妊娠期間が長くなるにつれて、トイレへ行く回数が多くなった気がする…
外出の際もこまめにトイレを探さなくてはいけないですし、夜間は尿意で起きる事が多く、憂鬱ですよね。
なぜ妊婦さんになるとトイレが近くなってしまうのでしょうか?
人には相談しずらい、妊婦さんの頻尿や尿漏れの原因と対策をまとめてみました。
目次
・妊娠するとトイレが近くなるのはなぜ?
妊娠してからなんとなくトイレに行く回数が増えたと感じる方は非常に多いです。
個人差はありますが、通常時の排尿は一日5~6回が平均であり、日中に8回以上や夜間に1~2回以上の排尿があると頻尿に当てはまります。
特に夜間の排尿は安眠の妨げにもなりますし、ただでさえ寝不足の妊婦さんには辛い物がありますよね。
妊娠中の頻尿にはいくつかの理由がありますので、その原因を挙げていきます。
1…子宮が大きくなることによる膀胱への圧迫
妊娠期間中に赤ちゃんはぐんぐん育っていき、お腹もどんどん大きくなっていきます。
お腹は前にせり出るだけではなく、お母さんの内臓も圧迫します。
特にお腹が目立ってくる中期からは、胃もたれしやすくなったり、便秘になりやすくなったりという体調の変化がありますが、
これも赤ちゃんが大きくなってくる事で、母体の他の臓器が圧迫されることにより生じるマイナートラブルです。
膀胱も例外ではなく、子宮の前に位置していることもあり圧迫されやすい臓器のひとつです。
そうなると、本来溜める事が出来た量の尿が溜められなくなり、少ない量の尿でもすぐに尿意を催すことになってしまいます。
2…妊娠中は水分補給量が増えるため
妊婦さんの水分摂取量の目安は一日2リットルが目標です。
妊娠中は新陳代謝が活発になり、発汗量が多くなることや、赤ちゃんへの栄養を運ぶ血流を良くするため、充分な量の羊水を保つためにも、水分摂取は欠かせません。
水分の摂取が多くなれば、必然的に尿の量や回数も多くなりますよね。
3…女性ホルモンの関係
妊婦さんの頻尿には、妊娠中に活発になる女性ホルモンも影響しています。
元々女性にはプロゲステロンとエストロゲンという特有のホルモンが備わっており、このホルモンの働きにより妊娠が可能になります。
このうちのひとつである黄体ホルモンのプロゲステロンは、利尿を促す他、排尿筋を緩ませる作用があります。
妊娠するとこの二つのホルモンは出産まで緩やかに増えていく為、妊娠中はプロゲステロンによる作用が続くことになります。
このように、様々な要因が重なる為、妊娠中は頻尿になりやすい状態とも言えますね。
・頻尿による赤ちゃんへの影響や注意することはある?
妊娠中に頻尿になるのは病気などが原因ではなく、多くはホルモンの関係や赤ちゃんの成長に伴って起こるものですので、頻尿だからと言って赤ちゃんへの悪影響がある訳ではありませんので、心配しなくても大丈夫です。
むしろ、順調に赤ちゃんが育っている証とも言えるのではないでしょうか?
しかし、ただの頻尿や残尿感のみではない場合は注意が必要です。
具体的に言いますと、排尿時の違和感や痛み、血尿、発熱や腹痛などの症状が出ている場合は、膀胱炎を疑った方が良いでしょう。
妊婦さんは病気に関しての抵抗力が低下しやすい事もあり、尿道からの細菌感染で膀胱炎になるケースがあります。
また、排尿を我慢してしまう事も膀胱炎の原因となりますので注意が必要です。
妊娠中はデリケートゾーンを特に清潔に保つことや、面倒でもこまめに排尿をする事が膀胱炎の予防になります。
膀胱炎の症状が出た際は、自己判断で薬を服用せず、必ず医療機関での診察をしてもらいましょう。
また、外出する際はトイレが見当たらないために尿意を我慢する事の無いよう、行先でトイレの位置を把握しておくことも大事です。
・妊娠中はおしっこが漏れやすくなる?対策は?
妊婦さんはトイレが近くなるだけではなく、尿漏れしやすくなるという悩みも現れます。
お母さんが咳やくしゃみをした時や、赤ちゃんの大きな胎動による膀胱への刺激など、一時的にお腹に力が入ると尿漏れしてしまう事があります。
腹圧性失禁ともいいますが、妊婦さんにとっては珍しくないものですので、安心してください。
ですが、尿漏れによって下着が汚れてしまったり、洗濯物が多くなってしまうのも困りもの。
そんなお困りの妊婦さんに向けて、簡単に取り外しができる生理用ナプキンのような吸水パットや軽失禁パットなど、
妊娠中に使用しやすい尿漏れ対策グッズも多く発売しています。
こういった対策グッズを上手に活用して、頻尿の悩みを解決しましょう。
また、骨盤底筋を鍛える運動も尿漏れ防止に効果的です。
産後の尿漏れを予防する効果もありますので、妊娠中から継続的に行うと安心でしょう。
・妊娠中にできる頻尿対策はある?
残念ながら、妊娠中の頻尿は妊娠の経過による体の変化が原因であるため、劇的な改善方法はありません。
治療薬がある訳でもないので、出産まで工夫をして乗り切るしかないようです。
膀胱炎を防ぐためにも、日中はこまめに排尿するべきですが、就寝前にトイレに行っておく事や、夜間は大量に水分摂取をしないように気を付ける、利尿作用があるカフェインは摂取しない、など細かな心掛けで夜間の頻尿の回数は減らすことができるでしょう。
多くの妊婦さんは出産すれば頻尿から解放されますので、今だけのもの!と考えを切り替え、上手に乗り切りたいですね。