「可」という漢字について
音読み:カ
訓読み:――
画数:五画
姓や名前に用いられる場合には、他にも読み方があります。
「あり」「とき」「かなり」「よし」「よく」「より」などです。
目次
「可」の意味や由来や成り立ちと特徴
漢字の由来は、「口から大きな声を出す」。
成り立ちは、「口(ことば)」と「口の奥(のど)」のふたつが組み合わさった象形。
特徴は、口の奥を表す象形の、喉の部分が長いこと。
食道は胃に繋がっていることから「腹から声を出している」ことを示しています。
古代中国では、大きな声は天に届くとされていて、願いが叶えられると言われていました。
意味は、「よい」「聞き入れる」「許す」「できる」「できる(だろう)」。
「可」は肯定的な意味の漢字
この漢字には、肯定的な意味ばかりが含まれています。
その中で「聞き入れる」と「許す」がありますが、それをしているのは誰でしょうか。
大きな声は天に届くとされていました。
そうすると、「聞き入れる」のも「許す」のも天にいる神聖な存在です。
つまり、天に認められたということです。
そこから派生して「よい」「できる」などの自信を表す意味も持ちました。
「可」は未知の力を表している
「できる」という意味は確定的な言葉ではなく、願いも込められています。
「できる」と信じる気持ち。
信念。
また限定的な言葉でもなく、どこまで「できるか」は本人にもわからないのです。
目標としたところまで届かないかもしれないし、目標を超えてさらにできるようになるかもしれない。
努力と結果が直結している。
「可」とは、そんな意味を含んだ漢字なのです。
「可」を使った熟語
「可」の意味にあるように、「よい」「聞き入れる」「許す」「できる」「できる(だろう)」の意味を含んだ熟語が多数ありました。
一部書き出してみます。
(※「可憐」「可愛(い)」などの熟語も見受けられましたが、これは日本語の当て字として用いられたという説があるので省きました)
二字熟語・・・印可、可換、可逆、可決、可動、可燃、可能、許可、裁可、半可、可視
三字熟語・・・可及的、可能性、可不可、可用性、許認可
四字熟語・・・可逆変化、不可抗力、許可抗告、
まだ多数ありましたが、意味が重複するので省きました。
三字熟語以降では「できる」とされた意味の熟語に「不」を加えて「できない」としている否定語が多数ありました。
ここでは書き出しませんでしたが、肯定的な意味の漢字にあえて「不」をつけて否定語にしているところが、面白いなと思いました。
「可」の説明の仕方
口頭で名前を伝える際、どういった漢字を書くのか聞かれる時があります。
例えば、あなたの名前が「可奈(かな)」だとします。
その場合、「可」をどのように説明すればよいのでしょうか。
ここで例を挙げてみます。
・「かなのかは、可能性の可です」
これは簡単ですね。
「可能性の可」と言われてわからない人はいないでしょうから。
「可」を使った名前の有名人・芸能人
小島 可奈子さん(こじま かなこ・元グラビアアイドル、女優、タレント)
柳原 可奈子さん(やなぎはら かなこ・お笑いタレント)
樋口 可南子さん(ひぐち かなこ・女優)
加藤 忠可さん(かとう ただよし・俳優、声優)
築山 加奈さん(つきやま かな・アナウンサー、リポーター、タレント)
滝裕 可里さん(たき ゆかり・女優、タレント)
藤村 知可さん(ふじわら ちか・女優、声優)
森 可成さん(もり よしなり・戦国時代の武将、織田信長に仕える)
河野 可転さん(こうの かてん・江戸時代後期の俳人)
小松 未可子さん(こまつ みかこ・声優、女優、歌手)
栗本 可大さん(くりのもと かだい・江戸時代後期の俳人)
三原 康可さん(みはら やすのり・俳優、歌手、ギタリスト、音楽プロデューサー)
「可」を名前に用いる場合の女の子と男の子の違い
「可」という感じは「加」と同じように女の子の名付けに人気のある漢字です。
そして、漢字の持つ意味合いから男の子にも用いられています。
その場合、女の子には見た目と響きの可愛さを、男の子には「成功」を意識した意味合いを込めて名付ける親が多いようです。
「可」を使った名付け候補
和可奈(わかな)
輪可子(わかこ)
可子(よりこ)
可美(よしみ)
可乃(かの)
瑠美可(るみか)
美可子(みかこ)
奈々可(ななか)
桃可(ももか)
沙可(さより)
優可(ゆか)
朋可(ともか)
智可子(ちかこ)
可里奈(かりな)
楓可(ふうか)
澄可(すみか)
可架(よしか)
可波海(かなみ)
可英(ときえ)
亜依可(あいか)
花可(もとか)
波瑠可(はるか)
陽可(ひより)
実々可(みみか)
利可子(りかこ)
まとめ
「可」は、女の子の名前に用いればとても可愛くなります。
どの漢字とも合わせられるし、見た目も響きもステキです。
この漢字の魅力は、可愛いけれど落ち着いた印象を与えることです。
名前の見た目から、知的で真面目な人を思わせます。
名は体を表すと言いますから、きっと将来、誰からも信用される魅力的な女性になるでしょう。
そんな凛とした美しさを持った「可」を、大切な我が子の名前に用いられてみてはいかがでしょうか。