赤ちゃんの肌は、ツルツル・すべすべしていて、白いイメージがありますね。
しかし、急に真っ赤になってしまったり、赤いポツポツしたできものができたりすることがあります。
昨日まで白く綺麗な肌だったのにと、慌てて心配になるお母さんも多いでしょう。
「赤ちゃんのほっぺが真っ赤になった!これって病気?」
「赤ちゃんの顔にまだらに発疹が出た。アレルギーかな?」
「熱はないのに、どうして赤ちゃんの顔が赤くなるの?」
赤ちゃんの顔が全体的に赤くなったり、できものや発疹ができたりするのには、それぞれ理由が考えられます。
まずは、どのような状態になっているのか、よく観察してみましょう。
顔全体が真っ赤になっているのか、一部だけ赤くなっているのか、ブツブツしているか、カサカサしているか、熱をもっているか、まだらになっているのかなど確認しましょう。
その症状をもとに、赤ちゃんの顔が赤くなったと考えられる原因を探していきます。
今回は、赤ちゃんの顔が赤くなる原因とその対処法を次の内容でご説明していきます。
・新生児の場合に考えられる4つ原因と対処法
・環境による4つの原因と対処法
・病気による8つの原因と対処法
赤ちゃんの顔が赤くなる原因には、年齢や環境、病気などが関係しています。
赤ちゃんの顔の肌のトラブルや、赤くて気になって病院を受診するか悩んでいるお母さん、赤ちゃんの顔の赤いできものが病気かどうか心配なお母さんたちの、参考になれば嬉しいです。
目次
新生児~生後2ヶ月くらいまでの赤ちゃんが顔を真っ赤にするのはどうして?
生まれて間もない赤ちゃんは、たまに顔を真っ赤にしてうなるようなときがあります。
苦しそうなときもあり、何かを伝えようとしているのか、お母さんも心配になりますね。
新生児が顔を真っ赤にする理由としては次のようなことが考えられます。
お腹がいっぱい
母乳やミルクをたくさん飲んだ後に、お腹がいっぱいで苦しくて顔を赤くすることがあります。
お腹がいっぱいでもすぐに眠る子もいますが、そうでない赤ちゃんもいて、個人差があります。
赤ちゃんが、母乳やミルクを飲むときに、空気も一緒に飲んでしまうことがあるので、空気が胃にたくさん入って苦しいのかもしれません。
授乳やミルクをあげた後には、必ず縦抱きにし、ゲップをさせてあげましょう。
初めての育児をしているお母さんの中には、ゲップをさせるのが苦手という人もいますよね。
助産師さんによると、縦抱きでのゲップがさせにくい場合には、優しく赤ちゃんの体をおこして座らせ、片腕で赤ちゃんの頭と体を支えて、反対の手で背中をさすってあげると、うまくゲップがでるという方法もあるようです。
伸びをしている
生後間もない赤ちゃんは、どんどん身長が伸びていきます。
そのため、両手を上にあげてバンザイをしているようなポーズをするときがあります。
その伸びの時に、力がはいって、顔を真っ赤にする赤ちゃんがいます。
そのときは、様子をみてあげて、顔の赤みが引いてくるのであれば問題ないでしょう。
便秘気味
赤ちゃんの消化器官は、まだまだ未熟な状態です。
そのため、下痢になったり便秘になったりすることが多くあります。
便秘が3日以上続くなど、よく耳にする話です。
便秘によりお腹が苦しくなって、うーうーと顔を赤らめてうなる赤ちゃんがいます。
まずは、便秘を解消する方法を試してみましょう。
湯船でお腹を温めてあげる、のの字でさすってあげる、麺棒で肛門を刺激するなどが効果的ですが、あまりに長く続く便秘や赤ちゃんがとても苦しそうであれば、かかりつけ医に相談してみましょう。
暑い
室温や洋服の枚数は適当ですか?
