「妊娠をしたかもしれない」と思った時、病院に行く前に妊娠検査薬で自分で簡単にチェックをすることができます。
しかし、検査のタイミングを間違えてしまうと誤った結果が出てしまう場合があります。
では、妊娠検査薬を使うベストなタイミングとはいつなのでしょうか。
そこで、今回は、妊娠検査薬のメカニズムや使うタイミング、使用方法や注意点をご紹介します。
- 妊娠検査薬のメカニズム
- 妊娠検査薬を使うタイミングとは?
- 妊娠検査薬の正しい使い方と注意点
- 早期妊娠検査薬って何?
市販されている妊娠検査薬の精密度は90%以上と非常に精度が高いので、陽性反応が出た場合ほぼ妊娠していると考えて良いでしょう。
精密度が高ければ高いほど、正しい使用方法とタイミングが重要ですね。
目次
・妊娠検査薬のメカニズム
受精卵が卵管を通って子宮に着床すると数日の間に絨毛(じゅうもう)という胎盤の元となる細かい根のような物が生えてきます。
絨毛組織から分泌される「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)ホルモン」が尿の中に出てくるようになります。
妊娠検査薬は、hCGホルモンがどの位尿に含まれているかを調べ、50mlU/ml以上含まれていれば妊娠の判定をラインで表示させます。
hCGホルモンは、受精卵が着床して間もない頃から増え始めて妊娠8週から12週(妊娠3〜4ヶ月)をピークに分泌されます。
妊娠中はずっと分泌をされ、黄体ホルモンを増やす効果が期待できるのでお腹の赤ちゃんを守る働きがあります。
【妊娠周期とhCGホルモンの分泌量】
妊娠周期 | hCGの分泌量[mlU/ml] | 妊娠検査薬の反応 |
妊娠3週 | 0〜50 | △ |
妊娠4週 | 20〜500 | △ |
妊娠5週 | 500〜5,000 | ◯ |
妊娠6週 | 3,000〜19,000 | ◯ |
妊娠8週 | 14,000〜169,000 | ◯ |
妊娠12週 | 16,000〜160,000 | ◯ |
妊娠24週 | 2,500〜82,000 | ◯ |
妊娠32週 | 2,400〜50,000 | ◯ |
※△は、50mlU/ml以上あれば妊娠検査薬に反応が出ます。
男性や妊娠をしていない女性の場合は、0.7mlU/ml以下。
妊娠している女性であっても、その人によって分泌量は異なります。
よって、妊娠3週から4週にかけては、妊娠をしていても50mlU/ml以上分泌をされていなければ妊娠検査薬に反応は出ませんのでご注意下さい。
・妊娠検査薬を使うタイミングとは?
受精卵が子宮に着床してから、3日から4日位でhCGホルモンが尿に出始めます。
しかし、尿内のhCGホルモンの濃度が基準値50mlU/mlに達するスピードは個人差があります。
早い人では、次の月経予定日よりも早く検出が可能になる場合もありますが、きちんとした検出結果を確認するためには次のようなタイミングが適切と言えます。
【妊娠検査薬を使うタイミング】
前回の月経開始日+月経周期+1週間後
つまり、次の月経予定日の1週間後から妊娠検査薬を使うのがベストなタイミングなのです。
また、生理不順で月経周期が安定しなかったり、前回月経開始日が分からない場合は下記のタイミングを目安に妊娠検査薬を使用してみて下さい。
【月経周期が不安定・前回月経開始日が不明の場合】
セックスをした日+3週間後
生理不順月経周期が不安定だったり前回の月経開始日やセックスをした日が分からなくなってしまった場合、妊娠検査薬を使うタイミングが早すぎて妊娠しているのに陰性と出てしまう場合もあります。
タイミングが分からない場合は、病院で診てもらうことをお勧め致します。
・妊娠検査薬の正しい使い方と注意点
妊娠検査薬は、スティック状になっていて採尿部分に直接尿をかけるか予め紙コップとっておいた尿に浸して検査をします。
