目次
「丞」という漢字について
字画数:6画
音読み:しょう、じょう
訓読み:たす6ーける
名乗りの場合には、「すけ」「すすむ」「たすく」「つぐ」という読み方があります。
他の漢字と組み合わせて様々な名前に使うことはもちろん、「丞」という漢字一文字で名前にすることもできますよ。
穴に落ちた人を助ける様子をかたどった漢字
「丞」という漢字は、落とし穴に落ちてしまった人を両手で救い上げる様子をかたどった漢字です。
このことから、「丞」は「たすける」という意味を表します。
落とし穴に落ちるというシチュエーションはなかなか思い浮かべにくいかもしれませんが、「たすける」という場面は日常生活においてよく目にするものですよね。
電車やバスで妊婦さんやご老人に快く席を譲ったり、重そうな荷物を持っている人に手を貸したり、後からお店に入って来る人のためにドアを開けておいたり…。
どれもこれも些細なことですが、胸が温かくなる「たすける」というシチュエーションです。
「たすける」という行動は、助けられた人はもちろんのこと、助ける様子を見ている人の心をも癒してくれます。
このことから、「自らすすんで人を助けられる人になるように」「人を助けることでたくさんの人を幸せにできる人になるように」という願いを込めて「丞」という漢字を名付けてみてはいかがでしょうか。
優秀な補佐役として活躍できるように
「丞」という漢字を見たとき、皆さんはどんな言葉を思い浮かべるでしょうか。
きっと中国の歴史が好きだという人は、「丞相」という言葉を思い浮かべるでしょう。
「丞相」というのは、その昔中国で天子を補佐する役割を担った大臣の役職名です。
「補佐役はなんか地味だし、どうせ名前を付けるのならトップを意味する漢字が良いのでは?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、「丞相」は政治の中枢に関わる人ですから、臣下の中でも最も優秀な人物が選ばれます。
「丞相」はある意味トップの存在でると言えるでしょう。
また、天子というのはまさに天に選ばれた限られた人しかなれませんでしたが、「丞相」は優秀であれば誰でもなることができました。
運が無ければなれないトップよりも、努力次第で成り上がれる丞相の方が何だかロマンがありませんか?
そんな「丞相」になった人物の中でも特に有名な人といえば、『三国志』に登場する諸葛亮孔明です。
今から1800年ほど前、400年も続いた後漢王朝は宦官と外戚による争いによって廃れ、後漢王朝に反旗を翻した黄巾賊による反乱が起こったことによって乱世を迎えます。
そんな中、他勢力を蹴落として3つの勢力が台頭してきました。
魏の曹操、呉の孫権、そして蜀の劉備です。
この3勢力の中では魏の曹操が最も強かったのですが、蜀の劉備はなんとか曹操に勝つ方法は無いかと考えを巡らせます。
そんな折、稀代の天才・諸葛亮の噂が劉備のもとに届いたのです。
劉備はさっそく諸葛亮を三顧の礼によって迎え、諸葛亮を軍師として大躍進を始めます。
そして、劉備が蜀の皇帝として即位すると、諸葛亮も「丞相」となって劉備を助け、その子である劉禅を助け続けたのでした。
最終的に蜀は魏を下すことはできませんでしたが、魏と長年にわたって戦い続けることができたのは諸葛亮の活躍があったからです。
そんな素晴らしい「丞相」であった諸葛亮を連想させる「丞」は、とても素敵な漢字に思えてきませんか?
現代でも、大事なのはトップよりもナンバーツーであると言われることがあります。
わが子が優秀な補佐役となれるように、皆さんも大切なわが子「丞」という漢字を名付けてみてはいかがでしょうか。
「丞」には「うけつぐ」という意味も
「丞」という漢字は「たすける」という意味の外に「うけつぐ」という意味を持っています。
全ての生き物は親から子へとDNAを受け継がせていきます。
しかし、私たち人間が子どもに受け継がせるのはDNAだけではありませんよね。
私たちは子どもを産み育てることによって、大切な思いや願いを子どもに受け継いでもらえます。
中には先祖から受け継いでいる大切な仕事を子どもに受け継いでもらうという人もいると思います。
親と子だけではなく、遠い先祖からのつながりを感じさせる「丞」は名づけにピッタリな漢字であるといるでしょう。
「丞」を使った熟語
丞相…天子をたすけて政治を行った大臣。
「丞」を使った芸能人、有名人の名前
北川 丞さん
林 甚之丞さん
「丞」という字を人に説明するときは?
基本的に「丞相の『じょう』」という説明で通じます。
しかし、それでも伝わるかが不安であるという場合には、「永遠の『えい』に似た文字の下に『一』が付いている漢字」「蒸気の『蒸』の草冠と烈火を取った漢字」「『たすける』という意味で知られる『じょう』と読める漢字」という説明の仕方を覚えておけば間違いないでしょう。
「丞」を使った名づけ候補
丞(すすむ)
明丞(あきすけ)
瑛丞(えいすけ)
颯丞(さすけ)
恭丞(きょうすけ)
啓丞(けいすけ)
秀丞(しゅうすけ)
丞誠(じょうせい)
丞太(じょうた)
丞真(しょうま)
帯丞(たいすけ)
亮丞(りょうすけ)
銀之丞(ぎんのじょう)
雪乃丞(ゆきのじょう)
龍之丞(りゅうのすけ)
まとめ
「丞」は「たすける」という意味を持つ漢字です。
「たすける」ということは人としてとても美しい行為ですよね。
また、「丞相」という言葉を連想させることから優秀な補佐役というイメージを持つ素敵な漢字でもあり、「うけつぐ」という意味を持つことから先祖とのつながりを感じさせる奥深い漢字でもあります。
皆さんも「丞」という漢字を使った素敵な名前を考えてみてくださいね。