妊娠超初期に口内炎に悩む方は多いです。
口内炎はできると痛いですし、食事中はしみるので非常に面倒です。
また一度出来ると治るまで時間が掛かるのも厄介なのです。
そんな口内炎が妊娠超初期にできてしまったときには出来る限り早く何とかしたいものですよね。
そこで今回は妊娠超初期の口内炎について紹介します。
ポイントは5つです。
- 妊娠超初期と妊娠超初期症状
- 口内炎の種類と妊娠超初期の口内炎の6つの原因
- 口内炎ができる部位と肌荒れについて
- 妊娠超初期の4つの口内炎対策
- 口内炎に効果的な4つの栄養素と食材
妊娠超初期の口内炎をできるだけ早く治すためには、何に注意して過ごせばよいのかを知ることが大切です。
口内炎に効果的な食材を積極的に摂取して、いち早く口内炎を治していきましょう。
目次
妊娠超初期の口内炎は危険?原因と対策について
まず妊娠超初期とはいつの期間を指すのでしょうか?
妊娠週数の数え方は最終月経の開始日を0日として数えていきます。
・妊娠超初期は妊娠0日~4週6日まで
・妊娠初期は妊娠5週0日~15週6日まで
通常であれば受精は妊娠14日ごろに起こります。
ですが、この14日というのは生理周期が28日周期の人です。
人によって生理周期は異なりますし、体調によっても排卵日がずれることもあるため、受精した日がずれることもよくあります。
妊娠週数にはズレが生じることを覚えておきましょう。
妊娠超初期は妊娠に気付かない人が大半です。
ですが中には体の変化で早いうちから妊娠に気付く人もいます。
妊娠超初期症状によって妊娠に気づいた時には、喫煙、アルコールなど胎児への影響があるものはすぐにやめましょう。
妊娠超初期症状
妊娠超初期には具体的にどんな症状があるのでしょうか?
- 体のだるさ
- 微熱
- 頭痛
- 腹痛・下腹部痛
- 口内炎
- 腰痛
- 胸の張り・乳頭の痛み
- 肌荒れ
妊娠超初期の症状の多くは、妊娠初期の症状と大差ありません。
どの症状がでるかは個人差があります。
注意したいのは、妊娠超初期症状は風邪に似ていることです。
さらには下腹部痛や胸の張りは生理前症状とも似ています。
風邪や生理前症状だと思い薬の服用をしてしまうことは多々あるので注意しましょう。
妊娠したかも、と思った時点で薬の服用は控えましょう。
口内炎とは?
妊娠超初期の症状の1つに口内炎があります。
そして口内炎にはいくつかの種類があります。
- アフタ性口内炎
- カタル性口内炎
- ガンジタ性口内炎
- ヘルペス性口内炎
口内炎には主に上記の4種類があり、口内炎の種類によって症状や原因が異なります。
1.アフタ性口内炎
アフタ性口内炎は口内炎の中央が黄色~白色にくぼみ潰瘍となり、その潰瘍の周りが赤く腫れるようにできる口内炎です。
頬の内側、舌、歯茎など口の中のあらゆるところにできます。
口内炎の多くがアフタ性口内炎であり、アフタ性口内炎は再発を繰り返すのも特徴です。
2.カタル性口内炎
カタル性口内炎は水泡や赤い炎症、斑点などができる口内炎です。
局所的な症状よりも全体的に炎症が起こります。
3.カンジダ性口内炎
カンジダ性口内炎は別名、口腔カンジダ症ともいいます。
カンジダはカビの一種で元々体の中にあるカビです。
風邪を引いた時や、疲れが溜まったときなどの抵抗力や免疫力が落ちた時にカンジタが増加して発症します。
カンジダ性口内炎には偽膜性カンジダ性口内炎、委縮性カンジダ口内炎、肥厚性カンジダ口内炎があります。
偽膜性カンジダ口内炎では舌などの口の中に白い苔のようなものができます。
こすっても白い苔状のものが取れず、無理矢理はがすと腫れたり、出血したりします。
痛みはほとんどありません。
委縮性口内炎では舌乳頭の委縮や口内が赤くなります。
痛みは偽膜性カンジダよりもあり、ヒリヒリとした痛みを感じることが多いです。
肥厚性カンジダ口内炎は、偽膜性カンジダ口内炎が慢性化すると白い苔状のものが大きく厚くなっていくものです。
肥厚性という名前の通り、厚く、角化していくため、時には切除が必要なケースもあります。
4.ヘルペス性口内炎
ヘルペス性口内炎ではヘルペスウイルスによって起こる口内炎です。
口唇ヘルペスとも呼ばれていますね。
ヘルペス性口内炎は舌や歯茎だけではなく、唇の外側など口周りにもできます。
ヘルペスウイルスに感染すると潜伏した後に高熱が起き、リンパが腫れたり、水泡ができたりします。
