妊娠中は、女性ホルモンが多く分泌されて身体がめまぐるしく変化をしていきます。
そのため様々なマイナートラブルに悩まされる妊婦さんも多いです。
マイナートラブルの1つに「息切れ」の症状がみられますが、なぜ妊娠中に息苦しくなるのでしょうか。
今回は、妊娠中に息苦しくなる原因と4つの対策方法をご紹介します。
・妊娠時に息苦しくなる原因
・4つの対策方法
・息苦しさから考えられる2つの病気
ママが息苦しくて、苦しいときはお腹の赤ちゃんも苦しい状態です。
身体を休めても改善しない場合は、無理をせずに掛かりつけのお医者さんに相談するようにしましょう!
目次
妊娠時に息苦しくなる4つの原因
妊娠中に息苦しくなる原因は様々です。
考えられる4つの原因をご紹介致します。
〈原因1〉鉄欠乏性貧血
息苦しくなる原因の1つに貧血があります。妊婦さんに特に多い貧血が「鉄欠乏性貧血」です。
体内の鉄が不足してしまい、ヘモグロビンが減少して貧血を引き起こします。
心臓から送りされた血液は、全身へ酸素や栄養素等を運びます。
酸素はヘモグロビンによって送られるため、ヘモグロビンが減少すると全身は酸素不足状態となり息苦しくなってしまうのです。
〈原因2〉大きなお腹による圧迫
お腹の赤ちゃんが大きくなってくる妊娠後期・臨月は、子宮が大きくなって肺が押し上げられるため息苦しくなります。
臓器が圧迫されるので血液の流れが悪くなり、息苦しくなったり、身体が冷えたり、浮腫みさえも生じます。
〈原因3〉張り止めの薬の副作用
妊娠後期になると、子宮が収縮されるので頻繁にお腹が張ってきます。
張る間隔が多かったり、張る時間が長くてなかなか治らない場合は、張り止めの薬を処方される場合があります。
薬の副作用で息苦しくなる場合がありますが、あまりに苦しくなる場合は必ずお医者さんに相談をして下さいね。
〈原因4〉自律神経の乱れ
妊娠中は女性ホルモンが多く分泌されるので、自律神経の働きに影響を与えます。
自律神経は心臓を動かしたり汗をかいたりと、自分でコントロールできずに自動的に働く神経です。
例えば、出産の痛みの恐怖や育児への不安など、妊娠後期になると、妊婦さんは様々な悩みを抱えてストレスを溜めがちです。
ストレスが自律神経に影響を与える事によって血行が悪くなり、呼吸器の働きにも悪影響を及ぼして息苦しくなってしまうのです。
息苦しさを抑えるための4つの対策法
妊娠中の息苦しさは辛いですし、不安な気持ちになりますよね。
そんな辛さを味あわないためにも、息苦しくなった場合の改善策を4つご紹介します。
1.鉄分を摂る
前述したように、貧血で酸素不足になると息苦しくなります。
貧血を改善させるには、鉄分の多いバランスの取れた食事を摂るのが一番効果的です。
鉄分には、非ヘム鉄とヘム鉄がありますが、肉、魚などの動物性食品に含まれるヘム鉄のほうが身体に吸収されやすいとされています。
また、鉄分はタンパク質やビタミンCと一緒に摂ると吸収力があがります。
2.身体を休める
赤ちゃんが大きくなると臓器が圧迫され、血のめぐりが悪くなることで息切れを起こします。
息苦しくなった場合は、左側を下にして寝転がってゆっくりと身体を休めるようにしましょう。
3.張り止めの薬を変えてもらう
張り止めの薬の副作用で、息苦しくなる場合があります。
その場合は、他の薬へ変えてもらうか他に方法がないかを掛かりつけのお医者さんに相談するようにしましょう。
4.ストレスを溜めない
お腹が大きくなると自由に身動きできないので、ストレスが溜まりがちです。
自分で何もかもをするのではなく、旦那さんなど周りの人に手伝ってもらって、妊娠中はなるべくゆったりとした気持ちで過ごすようにしましょう!
息苦しさから考えられる2つの病気
妊娠中は、ホルモンバランスが変化することにより、抵抗力が弱くなって精神的にも影響を及ぼします。
それが原因で病気を患ってしまうことも。
ここからは、妊娠中に発症しやすい病気を2つご紹介します。
1.パニック障害
〈原因〉
妊娠するとホルモンバランスが変わり、精神的に不安定になりやすくなります。
悪阻で食べられない疲労感、出産の痛みへの恐怖感、子育てに対する責任感、様々な悩みが生じてストレスが溜まっていきます。
うまく解消できればいいのですが、できない場合は精神的に追い込まれてパニック障害が起きやすくなってしまいます。
〈症状・赤ちゃんへの影響〉
発症すると、うまく呼吸ができずに過呼吸を起こしてしまいます。二酸化炭素を吐くばかりで、酸素をとり入れる事ができず、酸欠状態となり息苦しくなってしまうのです。
ママが苦しい場合は、お腹の赤ちゃんも苦しい状態になりますので、必ずお医者さんに相談しましょう。
〈改善方法〉
妊娠中は 可能な限り薬は飲まない方がいいです。
しかし、症状が酷い場合は早産の危険もありますので、薬を飲んで改善させる必要もあります。かかりつけの病院で適切な薬を処方してもらいましょう。
パニック発作は閉鎖空間で起こりやすい傾向があるので、閉鎖的な場所は避けて落ち着ける場所で過ごすようにしましょう。
2.喘息
〈原因〉
喘息は、細菌やウィルス、風邪や気温の変化によって起こりやすくなります。
呼吸の際に空気が通過する気管支が狭くなって息苦しくなる病気です。
妊娠すると抵抗力が弱まり、アレルギー反応で喘息を発症しやすくなります。
元々、喘息の持病を持っている人で普段はあまり発作が起きない人でも、妊娠中は発作が起こりやすくなるので注意が必要です。
〈症状・赤ちゃんへの影響〉
呼吸の際に気管支が狭くなり「ゼイゼイ」、「ヒューヒュー」などの喘鳴が聞こえます。酷くなると、酸素が取り込めなくなり息苦しくなります。
酸素不足になると、お腹の赤ちゃんにも酸素が送られなくなって赤ちゃんの奇形が増加する可能性があるので、継続的な治療が必要です。
〈改善方法〉
妊娠前から喘息治療している方が妊娠をすると、自己判断で薬を飲むのを止めてしまう場合があります。
しかし、これが一番やってはいけないことです。
ママが元気でないと、お腹の赤ちゃんに酸素と栄養素を送ることができないからです。
妊娠中でも、きちんと治療は継続的して下さいね。喘息の薬には、妊娠中でも服用できる薬があるので、お医者さんと相談しながら治療を継続することが大切です。
関連記事⇒妊婦の喘息にご用心!妊娠中の喘息の薬の影響と3つの予防策・解決策
まとめ
妊娠中は、様々なマイナートラブルが生じます。息苦しさもその1つですが、大体は紹介した4つの改善策で治ります。
普段の食生活を見直して、ストレスフリーの生活を心がけましょう。
しかし、パニック障害や喘息の場合は赤ちゃんにも影響を及ぼしますので、必ずお医者さんに診てもらうようにして下さい。
また、薬を服用する場合も、自己判断はせずにお医者さんに相談して下さいね。