赤ちゃんに歯が生えたり、お母さんが仕事を始めるなどのきっかけで、断乳をするお母さんは多いのではないでしょうか。
断乳後に寝かしつけるのは、どのようにしたらいいのか。
断乳が成功するタイミングや4つのポイント、避けるべき3つの注意点をご紹介します。
赤ちゃんを抱っこしないで寝かしつけるには、どのようにしたらいいのでしょうか。
この記事のポイントは4つです。
・断乳と卒乳の違いとは?
・断乳のおすすめのタイミング
・成功する4つのポイント
・避けるべき3つの注意点
・断乳後の安心毛布とは?
それでは解説をしていきます!参考にしてください♪
目次
そもそも断乳とは?
断乳と離乳(りにゅう)・卒乳(そつにゅう)との違いは何なのでしょうか?
最近では混ざって使われることも多いのですが、似ているようで実は全然違うんです。
「離乳」
離乳とは、母乳やミルク以外で栄養を摂取できるようになること。
つまり離乳食で栄養をまかなえるようになる、ということです。
「卒乳」
卒乳とは、赤ちゃんが自分から徐々に飲むのをやめること。
赤ちゃんが自然に母乳やミルクを経つのを待つことです。
お母さんが徐々に母乳やミルクの量を減らしていき、赤ちゃんが自然に飲まなくなるのを待ちます。
離乳食完了期の1歳~1歳6ヶ月頃が卒乳のタイミングと言われていますが、これは国によっても異なります。
中には3歳を過ぎても飲んでいる子どももいます。
お母さんと赤ちゃんに問題がなければ、ご飯で栄養を摂っているうえで、続けていても特に問題はありません。
「断乳」
断乳とは、母親が赤ちゃんにおっぱいを与えるのをやめること。
赤ちゃんに歯が生えてきておっぱいを噛んでしまったり、お母さんが仕事復帰のため昼も夜もきちんと寝なくては健康状態が危うい場合、お母さんが薬を投与しなければならない場合など、母親の都合で母乳やミルクを「断つ」ので断乳といいます。
ミルクの場合、徐々に牛乳へとシフトしていけるので、あまり卒乳や断乳という言葉は使われません。
どちらも母乳を卒業する言葉として使われやすいです。
時代によって違う!断乳の適齢期!
「授乳を止めると赤ちゃんは嘘みたいによく寝るようになる」なんて聞くと、お母さんはいつから断乳していいのか気になりますよね。
実は断乳の適齢期は、時代によって言われ方が全く違うんです。
江戸時代~昭和初期
江戸時代頃は衛生的な環境ではなく、免疫力がない赤ちゃんに安心して与えられる食品があまりありませんでした。
そのため一番安全である母乳を、主の栄養として2~3歳頃まで与えるのが普通。
徐々に衛生面が確保され、明治から昭和初期には1歳~1歳半前後までが授乳するのが常識となります。
昭和中期以降から現在
食品が衛生的で安全であることから、8ヶ月~1歳ごろが断乳をするのに適正と言われています。
しかし最近では、母乳は母と子のスキンシップの1つとされていて、母子にとって楽しい行為である限り、断乳を急ぐ必要はないという考えも増えてきています。
つまりは、お母さんが続けていても問題ないな~と思っている限り、断乳の必要はなく、卒乳を待ってもいいんですね。
断乳後の寝かし付け!
いままで添い乳で寝かせていたのを、断乳後はトントンして寝かしつけるにシフトしなければなりません。
いつ、どんな風にやったらいいか、4つのポイントと3つの注意点をご紹介します。
意外と大事!断乳を始める日!