水泡ができた後に、水泡が破れ、腫脹やびらんができます。
強い痛みが特徴です。
ヘルペスウイルスに一度感染すると完治することはなく、口内炎が治ってもウィルスは体内に潜んだままになります。
そして体調がすぐれない時や疲れが溜まっている時など抵抗力が落ちている時にウイルスは活動し、ヘルペス性口内炎は再発してしまいます。
妊娠すると抵抗力が低下するため、妊婦さんは注意が必要です。
妊娠超初期の口内炎6つの原因
妊娠超初期の口内炎の多くはアフタ性口内炎によるものです。
原因は主に6つあります。
- ホルモン分泌の変化
- 自律神経の乱れ
- 栄養不足
- つわりによる口腔内の変化
- ストレス・疲労
- 睡眠不足
では、順番に見ていきましょう。
1.ホルモン分泌の変化
妊娠すると体内では目まぐるしい変化が起きます。
受精後からは妊娠継続のために女性ホルモンの分泌が今までとは異なるのです。具体的言うと、黄体ホルモンの分泌が増加するということ。
この体内のホルモン分泌の変化が口内炎を引き起こすのです。
2.自律神経の乱れ
ホルモン分泌の変化は自律神経の乱れを引き起こします。
自律神経は体内のバランスをつかさどる役割を持っています。
自律神経がホルモンの影響を受けて乱れると、体内のバランスも必然的に乱れてしまうために、口内炎ができてしまうのです。
3.栄養不足
妊娠症状の一つにつわりがあります。
つわりによって思うように食事がとれなかったり、栄養バランスの偏った食事をとったりしていると、栄養不足で口内炎ができることがあります。
4.つわりによる口腔内の変化
つわりによって口の中の環境が変化することがあります。
よだれが減少して口の中が乾燥すると、口内炎ができやすくなるのです。
またつわりで歯磨きが丁寧にできなくなることによって口の中の衛生環境が崩れることも、口内炎ができる原因となります。
5.ストレス・疲労
ストレスは自律神経を乱したり、消化器系に影響を及ぼしたりします。
ストレスを感じると体内ではホルモンを分泌してストレスに対抗できるように変化します。
このホルモンの分泌にビタミンB群を消費します。
ビタミンB群は皮膚や粘膜の再生・代謝に必要な栄養素です。
ストレスによって体内で大量のビタミンB群が消費されると皮膚や粘膜を健康に保てなくなるために口内炎ができてしまうのです。
また激しい運動や疲労によってもビタミンB群は消費されます。
疲れやストレスが溜まっている時には口内炎ができやすい状態なのです。
6.睡眠不足
睡眠不足は疲労回復を妨げます。
疲れがたまると、体内のビタミンB群が消費され、皮膚や粘膜の健康維持ができなくなることはもちろん、睡眠不足は自律神経のバランスも崩します。
睡眠不足が口内炎を作りやすくしてしまうのは間違いありません。
口内炎ってどこにできるの?口内炎ができる部位
一般的に口内炎と呼んでいるものはアフタ性口内炎です。
頬の内側の粘膜部分にできることが多いのですが、時には歯茎や舌などにもできることがあります。
原因は同じでホルモンバランスの変化や栄養不足、生活習慣や偏った食生活などがあります。
下に口内炎ができると、舌炎と呼ばれることもあります。
舌炎
舌にできる炎症を舌炎(ぜつえん)といいます。
舌炎の症状には舌がはがれたり、ブツブツできものができたり、ただれたり、口内炎ができたりします。
舌にできる口内炎など舌炎は、舌が良く動くために治りが遅かったり、口内炎自体ができやすかったりします。
また舌が歯にあたることで物理的刺激となり、口内炎ができることもあります。
口内炎と肌荒れ・ニキビとの関係
口内炎ができる時には多くの人が肌荒れも同時に体感します。
その原因はビタミンB群の不足によるものです。
疲労やストレス、栄養バランスの偏りからビタミンB群が不足していると、皮膚や粘膜の再生・代謝が上手く行われなくなり、肌荒れや口内炎ができてしまうのです。
皮膚を健康に保つ役割をもつビタミンB群は体内で消費されやすく、水溶性のため体内に長くとどまることが出来ません。
毎日の食事の中で摂取すること、ビタミンB群が多く消費されてしまう疲労や食生活には注意が必要です。
妊娠超初期の7つの口内炎対策
通常であれば口内炎は1週間程で自然治癒するものです。
ですが、口内炎があると痛みから食事も楽しむことができずストレスになりますよね。
妊娠中に赤ちゃんに影響が無いように口内炎を治すにはどうするのが良いのでしょうか?
