妊娠中の食事にはあれこれ制限があり、赤ちゃんのためにと食べ物に気を配っていたプレママは多かったでしょう。
そして無事お子さんを出産したあなた。
やっと食事制限から解放される!
ラーメンやお寿司など、これで好きなものを食べられる!と意気込みもあったことでしょう。
そんな喜びもつかの間、授乳中のファーストフードはNG!
ピザなんてもってのほか!
・・・ガーン…また食事制限?
そんな警告を受けて我慢している方は少なくありません。
筆者もその一人でした。
でも、それは大きな間違い。偏った知識からくる警告です。
この記事では
- ピザがNGと言われる最大の理由「乳腺炎」になる原因の解説
- 授乳中でもピザを食べるために知っておきたい3つのポイント(カロリー把握・水分摂取を増やす・ビタミンB群を増やす)
これらを紹介します。
では、順に見ていきましょう。
目次
ダメと言われる最大の理由「乳腺炎」を正しく知ろう
授乳中の女性の食事内容が厳しくチェックされる最大の理由は「乳腺炎」です。
乳腺炎について解説します。
乳腺炎の症状
乳腺炎になると、乳房が熱を持ったり、ガチガチの岩のように硬くなったり、激しい痛みや高熱に襲われたり!
とても授乳なんてできない胸になってしまいます。
酷い時は、通院して、薬を飲みながら治療が必要になることも。
母乳は飲ませられず、激痛が続き、治療が必要になって、母子そろって辛いことばかり。
赤ちゃんが3カ月になるまでに多くの女性が経験する乳腺炎は、できる限り避けたいものです。
乳腺炎の原因と対策
乳腺炎になるのは、食事内容がダメ!
多くの場合、そう言われます。
でも、ちょっと待ってください。
乳腺炎の原因は食べ物だけではありません。
乳腺炎の原因
- 母乳が通る道(乳管)が開通していなくて、母乳が溜まってしまっている
- 開通した乳管に古い母乳の塊が詰まっている
- 乳頭の咥えさせ方が正しくなくて傷ができている
- 乳頭の傷から細菌やウイルスに感染した
- ブラジャーがきつくて母乳の流れや胸回りの血行を悪くしている
- 血液や母乳の原料の水分が足りない
- 栄養不足で母乳の質が悪い
乳腺炎にならないためには、これだけの原因全部に対応しなければなりません。
乳腺炎予防のための対策
- マッサージで乳管の通りを良くする
- 乳腺で作られる母乳を全部出し切る習慣を付ける
- 乳頭の咥え方を直す
- 体を締め付けない下着を選ぶ
- 水分を多く摂る
- バランスのいい食事を摂る
このように対策はいろいろあるのです。
決してピザだけが原因ではありません。
つまり授乳中でも、ピザを食べたってOKです!
我慢のし過ぎは母乳が出なくなる原因に!
ピザに限らず、授乳中は妊娠中以上にいろんな我慢を強いられます。
ただでさえ睡眠不足で、自由に動くことができず、家事どころか自分の食事でさえも思うように摂れない授乳期。
大好きな食べ物まで我慢を強いられたら、心が折れてしまいますよね。
過度な我慢は強いストレスになって、自律神経の働きを悪くしてしまいます。
そうなれば、ホルモンバランスが崩れ、代謝能力も落ち、母乳の出が悪くなるだけ。
授乳中に必要なのは我慢ではありません。
ピザだって食べましょう。
次の3つのポイントに注意すれば問題なしです。
授乳中、ピザはこうやって食べよう!
授乳中にピザを食べる時のポイントは、カロリー・水分・ビタミンB群です。
カロリーを把握する!
まず、食べようとしているピザのカロリーを把握しましょう。
大手宅配ピザチェーン店のサイトを見ると、Mサイズ(8カット)1切れのカロリーは200kcalくらい。
もし、ピザ2切れ(400kcal)とシーザーサラダ(366kcal)を食べると、合計カロリーは766kcal。もしデザートをプラスすると1,000kcal前後に。
(参考:カロリー一覧表|ピザーラ)
30歳の女性が授乳中の場合、1日に必要なエネルギー量は約2,350kcal。
1日に摂取するカロリーの約半分を摂取する可能性があります。
~女性のエネルギー必要量(1日分)~
- 18~29歳:1,650~2,200kcal
- 30~49歳:1,750~2,300kcal
※1日の運動量の多い・少ないによって必要なエネルギー量が変わる
※授乳中の女性は+350kcal
(参考:「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書|厚生労働省)
いくら授乳中でエネルギーが普段より多く必要といっても、カロリーを取り過ぎると産後太りの原因に!
美味しくてついつい手が伸びますが、ピザのカロリーは頭に入れておきましょう。
水分をしっかり摂る
大人の場合、約2.5Lの水分を失います(排泄する水分(尿や便)+汗)。
授乳中の女性の場合、母乳で出て行く水分がプラスされるのを忘れないで!
授乳中の女性は意識して水分を摂らないと、簡単に水分不足になります。
ピザのような脂肪分が多い食事は、消化・吸収に時間がかかるもの。
内臓が正常に働くには、血液がしっかり全身に回って代謝がスムーズに進む必要があります。
水分不足だと血液はドロドロ。
全身の代謝がうまく回らなくなり、消化・吸収も、母乳を作るのも滞ってしまいます。
赤ちゃんだってまずい母乳は嫌ですよね。
こういったことからも、水分は意識して多く摂りましょう。
質の良い母乳を多く作るには様々な栄養素が必要です。
この栄養素の中には水に溶けやすいものもあり、肉や魚に多く含まれるものもあります。
つまり、肉や魚、野菜などをバランス良くたくさん食べなければなりません。
ピザで1日の半分のカロリーを摂取した後、カロリーオーバーに注意しながら、様々な栄養素を含む食事を摂るとなると、なかなか大変ですよね。
ですから、ピザの量を控えめに。
栄養バランスのよい食事をメインに考えるようにしましょう。
この時に役立つのが、厚生労働省が発表している妊産婦のための食事バランスガイド!
以下のパンフレットを見てください。
イラストの通りの食事を摂ると1日約2,200kcal摂れます。
(引用元:妊産婦のための食生活指針パンフレット|厚生労働省)
ピザ(パンやチーズが摂れること)をチェックしながら献立を決めると、1日のバランスが考えられます。
まとめ
授乳中の女性が「ピザNG!」と言われるのは、乳腺炎が理由です。
でも、乳腺炎の原因は実に多種多様!ピザを食べなくても乳腺炎になるときはなるもの。
授乳中でも、ピザを食べても大丈夫です。
ただし、
・摂取カロリーの計算
・水分を多く摂ること
・バランスよい食事を心がけること
この3つを覚えておいてくださいね。
美味しく食べて忙しい授乳期を乗り切っていきましょう!