子供が1歳半の記念日に、2歳の誕生日になど、お母さんの中で断乳を始める日というのは大事な日かもしれません。
ただ断乳を始める日のも、気を付けた方がいい日と成功しやすい日があります。
・断乳を始める時期
前項でも説明したように、断乳を始めるのは8ヶ月以降。
赤ちゃんの体調も良く、離乳食をきちんと食べているのも大事なポイントです。
お母さんの諸事情により、断乳をする決意をきちんと固めましょう。
そしていきなりやめてしまうと乳腺炎などの危険性があるので、徐々に日中にあげる回数と量を減らしていき夜間の断乳を実行しましょう。
・気を付けた方がいい日
断乳をしない方がいい日は保育園に入るなど、生活の変化が大きく、赤ちゃんが大きなストレスを感じる時や、季節の変わり目など風邪をひきやすい時はなるべく避けましょう。
風邪をひいて母乳しか栄養源が摂れなくなってしまうと、せっかく始めた断乳も再開することになってしまいます。
・成功しやすい日
断乳が成功しやすい日。
それは、ゴールデンウィークやシルバーウィークなどの連休。
3~4日間連続で、お父さんやお婆ちゃん、お爺ちゃんなどに手伝ってもらえるからです。
夜泣き続けて、お母さんが疲労していても、昼間に子供を見ていてもらえます。
お母さんが昼間休んでいても、子どもはしっかり遊んで体力を消費していてくれます。
せっかく断乳を始めたのに、2日目でお母さんの具合が悪くなったら元も子もありません。周りの人に協力をしてもらいましょう。
寝かしつけの4つのポイント
・1つめは、日中での過ごし方。
まず生活リズムを整えましょう。
朝は何時に起きるのか、何時にご飯を食べ昼寝をして、何時に寝るのか。
なるべく毎日同じようなスケジュールにしてあげることで、赤ちゃんは眠りのタイミングを得ることができます。
いっぱい遊んで、しっかり昼寝をして、ご飯をいっぱい食べるように促してあげてください。
・2つめは、寝る時の環境作り。
できれば寝室を作ってあげましょう。
おもちゃを持ってこないようにして、「ここに来たら寝るんだ」という意識を赤ちゃんに持たせてあげましょう。
暗く静かにし、ぐっすりと寝やすい環境を作ってあげることが大事です。
断乳を始めたら、赤ちゃんは泣いて喉が乾いてしまうこともあるので、寝室に白湯か麦茶を入れたマグを持っていき、喉が乾いたら飲ませてあげましょう。
・3つめは、おっぱいを見せない。
断乳中はおっぱいにに絆創膏を貼る、チューブトップを着る、水着での入浴、簡単にめくれないようにワンピースを着るなど、赤ちゃんにおっぱいを見せない工夫をしましょう。
一緒にお風呂に入っていて、おっぱいが目に入ってしまえば赤ちゃんも恋しくなってしまいます。
・4つめは、お母さんの覚悟です。
ネットや支援センターで断乳のエピソードを聞くと、断乳ってとっても大変なものということが分かります。
お母さんがなぜ断乳を決意したか、そのきっかけをしっかりと考えてください。
「周りが始めたので…なんとなく」では、時間もかかりますし、大泣きしたり言葉で訴えられたりしてしまうと、やっぱりあげようかなと心が折れてしまいます。
断乳は3日~長くて1週間、それ以上かかることもあります。
夜ぐっすり眠りたくて断乳を始めたものの、結局断乳後も夜中起きてしまう、ということもあります。
なぜ断乳を始めようと思ったのか、よく考えて意思を固めてください。
もしお母さんが授乳をあまり苦にしていないのであれば、卒乳を待つのも1つの手です。
断乳の際にNGな3つのこと!
・1つめは、おっぱいにワサビ・からしを塗る、怖い顔を描く。
赤ちゃんにとっておっぱいは、心の安心材料の1つ。
それを恐ろしいものに変えてしまうというのは、できれば最終手段にしましょう。
睡眠は、安心した環境でなければ眠れません。
それは私たち大人も同じこと。緊張したり、不安な環境では、眠ることはできません。
断乳は、おっぱいがなくても安心して眠れるという事を教えてあげることでもあります。
お母さんの愛しかったおっぱいを恐ろしいものに変えることは、できればしたくないですね。
・2つめは、夕寝はしない。
適度にお昼寝をすることで、夕寝をしないようにしましょう。
夕寝は寝るのを遅らせてしまいますし、早く寝ても眠りが浅くなってしまいます。
夕寝は絶対的にお勧めできません。
・3つめは、トントン以外の寝かしつけはしない方がいい!
抱っこしたり、抱っこ紐でおんぶをしたり、車でドライブに出かけるなどの寝かし付けは、できるだけやめましょう。
抱っこは子供が大きくなると難しいですし、ドライブもいつまでも続けることはできません。最終的には添い寝で、トントンして寝られるようにしなければいけないのです。
私の場合もそうでしたが、始めはトントンでわが子が寝るはずもなく、脱走したり泣いたりと大騒ぎでした。
しかし最終的には寝室で遊び疲れて、泣きながら私に寄り添って寝るようになり、赤ちゃんの中でスイッチが切り替わったのか、4日目からは自然と添い寝ができるようになりました。
始めは1時間かかるのは当たり前。
いつまでも寝ないからといって抱っこやドライブをして、それで寝るようになっても結局はトントンで寝るようにしなければいけないので二度手間になってしまいます。
私の知り合いでは「1年間お母さんが寝かし付けをしてきたから、断乳の寝かし付けはお父さんがする」という方もいました。それも1つの手段です。
お母さんは自分だけでなんとかしようと無理をしないで、周りの人を頼ってなごやかな断乳をしましょう。
断乳時期で変わる利点と欠点!
赤ちゃんが8ヶ月を過ぎて、「いつでも断乳していいですよ~」となったらいつ断乳しましょか?断乳は行う時期によって、それぞれ利点と欠点があります。
どちらがいいのかは、やっぱりお母さん次第ではないでしょうか?