- うがいをする
- 食生活の改善
- 生活習慣の改善
- 軟膏を塗る
- パッチを貼る
- レーザー照射
- サプリメントの服用
妊娠中の口内炎には7つの対策があります。
1.うがいをする
口内炎ができた時にはこまめにうがいをして口の中を清潔に保つようにするのが効果的です。
ここで注意したいのがうがい薬の使用です。
妊娠中のポビドンヨードを含むうがい薬(イソジン)の使用については、知っておきたいことがあります。
ポビドンヨードは長期に渡って摂取すると赤ちゃんに「先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)」を引き起こす可能性があります。
うがい薬での使用は少量であり、実際に飲むわけではありませんが、こういった可能性があることを考慮してから使用するかどうかを決めましょう。
ちょっとでも不安に思うときは使用を避けるほうが無難です。
うがい薬はイソジンだけではありません。
アズレン水溶液というイソジンを使用していないタイプのうがい薬があります。
アズレン水溶液には消炎作用がありますので、妊娠中はこちらを使用するようにしましょう。
また緑茶でのうがいも効果的です。
緑茶に含まれるカテキンには殺菌効果があり、口内を清潔に保つ効果もあります。
妊娠中の口内炎対策としてうがいをする時には、自分に合う物を選ぶようにしてくださいね。
2.食生活の改善
口内炎がある時には食生活を見直す必要があります。
糖分、脂分の多い食事は避けましょう。
また香辛料を多く含む食事もよくありません。
糖分、脂分を多く含む食事は、体内で代謝する際に多くのビタミンB群を消費します。
ビタミンB群は皮膚や粘膜の再生、代謝、維持などの役割を果たします。
糖分、脂分の多い食事によって体内のビタミンB群が優先して消費されると粘膜の健康維持ができなくなり、口内炎ができてしまうのです。
香辛料の多い食事、例えばカレーや韓国料理、タイ料理には多くのスパイスが使用されています。
香辛料の多い食事は口内炎に触れると刺激となるために、口内炎を悪化させたり、治りを遅くさせたりもします。
口内炎ができている時には上記のような食事はできるだけさけ、バランスの良い食事を心がけましょう。
3.生活習慣の改善
口内炎がある時には、生活習慣の改善も効果的です。
早寝早起きをして睡眠を十分に摂ることは疲労回復につながります。
また規則正しい生活を送ることは自律神経を整える効果もあります。
食生活の改善とともに、生活が乱れていないかにも注意しましょう。
4.軟膏を塗る
軟膏は口内炎に塗るタイプの薬です。
一日数回塗ることで治りを早くします。
市販もされており、手に入れやすいものですが、軟膏の多くにはステロイドが含まれています。
市販薬を使用する時には、薬剤師に妊娠中でも使用できるかを必ず確認してからにしてくださいね。
ステロイドの危険性については、過去記事『妊婦は塗り薬を塗っちゃダメ?妊娠中のステロイドやロコイド9つの注意点と影響』をご参照ください。
5.パッチを貼る
パッチは口内炎に貼るタイプの治療薬です。
貼ることで口内炎を刺激から防ぐことができます。
こちらも市販されており簡単に購入することができますが、軟膏と同じくステロイドが含まれていないか、妊娠中でも使用できるかを必ず薬剤師に相談してから使用しましょう。
6.レーザーを照射
レーザーで口内炎を焼いて治りを早くする治療法があります。
基本的には歯科医院で遠赤外線レーザーや炭酸ガスレーザーを使って治療します。
妊娠中でも治療が可能ですが、歯科医院によって対応が異なるので必ず事前に確認しましょう。
7.サプリメントの服用
治療とまではいきませんが、サプリメントの種類によって口内炎を改善する効果が期待できます。
皮膚や粘膜の再生・代謝を促すビタミンB群を多く含むサプリメントが効果的です。
妊娠中のサプリメントの服用については2つ注意点があります。
(1)妊娠中でも服用可能か
(2)ビタミンAの過剰摂取にならないか
妊娠前から服用しているサプリメントも含め、口内炎対策でサプリメントを服用するときには妊娠中でも服用可能か、必ず注意書きを読み、不安な時は薬剤師やかかりつけの産婦人科医に相談しましょう。
