ノンカフェイン飲料のそば茶は、ポリフェノールやビタミンB類が豊富で人気です。
ノンカロリーということもあり、産後のボディケアに気を配る授乳中の女性も飲みたいもの。
しかし、そば茶の原料は蕎麦。
母乳に蕎麦の成分が混ざって、赤ちゃんがアレルギーになったりするかも!
そんな不安を抱く人がいます。
この記事では、
- 基本的には、授乳中でもそば茶を飲んで大丈夫
- 授乳中の女性に嬉しいそば茶の力
- アレルギーの原因は母乳ではなく、赤ちゃんの体質
- そば茶を飲む時の3つの注意点
以上のことを解説していきます。
では、さっそくみていきましょう!
目次
基本的にはそば茶を飲んでも大丈夫。
そば茶は、蕎麦の実から作られています。
ですから、そばアレルギーがある人はNG!
しかし、そばアレルギーでない方は、授乳中にそば茶を飲んでも基本的には大丈夫。
過度に心配する必要はありません。
母乳は血液から作られます。
血液中に母親が食べたものの成分が含まれているのは多くの方がご存知のこと。
ある調査では、食後、約2~5時間で食べたものの成分が母乳の中に含まれることが確認されています。
母親がそば茶を飲めば、蕎麦の成分が吸収されて母乳の中にも混じります。
赤ちゃんの口にそば茶の成分が入ることに。
しかし、だからといって心配する必要はありません。
赤ちゃんが一度に飲む母乳の量は月齢によって異なりますが、大体100~200ml。
その中に含まれるそば茶の成分は、本当にわずか。
しかも、そば茶そのままではなく、母親の体の中で分解・吸収された後のものです。
そばアレルギーがある、と分かっている赤ちゃんなら微量でもNGですが、そうでない場合は気にする必要なし。
ですから、基本的に授乳中でもそば茶を飲んでもかまいません。
関連記事⇒授乳中は抹茶を飲んでも大丈夫?母乳や赤ちゃんへの影響と飲んで良い量&3つの注意点
そば茶が持つ授乳中の女性に嬉しい力
そば茶はノンカロリーでノンカフェインの飲料です。
特に、苦そばともいわれる韃靼そばは、ミネラル類(亜鉛・カリウム・マグネシウム)やポリフェノールの一種であるルチンが豊富!
韃靼そばに含まれる栄養素が持つ働き
亜鉛:不足すると味覚障害の危険が!
カリウム:不足すると、体内の水分量を調節する機能が低下。むくみ、足がつる、疲労が溜まりやすい、血圧が上がるなどの不調がでてくる。
マグネシウム:不足すると、歯や骨の形成がうまくできなくなったり、血液の流れが悪くなったりする。
ルチン:抗酸化作用があり、血管を強くしてくれ、血圧を下げたり血行をよくする効果が期待できる
どの栄養素も、血液から母乳を作っている産後の女性には非常に重要な成分です。
メリットを考えると「そばはアレルギーの原因になるから危険」と怖がって飲まないのはもったいない!
温かいそば茶で体に嬉しい栄養素と水分を摂り、お腹の中から体を温めることはメリットが多いと言えます。
アレルギーは母乳ではなく赤ちゃんの体質が原因
まず、知っておきたいのは「そばを食べたから、そばアレルギーになる」のではありません。
「そばアレルギーの人がそばを食べるから、アレルギー症状が出る」のです。
アレルギーが出る体なのかどうか?
ここがポイント!
人の体には、ウイルスなどの「敵」を覚え、攻撃することで体を守る機能があります。免疫という働きですね。
しかし、この免疫が食べ物の成分に反応してしまうことが!
敵じゃないのに攻撃したり、過剰に反応したりして、体に異常が出てしまうのがアレルギー。
免疫機能がこうした困った反応をするかどうかは、人によって違います。
花粉やダニ、ハウスダストに反応する人がいたり、卵・小麦・大豆に反応する人がいたり、そばに反応したり。人によって様々ですね。
赤ちゃんもそう。
アレルギー症状が出やすい7品目に蕎麦は含まれています。
しかし、それを食べたから健康な赤ちゃんがアレルギーになる訳ではありません。
赤ちゃん自身の体質がどういうものかに注目し、むやみに食べ物を拒絶しないようにしてくださいね。
関連記事⇒赤ちゃんにアレルギー症状がでたらどうする?乳児のアレルギーの原因と6つの予防策
そば茶を飲む時の3つの注意点
赤ちゃんの体質がポイントと紹介しました。
そうなると注意すべき赤ちゃんはどんなタイプなのか気になりますよね?
