夜中や早朝、独りで家に居る時に突然、陣痛が始まったらどうしますか?
自力ではとても病院に行けないけれど、妊娠・出産は病気や怪我ではないので救急車は気が引ける。
そんな方は多いと思います。
しかし、陣痛で救急車を呼ぶのはアリです!
そもそも、その陣痛が通常の分娩に繋がる痛みなのか、緊急性のある痛みなのか判断できませんよね。
ただ、実は救急車を呼んだ結果、別途費用がかかることもあるんです。
今回は、陣痛で救急車を呼んだ時の費用や体験談について紹介します。
・救急車は無料で利用できる
・場合によっては「特定療養費」の支払いが必要になるケースあり!
・妊婦さんは緊急性が高いケースが多いので救急車を呼んでもOK!
・陣痛で救急車を呼んだママ達の経験談を紹介
では、さっそく1項目ずつみてみましょう!
目次
救急車は無料で利用できる
緊急時に利用する救急車は、誰でも無料で利用可能!
ですから、もし妊婦さんが陣痛で救急車を呼んでも費用はかかりません。
ただ、今は緊急性がないのに利用する心無い人達がいて、本当に必要な人が救急車を利用できないことがあり、問題になっています。
この問題は、救急車利用を有料化しようという意見が出るほど深刻なもの!
救急車を呼ぶべきかどうか迷った場合は、かかり付けの病院に電話をして指示を仰ぐか、「救急安心センター」を活用するといいですよ。
救急安心センターというのは、救急車を呼ぶ事態かどうか相談できるもの。
#7119に電話をかけると、相談費用無料で対処法を教えてもらえます。
(参考:#7119(救急安心センター事業)関連情報|総務省消防庁)
救急安心センターが設置されていない自治体でも、別の電話番号に連絡すると相談できることも。
そうした相談サービスを予めチェックしておくのもおすすめです。
場合によっては「特定療養費」の支払いが必要になるケースあり!
さて、救急車は無料で利用できると紹介しました。
しかし実は救急車に乗ると、保険適用外の別途費用がかかるケースがあるんです。
これは「特定療養費」という費用。
<特定療養費とは>
病院と診療所の機能分担の推進をはかるために国が定めた制度で、200床以上の病院は、紹介状を持たない初診患者さんから、初診時特定療養費を徴収出来るというもの
(引用元:日本赤十字病院)
救急車を利用すると、ほとんどの場合が救患を受け入れる大きな病院に運ばれます。
このため、ほぼ確実に紹介状なしで200床以上の病院に初診に行くことになります。
そう、自動的に特定療養費を支払わなければならない患者になるというわけ!
ただ、救急搬送された患者は特定療養費の対象外という病院も多いのですが
「明らかに緊急ではない」
「早く診てもらいたくて(不適切だと思っていたが)救急車を利用した」
「タクシー代がもったいなくて、無料で利用できる救急車を利用した」
このようなケースと判断された場合は特定療養費を請求されます。
救急車の適正利用を心がけたいですね。
妊婦さんは緊急性が高いケースが多いので救急車を呼んでもOK!
さて、救急車は無料だけれども、緊急性が低いと判断されると「特定療養費」がかかると紹介しました。
では、妊婦さんは緊急性が高いのか、低いのか。正直なところ、これは素人に判断できることではありませんよね。
陣痛も、教科書通りに少しずつ痛みが強くなることもあれば、最初から最高の痛みでスタートすることもありますし、陣痛だけだと思っていたら、出血して妊婦さんが動けなくなることだってあります。
妊娠中は、ちょっとしたことが引き金になって、母子の命が危険にさらされるケースもあります。
陣痛が始まって「あれ?」と思うことがあったら、妊婦さんは遠慮なく救急車を呼びましょう。
命を守るためなのでOKですよ。
陣痛で救急車を呼んだママ達の経験談7選
では、実際に救急車を呼んだママ達の経験談を7例紹介します。
【経験談1】2人目妊娠29週目、突然の陣痛・破水
予定日もまだ先で、なんの予兆もなかった妊娠29週目。
病院の一般外来受付時間が終了している18時過ぎに突然、破水。
配偶者は仕事で不在&連絡も取れず、タクシー会社に電話をしても「破水している妊婦はお断り」と複数の会社から配車を拒否される。
産婦人科の助産師さんに電話で経緯を伝えると「救急車を呼んでください!」と指示されて119へ電話。
救急車で病院へ運ばれ、無事、出産。
救急車利用による費用負担なし。
【経験談2】3人目の妊娠31週目、気を失うくらいの激痛で119
まだ正期産の時期ではないのに頻繁にお腹が張る日が続いて「おかしいなぁ?」と思っていたら、31週目で突然の陣痛。
痛みが一気に強くなったので119に電話。
その後は意識が薄れたり、記憶が飛んだりするほどの激痛に!
