表面のネット模様が美しいもの、ウリのようにツルリとした見た目のもの、果肉が赤いもの、緑のものなど。
メロンは高級品から手頃なものまで数多く出回っています。
舌の上でとろける甘い果肉を食べると、ちょっとした贅沢感が味わえますよね。
しかし、このメロンは「体を冷やす果物だからダメ」「糖分が多くて母乳がベトベトになる」など、授乳中は控えるように言われがち。
赤ちゃんのために我慢した方がいいのか、ちょっとくらいなら食べていいのか。迷いますよね。
この記事では、授乳中にメロンを食べる時の注意点を5つにまとめました。
・メロンは体を冷やすからダメ!は気にしないで
・食べた後、口の中がピリピリするのはメロンの中の成分が原因
・花粉症の人はメロンで口腔アレルギーになる可能性あり
・メロンは買った後、自宅で常温保存することで甘くなる
・おすすめレシピ
授乳中でも安心しておいしくメロンを食べる方法をひとつずつみていきましょう。
目次
メロンは体を冷やすからダメ!は気にしないで
暑い地域で採れるものや夏に旬を迎える食べものは、体を冷やすので授乳中は控えましょう!
このように指導されることがあります。
筆者も助産師さんから食べ物について注意された経験があります。
しかし、メロンや夏の果物を避けるのはナンセンス!
そんなことを言っていると、夏に旬を迎える食材全てがダメになりますし、温かい地域に住んでいる人は食べられる食材が激減してしまいます。
体を冷やさないようにするなら、温かい食べ物や飲み物を口にすれば問題なし。
エアコンの設定温度を高めにしたり、毎日シャワーだけで済ますのではなくお湯に浸かったりすれば、体温を高く保てます。
また、メロンは糖分が多いと言われますが、カロリーはバナナの半分程度。
メロン100gを食べても42kcalです。
メロンには、カリウムやマグネシウム、リンといったミネラル類が多く含まれています。
むくみやすく、いつもより多くの栄養素が必要な授乳中にはおすすめの果物なのです!
産後はボディケアや母乳のために、甘い菓子類を我慢しますよね。
でも、果物まで我慢するのは止めましょう!
厚生労働省も産後は主食・主菜・副菜・乳製品・果物などをバランス良く食べることを推奨しています。
目安としては、果物は1日200~300g食べたいもの。
(参考:妊産婦のための食事バランスガイド|厚生労働省、「食事バランスガイド」の適量と料理区分|農林水産省)
水分、ミネラル、ビタミン類を補給でき、体がすぐにエネルギーに変えられる糖類を含む果物は授乳中に制限するべきではありません。
口の中がピリピリするのはメロンの中の成分が原因
メロンは甘くておいしいのですが、食べた後、口の中がピリピリしたり、痒くなることはありませんか?
これはメロンが熟すときにできる揮発性の成分が原因。
また、完全に熟していないメロンの場合は苦味を感じることも。
苦味はメロンやキュウリなど、ウリ科植物が持つククルビタシンという成分が原因です。
メロンを食べた後の不快感で「アレルギーだ!」と考える人が多いのですが、一概にはいえないので間違いです。
(参考:消費者相談|農林水産省)
ククルビタシンは、植物に含まれている自然毒のひとつで、たくさん摂取すると腹痛や下痢、嘔吐といった中毒症状が出ます。
メロンではそれほど心配する必要ありませんが、ウリのようなタイプのメロンで熟していないもの、苦味を強く感じるものは食べないようにしましょう。
(参考:ククルビタシンが原因と強く疑われた事例について|岡山県、自然毒のリスクプロファイル:高等植物:ユウガオ|厚生労働省)
花粉症の人はメロンで口腔アレルギーになる可能性あり
メロンを食べた後、口の中がピリピリしたりするのはアレルギーではないと紹介しました。
しかし、花粉症などアレルギー症状が出やすい人は注意してください。
特に、イネ科植物・ブタクサ・ヨモギの花粉症の人はメロンにも強く反応することがあります。
花粉のアレルゲンとメロンのアレルゲンが似ていて、メロンでアレルギー症状が出るケースも。
花粉症の人で、メロンを食べた時に口の中や喉が痒くなる場合はアレルギーの可能性が!
違和感を覚えたり、体調が悪くなったりしたら、メロンを食べるのを止めましょう。
アナフィラキシーショックのような劇的な症状が出ることは稀ですが、医師に相談するのをおすすめします。
血液検査をすると、どんな食べ物でアレルギー症状が出るのか分かります。
どんな食材でアレルギー症状が出るのか分かっていれば、避けることができますよね。
産後は病院に行くのも大変ですが、一度、時間を見つけてアレルギー科にかかるといいですよ。
関連記事⇒授乳中は目薬を使っても大丈夫?母乳や赤ちゃんへの影響と3つの注意点
メロンは買った後、自宅で常温保存することで甘くなる
市販されているメロンの多くは、買った時はおいしくないってご存知ですか?