実際にそば茶を飲むときに注意したいケース別に紹介しましょう。
赤ちゃんの近親者に食物アレルギーの人がいる
絶対ではありませんが、アレルギーの体質が遺伝するケースがあります。
両親や祖父母が食物アレルギーだった場合、赤ちゃんが食べ物にアレルギー反応を示す可能性も。
親や近親者がアレルギーだから絶対にアレルギーになる!という訳ではありません。
それに、母親がアレルギーを心配していろんな食べ物を避け、栄養状態が悪い母乳になってしまうのはよくないこと!
ただ、赤ちゃんが、蕎麦にアレルギー反応を示す体質かどうか。
このチェックを忘れないでくださいね。
そば茶を飲んだ2~5時間後の母乳を飲ませるときの赤ちゃんの様子をチェックしましょう。
もし、母乳を飲んだ後30分以内に目の充血や腫れ、じんましん、唇が腫れる、下痢、嘔吐といった症状が見られたら直ぐに小児科へ!
治療と同時に血液検査を受けることをおすすめします。
そうすれば、どんな食べ物にアレルギー反応を示すのかわかりますよ。
赤ちゃんがアトピー性皮膚炎のママも注意しよう
最近では、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーが関係あると言われています。
~アレルギー科医の研究より~
離乳食を始める前に湿疹があると食物アレルギーを発症しやすいことがわかってきました。
特に生後1~4か月に湿疹ができた赤ちゃんのリスクは非常に高く、アトピー性皮膚炎の重症度に比例して高くなります。
(引用元:国立成育医療研究センター)
赤ちゃんにアトピー性皮膚炎の症状がある場合は、食物アレルギーを持っている可能性があります。
ただし、母親が食物アレルギーを恐れて勝手に摂食制限することはNG!
母親自身と母乳の両方が栄養失調に陥る危険があります。
赤ちゃんの皮膚の炎症が治りにくい、湿疹が多く出るような場合は、一度アレルギー科で検査を受けましょう。
結果を見て、母乳育児や母親が食べる物を制限すべきかどうか医師と相談してくださいね。
関連記事⇒赤ちゃんのアトピーの症状って?乳児のアトピーの原因と6つの治療・予防法
低体重で生まれた赤ちゃんのママ
医学や医療設備の発達によって、低体重で生まれる赤ちゃんも増えてきました。
こうした低体重の赤ちゃんは、体や内臓の成長がゆっくりのことも。
中には注意すべきアレルギーを持っている赤ちゃんもいるので、低体重で生まれた赤ちゃんの場合は、母乳育児について医師と相談してください。
ただ、アレルギー予防のための母親の摂食制限は不要、と言われています。
~食物アレルギーの発症と予知と予防~
食物アレルギーの発症予防のために妊娠中および授乳中に母親が食物除去を行うことは推奨されない。偏った食生活をしない。
(引用元:食物アレルギー診療ガイドライン2016ダイジェスト版)
母親が自分の判断で食べる物を制限すると、栄養失調になったり母乳の質が悪くなったりするリスクがあります。
勝手に判断しないようにしてくださいね。
まとめ
蕎麦は食物アレルギーの症状が出やすい食品のひとつで、赤ちゃんのアレルギーを心配する方が多いですよね。
しかし、母親がそば茶を避ける必要はありません。
ノンカロリーでノンカフェインのそば茶は、例え授乳中でも、基本的に飲んでも大丈夫。
韃靼そばのように、授乳中の女性に嬉しい成分が多く入っているそば茶があるのも事実です!
美味しく飲んで、母親自身の健康と栄養たっぷりの母乳を作るのがおすすめです。
アレルギー反応が出るかどうか。これは、赤ちゃんの体質がポイント。
アレルギー予防のために授乳中の母親が食べ物を制限することはよくないと、医師が言っています。
もし、本当に食物アレルギーが心配なのであれば、アレルギー科に相談しましょう。
勝手な自己判断はNGです。