授乳中にカレーを食べても大丈夫?母乳や赤ちゃんへの影響と注意点やレシピ

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妊娠や出産をすると、温かい祝福と共に家族や友だち、先輩やご近所さんなどから様々な育児のアドバイスを受けることはありませんか?

私も出産した時には、我が子の健やかな成長を想う母や祖母から、より良い母乳のためとおもちや根菜をやたらと勧められて食べていました。

母乳が良く出る食べ物や母乳が詰まりやすくなる食べ物など、あれやこれやと聞いているうちに、何を口にするにも敏感になり食べることが不安になってしまうことも。

そんな中でも今回は、刺激の強いイメージで授乳中は嫌煙されがちなカレーについて。

実際の影響と、より安心して食べるための2つのポイントをお伝えします。

今回の記事のポイントは3つです。

  • 授乳中でもカレーを食べて大丈夫?安心して食べる2つのポイント
  • 授乳中のカレーにまつわる噂の真相
  • 授乳中のおすすめカレーレシピ動画

母乳の仕組みを正しく知って、噂に振り回されない母乳育児をしていきましょう♪

目次

授乳中でもカレーを食べて大丈夫!適量なら母乳、赤ちゃんへの影響は心配なし!

UNICEF/WHOの『母乳育児支援ガイド』には、「母親が種々の食品を十分に食べていれば、必要なたんぱく質、ビタミン、ミネラルがとれます。

母親は母乳育児をしている時も、特別な食べ物を食べたり、特定の食べ物を避ける必要はありません」と記されています。

そう言える理由として、母乳の作られるメカニズムについてお伝えします。

まず、授乳中のお母さんが食事をとると、それぞれの栄養素は母体内でブドウ糖、アミノ酸、脂肪酸まで分解され、胃や腸の壁から血液中に吸収されます。

また、細胞内に蓄えられていた栄養素が血中に放出されることもあります。

そして、母乳を作り出す乳腺細胞は血中の栄養素を摂り入れ、細胞内で新たに乳糖、乳タンパク質、乳脂肪を生成します。

これらの働きにより、母乳はある程度一定の成分を保たれるようになっているのです。

そのため、授乳中のお母さんがケーキを食べたからと言って母乳が甘くなることや、カレーを食べて辛くなることはありません。

お母さんの食事摂取状況により影響する栄養成分は、脂肪酸組成やビタミンA・C・E・K・B₁・B₂・B₆・ナイアシン・パントテン酸・ビオチン・マンガン・ヨウ素・セレンです。

これらのほとんどは、特に意識することなく通常の食事で必要量を満たしており、よほど偏った食事を摂っていなければ赤ちゃんに必要な栄養素として変化することはありません。

産院において、新生児に授乳を始めたばかりのお母さんにもカレーが出されることもあります。

このことからも、授乳中にカレーを食べることで母乳に弊害があるとは考えにくいといえます。

カレーにまつわる噂。授乳中にカレーを食べると赤ちゃんが夜泣きする?乳腺炎になりやすい?

噂①授乳中にカレーを食べると赤ちゃんが夜泣きする?

夜泣きの他にも、湿疹が出るや下痢になるなど。時折こんな噂を耳にすることがあります。

しかし、カレーに関してこれらを証明する医学的な文献等は存在していないのが事実です。

ただし、ニンニクやカレーに使用されるスパイスなどの香りの強い食品は、栄養素として大きな変化をもたらさなくても、母乳に風味をつける可能性はあるとされています。

そのため、お母さんが強いスパイスやニンニクがたっぷり使用されたカレーを食べたのちに、赤ちゃんがその風味を母乳から感じ、戸惑いを見せることはあるかもしれません。

敏感な赤ちゃんであれば、その風味でいつもと飲む量に違いがでることもあるかもしれません。

哺乳量の低下が続くと、赤ちゃんは空腹や不機嫌を訴えるようになることもあるでしょう。

これらの懸念が噂の元になっていることは考えられますが、直接的な因果関係は証明されていません。

噂②ルーに含まれる動物性脂肪で乳腺炎になる?