メロンは熟すと足が速く、食べ頃がとても短い果物です。
このため熟す前に収穫して売られています。
未熟なメロンを買うことになるので、必ず自宅で追熟させて甘いメロンに変えましょう。
ポイントは風通しのいい所で常温保存すること!
カットせず、丸のまま置いておきます。
ただし、エアコンの風はNG。
大体、20~25℃くらいの環境に置いておくと、収穫してから一週間くらいで食べ頃に!
<熟したメロンの特徴>
・ツルが枯れる
・甘い匂いがする
・おしり部分が柔らかくなってくる
時々、追熟中のメロンが割れたり、ヒビが入ったりすることがあります。
これは糖度が高くておいしい証拠!
虫が寄ってきてしまうのでお皿に乗せ、垂れる果汁を拭き取り、割ったりせずにそのまま追熟が終わるまで数日待ちましょう。
生産者の中には、割れ目をガムテープで塞ぐ人もいます。
なお、熟しすぎると苦味が出てくることもあるので要注意!
未熟だと甘味が物足りないし、熟しすぎると苦味が出たり腐敗する、タイミングが難しいメロン。
購入した日をチェックしておき、一週間以内くらいを目安に色・匂い・触感を頼りにして、美味しい時期を逃さず食べましょう!
関連記事⇒授乳中はすいかを食べても大丈夫?母乳や赤ちゃんへの影響と5つの注意点
メロンのおいしいレシピ
メロンは果肉を一口大にカットし、冷凍しておくのがおすすめ!
1~2カ月くらい保存できますし、シャーベット、スムージー、ピューレといった楽しみ方ができますよ。
他にもメロンを使った美味しいレシピがあるので紹介しますね。
丸ごとメロンゼリー
メロンの中身をくり抜いて丸ごとメロンゼリーにしましょう。
寒天を使えば、簡単にゼリーにできますよ。
<材料>
メロン 1個
水 150cc
寒天(顆粒) 小さじ1
砂糖 大さじ1
レモン果汁 小さじ1
<作り方>
(1)メロンは、頭の部分を上から1/4くらいの所で横にカットし、中身を丸く丁寧にくり抜く(果汁も果肉も全てボウルに残しておく)
(2)水を鍋で沸騰させ、火を止めてから寒天(顆粒)を加える。泡立て器で約1分かき混ぜ、寒天を溶かす。
(3)粗熱がとれた(2)にメロン果汁・レモン果汁を加えてよく混ぜる
(4)(1)のメロンの皮に(3)とくり抜いた果肉を入れ、冷蔵庫で冷やす
杏仁豆腐のメロンソース添え
自家製杏仁豆腐に、メロンの果肉と果汁をミキサーで攪拌したものをかけます。
ちょっと贅沢な杏仁豆腐ですね。
<材料>
ゼラチン(粉) 7g
お湯(80℃) 70g
牛乳 550g
砂糖 大さじ3
アーモンドエッセンス 3~4滴(お好みで)
メロン お好きな分量
<作り方>
(1)ゼラチン(粉)をお湯にいれてよく混ぜる
(2)牛乳と砂糖を鍋に入れて混ぜながら弱火で温め、人肌くらいになったら火を止める
(3)(2)に(1)を入れて混ぜ、編み目の細かいザルでこす
(4)(3)にアーモンドエッセンスを入れ、容器に入れて冷蔵庫で2時間冷やす
(5)(4)を一口大にカットし、ガラスの器に盛る
(6)メロンの果肉を(5)に乗せる
(7)(6)の残りの果肉と果汁をミキサーに入れて攪拌し、トロトロのソースを(6)にかける
※冷凍メロンをシャーベットにして杏仁豆腐にかけてもOK
ウリ科のスープ
メロンとキュウリ、ウリ科の食材で作る冷製スープもおいしいですよ。
<材料>
きゅうり (皮をシマ柄に剥いて冷凍) 1/2本
★メロン(冷凍した果肉) 200g
★オリーブオイル 大さじ1
★レモン汁 少々
<作り方>
(1)★をミキサーに入れて攪拌する
(2)凍ったきゅうりに塩を軽くまぶし、荒くおろす
(3)(1)をガラスの器に入れ、(2)を中央に盛る
まとめ
メロンは、体が利用しやすい糖分とミネラル類、そして水分を補給できる果物です。
体を冷やす果物とも言われますが、温かい飲みものや食べもので体を直接温めれば問題なし。
授乳中でもメロンを食べてOKです。
ただ、熟したメロンの成分で口の中がピリピリすることがありますし、未熟なメロンは苦味が出ることも。
強い不快感がある場合は食べるのを止めましょう。
なお、花粉症の人はメロンを食べるとアレルギー症状が出ることも。
激烈な症状は出にくいですが、食べるのを避けたり、医師に相談したり、検査を受けることをおすすめします。
メロンは自宅で追熟させることで完成する果物です。
生で食べたり、冷凍したり、ゼリーやソースなどにして美味しくいただきましょう。