「子」という漢字について
字画数:3画
音読み:し、す
訓読み:こ、ね
目次
「子」の意味や由来や成り立ちと特徴
「子」という漢字には、たいへん多くの意味があります。
熟語を例に挙げながら、ご説明します。
「卵子」「精子」では、“動物の生殖細胞”を表し、「種子」「胞子」では“植物の種や実”を表します。
「利子」「子会社」といった使い方をするときは、“元の何かから生まれ出たもの”といった意味を持ち、「粒子」「分子」などでは、“小さいもののひとつひとつ”を表します。
また、「帽子」や「扇子」のように、“道具類に添えるため”に使われますし、「様子」「調子」などでは、ただ音の響きを整えるために添えられただけで、「子」それ自体には意味がないものもあります。
昔の中国語では発音が似ていたために、“十二支の1番目”である「ね」に、「子」が当て字的に用いられました。
「子」の成り立ちは、頭と手だけをおくるみの外に出している、赤ちゃんの姿をかたどったもの、と言われています。
名付けで使うことのできる読み方には、「ず」「たか」「ちか」「とし」「ね」があります。
女の子の名前の止め字として、長く愛されてきた「子」でしたが、キラキラネームや洋風の名前がブームになり、ほとんど「子」のつく名前が見られなくなった時期がありました。
しかし、近年では「子」の人気が急速に復活しています。
やはり、奥ゆかしさや控えめな愛らしさを感じさせる「子」には、捨てがたい魅力があるのでしょう。
また、皇族出身の女性の場合、名前の止め字に必ず「子」が使われるのは、みなさんご存知のとおりです。
高貴な血筋にたいする憧れや尊敬の念が、日本人の潜在意識には刻まれているのかも知れません。
音の響きを見てみましょう。
先頭字に「こ」がつく場合、“こなつ”“ここみ”など、小気味良いはつらつとしたイメージに。
そのうえ、女の子らしいキュートさもにじみ出ています。
止め字に「こ」を用いると、一転して清楚なお嬢さま、といった雰囲気になります。
伝統を重んじる、良い家柄の出身というイメージもあり、自然と周囲の尊敬を集めるような存在になるでしょう。
「子」を使った熟語
君子(くんし)
意味:博学で教養にあふれた立派なひと。
人徳があるひとのこと。弟子(でし)
意味:先生や師匠に教えをこい、学問や芸をみがく立場のひと。
引菓子(ひきがし)
意味:祝いごとや仏事などで、引き出物として供される菓子のこと。
愛嬌黒子(あいきょうぼくろ)
意味:顔の印象として愛嬌を与える位置にあるほくろ。
赤烏帽子(あかえぼし)
意味:赤い色の烏帽子のこと。
烏帽子はふつうは黒色であることから、人とは違う風変りなものを好むたとえとしても用いられる。
「子」の説明の仕方
例えば電話で名前を名乗った際に、「どういう漢字を使われますか?」と尋ねられることがあります。
そんな時のために、漢字の説明の仕方を何パターンかストックしておくと、いざという時に便利ですよ!
・A「こは、子どもの子です」
・A「こは、お菓子の子です」
・A「こは、王子の子です」
「子」は比較的伝わりやすい漢字ですので、この3パターンがあれば、だいたいの人には通じるはずです。
「子」を使った名前の有名人・芸能人
常盤 貴子さん(女優)
松嶋 菜々子さん(女優)
米倉 涼子さん(女優)
北川 景子さん(女優)
多部 未華子さん(女優)
深田 恭子さん(女優)
沢口 靖子さん(女優)
後藤 久美子さん(女優)
新妻 聖子さん(歌手)
真木 よう子さん(女優)
吉瀬 美智子さん(女優)
松 たか子さん(女優・歌手)
宮本 佳那子さん(歌手)
小倉 優子さん(タレント)
佐藤 愛子さん(小説家)
沢田 ふじ子さん(小説家)
高嶋 ちさ子さん(ヴァイオリニスト)
宮原 知子さん(フィギュアスケート選手)
上田 桃子さん(プロゴルファー)
中野 美奈子さん(アナウンサー)
加藤 綾子さん(アナウンサー)
木村 優子さん(アナウンサー)
永尾 亜子さん(アナウンサー)
中山 あい子さん(作家・脚本・エッセイスト)
池田 理代子さん(漫画家・声楽家)
里中 満知子さん(漫画家・大学教授)
幸田 もも子さん(漫画家)
中村 紘子さん(ピアニスト)
大庭 みな子さん(作家・脚本・エッセイスト)
岡本 かの子さん(小説家・歌人)
川井 郁子さん(ヴァイオリニスト・作曲家)
伊達 公子さん(元プロテニスプレーヤー)
「子」を使った名付け候補
愛子(あいこ)
亜子(あこ)
朝子(あさこ)
惟子(いとし)
歌子(うたこ)
香子(かおるこ)
希子(きこ)
栗子(くりこ)
琴子(ことこ)
櫻子(さくらこ)
子季(しき)
苑子(そのこ)
子奈(たかな)
子葉(ちかは)
子歌(としか)
寧子(ねね)
華子(はなこ)
舞子(まいね)
真子(まこ)
路子(みちか)
萌子(もこ)
桃子(ももこ)
莉子(りこ)
彩子沙(あずさ)
香子乃(かずの)
かの子(かのこ)
早紀子(さきこ)
菜々子(ななこ)
未衣子(みいこ)
柚子姫(ゆずき)
まとめ
昔から代表的な女の子の名前として、不動の人気を誇ってきた「子」。
時代とともに、その使われ方に変化は見られますが、これからも「子」は、女の子の名付けの人気漢字として君臨し続けるでしょう。