フグやタラの白子が好きな人は多いですよね。
特にフグの白子は絶品で、昔から多くの美食家を虜にしているとか!
そんな美味しい白子ですが「授乳中は食べてはいけない」といわれるのをご存知ですか?
この説は半分ウソで半分ホント。
今回は以下のような流れで白子の食べ方を紹介したいと思います。
- 授乳中に白子を食べても母乳の質に影響なし
- 怖いのは白子による食中毒(腸炎ビブリオや寄生虫・アニサキス)
- 授乳中は生の白子NG
- おすすめの白子の食べ方は焼き白子・鍋・白子豆腐
では、早速見ていきましょう!
目次
授乳中に白子を食べても母乳の質に影響なし
まず、授乳中に白子を食べたからといって、母乳の質が悪くなることはありません。
母乳の質には、次のように色々なことが影響します。
- 睡眠時間
- 栄養バランスの良い食事
- 1日に摂る水分量
- 体のむくみや冷え
- 軽い運動(全身の血行をよくする)
食べるのは白子だけ!
といったバランスの悪い食事をする訳ではありませんよね。
白子ひとつ食べたからといって、直ぐに母乳の質が悪くなるというのは大げさ。
母乳のことを気にしすぎて、食事内容に強いストレスを抱える方が体によくありません。
古くから私たちは食材を通して季節を感じ、舌だけでなく心でも料理を楽しんできました。
白子というのはフグやタラの精巣。滅多に食べられないイカの白子のような珍味もあります。
カリウムやリン、タンパク質という栄養素を摂ることだけでなく、白子を食べて感じられる心の豊かさを大切にしたいですね。
怖いのは白子による食中毒
母乳の質に白子が影響しないと紹介しました。
しかし、授乳中に白子がNGと言われる理由は確かにあります。
それは白子による食中毒!
母乳の質というより、母親が食中毒になってしまうリスクがあるということ!
代表的な食中毒の詳細を見てみましょう。
腸炎ビブリオ感染症
腸炎ビブリオという細菌が原因で起こる食中毒です。
感染源は、刺身、寿司、加熱が十分でない魚料理、そして生の魚を調理した後の十分に洗えていないまな板や包丁。多くの場合、生の魚介類が原因です。
症状は、激しい腹痛、下痢、血が混じった下痢、発熱、嘔吐などが主。
治療は下痢止めや吐き気止めを使ったり、脱水症状にならないよう輸液を行ったり、整腸剤を飲むといった対処療法が中心。
場合によっては抗生物質を使うこともあります。
参考
腸炎ビブリオ感染症とは|国立感染症研究所
腸炎ビブリオ(細菌)農林水産省
アニサキス
アニサキスは寄生虫です。
釣りをする方はよくご存知でしょう。
白い糸くずのような線虫で、魚の身に付着しているのが目で見えますよ。
よく寄生しているのは、サバ、サンマ、サケ、カツオ、イカ、アジ、イワシなど。
これらの刺身や酢でしめただけの身を食べると、アニサキスによる食中毒に!
アニサキスは胃や腸の壁に噛み付き、粘膜の中へ入り込もうとするので、感染すると激しい腹痛が起こります。
嘔吐したり、下痢になったりすることも。
放っておいても痛みは数日で消えますが、アニサキスを取り除いてもらう治療が一般的です。
消化器内科、胃腸科などで内視鏡を使って一匹ずつ摘出してもらいましょう。
なお、アニサキスによるアレルギー症状(蕁麻疹、発熱、胃腸の腫れ)が起こって、腸閉塞になってしまうこともあります。
参考
アニサキス(寄生虫(線虫類))[Anisakis]|農林水産省
アニサキスによる食中毒を予防しましょう|厚生労働省
アニサキスによる食中毒|恩賜財団済生会
授乳中に生の白子はNG!
先に紹介した食中毒は、どちらも「生の食材」が原因です。
白子は魚の精巣。内臓の一部ですね。
生の白子を食べると、生きたままの腸炎ビブリオ細菌やアニサキスが一緒に体の中に入る可能性が!
授乳中に白子がダメ、というよりは「生の白子がダメ!」と覚えましょう。
おすすめの白子の食べ方
白子を食べる時は、次の3つがポイントになります。
- 材をじっくりと目で見て、寄生虫を全て完全に取り除いてから食べる
- 魚介類を60℃以上の湯で1分以上茹でる
- マイナス20℃以下で24時間以上保存した後、調理に使う
最初の「目で見る方法」は、寄生虫を見落としてしまうリスクがあり、目に見えない細菌には効果がありません。
白子は加熱するか冷凍するかのどちらかの方法をとりましょう。
焼き白子
おすすめの白子の食べ方は、焼き白子!
新鮮な白子の両面をじっくり網やフライパンで焼き、ネギ・レモン・ポン酢などをつけて食べます。
シンプルですが、素材の味をじっくりと堪能できる一品です。
鍋
王道中の王道の食べ方は鍋!
お好みの鍋の具材に白子をプラスすれば、一気に豪華な鍋に早変わり!
タラなどの魚と野菜をたっぷり入れた、DHAやEPA、食物繊維、ミネラル類が豊富に摂れる鍋に白子を加えるといいですよ。
作り方が楽な上に、栄養バランスが取りやすく、体が温まる鍋料理は授乳中におすすめです。
白子豆腐
市販品もありますが、新鮮な白子がたくさん手には入ったら白子豆腐を自作するのも通な楽しみ方です。
新鮮な白子を蒸し、ペースト状にしてから、だし汁とゼラチンで固めて豆腐状にしましょう。
豆腐のように固まったら、薬味を乗せて冷や奴のように食べます。濃厚な白子の味が楽しめますよ。
まとめ
白子を食べても母乳の質は下がりません。
ただ、生の白子を食べると腸炎ビブリオ感染症やアニサキスによる食中毒の危険があります。
冷凍保存された白子や、しっかり中心部まで熱を通した白子なら問題なし!
タラの白子や、美食家も絶賛するというフグの白子など、心躍る食材で季節感のある食卓を楽しみましょう!