また、マルチビタミンなど複数のビタミンが配合されているサプリメントを服用するときには注意が必要です。
注意したいのはビタミンA。過剰摂取するとお腹の赤ちゃんに奇形を及ぼす危険があるのです。
そのため妊娠初期が終わる頃までは要注意です。
サプリメントのビタミンA含有量と、食事から摂れるビタミンAの量を大まかでいいので計算して、過剰摂取とならないように十分注意しましょう。
口内炎に効果的な4つの栄養素と食材
口内炎ができた時には食生活の改善とともに、積極的に食べた方が良い栄養素があります。
それは以下4つのビタミンです。
①ビタミンB1
ビタミンB1は皮膚や粘膜を健康に保つ作用があります。
また糖質の代謝をサポートし、アルコールの代謝も行います。
甘いものや妊娠に気づく前にお酒を良く飲んでいたという人は積極的にビタミンB1を摂取するようにしましょう。
ビタミンB1を多く含む食べ物は、
- 豚肉ごま
- まいたけ
- 大豆
などがあります。
また小麦胚芽にも含まれるので、パンを食べる時には小麦胚芽入りを選ぶのも良いでしょう。
②ビタミンB2
ビタミンB2は糖質、脂質、タンパク質の代謝をおこないます。
また皮膚や粘膜の再生の役割も持っています。
ビタミンB2を多く含む食べ物は、
- レバー※
- チーズ※
- 牛乳
- 納豆
- うなぎ※
などがあります。
レバーやうなぎは妊娠中、特に妊娠初期に食べると胎児奇形を及ぼす可能性があるビタミンAも多く含まれるため、過剰摂取にならないように気をつけなければいけません。
また妊娠中はチーズを食べる時にも注意が必要です。
チーズにはナチュラルチーズとプロセスチーズの2種類あり、ナチュラルチーズは加熱処理されていないことが殆どなので、リステリア菌感染が起こることがあります。
妊娠中は抵抗力が落ちているため、ナチュラルチーズは避け、プロセスチーズを食べた方が良いでしょう。
関連記事⇒妊娠初期に焼肉が食べたい!レバーやホルモンは大丈夫?安全な焼肉10つのポイント
③ビタミンB6
ビタミンB6はタンパク質からエネルギーを作り出す役割を持っています。
筋肉や血液などの元となるタンパク質を合成したり、アミノ酸の合成を促したりする役割も持ちます。
ビタミンB6を多く含む食べ物は、
- にんにく
- バナナ
- マグロ
- カツオ
- 牛レバー※
- 鶏肉(胸肉、ささみ肉)
などがあります。
前項で伝えたように妊娠中はレバーに含まれるビタミンAの摂取量には注意が必要です。
また、マグロは種類によって水銀を多く含むものがあり、食べ過ぎるとお腹の赤ちゃんに影響を及ぼすことがあります。
<妊娠中OK>
キハダマグロ、メジマグロ、ビンナガマグロ
<妊娠中NG>
ミナミマグロ(インドマグロ)、クロマグロ(本マグロ)、メバチマグロ
マグロの種類に注意して、量を調節しながら上手に取り入れていきましょう。
関連記事⇒妊婦はマグロを食べちゃダメ?妊娠中のまぐろ栄養素や影響と2つの注意点
④ビタミンC
ビタミンCは直接口内炎に効果があるわけではありませんが、抵抗力を高めてくれます。
ビタミンCを多く含む食べ物は、
- パプリカ
- キウイ
- ブロッコリー
- いちご
- アセロラジュース
- ほうれん草
などがあります。
フルーツであれば、つわり中でも比較的食べられることが多いので、取り入れやすいでしょう。
まとめ
妊娠超初期の口内炎は妊娠症状の1つとして挙げられます。
口内炎は妊娠によるホルモンバランスの変化や自律神経の乱れだけでなく、食生活や生活習慣の乱れも原因となります。
妊娠中に口内炎が出来た時にはうがいをして、口内を清潔に保つようにしましょう。
また治療薬の使用には注意が必要です。
薬を使用する時には必ず、妊娠中でも使用できるかどうかを薬剤師やかかりつけの産婦人科医に確認してからにしましょう。
口内炎にはビタミンB群を多く含む食品を積極的に食べることも効果的です。
サプリメントからビタミンB群を補うことも可能ですが、その際にはビタミンAに含まれる成分に注意し、過剰摂取にならないように気をつけましょう。