新生児にみられるモロー反射とは?点頭てんかんとの違い激しい場合の対処方法

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気持ちよさそうに寝ていた赤ちゃんが、突然ビクッとして起きて大泣きすることがありませんか?

その様子を見ていたら、怖い夢を見たのかな、病気なのかなと心配になりますね。

新生児期に起こるこのビクッとなる動作は「モロー反射」と呼ばれています。

あまり馴染みのない名称ですが、新生児期の赤ちゃんにはよく起こる動作なのです。

「赤ちゃんにみられるモロー反射って何?」

「モロー反射はいつまで続くの?」

「激しい場合や異常な動き、頻繁に起きていても平気なの?」

など、モロー反射を初めてみるお母さんにとっては、不安でどれが通常なのかもわかりませんね。

また、モロー反射が頻繁に起こっている、激しくて毎回泣いている、モロー反射がないなど、モロー反射についていろいろ不安や疑問を抱いているお母さんも多いようです。

今回は、新生児にみられるモロー反射についてくわしくご説明していきます。

もし、赤ちゃんがビクッとなって泣いたとしても、これはモロー反射だなと思うだけで、心配や不安が消えて、気持ちに余裕ができますよ。

・モロー反射とは
・モロー反射はいつまで続くのか
・点頭てんかんとの違い
・モロー反射が激しい場合の対処方法
・モロー反射がない場合や1歳過ぎても続く場合

新生児期は、赤ちゃんの小さな動作ひとつでも気になる時期ですよね。

不安や悩み、疑問を抱えているお母さんの参考になれば嬉しいです。

目次

そもそもモロー反射って何?

モロー反射とは、赤ちゃんが何らかの刺激を受けたときに、ビクッと両腕を広げて伸ばす動作のことで「原始反射」のひとつです。

原始反射とは、人間が生まれながらにしてもっている反射運動の事で、運動機能の発達のために必要不可欠な動作のひとつなのです。

モロー反射は、オーストラリアのエルンスト・モロー医師が発見したもので、外部の刺激から、自分の体を守るための動作であると考えられています。

ビクッと両腕を広げる動作以外にも、ゆっくりと何に抱きつこうとしている動作も挙げられています。

外部からの刺激にはいろいろありますが、大きな音や急に入ったまぶしい光などの刺激があります。

犬を飼っているおうちでは、犬が吠えたときに、モロー反射をみることもあります。

また、突然のモロー反射に、赤ちゃんも驚いて手足をバタバタすることや、大泣きすることもあります。

お母さんは、初めは驚くかもしれませんが、ビクッとして泣いているときには、モロー反射だなと思って、優しくあやしてあげてくださいね。

モロー反射はいつからいつまで続くの?

