妊娠後期に入り、昼間の眠気がひどくて悩んでいる方はいませんか。
仕事が手につかないほど眠くなってしまったり、仕事をしていない人でも、家事や上の子の世話に支障をきたして大変…ということもあるかもしれません。
妊娠後期に眠くなってしまうのはなぜなのでしょうか。
また、眠気はどう乗り切れば良いのでしょうか。
妊娠後期の眠気の理由や対策について詳しくお伝えします。
- 妊娠後期に眠い理由
- 妊娠後期に眠いときの対処法
- 妊娠後期に夜ぐっすりと眠る方法
妊娠後期によく眠くなってしまうのには、ちゃんとした理由があります。
産後の育児でも、眠気との戦いはつきものですので、今のうちにつらい眠気の対処法を心得ておきましょう。
目次
妊娠後期に眠いのは夜ぐっすり眠ることができないから?妊娠後期の眠気の理由
妊娠中は、妊娠初期から妊娠後期まで常に、妊婦さんは眠くなりやすいと言われています。
理由は主に、妊娠することによって体に眠気を及ぼすホルモン分泌が増えるからなのですが、妊娠後期の眠気にはそれとは違う原因があります。
妊娠後期に眠くなる原因は、「夜ぐっすり眠ることができない」ということです。
では、なぜ妊娠後期は夜ぐっすりと眠りづらいのでしょうか。
理由として考えられることは大きく分けて以下4つあります。
1. 眠気を及ぼすプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が減少するため
妊娠をすると、プロゲステロン(黄体ホルモン)という女性ホルモンの分泌量が増加します。プロゲステロンには、基礎体温を上げ、体に眠気を起こしやすくする作用があります。
このプロゲステロンは、妊娠後期になり出産が近づくと分泌量が減少し始めます。
妊娠前であれば、プロゲステロンの分泌が少ない時期は、余計な眠気がない分、夜中は質の高い睡眠をとることができるようになります。
しかし、妊娠後期に突然プロゲステロンの分泌量が減少を始めることで、夜まで眠気を感じなくなってしまったり、目が冴えて寝つきが悪くなってしまうことがあるようです。
なお、出産後もプロゲステロンの分泌量が少ない時期が続きます。
産後は夜中も起きて赤ちゃんに授乳をする必要がありますので、このホルモンバランス変化は、産後の授乳生活へ向けた体の準備とも言えるかもしれません。
2. お腹が大きくなることで夜寝苦しくなるため
妊娠後期は一層大きくなったお腹の影響で、寝返りが打ちづらかったり、息苦しくなったりと、夜ぐっすりと眠ることができなくなることがあります。
3. 頻尿で夜中何度もトイレに起きてしまうため
妊娠中にお腹が大きくなるにつれて、膀胱が子宮に圧迫されて頻尿になる傾向があります。
妊娠後期はお腹が大きくなるだけではなく、出産に向けて子宮の位置がより下のほうに下がってくる時期でもあります。
すると、余計に膀胱が圧迫されて頻尿になり、夜中に何度もトイレに起きてしまうことがあります。
4. 激しい胎動で眠ることができない
お腹の赤ちゃんが大きくなり、また骨や筋肉が発達してくるにつれて、胎動はどんどん激しくなります。
中には、痛いほどの胎動で夜眠れなくなってしまう方もいるようです。
胎動は、出産が近づく妊娠後期~臨月に入ると徐々に減っていく傾向にあります。
よって、今はまだ激しい胎動で寝苦しい方も、出産時期が近づくにつれて少しずつ落ち着いてくるのではないでしょうか。
妊娠後期の眠気5つの対処法 ~ 仕事にならないほどの強い眠気はどう乗り切れば良い?
妊娠後期に、昼間やらなくてはいけないことがあるのに、突然強い眠気に襲われて困ってしまう…なんてこともあるでしょう。
妊娠後期に眠くなってしまうのは、どう乗り切れば良いでしょうか。対処法を5つ紹介します。
1. 短時間でも良いので昼寝をする
眠気対策で最も効果的なのは、短時間でも良いので寝て疲れをとることです。
妊娠後期の眠気は、夜ぐっすりと眠ることができていないことが原因の場合が多いためです。
仕事をしておらず昼寝ができる環境にある人は、1~2時間などぐっすりと昼寝をしても良いでしょう。
たくさん昼寝をすると余計に夜眠れなくなるかもしれませんが、多少、昼夜逆転の生活になったとしても産後の育児でも続くことと考えれば、良しと思えるのではないでしょうか。
仕事を続けているなどの理由で昼寝ができない、あるいは昼寝をしたくない人の場合は、10分~15分など短時間でも良いので眠ることでも眠気はおさまります。
短時間では寝つけない場合は、目をつむってしばらく休むだけでも、体の疲れがとれリフレッシュすることができますよ。
2. 化粧水や冷たいタオルを顔に当てて目を覚ます
昼間の眠気をおさえたい場合は、冷たい化粧水を顔に吹きかけたり、冷やしたタオルで顔や首回りを少し拭いたりしてみましょう。
脳や神経に刺激が行き渡り、目が冴えやすくなります。
3. 少量のカフェイン飲料を飲む
妊娠中はカフェインを摂りすぎてはいけませんが、コーヒーであれば1日1~2杯程度と少量であれば問題ありません。
カフェインには眠気を覚ます効果がありますので、どうしても眠気をおさえたい場合は飲む量を守ってカフェイン飲料を摂ることも効果的です。
4. 適度に体を動かしてリフレッシュする
長時間座っていたり、同じ姿勢でいたりすると、血流が悪くなり眠気を感じやすくなります。
軽くストレッチをする、散歩をするなど、体を動かすことで血流が良くなり、気分転換できて眠気もおさまります。
5. 外の空気を吸いに行くなど気分転換をする
眠気がおさまらない場合は、同じ部屋にずっといるのではなく外の空気を吸いに外出をしたり、ベランダに出たりすると良いでしょう。
気持ちがリフレッシュし、眠気を軽減することができますよ。
妊娠後期に夜ぐっすりと眠る5つの方法 ~ 昼寝ができないときは夜の安眠がポイント!
