目次
「衣」という漢字について
字画数:6画
音読み:い、え
訓読み:ころも、きぬ
名乗りの場合には、「き」「そ」「みそ」という読み方があります。
他の漢字と組み合わせて様々な名前に使うことができますよ。
衣服の襟元をかたどって「衣服」を表す
「衣」という漢字は着物のような衣服の襟元をかたどった漢字で、私たちがよく知るとうに「衣服」という意味を表します。
「衣食住」という言葉があるとうに、衣服というのは私たち人間が人間たるゆえんであり、日常生活において欠かせないものです。
「衣食足りて礼節を知る」という言葉もあるように、満足に衣服を着ることさえままならなければ、私たちは人間として大切な礼儀や節度をわきまえることができないと言われています。
これらのことから、「衣のように欠かせない存在である」という意味や「一生困ることなく幸せに暮らしていけるように」という願いを込めて、わが子に「衣」という漢字を使った名前を付けてあげるのも素敵ですね。
あらゆるものを包み込む度量の広さとあたたかさ
「衣」という漢字は、単に「衣服」を表すだけではなく、「衣服を着る」という行為をも表します。
私たちが衣服を着るのは体を守ったり暖を取ったりするためですよね。
そのため、「人を守ることができる強い男性になれるように」という願いや「人を暖めてあげられるような優しい男性になるように」といった願いを「衣」という漢字に込めるのも良いでしょう。
また、「衣」という漢字は「物を包む」ということをも表します。
そのことから、「どんなものでも包み込むことができる度量の広さを持った男性になるように」という願いを込めて「衣」という字を使った名前を付けてあげるのも良いですよね。
おしゃれな人になってほしいという願いを込めて
「衣」という漢字は女の子の名前に人気の漢字ということで、なんとなく「男の子に付けるにはふさわしくないのでは?」と思ってしまう人もいるでしょう。
たしかに、衣という漢字は「天の羽衣」などの言葉があるように、美しい仙女を連想させますし、美しい女性の条件として「一髪、二化粧、三衣装」なんていう言葉もあるので、女性的なイメージが強い漢字ではあります。
しかし、羽衣は男性である仙人も空を飛ぶ際に身につけていたものであると言われていますし、現代は男性も女性に負けず劣らずファッションを嗜む時代です。
男の子の名前に「衣」という漢字を用いることは、ちっともおかしなことではありません。
皆さんも「身も心もおしゃれな男性になるように」という願いを込めて「衣」という漢字を使った素敵な名前を考えてあげてくださいね。
「衣」を使った熟語
羽衣…鳥の体を覆う羽毛の総称。もしくは、仙人や天女が身につけ、空中を自由に飛行できるようになるという衣。
錦衣…錦の美しい着物。
桜衣…桜襲の衣。もしくは、桜が咲く頃に着る春衣。
産衣…産湯の後、生まれたばかりの赤子に着せる衣服。
衣冠盛事…名家に生まれて家の名を更に高らしめた後、家の名声を引き継ぐこと。
衣錦還郷…出世して錦の着物を着て故郷に帰ること。故郷に錦を飾る。
衣錦尚絅…才能や人徳を見せないようにひた隠しにすること。
衣食礼節…人というものは生活が安定してようやく礼儀や節度をわきまえられるようになるということ。
衣不重帛…贅沢をすることなく、慎ましく生活すること。
解衣推食…人に恩をほどこすこと。もしくは、人を重く用いること。
縮衣節食…無駄遣いをせず節約をすること。
蒼狗白衣…時代の変化が目まぐるしいこと。
天衣無縫…自然のままに完成されていること。
斑衣之戯…親孝行をすること。
不解衣帯…着替えることも忘れて1つのことに不眠不休で取り込むこと。
量体裁衣…状況に応じて現実的な方法によって処理すること。
「衣」を使った芸能人、有名人の名前
石田 衣良さん
「衣」という字を人に説明するときは?
基本的に「天の羽衣の『ころも』」という説明で通じます。
しかし、それでも伝わるかが不安であるという場合には、「衣装の『い』」「作務衣の『え』」という説明の仕方を覚えておけば間違いないでしょう。
「衣」を使った名づけ候補
衣音(いおと)
衣織(いおり)
衣良(いら)
衣真(えま)
甲衣(かい)
希衣(きい)
衣大(きぬた)
衣斗(きぬと)
衣那(そな)
孝衣(たかえ)
柚衣(ゆい)
瑠衣(るい)
愛衣斗(あいと)
多衣士(たいし)
真衣人(まいと)
まとめ
「衣」は私たちが良く知るように「衣服」を意味する漢字です。
衣服は私たちにとって身近で当たり前の存在ですが、衣服があるからこそ私たちは礼儀や節度など、人として大切なことを忘れずに生きていくことができます。
また、「衣」という字にはものを包むという意味があるということで、「どんな人でも包みこむことができる心の広さやあたたかさを持ってほしい」という素敵な意味を込めることができます。
皆さんも「衣」という漢字にあなただけの願いを込めて、わが子に相応しい素敵な名前を考えてあげてくださいね。