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「伊」という漢字について
字画数:6画
音読み:い
訓読み:こーれ、たーだ
名乗りの場合には、「いさ」「これ」「ただ」「よし」という読み方があります。
他の漢字と組み合わせて様々な名前に使うことができますよ。
神の意志を伝え人々を治める人を表す
「伊」は元々手で神杖を持った人をかたどり、神の意志を伝えて人々を治める人を表す漢字でした。
現在では、神に仕える人といえば、神社の神主さんやキリスト教の牧師さんといった人たちが思い浮かぶでしょう。
しかし、はるか昔はそのような宗教に関する人たちではなく、国の政治を司っていた人たちのことを「伊」という漢字で表していたのだと考えられます。
たとえば、中国では殷代以前の帝や王は神に仕えて占いによって政治を行っていましたし、日本でも邪馬台国の女王であった卑弥呼は占いによって神の意志を人々に伝えることで政治を行っていました。
「伊」という漢字は神に仕えると同時に国のトップである人のことを指すものであったと考えられます。
そんな由緒ある「伊」は、わが子にリーダーとして大成してほしいと願う人にピッタリの漢字です。
「伊」という漢字を付けられた男の子は、将来人を引っ張っていける素敵な男性になるでしょう。
指示語や語調を整える語として用いられた
本来の意味は神に仕えて政治を行う人を表していた「伊」ですが、時代が下って占いによる政治が行われなくなると「伊」が持つ意味にも変化が現れたようです。
いつの間にか神に仕える人という意味は無くなり、「これ」や「かれ」といった指示語や語調を整える際に用いる「これ」「ただ」という意味を表す漢字として使われるようになりました。
古い中国の書物を読むと、ときどき現れる「伊」ですが、現代ではあまり使われませんよね。
そのため、ちょっぴりかわいそうな漢字だと思われがちな「伊」ですが、実は別の場所で大活躍を見せている漢字なのですよ。
地名や名字に多く用いられる「伊」
皆さんは「伊」という漢字をよく目にすると思います。
それは、「伊賀」や「伊予」、「伊万里」などの地名や「伊藤」や「伊沢」、「伊達」といった名字がそこかしこに溢れているからでしょう。
このように、「伊」という漢字は私たちの日常生活において馴染み深い漢字です。
ちなみに、現代において「伊」という字を名前に付けることは比較的珍しいことであると考えられていますが、「伊」は昔の日本では男の子の名前として人気のあった漢字でもあります。
たとえば、「伊織」「伊之助」「伊知郎」「伊周」「伊房」といった名前が挙げられます。
中でも「伊織」は近年男の子の名前として人気急上昇中の名前です。
昔活躍した偉人をリスペクトして、同じく「伊」のつく名前をわが子につけてあげるのも素敵なことではないでしょうか。
男気あふれる「伊達男」
「伊」が付く言葉といえば皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?
ほとんどの人が地名や人の名前を挙げると思いますが、中には「伊達男」という言葉を挙げる人もいると思います。
「伊達男」というのは、人目を引くお洒落な男性のことや、男気がある男性のことを表す言葉です。
お洒落な上に仁義を貫く男気がある男性というのはとても素敵ですよね。
「世間の流行なんかにとらわれず、自分のセンスを貫けるしゃれた男性になってほしい」という願いや「自分より強い人に歯向かってでも弱い人を助けてくれる男気あふれる人になってほしい」という願いを込めて「伊」という漢字を使った名前を付けてあげるのも素敵ですよね。
女性に優しい国イタリアを表す略号として
「伊」といえば、ヨーロッパの国であるイタリアの略号としても知られています。
イタリアは女性を愛する男性がたくさんいる国です。
なんだかナンパでいけ好かないと思う人もいるかもしれませんが、イタリアの男性は「女性は男性よりも弱いから守らなければならないもの」と思っているからこそ女性に親切なのですよ。
自分より弱いからといってしいたげることなく、逆に守ってあげようと考えるイタリアの男性はとても素敵ですよね。
皆さんも「イタリアの男性のように弱い女性を守る気持ちを培ってほしい」という願いを込めて「伊」という字を使った名前をプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
「伊」を使った熟語
伊吹…ヒノキ科の常緑小高木。生け垣や盆栽によく用いられる。
伊達…男気を見せること。または、人目に触れるような派手なことをすること。
もしくは、好みが粋であること。
「伊」という字を人に説明するときは?
基本的に「名字でよくある伊藤さんの『い』」という説明で通じます。
しかし、それでも伝わるかが不安であるという場合には、「伊能忠敬の『い』」「イタリアの漢字表記である伊太利亜の『い』」という説明の仕方を覚えておけば間違いないでしょう。
「伊」を使った名づけ候補
伊緒(いお)
伊織(いおり)
伊玖(いく)
伊那(いさな)
伊純(いずみ)
伊空(いそら)
伊月(いつき)
伊弦(いづる)
伊吹(いぶき)
海伊(かい)
丈伊(じょうい)
伊士(ただし)
伊乃(よしの)
伊空斗(いくと)
伊知郎(いちろう)
まとめ
神に仕え人々を導く人を表す漢字であった「伊」は、時代を経てその意味こそ失ってしまいましたが、「伊達男」という言葉やイタリアを表す漢字として新たなイメージを持つことに成功した漢字でもあります。
皆さんも、「伊」が持つ魅力的なイメージに基づいて、わが子に似合う素敵な名前を考えてあげてくださいね。