今、豆腐は「TOFU」と呼ばれ、世界各地で高い支持を得ていることをご存知ですか?
美容・健康・長寿にいい食べ物として重宝され、肉を多く食べる欧米でも人気の豆腐。
これを「授乳中だからダメ」と避ける女性がいるとか!
この記事では
- 授乳中だからこそ食べたい!豆腐が持つ栄養素
- 豆腐を食べると赤ちゃんがアレルギーになる説はウソ!
- 大豆イソフラボンの女性ホルモンとしての効果は、半分ウソ
- 豆腐に含まれている添加物は健康に問題がないもの
- 授乳中の女性におすすめしたい豆腐レシピ5選
こうしたことを紹介します。
では、みていきましょう!
目次
授乳中だから食べたい!豆腐が持つ栄養素
豆腐は大豆を搾った豆乳から作られています。
この大豆や豆乳が持つ主な栄養素をチェックしてみましょう。
(参考:一般社団法人 全国豆腐連合会)
タンパク質
まず、豆腐の原料である大豆は「畑の肉」と言われるくらいタンパク質が豊富!
タンパク質は、筋肉や皮膚はもちろん、ホルモンの原料になります。
「母乳を作りなさい!」と命令するホルモンがなければ母乳は作られません。
このホルモンを作るためにも、母乳自体を作るためにもタンパク質は必要不可欠!
豆腐はたっぷりの水分と一緒に良質のタンパク質を摂れるので、授乳中におすすめの食品です。
レシチン
豆腐にはレシチンという物質が多く含まれています。
これは、血管に付いたコレステロールを溶かして血の巡りを良くしたり、脂肪の代謝をよくする働きがあります。
血液を原料にする母乳を出す授乳中の女性にとって、確かな脳の働きや、丈夫な血管とスムーズな血の流れは必要不可欠!
豆腐に含まれるレシチンは、授乳中にこそ摂りたい物質です。
サポニン
サポニンというのは、いわゆる苦味やえぐ味として感じられる成分で、あまり歓迎されないものです。
しかし、サポニンには、脂肪が体に溜まるのを防いだり、血管に付いた脂肪を取り除いたり、脂肪の酸化を予防したりする働きがあることが分かってきました。
脂肪が体に溜まるのは、産後の女性の悩みのひとつ!
できれば、脂肪は体に溜めたくないものです。
健康に役立つ成分でありながら、不快な味のサポニン。
それを気にせず摂れる豆腐は嬉しい食材です。
オリゴ糖
腸内細菌のエサになり、善玉菌を増やすのに必要不可欠と言われるオリゴ糖。
このオリゴ糖は大豆が持つ甘味成分のひとつで、豆腐になっても多く残っています。
豆腐でオリゴ糖を摂り、腸内の善玉菌を増やすことは腸内環境を整えることに繋がります。腸内環境が整えば、便秘の改善も!
授乳中は便秘になりやすいので、豆腐でオリゴ糖と水分をしっかり摂りましょう。
食物繊維(おからに多く含まれている)
豆腐は大豆から搾った豆乳を原料にしています。
この搾りかすがおから。豆腐の副産物ですね。
おからはスーパーで購入でき、たっぷりの食物繊維を摂ることができます。
食物繊維は腸の調子を整えるのに役立つ栄養素!
豆腐とおから、両方を摂れば、大豆の栄養を丸ごと摂取することができますよ。
赤ちゃんがアレルギーになるから豆腐NG!はウソ
授乳中の女性だからこそ摂りたい栄養素がたっぷりの豆腐。
しかし「大豆は食物アレルギーの原因!授乳中の女性は豆腐NG!」という声が聞かれます。
これはウソ!
赤ちゃんが食物アレルギーになるかも!と不安になって、授乳中の母親が特定の食べ物を食べないようにすることはNG。
母親自身が栄養失調になったり、母乳の質が悪くなるリスクがあるんですよ!
アレルギー科の医師も
食物アレルギーの発症予防のために妊娠中および授乳中に母親が食物除去を行うことは推奨されない。
このように言っています。
母乳中には、母親が食べた物の成分が含まれています。豆腐を食べれば、大豆の成分が母乳に混ざるのは確か。
でも「大豆の成分が入った母乳を飲んだから、アレルギーになる」は間違い!
赤ちゃん自身が大豆アレルギーだったら、大豆の成分が入った母乳でアレルギー反応が出る可能性がある。
ここを間違えないようにしてください。
大豆イソフラボンの効果のウソとホント
豆腐の原料になる大豆には、大豆イソフラボンという成分が含まれています。
大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た働きをするので、多く摂ると美容効果が期待できる!
そんな話をよく聞きます。しかし、これは半分がウソ!
実は、大豆イソフラボン自体は、女性ホルモンのような働きをしません。
大豆イソフラボンに含まれる一部の成分が、腸内細菌によって分解されて「エクオール」というものになります。
女性ホルモンのような働きをするのは、このエクオール。
さらに、日本人女性の約半数はエクオールを作ってくれる腸内細菌を持っていないのです!
つまり女性の半数は、いくら豆腐を食べても女性ホルモンに似た効果を得られません。
(参考:EQUELLE|大塚製薬)
なお、大豆イソフラボンの過剰摂取を心配して豆腐を食べない人がいます。
でも、間違えないでください。
心配するべき過剰摂取の原因はサプリメント!
