健康管理のためにも貧血にはなりたくないものです。
今回は妊娠初期の貧血についてお伝えします。
- 貧血6つの症状と妊娠初期に貧血になる3つの原因
- 妊娠中の貧血の基準
- 鉄剤の種類と6つの副作用
- 鉄分の種類と食事上の2つの注意点
妊娠初期から貧血になると妊娠経過が進むにつれて貧血がひどくなることがあります。
妊娠中はどうして貧血になるのか、貧血予防や貧血改善のためにどうすればいいのか知ることで貧血とは無縁のマタニティーライフを送りましょう。
目次
貧血6つの症状
貧血になるとどういった症状がおこるのでしょうか?
以下は貧血の症状です。
- たちくらみ
- めまい
- 動悸
- 息切れ
- 倦怠感
- 頭痛
軽度な貧血ではあまり症状がでません。
自覚症状が少なく、気付かないこともあります。
ですが貧血の程度が重くなるにつれて、症状も増えていきます。
とくに立ちくらみやめまいは転倒の危険性があります。
妊娠中に転倒するのはよくありません。
できるだけ早めに改善したいものですね。
妊娠初期に貧血になる2つの原因
妊娠初期に貧血になるのには2つの原因が考えられます。
- 妊娠すると体内の血液量が増えるから
- つわりによって必要な栄養が不足気味になるから
妊娠すると体内を循環する血液量が増えます。
体内を循環している血液体重の1/12Lですが、妊娠すると1.5倍へと増加します。
血液は血清と呼ばれる水分と、血球と呼ばれる赤血球や白血球などがあります。
妊娠すると血球よりも血清の増加の方が多いため、血が薄まってしまうのです。
妊娠初期はつわりが有ります。
つわりには、吐きつわりと、食べつわりがあります。
どTらにせよ、つわりの時期には自分の思うようには食事ができません。
つわりによる食事からの栄養補給が偏る、あるいは不足することが貧血の原因となるのです。
こういった理由から妊娠初期は貧血になりやすいのです。
妊娠中の貧血の基準
妊娠中には妊娠初期、中期、後期の3回にわけて貧血検査があります。
基本的には採血をして、血中のヘモグロビン濃度を調べます。
ヘモグロビン濃度が11g/dl未満だと貧血と診断されます。
ヘモグロビン濃度の数値によっては鉄剤を処方されたり、注射を打つことがあります。
鉄剤の種類と6つの副作用
貧血になると多くの妊婦さんが鉄剤を処方されます。
鉄剤にはいくつかの種類があります。
- フェロミア
- フェログラデュメエット
- スローフィー
- フェルム
- インクレミン
上記のような経口薬があります。
また経口薬以外にも注射があります。
- フェジン
- フェリコン
鉄剤は人によっては副作用がでることがあります。
- 吐気
- 嘔吐
- 便秘や下痢
- 胸やけ
- 胃痛
- 便が黒くなる
鉄剤を服用すると上記のような副作用がでることがあります。
鉄剤の種類を変えると副作用が無くなることがあるので、合わないと感じた時には医師と相談するのが良いでしょう。
場合によっては内服薬から注射に変更してもらうことも可能です。
また胃痛や便秘などは必要に応じて胃薬や便秘解消薬を一緒に処方してもらうことも可能です。
貧血の改善はすぐには効果が現われません。
鉄剤は毎日飲まなくてはいけませんからできるだけストレスなく続けられるようにしていきたいものですね。
食事からとる鉄分2種類
妊娠中の貧血は鉄剤だけでなく、食事から鉄分をとることも大切です。
鉄分には2種類あります。
- 非ヘム鉄
- ヘム鉄
非ヘム鉄は、野菜などに含まれている鉄分です。
消化吸収されにくい鉄分です。
ヘム鉄は動物性食品に含まれている鉄分です。
吸収されやすい鉄分です。
非ヘム鉄は、吸収率は悪いですが、動物性のタンパク質やビタミンCと一緒にたべることで吸収率を挙げることができます。
