「一」という漢字について
字画数:1画
音読み:いち、いつ
訓読み:ひと、ひと-つ、
目次
「一」の意味や由来や成り立ちと特徴
漢字のなかでも、最もシンプルだと思われる「一」ですが、その意味を考えるとき、この漢字の持つ奥深さに驚かされます。
熟語として他の漢字と組み合わせて使われるとき、「一」はさまざまな意味合いを持ちます。
絵で例えるならば、何色にも染まる白色といえるでしょう。
「一瞬」「一息入れる」などでは、“少しだけ”という意味を持ちます。
「一時」「一夜」のように、たくさんあるもののなかから、ある“ひとつ”を取り出してそこにスポットを当てる働きもします。
また、「一喜一憂」「一長一短」のように、“あるときは〇〇で、あるときは○○”という意味を表すケースもあるのです。
「一律」「均一」では、“同じである”ことの意味になりますし、「一家」「一面」のように、“そこに存在するものすべて”を指す場合もあります。
「一徹」「一途」などは、“ただひたすら”という意味で使われます。
「一日(ついたち)」は、漢字の熟語の意味をそのまま使用し、日本語で読むための当て字的な表現です。
また、名付けで「一」を「かず」と読むのは、“1”が“数”であるためです。
古代中国では数を数えるときに、算木(さんぎ)と呼ばれる計算具を用いていました。
算木の素材は、木のほかに竹や玉などが使われていたようです。
算木は、細長い棒のような形をしています。
一から四までの文字は、算木を横にして上から下に並べ表していました。
このため「一」の成り立ちは、算木を元にしたものと言われています。
名付けでは、男女関係なく「一」は人気があります。
「はじめての子どもには、ぜひ一を使いたい!」というご両親も多いのではないでしょうか。
「一」が入った名前を見ると、“この子は長女かな?”という想像が容易につきますね。
また、「一」の字面を見ると、じつにさわやかで潔い印象を与えます。
シンプルイズベストの典型的な例といえるでしょう。
“何事も一番になれますように”“リーダー的な存在になれますように”というアグレッシブな願いを込めたいときには、「一」はおすすめの漢字です。
先頭字に「い」の音がくると、強いパワーや生命力を感じさせる名前になります。前向きで何事も一途に頑張る女の子になれるでしょう。
しかも、「い」の音の響きは、けっして固いものではありません。
たとえバリバリのキャリアウーマンになっても、どこか天然なところがある、周囲に愛される女性のイメージです。
止め字に「い」を使うと、きっぱりとした潔い印象に。
正義感が強く、意志の強い女の子に成長します。
良い意味で自己主張ができますので、世界に飛び出しても、臆することなく自分らしく活躍できるでしょう。
「一」を使った熟語
一案(いちあん)
意味:たくさんの種類のなかの、あるひとつの考え、アイデア。
他とは違った、もう一つの考え方。
一丸(いちがん)
意味:全員がこころをひとつに合わせること。
一押し(いちおし)
意味:一番おすすめしたいことやもの。
一義的(いちぎてき)
意味:1.それ以外の解釈や意味が思いつかない様子
2.最も大事な意味を持っている様子
一期一会(いちごいちえ)
意味:生涯に一度きりの出会い。
一生に一度しかないこと。
一言芳恩(いちごんほうおん)
意味:誰かにひとことあたたかい声をかけてもらったことの恩を忘れずに、その人に仕えたり、従ったりすること。
「一」の説明の仕方
例えば電話で自分の名前を名乗った際に、「どういう漢字を使われますか?」と尋ねられることがあります。
そんな時のために、漢字の説明の仕方をあらかじめ考えておくと、スムーズに答えられます。
・A「いちは、一日の一です」
・A「いちは、漢数字の一です」
名付けのポイントとして、「誰が読んでも分かる漢字を使う」ことを挙げる方もいます。
「一」は、最も分かりやすい漢字と言っても良いかも知れません。
「一」を使った名前の有名人・芸能人
樋口 一葉さん(小説家)
吹石 一恵さん(女優)
松居 一代さん(タレント、女優、エッセイスト)
逢沢 一夏さん(女優)
浅木 一華さん(モデル)
いけだ 一紗さん(シンガーソングライター)
上野 一舞さん(女優・タレント・モデル)
加藤 一華さん(女優・タレント)
起家 一子さん(イラストレーター)
北原 一咲さん(女優・歌手)
谷 一歩さん(女優・タレント)
仲村 一夏さん(歌手)
野々部 一露子さん(ジュエリーデザイナー)
文月 一花さん(女優)
湯井 一葉さん(シャンソン歌手)
柚月 一葉さん(モデル)
「一」を使った名付け候補
一咲(いさき)
一花(いちか)
一歌(いちか)
一子(いちこ)
一衣(かずえ)
一沙(かずさ)
一葉(かずは)
一恵(ただえ)
一海(ひとみ)
一穂(もとほ)
まとめ
「一」という最もシンプルな漢字をご紹介しました。
シンプルであるがゆえに奥深い、そんな味のある漢字で、お子さまに素敵な名前をプレゼントしてあげてください。