豆腐や納豆といった大豆製品を食べたからといって、体に異常がでるほどの大豆イソフラボンは摂れません。
安心して豆腐を食べましょう。
豆腐には危険な添加物が含まれている!はウソ
大豆から豆腐を作る途中で凝固剤や消泡剤が使われます。
この凝固剤や消泡剤が体に悪い!という話がありますがウソです。
食品に使われている添加物は、安全基準をクリアして国に使用を認められたものだけ。
この基準も、毎日一生食べ続けても大丈夫、という量よりさらに少ない量なんです。
~食品添加物の概要~
厚生労働省は、食品添加物の安全性について食品安全委員会による評価を受け、人の健康を損なうおそれのない場合に限って、成分の規格や、使用の基準を定めたうえで、使用を認めています。
また、使用が認められた食品添加物についても、国民一人当たりの摂取量を調査するなど、安全の確保に努めています。
(引用元:食品添加物|厚生労働省)
豆腐1丁に含まれる凝固剤や消泡剤の量なんて微々たる物。
それが危険!なんて言うのはナンセンス!
添加物=危ない!
そんな説がネット上などで散見されますが、正しい知識を持って美味しく食べるようにしましょう。
授乳中の女性が食べたい豆腐レシピ5選
豆腐のレシピはいろいろありますが、授乳中の女性におすすめのレシピを紹介します。
豆腐の具だくさん味噌汁
豆腐レシピの定番といえば味噌汁。
ニンジン、ゴボウ、レンコン、サトイモ、タマネギなど、根菜をたくさんいれた味噌汁に豆腐をプラス。
これで、野菜とタンパク質がしっかりとれる、満腹の1品になりますよ。
豆腐ハンバーグ
ダイエット食でよく耳にするのが豆腐ハンバーグ。
カロリーを抑えながらタンパク質をしっかり摂れる嬉しいレシピです。
鶏ひき肉と豆腐で作れば中~後期の離乳食として活用することも!
<材料>4~6個分
- 豆腐:150~200g
- ひき肉:250~200g
- 溶き卵:1/2個
- パン粉:大さじ山盛り2
作り方は簡単!
水切りした豆腐をボウルの中で潰し、材料を全部入れて練り混ぜ、形を整えて焼くだけ!
味付けも、ハンバーグソースを始め、デミグラスソースを使って煮込みハンバーグにするなど、お好みでどうぞ。
ゴーヤチャンプル
豆腐の栄養素の中で「サポニンは脂肪を体に溜めないようにしたり、血管に付いた脂肪を取り除いたりしてくれる」と紹介しました。
ゴーヤにもサポニンがたっぷり!
さらに、病気に対する抵抗力や鉄の吸収をよくするのに欠かせないビタミンC、便秘解消に役立つ食物繊維、むくみを解消するのに重要な役割を果たすカリウムも豊富!
豆腐とゴーヤでゴーヤチャンプルにすると、夏にピッタリのおかずになります。
<材料>4人前
- ゴーヤ:1本
- 木綿豆腐:1/2丁
- 卵:1個
- 豚肉:薄切り100g
まず、ゴーヤは薄切りにして塩を振りかけます。5分くらい置いて、水洗いしましょう。
次に豆腐を一口大にちぎってザルにあげて水気を切ります。
それから、フライパンで豆腐の両面を焼き、お皿に出してください。
この後、豚肉、ゴーヤの順に炒め、塩少々・しょう油(大さじ1)・酒(大さじ1)で味付け。
取り出してあった豆腐をプラスし、最後に溶き卵を回し入れてザッと炒めれば完成!
なお、味付けは「めんつゆ」でもOK!お好みでどうぞ。
いり豆腐
炒り豆腐は、お弁当のおかずにも使える便利な作り置きおかずです。
筆者は卵アレルギーの子ども用に常備していました。
<材料>
- 木綿豆腐1丁
- タマネギ:1/4個
- ニンジン:1/2本
- ブナシメジ:適量
作り方はシンプル!
まず、みじん切りにしたタマネギ・ニンジン・ブナシメジを電子レンジで1分加熱。
次に、潰した豆腐と合わせてフライパンへ。
水気が少なくなるまで炒り、昆布だしとしょう油で味を調えればOK!
ほうれん草のお浸しやいんげん、ひじき等と混ぜたり、チャーハンの具にしたりしても美味しいですよ。
体調が優れない時、おかゆに混ぜるのもおすすめ。お好みで食べ方をアレンジしてください。
おからケーキ
いくら体に良いと言われても、おからが好きでたくさんバクバク食べられる!
という人は少ないもの。
また、産後は体形の崩れなどが気になってスイーツを我慢しがちです。
そんな産後の女性におすすめなのが「おからケーキ」です。
<材料>
- ホットケーキミックス:1袋(200g)
- 生おから:100g
- 砂糖:50~100g(甘さの程度はお好みで)
- 豆乳:200cc(牛乳でもOK)
材料を全部混ぜたら、炊飯器に流し込んで炊飯スイッチを押す!
これだけで完成です。
ケーキというメニューがある炊飯器なら、それを選択してください。
約50分で柔らかなおからホットケーキが焼き上がります。
まとめ
豆腐はタンパク質が豊富で、血液の状態をよくしてくれる栄養成分が多く含まれています。
また、豆腐の副産物であるおからは、食物繊維が豊富で便秘解消効果も!
大豆イソフラボンの女性ホルモン効果は、腸内細菌が居ないと得られませんが、それでも豆腐は体に嬉しい食品であることに間違いなし!
母親が豆腐を食べたからといって、赤ちゃんがアレルギーになる訳ではないし、食品添加物も安全な物が使われています。
体に嬉しい成分が多く含まれている豆腐は、授乳中でも安心して食べられる食品です。