もしかしたら、洋服の着せすぎや室温が高すぎて、暑いのかもしれません。
汗をかいていないか確認して、暑そうであれば、洋服を1枚減らしてみたり、エアコンを使って部屋の温度を調節してあげましょう。
また、お風呂上りにも身体が温まることで暑くなり、赤ちゃんの顔や体が全体的に赤くなることがあります。
温度調節をしてあげることで改善できますのでやってみてくださいね。
周りの環境により赤ちゃんの顔が赤くなる場合の4つの原因と対処法
赤ちゃんの顔が赤くなる原因は、病気ではなく環境が影響していることも多くあります。
環境を改善することで、赤ちゃんの肌も改善されることがあります。
乾燥で赤くなる
赤ちゃんの皮膚はとてもデリケートで、大人の表皮の厚さの10分の1しかありません。
そのため、水分をたくさん貯めることができないので、周りの刺激を受けやすく、乾燥しやすい時期や室内にいることで、肌が乾燥して赤くなることがあります。
新生児~生後2ヶ月くらいは皮脂が過剰に分泌されており、カサカサになりにくいのですが、その後から乾燥しやすくなってきます。
季節にあまり関係なく乾燥することが多いので、お風呂上りにしっかりと保湿クリームを塗りましょう。
顔だけでなく、体全体に塗ってあげるとよいでしょう。
乾燥が激しくカサカサになっている場所には、ワセリンを重点的に塗ってあげると効果があります。
また、クリームやオイルを塗った後に、ベビーパウダーをすることで、赤ちゃんの肌をサラサラに保つことができますよ。
お部屋が乾燥しているようであれば、加湿器を利用したり、入浴後はお風呂の扉を開けて、お部屋に湿気がいくようにしたり、濡れたタオルを赤ちゃんのいる近くに干しておくと湿度が上がります。
暑い
新生児の赤ちゃんと同じく、まだ体温調節が苦手なので、熱を上手に放出できていない場合があります。
赤ちゃんが汗をかいているようであれば、汗をきれいに拭き取ってから、ベビーパウダーをしてあげ、室温や環境を整えてあげましょう。
暑い夏であれば、簡単にシャワーやプール遊びをさせるとすっきりして、そのままお昼寝までスムーズにできることもあります。
あせも
汗がでてくる汗腺(かんせん)の数は、赤ちゃんも大人も同じ数あります。
そのため、赤ちゃんは体が小さな分、汗腺が密集しているので、たくさんの汗をかきます。
この汗腺に汗や汚れが詰まってしまうと皮膚炎を起こして赤くなり、あせもとなります。
汗のかきやすい首や頭、腕、股やおむつの部分、背中などにあらわれます。
あせもを予防する方法は、身体を清潔にして、蒸れやすい部分をしっかり乾燥した状態に保つこと。
汗をかいてしまったときには、お風呂にいれるか、綺麗なタオルで優しく拭き取ってあげましょう。
また、肌着や洋服、おむつなども交換してあげるとすっきりとします。
虫刺され
夏になると、子どもの虫刺されをよく見かけます。
大人に比べると子どもの方が虫に好かれやすいようです。
虫は蚊だけでなく、ブヨ(ブユ)、ダニ、蜂、蟻、ネコノミなどの虫刺されもあります。
目の周りを蚊に刺されると、目がふさがるほど大きく腫れることがあり周りの大人を驚かせることも。
虫刺されがひどい場合には、皮膚科を受診し、ステロイド剤や抗菌薬などを塗ることで、良くなることがほとんどです。
まれに、蚊に刺された後に高熱が出る赤ちゃんや子どもがいるのですが、これはデング熱などの感染症にかかっている可能性もあるので、かかりつけ医に相談してください。
虫に刺されない為の予防は、公園や森などの虫が多い場所に行くときには虫よけスプレーをする、長袖や長ズボンを着て、肌の露出を抑える、
また、おうちの周りに虫が来ないように対策をするとよいでしょう。
病気などにより赤ちゃんの顔が赤くなる場合の8つの原因と対処法
赤ちゃんの熱があるときや、あせもなどとは違うような症状がみられるときには、病気などによる可能性もあります。
主に次の8つの病気や症状が考えられます。
乳児湿疹(脂漏性湿疹)
普段は乳児湿疹と呼ばれている脂漏性湿疹は、生後2~8週の赤ちゃんに起きやすく、この時期の赤ちゃんの顔に湿疹ができたら、脂漏性湿疹の可能性が高いと言われています。
アトピーのように見えるので、アトピー性皮膚炎を疑い病院に連れているお母さんも多いようです。
乳児湿疹は、頭皮や額の生え際、眉などに、黄色のふけのようなものがつきます。
これが広がり、黄色いうろこのようなもので赤ちゃんの顔が覆われたり、赤色や赤黒いような顔に見えることもありますが、赤ちゃんはいたって平気なことが多いでしょう。
乳児湿疹は、爪などではがさずに、ワセリンやベビーオイルをたっぷりつけてふやかします。
その後、洗うか濡れたガーゼで優しく拭き取ると、綺麗にとることができます。
はがれにくいところもあるので、そのままにしておき、かかりつけ医に相談しましょう。
基本的には、この対処方法で3~4週間程すると綺麗な肌に戻ります。
新生児ニキビ
新生児ニキビは、乳児湿疹の一種です。
大人や思春期にできやすいニキビと同じようなもので、額や頬、顎などの顔周りにできます。