1歳半ごろまでの断乳
・利点:
おっぱいに絆創膏を貼っても剥がせない。
泣いも言葉で訴えはしないので、母親が意思を貫き通しやすい。
・欠点:
言葉が通じないので、「おっぱいはもう終わり」と言ってもあまり理解されにくい。
免疫力が低いので、断乳中に風邪をひいてしまった場合など、母乳で栄養を摂らなければならなくなりやすく、断乳が中止されやすい。
離乳食をしっかり食べていないと、栄養面で不足が出てしまう。
2歳ごろの断乳
・利点:
食事をしっかりとれているので、断乳しても栄養面での心配がない。
言葉が通じやすいので「2歳になったから、おっぱいはもう終わり」・「おっぱいは赤ちゃんが飲むものだよ」と、話をすることができる。
架空の物語を作って、「おっぱいとサヨナラしなければならない物語」をお話ししてあげることもできます。
おっぱいを我慢できたら褒める、ということが伝わりやすい。
カレンダーで×をつけて、断乳日をカウントしたりすることもできる。
・欠点:
知恵と行動力があるので、おっぱいに絆創膏を貼っても剥がしてしまったり、泣いて言葉で訴えることができるので、母親の心が折れやすい。
断乳後は甘えがひどくなる?
断乳後は「後追い」の時と同じ、それ以上に甘えるようになったと感じるお母さんも多いそう。
その中で見られる「安心毛布(ブランケット症候群)」というものもあります。
安心毛布とは?
安心毛布とは、別名「セキュリティブランケット」・「ブランケット症候群」「ライナスの毛布」とも言われます。
幼児がお気に入りの毛布やぬいぐるみを常に抱きかかえたり、おしゃぶりをしたりすることで安心感を得るのと同様で、人がある特定のものに執着して、それから安心感を得ている状態。
「お気に入り」や「愛着」とも言い換えることができます。
有名なスヌーピーが登場する漫画「ピーナッツ」のライナスというキャラクターが、肌身離さず毛布を持って歩いているので、「ライナスの毛布」とも言われます。
赤ちゃんが断乳後や卒乳後、精神的不安を軽減するために母乳の代わりにブランケットを持つようになる「移行対象(いこうたいしょう)」とも言われます。
安心毛布への対応は?
安心毛布は、寝る時にその匂いを嗅いだり、顔に擦り付けたり、怒られたり、喧嘩してしまった時に抱きしめるなど、安心材料であったり、不安な気持ちはを紛らわす効果があります。
断乳後、ブランケット症候群が出てしまったら依存性をなくすために早々にやめさせるか、自ら辞めるのを待つのか。
これについては様々な意見があります。
無理にやめさせた場合、また別のものへと移行したり、反動でより依存性が高くなる可能性があります。
本人が納得するまで待つ場合、毛布を保育園に持って行くわけにも行かなかったり、移行対象が「指しゃぶり」だった場合、小学校入学以降も続けていると指がふやけたり前歯が出っ歯になる危険性もあります。
本人の成長や環境を考慮しながら使っていい場所とダメな場所を、適宜サポートしてあげるのが、親も子も無理がないようです。
また、検診の時に先生に相談してみるのもいいですね。
親の心配をよそに、成長するにつれて本人が「人には見られたくない」と思うようになり、自らやめる事も多いようです。
最近では、新生児のころからあえて安心毛布を与えるような商品も販売しています。
安心毛布は、実は誰にでもあること
「ピーナッツ」に出てくる、お気に入りの毛布をいつも持ち歩いているライナスという男の子。
彼は作中で姉のルーシーにお気に入りの毛布を無理やり「卒業しなさい」と隠されたり、処分されてしまう話があります。
ライナスは姉と仲間に「人にはそれぞれ、安心材料があるんだ。
どうして僕だけがそれを取られなくてはならないんだ。」ということを訴え、結局お気に入りの毛布を握りしめて寝られるようになります。
誰もが気が付かないうちに「安心材料」にしているものがあり、その対象がお酒やたばこ、人や言葉、物という違いであって、物に現れることでブランケット症候群と呼ばれるだけのことです。
「ぬいぐるみ心理学」というものでは、あえて人形を持つことで大事な時に自分の意見が言えるよう、自信が持てるようにするそうです。
自分の子どもにブランケット症候群が見られ、「愛情不足なのか」「異常なのでは」と心配する必要はありません。
断乳後に甘えが強くなったと感じたら、いっぱい抱きしめて、たくさん甘えさせてあげてください。
まとめ
断乳の寝かし付けについて、いかがでしたでしょうか。
季節の変わりめや保育園に入りたてなど、風邪をひきやすかったりストレスが大きい時の実行は避け、手助けがある連休がねらい目です。
日中の生活リズムを整え、寝る環境を作り、絶対に授乳しないという決意をもって望みましょう。
抱っこ紐での抱っこやおんぶ、車でのドライブでの寝かし付けは、結局トントンの寝かし付けに変えなければならないので、最初から行わないように。
断乳の寝かし付けは、1時間かかるのは当たり前。
子どもがあきらめて添い寝で寝てくれるのを何日か続ければ、ケロッと寝るようになってくれます。
おっぱいにワサビやからしを塗る、怖い顔を描くのは最終手段にしてあげてください。
断乳後は甘えが強くなる可能性もあります。
その時は、たくさん甘えさせてあげてましょう。
本当に断乳したいのか、するべきなのか、今一度よく考えてみてください。
思い切って、卒乳を待つのも一つの手段です。