日本人の食生活では非ヘム鉄を摂取することが多いため、鉄分をとっているつもりでも不足していることが多いのです。
妊娠初期の食事の鉄分2つの注意点
妊娠中の貧血は食事の改善が必要なことが多々あります。
できるだけ鉄分を多く含む食べ物を食べることや、鉄分の吸収をよくする食事法を心がけましょう。
- 鉄分を多く含むレバーを食べる時には量に注意する
- ひじきを食べる量にも注意する
妊娠中、特に妊娠初期に食事から貧血を改善する時には上記の2つに注意する必要があります。
鉄分といえば、レバーに多く含まれます。
またレバーが持つ鉄分はヘム鉄のため、吸収率もいい鉄分のため、是非活用していきたい食べ物です。
ですが妊娠初期はレバーの食べる量に注意が必要です。
妊娠中、特に妊娠初期はビタミンAの摂取量に注意しなければいけません。
妊娠中にビタミンA を過剰摂取すると胎児に奇形を及ぼす可能性があるからです。
ビタミンAには動物性ビタミンAであるレチノールと植物性ビタミンAであるβカロテンがあります。
妊娠中に注意が必要なのは動物性ビタミンAであるレチノールになります。
このレチノールはレバーをはじめ、うなぎなどに豊富に含まれています。
妊娠初期は胎児の器官形成期として重要な時期です。
妊娠初期の貧血改善にとレバーを食べること自体は危険ではありませんが、食べる量に注意する必要があるのです。
またひじきも同様に注意が必要です。
ひじきも鉄分が豊富な食べ物のひとつです。
また食物繊維が豊富なため妊娠中に積極的に食べようと思う妊婦さんもいるかもしれませんね。
ですが、ひじきには「ヒ素」が多く含まれています。
このヒ素を過剰摂取すると胎児に奇形を及ぼすことや脳障害を引き起こす可能性があるとされています。
鉄分があるからといって、ひじきを大量に食べるなんてことはしないようにして下さい。
少量を週に数回程度にして、毎日食べることは避けましょう。
妊娠初期の貧血改善にオススメの食べ物6つ
妊娠中に食事から貧血の改善をする時にはどういった食べ物がいいのでしょうか?
- 牛モモ肉 赤身肉一枚で1.9g
- あさり 10個で1.1g
- カツオ100gで1.9g
- ほうれん草 70gで1.4g
- 小松菜 70gで2g
- 切干大根 20gで2g
などがあります。
ほうれん草などの鉄分は非ヘム鉄になるので、一緒にタンパク質やビタミンCを食べるようにこころがけましょう。
また豚レバーを始め、鶏・牛のレバーにも鉄分は多く含みます。
食べる量に注意して積極的に活用していきましょう。
妊娠初期の鉄分補給はサプリメントもオススメ
妊娠初期はつわりで思うように食事がとれない妊婦さんの方が多いかと思います。
そんな時にはママ向けサプリメントを活用するのもいいでしょう。
妊娠初期に貧血になった場合には鉄分のサプリメントを服用しましょう。
また妊娠初期には葉酸不足が胎児の神経管閉鎖を防ぐとして、積極的な摂取を推奨されています。
葉酸には血の成分である赤血球を作り出す働きもあります。
サプリメントの中には、「葉酸&鉄分」というようなサプリメントもあるので自分の食生活に合わせて不足分を補うと良いでしょう。
まとめ
妊娠初期の貧血はつわりで思うように栄養の補給が出来ないこと、血液量が増加することによって引き起こされます。
貧血は酷くなると、動悸や息切れ、めまいなどをおこすことがあります。
できるだけ早く改善していく必要があります。
妊娠中の貧血は鉄剤が処方されることが多いので、処方された時にはしっかり服用して貧血を改善していきましょう。
また食生活からもヘム鉄、非ヘム鉄を含む食べ物を積極的に食べるようにしていきましょう。
またサプリメントを活用するのもいいでしょう。