妊娠後期に腹痛が続いてつらい!腹痛の原因と対処法、危険な症状や陣痛との見分け方

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妊娠後期に入り、チクチク・ズキズキと腹痛が続いていると「もしかして陣痛?」「お腹の赤ちゃんは大丈夫?」と不安になってしまいますよね。

妊娠後期はさまざまな原因で、腹痛を感じる妊婦さんは多くいます。

そこで今回は妊娠後期の腹痛の原因や対処法、危険な症状や陣痛の見分け方について解説します。

  • 妊娠後期の腹痛の主な原因と対処法
  • 妊娠後期の腹痛と危険なトラブルの見分け方
  • 妊娠後期の腹痛と陣痛の見分け方

妊娠後期の腹痛はよくあることですが、ほうっておいてはいけない危険な疾患が原因であったり、陣痛の始まりの可能性もあります。

今回紹介する内容を参考に、痛みが強い場合や体に異変を感じた場合は、早めに病院を受診して対処するようにしましょう。

目次

妊娠後期の腹痛の主な原因は?よくある比較的安全な腹痛の原因とその対処法

妊娠後期に起こりやすく、比較的危険の少ない腹痛の原因は主に2つあります。

危険が少ないとは言え、腹痛が治らずに続くとつらいですし、気になって夜も眠れない人もいるでしょう。

以下に、妊娠後期の腹痛の原因とあわせて、その対処法も紹介します。

ストレスや体の疲れ、性行為による「お腹の張り」が原因で腹痛を感じる

お腹の張りとは、お腹の表面がカチカチと固くなり、お腹がパンパンに張るように感じることです。

妊娠中期頃から時々お腹の張りを感じる人が増えてきますが、特に妊娠後期に入るとお腹が張りやすくなり、時にはキューッと締め付けられるような痛みを感じることもあります。

お腹が張る原因としては、ストレスや過度な運動による体の疲れの他、性行為で子宮が収縮することや、体の冷え、お腹が締め付けられる服装などさまざま考えられます。

<対処法>

お腹の張りを感じたら、なるべく楽な体勢で横になってゆっくりと休むようにしましょう。

性行為の途中でお腹の張りを感じた場合は、中断して休むと良いです。

妊娠後期にお腹が張るのはよくあることなので、心配しすぎることはありませんが、張りがおさまらなかったり、強い痛みを伴う場合は、病院に連絡をして診てもらうことをおすすめします。

参考:長野県 / 佐久保健福祉事務所 / 妊娠後期(28 週~分娩) の過ごし方

「便秘や下痢」が原因で腹痛を感じる

妊娠後期は、便秘や下痢になりやすい時期ですので、便秘や下痢が原因で腹痛を感じることもよくあります。

便秘については、妊娠初期から妊娠後期までずっと悩み続ける人もいるほど、妊婦さんによくある症状の一つです。

妊娠によるホルモンバランスの変化で胃腸の機能が低下していることや、大きくなった子宮によって腸が圧迫されていることが原因で起こります。

下痢については、妊娠後期の特に臨月に入ると起こりやすくなります。

出産が間近になると、それまで腸の蠕動(ぜんどう)運動を抑制して、便秘の原因を作っていた女性ホルモンが、分娩の準備に入ると同時に分泌量が減少します。

そのため、腸の蠕動(ぜんどう)運動が活発化して、それまでとは反対に下痢の症状が出やすくなってしまいます。

<対処法>

便秘や下痢によって腹痛を感じる場合も、ひとまずは横になって体を休めることが大切です。

便秘や下痢など腸の不調は、ストレスや体の疲れによる自律神経の乱れも原因の一つになりますので、無理せずしっかりと休むと良いでしょう。

根本的な原因である便秘や下痢をなるべく抑えるためには、消化の良い食べ物を、一度にたくさんではなく少量ずつ食べるなど、食事での工夫が効果的です。

便秘の場合は、食物繊維が豊富な食べ物や、ヨーグルトなど腸内の善玉菌を増やす食べ物を積極的に摂ると良いでしょう。

下痢の場合は、生ものや冷たいもの、からいものなど胃腸を刺激する食べ物をなるべく避けることをおすすめします。

妊娠後期の腹痛は危険なトラブルが原因の場合も!妊娠後期の腹痛で危険な症状とは

妊娠後期に感じる腹痛の中には、妊娠に伴う危険なトラブルが原因で起こる腹痛の場合も考えられます。

妊娠後期に、腹痛が伴うトラブルにはどのようなものがあるのでしょうか。

またそのようなトラブルが発生している場合は、腹痛あるいはそれ以外の体調にどのような症状が出るのでしょうか。

以下に危険なトラブルとその症状を3つ紹介します。

切迫早産による腹痛

早産の一歩手前の状態のことを切迫早産と言います。

切迫早産とは、子宮収縮が繰り返し起こり子宮口が開いてきて赤ちゃんが出てきそうな状態や、破水をしてしまった状態をあらわします。

<切迫早産の症状>

  • 安静にしていても腹痛がおさまらず、だんだんと強くなる。
  • お腹の張りを数分に1回など、頻繁に感じる。
  • 性器出血がある、あるいは血が混ざりピンク色や茶色のおりものが出る。
  • 破水して羊水が流れ出る。あるいは水っぽいおりものが続いて止まらない。