芯をもつようなポツポツしたものや、赤い湿疹のようなものもあります。
そのまま放置しておくと、ジュクジュクとしたニキビとなり、周りに広がることがあります。
新生児ニキビができる原因は、お母さんのお腹にいた頃のホルモンの影響と言われています。
新生児は、新陳代謝も盛んなので、未発達の毛穴に汚れが詰まり起こります。
対処法としては、そのままでも自然に治ることがほとんどですが、肌を清潔に保つことと、保湿クリームを塗ること、赤ちゃんの爪を短く切っておくことが大切です。
ひどい場合には、小児科や皮膚科を受診することで、治療薬を処方してくれることがあります。
風邪
赤ちゃんに熱があるときには、風邪をひいており、高熱で顔が赤いのかもしれません。
風邪といっても、いろいろな種類の風邪がありますね。
定義はしっかりと決まっているわけではありませんが、ウイルスや鼻やのどの炎症によるもので、はっきりとした病名がないものをひとくくりにして風邪と言われています。
風邪にかかり、高熱がでると、顔が赤くなることがあるので、病院を受診して、早く風邪を治す方法が一番の対処法でしょう。
とびひ(伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん))
とびひは、乳幼児の夏の風物詩のような皮膚病です。
医学用語では伝染性膿痂疹と呼ばれていますが、一般的にはとびひと言われています。
とびひは傷や虫刺されによる傷口に細菌が感染したものです。
鼻炎や鼻水が出ている子が、ひっかいて傷がつき、感染することもあります。
とびひには2つのかたちがあり、ひとつは水疱ができるもの、もうひとつはかさぶたになります。
水疱のほうは、つぶすとグチャグチャして周りに広がっていきます。
これは黄色ブドウ球菌という細菌が感染して起こります。
一方、かさぶたの方は周りが赤くなり、一気に体のあちこちに広がります。
熱が出ることもありますし、リンパ節が腫れることもあり、これは溶連菌が感染しています。
入浴やプール遊びをさせても、正しい治療をしていれば感染することはありません。
まず、とびひが確認されたらかかりつけ医を受診し、軟膏や抗生剤のお薬などで治療します。
重症になると、やけどのような症状や発熱などが生じることもありますので注意しましょう。
新生児にもみられることがあり、入院治療が必要になることもあります。
リンゴ病(伝染性紅斑)
リンゴ病はほっぺたと腕や太ももの部分に発疹ができます。
パルボウイルスというウイルスにより感染し、初冬から初夏にかけて流行しやすくなります。
どの年齢でも起こる可能性がありますが、特に6~12歳の小学生の時期に多くみられます。
ウイルスに感染すると、1週間後に発熱や下痢、頭痛などの症状があります。
さらに1週間ほどすると、両方のほっぺたが赤くなり、腕や足に斑点ができます。
この赤みは1週間ほど続き、熱や太陽光を浴びると、さらに赤くなることがあります。
リンゴ病の場合には、ほっぺが赤くなると周りに感染しなくなるので、基本的には保育園や幼稚園に行っても問題ありませんが、熱が出ている場合などにはお休みさせてくださいね。
苺状血管腫
苺状血管腫とは、毛細血管がたくさん増殖した血管腫です。
生後間もない頃に、赤ちゃんに薄い赤い斑点がみられることがあり、それが生後1~3ヶ月頃になると赤く盛り上がります。
触ってみると、ブヨブヨ、でこぼこしているので、苺のようにみえることから、この名がついています。
ほとんどのものは、次第に小さくなり消えていきますが、巨大なものは、レーザーなどの治療にて改善していきます。
蕁麻疹(じんましん)
蕁麻疹は特徴がある病気のひとつです。
特徴としては、24時間以内にひく、とてもかゆいなどが挙げられます。
蕁麻疹の原因はほとんど分からないことが多く、卵や乳などの食物によるアレルギー、薬によるアレルギー、食品の添加物による蕁麻疹、ウイルスや細菌によるものなどが考えられています。
治療法としては、ヒスタミン剤を飲むことでほとんどの場合は改善されます。
母斑(ぼはん)
母斑にもいくつか種類があるのですが、赤みを帯びているものであれば、単純性血管腫が疑われます。
母斑とは一般的にあざのことです。
単純性血管腫は、生まれたときからあるものが多く、赤ワインのような色をしています。
小さなものから大きなものまで、大きさはさまざまです。
小さなあざが額の真ん中や瞼にできることがあり、サーモンパッチと呼ばれています。
うなじにできるものは、ウンナ母斑や火炎状母斑と呼ばれています。
サーモンパッチは、生後1年以内に消えることがほとんどですが、ウンナ母斑は生後1年で半分が残り、ほとんどはその後消えていきます。
まとめ
赤ちゃんの顔が赤くなる原因としては、新生児に起きやすいもの、環境によるもの、病気によるものの16つが考えられるとして、症状と対処方法をご紹介しました。
まずは、原因を探して、それに合った対処方法をしていきましょう。
しかし、自己判断だけでは、悪化する可能性もあるので、できれば小児科や皮膚科に相談してくださいね。