市販されている妊娠検査薬の正しい使い方と注意点は下記のようになります。
〈妊娠検査薬の正しい使い方〉
- 月経予定日の1週間後から使用します。
- 検査直前に袋から出します。
- 採尿部分に尿をかけるか予め紙コップにとっておいた尿に浸します。
- スティックを平らな場所において数分待ちます。
※③の尿をかけたり浸す時間や④の結果待ち時間を必ず説明書で確認して下さい。
〈妊娠検査薬の注意点〉
- フライング検査
妊娠をしたかもしれないと思って、妊娠検査薬を早く使ってしまうと間違った反応が出てしまう可能性があります。
hCGの分泌速度は個人差があるので、早めに出る人もいますが適切なタイミングで検査をするようにしましょう。
早く検査をしてしまったことで妊娠をしているのに陰性反応が出てしまい、お酒や薬を飲んでお腹の赤ちゃん影響を与えてしまっては大変です。
フライング検査はしないよう十分に注意をして下さい。
- 採尿部分に尿をかける時間
スティックの排尿部分に尿をかける場合、説明書に書いてある通りの時間をかけるようにしてください。
尿を長くかけてしまうと誤った結果が出てしまう場合があります。
- 濁った尿や血液が入った尿
濁った尿や膀胱炎で尿に血液が混ざったり、糖尿病でタンパクや糖が尿に混じっている場合は、妊娠をしていなくても陽性反応が出てしまう場合がありますのでご注意下さい。
- 確定診断
陽性反応が出た場合は、妊娠をしている可能性は高いですが正常な妊娠かを確認する必要があります。
出来るだけ早めに病院へ行き確定診断を受けるようにして下さい。
- 不妊治療を受けている方
人工授精や体外受精の場合、排卵を誘発する際にhCGを投与されている可能性があります。
妊娠検査薬を早目に使ってしまうと投与されたhCGが残っている場合がある為正確な判定ができません。
また、hCGは単位毎に投与されます。単位が多ければ多いほど妊娠検査薬の使用が遅れますので、主治医の先生に確認をしてから検査をして下さい。
ホルモン剤は検査に影響を及ぼす可能性がありますが、風邪薬やピルの服用や飲酒による影響は出ません。
- 判定確認部分のラインが薄く表示された場合
判定を確認する部分にはっきりとラインが表示されずに、うっすらと薄く表示される場合があります。
薄く表示されたとしても陽性と判断して下さい。最終判断は、病院で確認をすりようにして下さい。
・早期妊娠検査薬って何?
妊娠したかもしれないと思うと早く結果を知りたくなりソワソワしてしまいますよね。
次の月経予定日の1週間後まで待てないという場合は「早期妊娠検査薬」を使ってみるのも良いでしょう。
〈早期妊娠検査薬とは〉
検査可能なタイミング:次の月経予定開始日又は月経開始予定日の数日前
判定可能なhCGの分泌量:25mlU/ml
早期妊娠検査薬のほとんどは海外製品が中心ですが、日本製品も販売をされています。
最近では、次の月経開始予定日の数日前から検査できる海外製品も登場をしていますが、hCGの分泌速度には個人差があります。
生理不順で月経周期が不安定な人が使用するには注意が必要です。
まとめ
妊娠初期は、赤ちゃんの臓器が作られる非常に大切な時期です。
妊娠を知らずにお酒を飲んだり、煙草を吸ったり、薬を飲んだりしてしまった場合は、お腹の赤ちゃんの発育に悪影響を及ぼしてしまう可能性が非常に高くなります。
お腹の赤ちゃんの健全な発育と母体の健康を守るためにも妊娠の早期発見は、とても重要です。
妊娠検査薬の正しいタイミングと使い方をしっかりと身につけて、いざという時でも冷静に判断できるようにしておきましょう。
また、妊娠検査薬で陽性が出たら直ぐに病院で診てもらって下さい。
いくら精度が高いと言えども100%ではありません。
最終判断は病院で確認してもらいましょう。