参考:公益社団法人日本産科婦人科学会 / 一般のみなさまへ / 病気を知ろう:産科の病気 / 早産・切迫早産

絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)による腹痛

絨毛膜羊膜炎とは、膣内が細菌に感染し、その細菌感染が絨毛膜や羊膜まで拡がってしまう状態を言います。

絨毛膜羊膜炎になると、子宮の収縮が促されることから、早産や切迫早産を引き起こす原因になります。

<絨毛膜羊膜の症状>

  • 下腹部痛、特に子宮あたりに痛みを感じる。
  • お腹の張りが頻繁に起こる。
  • おりものの色や匂いが変化する。
  • 38℃以上の高熱が出る。

参考:日産婦誌研修コーナー / C.産科疾患の診断・治療・管理 / 13.産科感染症の診断と治療

常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)による腹痛

常位胎盤早期剥離とは、何らかの原因で出産前に胎盤が子宮の壁から剥がれ落ちてしまう疾患のことを言います。

処置が遅くなると、母体への負担に加え、赤ちゃんの命にも関わる疾患です。

<常位胎盤早期剥離の症状>

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  • 激しい下腹部痛がある。
  • お腹の張りが頻繁に起こる。
  • 性器出血が起こる。
  • 胎動が弱くなる、あるいは感じなくなる。

参考:日産婦誌59巻12号研修コーナー / D.産科疾患の診断・治療・管理 / 6.異常妊娠

妊娠後期の腹痛はもしかして陣痛?陣痛の痛みの特徴と見分け方について

妊娠後期に腹痛が起こると、実は陣痛による痛みで、もうすぐ出産が始まるのでは?!と焦ってしまう方も多いのではないでしょうか。

特に初めての出産となると、どんな腹痛が陣痛による痛みで、病院に連絡しなくてはいけないのかわかりづらいですよね。

陣痛には大きく分けて、「前駆陣痛」と「本陣痛」があります。

この2つの陣痛について、特徴や見分け方についてお伝えします。

前駆陣痛(ぜんくじんつう)の特徴と見分け方

お産が始まる数日前から、子宮の収縮により感じる腹痛のことを前駆陣痛と言います。

お産に向けて子宮口が開き、子宮頚管が熟化して柔らかくなってくるために起こる痛みであるため、もうすぐ出産が始まる合図と言えます。

前駆陣痛は、出産の1週間程前から感じ始めるという人もいれば、出産の前日から始まった人もいるなど、人によって痛みの感じ方が違います。

<前駆陣痛の見分け方>

  • 生理痛や下痢のような痛みを感じるが、我慢できるレベルである。
  • 痛みが不規則に起こり、しばらくすると痛みがなくなる。
  • 痛みがどんどん強くなったり、痛む間隔が短くなったりしない。
  • 痛みの他に、お腹の張りが時々ある。

陣痛の痛みは、生理痛や下痢のときに起こる下腹部痛と似ていると言われています。

よって、我慢できるレベルの下腹部痛を感じた場合は、陣痛の一つの可能性があります。

その中でも、上で挙げたように痛みが不定期で、どんどん強くなったり間隔が短くならない場合は、まだ本陣痛ではない、前駆陣痛であると考えられます。

本陣痛の特徴と見分け方

本陣痛とは、お産が始まると子宮が赤ちゃんを押し出すために起こる、定期的な子宮の収縮による腹痛です。

多くの産婦人科では、痛みが10分間隔になったら病院に連絡をするようにと、妊婦さんに伝えています。

本陣痛が始まるといよいよ入院して出産という流れになります。

<本陣痛の見分け方>

  • 生理痛や下痢のような腹痛を感じ、痛みがどんどん強くなっていく。
  • 痛みを感じる間隔が規則的になる。
  • 痛みを感じる間隔が少しずつ短くなる。
  • 痛みが強く、夜眠ることや動くことがままならない。
  • 破水して羊水が流れ出る。あるいは水っぽいおりものが続いて止まらない。

このように、前駆陣痛と同じく生理痛や下痢のような腹痛ですが、痛みがどんどん強く、痛む間隔も短くなっている場合は、本陣痛の可能性が高いです。

また、腹痛以外の兆候として、人によっては本陣痛が始まる前に破水をしたり、痛みの間隔がまだ長く病院に行く前に破水をしたりすることもあります。

参考:小阪産病院 / いつ入院したらいいの?

妊娠後期の腹痛は、陣痛や危険なトラブルの可能性もあるので注意しよう!

妊娠後期は、お腹の張りが出やすく、また便秘や下痢などにもなりがちなため、妊婦さんが腹痛を感じやすい時期です。

しかし、腹痛によっては、切迫早産など妊娠中の危険なトラブルが原因の腹痛や、お産が始まる陣痛の痛みである可能性もあります。

妊娠後期は、お腹の赤ちゃんが大きくなり、出産を間近に控えた重要な時期ですので、腹痛の程度や腹痛に伴うお腹の張り、出血などの体の変化を敏感に察知できるようにすると良いです。

そして、少しでも異変を感じたら、病院に連絡をして指示を仰ぐようにし、安全な出産に向けて無理をしないよう心掛けましょう。