黄色いパッケージのバーモントカレーやこくまろカレーなど、手軽に作れる市販のカレールーはスーパーやコンビニでも数多く見かけられます。

おいしそうなカレー写真の裏側を見ると、成分表示の最初の方に記されている動物性脂肪分。これは食品中に多く含まれていることを表しているのです。

妊娠や授乳期では特に、食品の成分を気にする方が多くなります。

このようにルーだけでなく脂肪分の多いとされる、ケーキや揚げ物なども”脂肪分が乳腺を詰まらせる”という理由で授乳中に控える方を多く見かけます。

そのような内容が書かれた雑誌やブログ記事もよく見かけます。

しかし実は、こちらもはっきりとした科学的根拠は見当たらないのです。

母体が脂肪分を摂取しても、魚に多く含まれるDHAやEPAなどの神経系の発達に必要な脂肪酸の組成には影響を与えるものの、母乳中の脂肪が増えることはないのです。

また、成乳の脂肪の直径は2.0μmで赤血球よりも小さく、脂肪同士がくっついて大きくなる性質はないと報告されています。

一方、表層近くの乳管の太さは2,000μm(2㎜)で、最も細いとされている細乳管の太さはわかっていませんが、毛細血管よりは太いことが分かっています。

そのため、乳管の一番細い部分でも、赤血球より小さい脂肪が詰まるということは考えにくいのです。

より安心してカレーを食べるためのたった2つのレシピポイント

  • 様々な具材を使用し、栄養バランスをとる
  • 風味が強く現れるニンニクや、スパイスの使用を控えめにする

授乳中の食事において、極端な制限は必要ないためポイントは明瞭です。

少ないルーでたっぷり野菜を摂れるキーマカレーのレシピ・作り方を動画でご紹介!

ニンニクやスパイス量を調整しながらぜひ試してみてください!

市販のルーを使用する場合は、辛口ではなく甘口や中辛のルーを選ぶと刺激となるスパイスの摂取は抑えることができるのでおすすめです。

授乳中であっても無性にカレーが食べたいと思うことありますよね。

カレーパンやカレー鍋も同じです。

その気持ちを我慢してストレスを溜める方が母乳育児に影響をもたらします。

過度なスパイスの摂取さえ気をつければ、どれを選ぶ場合も、その他の付け合わせや具材でバランスを調整し食べられます。

お母さんがストレスを溜めず食事をおいしく摂ることが大切です。

まとめ

母乳は、母体が食べた物を消化・分解・吸収し、蓄えた細胞からある程度一定の成分を保ち生成されるようになっています。

そのため、母体の摂取したもので著しく味や成分が変化することはありません。

食事が母乳の栄養素に影響を与えるものもありますが、ほとんどは通常の食事で必要量は満たされており、極度の偏食をしない限り赤ちゃんに必要な栄養成分として変化することはありません。

授乳中の母体の食事について諸説で回っていますが、医学的・科学的に文献等で証明されているものは少ないのが事実です。

カレーに関するものとしては、極端な味付けや食べ過ぎをしなければ赤ちゃんが夜泣きや下痢を起こす原因には直結しないとされています。

ただ、カレーのスパイスやニンニクなど香りの強い食品は、母乳に風味が移行する可能性も示唆されています。

脂肪と乳腺炎の関連についても、巷で言われているような”脂肪分が乳腺を詰まらせる”ということの科学的証明はされていません。

成乳の脂肪直径が2.0μmで癒合する性質もなく、乳管の太さは2,000μm(2㎜)で細径でも毛細血管以上の太さであることを踏まえると、乳管に脂肪が詰まることは考えにくいといえます。

より安心してカレーを食べるレシピポイントとしては、具材を増やしてバランスを良くすることと、ニンニクやスパイスを摂りすぎないよう気をつけることだけです。

最も大事なのは、お母さんがストレスなくバランスの良い食事をおいしく食べることです。

おなかから出てきたばかりの小さな命を育むことは、神経や体力を使うとても大変なことです。

始まったばかりの育児に肩の力が入ると思いますが、力み過ぎず、母子ともに健やかで楽しみながら過ごしていただきたいと思います。