意識が朦朧とする中、病院に到着。
胎盤が剥がれていることが分かって緊急帝王切開で出産となった。
救急車利用による費用負担はなし。
【経験談3】1人目の妊娠33週目、切迫早産とイレウスによる緊急入院
帰省中の真夜中に、陣痛とも腹痛ともわからない痛みに襲われ、やがて腸捻転のような痛みと苦しみに変化。
田舎で呼べるタクシーもなく、妊娠2か月の頃から食事が摂れなくて水分や栄養補給のために入退院を繰り返していたこともあって、119に電話。
病院に着くと、切迫早産と妊娠性イレウス(子宮が腸を圧迫することで起こる腸閉塞)と診断され、そのまま正期産の時期まで絶対安静の入院措置となった。
救急車利用による費用負担なし。
【経験談4】3人目の妊娠34週目、出血・破水、あっという間の本陣痛に!
切迫早産のリスクがあり、張り止めの薬を服用していた妊娠34週目。
管理入院予定日の前日にお腹の張りが強くなったと思ったら、あっという間に本陣痛に!
3人目の経産婦だからか、お産の進みが早いようで出血・破水と事態がどんどん変化。
病院に電話して指示を仰ぐと、救急車で直ぐ来院するよう指示されて119。
病院到着後20分も経たずに出産。
救急車利用による費用負担なし。
【経験談5】1人目の妊娠38週目、早朝独りの時に破水して119
妊娠38週目、早朝5時に大量にお漏らしをしたような感覚で目が覚める。
配偶者は夜勤で不在。自宅には自分だけで、車の免許もなし。
タクシー会社に電話しても、どこも出ず、焦って119に電話。
病院に到着後、破水で羊水が全部なくなっている状態だったことが判明。
その後、無事、出産。
救急車利用による費用負担なし。
【経験談6】2人目の妊娠40週目、渋滞に捕まり119に連絡
なんの予兆もなかった妊娠40週目、突然、本陣痛のような激痛に見舞われ、知人の車で病院へ。
車内で破水し、陣痛も間隔がどんどん短くなる中、夕方の渋滞に捕まって車が全く進まない状態に。
とっさの判断で自分で車内から119に電話。
渋滞の中、救急車に乗り換えて病院へ。
病院到着後、直ぐに出産。
医師が「救急車を呼んで正解。呼んでなかったら危険だった」と話す状態だった。
救急車利用による費用負担なし。
【経験談7】1人目の妊娠41週目、病院の指示で119
予定日を一週間超過していた41週目の昼間、ゆるい陣痛を感じていた。
夜になり、配偶者が夜勤で不在の中、陣痛の間隔が徐々に短くなり、病院に電話。
田舎で分娩を取り扱っている病院が遠方の1カ所しかなく、真夜中で、予定日超過という状況だったから、陣痛の間隔が20分になったら救急車を呼んで来院するよう指示された。
指示通りに119に連絡し、無事に出産。救急車利用による費用負担なし。
妊婦さんは救急車を利用することも頭に入れて準備を!
陣痛で救急車を呼んだ先輩ママさんの経験談を読むと、頼れる人がいない時に身動きできない状態、しかも、後から「危なかったよ」と言われる可能性があると分かります。
予兆があるケースもあれば、なんの前触れもなく突然、大変な事態に陥るケースもあります。
妊婦さんは母子の安全を第一に考えて救急車を呼びましょう。
救急車の安易な利用はNGですが、妊婦さんは利用OK!な場合もある。
臨月が近付いたら、入院準備を予め済ませておくと同時に、何らかの異常があった場合には救急車の利用も頭の中に入れておくといいですよ。