妊娠後期に眠くなるのは、主に夜ぐっすりと眠ることができないのが原因です。
前の項目「眠気の5つの対処法」で、眠くなったときの一番良い対処法は、昼寝をして寝不足・疲れを解消することだと紹介しました。
しかし、仕事をしていて昼寝ができない人もいるでしょう。
また、そもそもの眠気の原因である夜の不眠を解消することができれば、昼間の眠気も改善されるでしょう。
妊娠後期は夜寝つきづらい時期ではありますが、少しでもぐっすりと眠るためにはどうすれば良いのでしょうか。
その方法を5つ紹介します。
1. シムス体位など、自分がぐっすり眠ることができる姿勢を見つける
妊娠後期は、大きいお腹の影響で寝苦しさを感じることがよくあります。
自分が一番楽に寝ることができる姿勢を、抱き枕やクッションなども使いながら工夫して見つけることができると良いでしょう。
よく妊娠後期のお腹の大きい妊婦さんにおすすめされる姿勢は、「シムス体位」です。
シムス体位とは、横向きになって両膝あるいは上にくる膝だけを少し曲げる姿勢です。
向きは左右どちらでも自分が楽なほうで良いですが、左を下にしたほうが静脈がつぶれないため血流促進にとっては良いと言われています。
2. 寝ようと意識しすぎずに、リラックスして夜を過ごす
夜寝よう寝ようと思うと、かえって眠れなくなることはありませんか?
眠ることを考えすぎて、眠れないことにストレスを感じるのは、睡眠にとって逆効果です。
「眠れなかったら眠れなくて良いや」「どうせ産後も授乳で夜眠れないし、その練習だと思おう」など、無理に寝ようとせずに、リラックスして夜の時間を過ごすようにすると良いでしょう。
例え眠ることができなくても、横になって安らかな気持ちで目をつむっていれば疲れを癒すことはできます。
3. 夜寝る前にパソコンやスマホを見ない
パソコンやスマホの画面から発せられるブルーライトには、覚醒効果があるとされています。
寝る直前にパソコンやスマホを見ると、眠りにつきづらくなってしまいますので気をつけましょう。
4. お風呂に入る時間を見直す(寝る1~2時間前が良い)
お風呂に入る時間を変更してみると、安らかに眠りにつくことができるきっかけになる場合もあります。
人は、お風呂に入って上昇した体温が、少しずつ下がってくると同時に眠気を感じます。
よって、寝る時間の1~2時間くらい前にお風呂に入るとちょうど良いと言われています。
また、できれば毎日同じ時間帯にお風呂に入ることで、それが一種の入眠儀式となり、「お風呂に入ってからこのくらい時間がたったら眠る」というふうに体が覚えて、眠りにつきやすくなることもあります。
5. 昼間に適度に運動をする
体調が良ければ昼間に適度に運動をすることで、疲れがたまり夜ぐっすりと寝つける場合があります。
妊娠後期はお腹が大きいため動くのが億劫になりがちですが、無理のない範囲での運動は、睡眠だけでなく体調管理にとっても大変効果的です。
ただし、医師から安静指示が出ている場合は軽度な運動も運動は控えましょう。
妊娠後期の眠気は夜の不眠が影響!産後の生活に向けても眠気対策を考えよう
妊娠後期は、ホルモンバランスの変化や、大きくなったお腹の影響で、夜ぐっすりと眠りづらくなってしまいます。
そのことが、昼間の眠気の原因となっており、つらい眠気で仕事が手につかないという人もいるでしょう。
夜ぐっすりと眠ることができない状態は、出産後の育児中にも続くことになります。
産後も不眠に悩まされることが考えられますので、短時間でも仮眠をとるなど、自分なりの眠気対策を今のうちに身につけておくことができると良いでしょう。