モロー反射は、生後すぐに始まり、生後4ヶ月頃までにはなくなっていく、一時的な動作です。

モロー反射がなくなると、首がしっかりと座るなどの発達が進むので、1ヶ月検診や3ヶ月検診などでも、モロー反射のチェックがあることがあります。

チェックの方法は様々ですが、一般的には、赤ちゃんを仰向けに寝かせ、頭を支えて軽く起こし、支えている手を急に緩めると、赤ちゃんが何かに抱きつこうと手を広げます。

生後5ヶ月以降にもモロー反射が続いている場合や、モロー反射自体がない場合には、いくつかの原因が考えられるので、後ほどご紹介していきます。

赤ちゃんにみられる点頭てんかんとの違いについて

モロー反射の動作は、生後4か月~1歳くらいの赤ちゃんに発症する点頭てんかんに似ています。

てんかんに多い痙攣の症状などはなく、モロー反射のような動作をします。

そのため、モロー反射を点頭てんかんではないかと心配する人もいますし、逆に点頭てんかんの疑いがあるのに、モロー反射だと流してしまう人もいます。

点頭てんかんとは、ウエスト症候群とも呼ばれており、子どものてんかんの中では、最も治りにくいてんかんと言われています。

首をカックンと落とす動作が点頭と呼ばれ、それと同時にからだを前に曲げて、驚いたように手を広げ、抱きつくようなかたちで前に出します。

そのときに、両足も前に出てきます。

発作は、起きたときや眠くなった時に続けざまに起き、5~15分の間に15~30回ほど動作が続きます。

モロー反射に比べて、頻度も多く、回数も多いのが特徴です。

発作が起こった後は、泣く赤ちゃんもいれば、にっこり笑う赤ちゃんもいるので、赤ちゃんの機嫌だけではなく、動作の様子を確認して、モロー反射との違いを見極めます。

新生児期から生後4か月までの間に点頭てんかんに似ている症状がある場合には、大田原症候群(おおたわらしょうこうぐん)の可能性もあります。

大田原症候群は、脳にいろいろな奇形が認められる場合が多く、特効薬はありません。

どちらの場合においても、早期発見と早めの受診が必要となります。

モロー反射が激しい場合や頻繁に起こるときの対処方法

運動機能の発達のためには必要なモロー反射ですが、環境や赤ちゃん個々によって、毎回動作が激しく大泣きしてしまうことや、頻繁におこってなかなかぐっすり眠れないこともあります。

そのためモロー反射が激しい子や、よく起きる子に有効な方法をご紹介します。

おくるみでくるむ

新生児期は、おくるみでくるんで包み込むことで、お母さんのお腹の中にいた頃のように感じ、赤ちゃんはとても安心します。

モロー反射は、ビクッとして両腕を広げるので、この広げる動作をおくるみで制限してあげることによって、赤ちゃんがモロー反射に驚いて大泣きすることが緩和されます。

夏場は暑いので、ずっとおくるみにくるむということはできませんが、赤ちゃんのお昼寝時間や落ち着かないときなどに試してみてください。

大きな音や光が急に入らない空間をつくる

赤ちゃんのお昼寝タイムや夜眠る際には、静かな部屋で眠らせてあげるようにしましょう。

家族が活動する部屋で寝かせることで、赤ちゃんにも目が届くので、お母さんにとっては安心ですが、赤ちゃんがぐっすりと眠ることができないことがあります。

また急に大きな音がすることで、不安をあおってしまうので、夜になって夜泣きに繋がることも考えられます。

赤ちゃんが眠る時間だけでも、寝室や人が行き来しない和室などで寝かせてあげてくださいね。

モロー反射がない場合や1歳過ぎても続くような場合

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モロー反射はすべての赤ちゃんに起こる反射です。

その大きさには個人差があるので、小さなモロー反射に気づかないこともあります。

しかし、モロー反射が全くみられないときには、核黄疸という病気の可能性も考えられます。

核黄疸(かくおうだん)は、生後1週間ほどに現れる生理的黄疸とは違います。

核黄疸とは、ビリルビン脳症とも呼ばれており、血液型不適合や先天性胆道閉鎖症がある場合に、ビリルビンが脳の組織に障害を及ぼすことがあります。

核黄疸にかかると、赤ちゃんは元気がなくなり、嘔吐や痙攣が起こるようになります。

また、生後5か月以降や1歳をすぎてもモロー反射がみられている場合には、脳性まひや発達障害がある場合があります。

モロー反射は首がすわる時期に向けて、自然になくなっていくのですが、それでも続いているときには、一度小児科を受診した方がよいでしょう。

どちらの場合も、病気がなく、ただの原始反射であると診断されることもあるので、心配であれば、一度相談して、心配を解消するとよいですね。

まとめ

モロー反射は、自分の体を守るために必要な動作であり、運動機能の発達のために必要です。

そのため、あまり心配せずに、ビクッとなる赤ちゃんをみて、かわいいな~と思うような気持で、見守ってあげましょう。

モロー反射によって、不安や恐怖心から泣いてしまう赤ちゃんもいますが、お母さんがギュッと抱きしめて安心させてあげることで落ち着くでしょう。

病気との見分け方が難しいので、モロー反射以外の病気なのかなと疑う時には、一度小児科に相談してみてくださいね。