目次
「十」という漢字について
字画数:2画
音読み:じゅう、じっ
訓読み:とお、と
読み方は他にもある
名乗りの場合には、「かず」「しげ」「じゅ」「そ」「ただ」「とみ」「ひさし」「みち」「みつ」「みつる」という読み方があります。
他の漢字と組み合わせて様々な名前に使うこともできますが、「十」という1文字で名前にすることもできますよ。
元々は「針」を示す言葉だった
「十」という漢字は元々数字の10の意味を持っていませんでした。
「十」の本来の意味は「針」で、おそらく針に糸を通した様子を表した漢字であったと考えられます。
それがいつしか発音が似ているという理由から数字の10の意味を持つようになり、「針」という意味を持たなくなったのです。
パーフェクトであることをも意味する「十」
「十」は数字の10という意味だけを持つ漢字だと思われがちですが、たくさんの数字全般を表す数字でもあります。
そのため、たくさんの幸せが子どもに訪れることを願って「十」という漢字を名付ける人が多いようです。
また、「十割」という言葉が100パーセントであることを表すように、「十」には「完全」「全部」という意味があります。
そのため、「子どもの人生がパーフェクトなものになるように」「何事も最後まで完璧にやり遂げられる人になるように」という願いを込めて名前の漢字として「十」を選ぶ人も少なくありません。
このように、「十」という文字にはたくさんの願いをのせることができますよ。
キリスト教を信仰する人にも人気の「十」
「十」という漢字はイエス・キリストが磔刑に処せられた際に用いられた十字架にそっくりです。
そのため、キリスト教を信仰する人々に「十」という漢字がとても人気。
また、キリスト教の預言者として名高いモーセが神から与えられたという戒律の数も10であるということで、そのことに絡めて「十」という漢字を好んでいる人も多いようです。
キリスト教徒でなくとも、これらのキリスト教のエピソードに感銘を受けたという人やクロスのデザインが好きだという人も「十」という漢字を子どもの名前に選んだ人はたくさんいます。
皆さんも「十」という漢字を使った素敵な名前を考えてみてはいかがでしょうか。
「十」を使った熟語
十義…立場ごとに踏み行うべき10の道徳のこと。父の慈・子の孝・兄の良・弟の弟・夫の義・婦の聴・長の恵・幼の順・君の仁・臣の忠。
十善…10の悪事を行わないこと。不殺生・不偸盗・不邪淫・不妄語・不両舌・不悪口・不綺語・不貪欲・不瞋恚・不邪見。
十徳…10種類の徳のこと。たくさんの徳のこと
十方…東側・西側・南側・北側の四方と北東側・南東側・南西側・北西側の四つ、上・下の方角をあわせたものの総称。全ての方面・場所を表す。
一五一十…物事の最初から最後までを表す。
一目十行…文章を読むのが非常に速いこと。
一饋十起…多くの意見を取り入れるために、積極的に客人を迎えること。良い人材や賢者を熱心に探し求めること。
苦節十年…長いこと物事がうまくいっていなくても、成功を信じてひたむきに努力を続けるということ。
五風十雨…5日ごとに風が吹いて10日ごとに雨が降るという農耕に適した天気のこと。世の中が泰平で穏やかであること。
十日一水…細心の注意を払って作品を完成させること。
十全健康…一切病気をせず、健康であること。
十全十美…完璧であること。
十人十色…性格や好み、考え方といったようなものは人によって違うものだということ。
十年一剣…長い間修行をし続けること。修行の成果を発揮するチャンスを待ちわびること。
駑馬十駕…何の才能を持たない人でも、ひたむきに努力をし続ければ優れた才能を持つ人と肩を並べられるということ。
「十」を使った芸能人、有名人の名前
近衛 十四郎さん
「十」という字を人に説明するときは?
基本的に漢数字の「じゅう」という説明で通じますが、10を意味する漢字は「拾」や「什」といったものもあるので、「2画の簡単な漢数字のじゅう」と説明した方が間違いなく伝わるでしょう。
「十」を使った名づけ候補
十(ひさし)
奏十(かなと)
慧十(けいと)
十希(しげき)
十平(じっぺい)
十斗(じゅうと)
十朗(じゅうろう)
十海(とおみ)
十哉(とおや)
十和(とわ)
隼十(はやと)
唯十(ゆいと)
亮十(りょうと)
聖十朗(せいじゅうろう)
真沙十(まさとみ)
まとめ
「十」は私たちの生活の中でも馴染み深い数字です。
10という数字を表すだけでなく、「十字路」「十字架」などクロスした形のものを表すのに便利な漢字として長年親しまれてきています。
しかし、「十」という漢字は10という数字やクロスした形を表す以外にも素敵な意味を持っています。
単純に10という数字を表すだけではなく、神聖な十字架の象徴として、完璧なことを表す漢字として愛される「十」。
「十」にはわが子へのたくさんの願いを込めることができます。
「十」を名付けられた子どもはきっとその名にふさわしいパーフェクトな人生を歩むことができるでしょう。