味付けを変えればおかずの1品にも、おやつにもなる煮豆。
煮豆は、たんぱく質と食物繊維が簡単に取れる優れもの。
赤ちゃんは一体いつから煮豆を食べられるのでしょうか。
4つの注意点と、煮豆を使った簡単レシピを紹介します。
この記事のポイントは次の4つです。
- 赤ちゃんは何歳から煮豆を食べられるのか
- 食べさせる時の4つの注意点
- 煮豆による誤嚥事故の対応
- おすすめレシピ
それでは紹介します!順にみていきましょう♪
目次
そもそも煮豆とは?
「煮豆」と聞くと、お正月に出る甘い黒豆を想像されやすいのですが、実は煮豆には3種類あります。
甘いもの、塩味のもの、醤油味のものの3種類です。
小豆、ひよこ豆、大豆、金時豆、花豆、えんどう豆など、豆類には良質なたんぱく質だけでなく、ポリフェノールも多く含まれています。
赤ちゃんはいつから煮豆を食べられる?
赤ちゃんは煮豆をカミカミ期(9~11ヶ月)から食べることができます。
市販の甘い煮豆は糖度や塩分濃度が高いため、下処理をする必要があります。
家庭で赤ちゃん用に糖度や塩分濃度が低い煮豆を作ってあげた場合でも、そのまま与えると誤嚥の危険性があるため注意して下さい。
ほかにも、赤ちゃんに煮豆を与えるときには注意する点があります。
赤ちゃんに煮豆を与えるときの4つの注意点
注意点は以下の4つです。
1つめは、下処理をきちんとすること。
商品にもよりますが、市販の甘い煮豆は大体30%以上が糖分です。
与える前はゆでて糖分を抜いてから、与えましょう。
塩味や醤油味の場合は、一晩塩水に漬けると塩抜きができます。
12時間後に1度水を変えるとより塩抜きができます。
2つめは、与えるのは少量にすること。
赤ちゃんに煮豆を与える時は少量にしましょう。
市販の煮豆には糖分や塩分だけでなく、添加物も含まれています。
添加物の原料は木の葉や実から抽出したものや、化学的に合成したもの。
日本の添加物は、食品衛生法で安全なものしか使用できないことになっています。
しかしその中には、発がん性のおそれがあるなどの理由から海外では使用禁止になっているものもあります。
消化器官が未発達な赤ちゃんには、できるだけ添加物のないものを与えてあげましょう。
また1つめの理由の、糖分や塩分の高さという点においても、煮豆を与えるのは少量が妥当でしょう。
下処理によって、糖度や塩分濃度が0になるわけではありません。
3つめは、頻繁に食べないこと。
前項で述べたように、煮豆には糖分や塩分、添加物が多く含まれています。
少量だからといって毎日煮豆を食べないようにしましょう。
赤ちゃんに糖分や塩分の多い離乳食ばかり与えてしまうと、将来的に若い頃から高血圧や肥満、心臓病や腎臓病などの生活習慣病にかかる恐れがあります。
離乳食は素材の味を生かすのが基本。
赤ちゃんは離乳食で、様々な素材の味を舌で学んでいます。
たとえ煮豆が大好きでも、同じものばかり与えないように。
いろんな味に触れさせてあげましょう。
4つめは、誤嚥に注意すること。
煮豆は誤嚥の危険性がある食品です。
与える前にはすり潰すか、半分以上に切る、皮を取り除くなどの必要があります。
赤ちゃんは咀嚼力がまだ未発達のため、うまく噛んだり飲み込むことができません。
万が一誤嚥してしまわないように、与える時はきちんとした処理をし、必ず大人が側についていましょう。
また赤ちゃんにとって豆の皮は、消化が難しいものなので誤嚥に限らず取り除いてあげてください。
煮豆の誤嚥事故について
煮豆は赤ちゃんや高齢者の、誤嚥事故の原因となる食品です。
ここでは、誤嚥について詳しく紹介したいと思います。
そもそも誤嚥とは?
本来食べたものは食道に入ります。しかしそれが、誤って気管に入ってしまうことを誤嚥といいます。
まだ上手に噛んだり飲んだりすることができない赤ちゃんは、まとまりにくい煮豆や皮を誤って気道に入れてしまうことがあります。
絶対NG!
煮豆が万が一喉に詰まってしまった場合、慌てて指を入れて掻き出そうとするのは絶対にやってはいけません。
爪で口の中を傷つけたり、かえって奥の方に押し込むことになってしまいます。
やるべき対応!
すぐに病院に向かうか、救急車を呼びましょう。
そしてうつ伏せにして背中を叩き、とにかく吐き出させます。
消費者庁のHPに載っている、わかりやすい方法を以下に記載しました。
お母さんとお父さんで一度確認して下さい。
また、家の中の目がつくところに貼っておいて、いつでも対応できるようにしておきましょう。
HPにはイラストも記載されているので、是非見てみてください。
0歳児【背部こう打法】:片腕にうつ伏せに乗せ顔を支えて、頭を低くして、背中の真ん中を平手で何度も連続してたたきます。なお、腹部臓器を傷つけないよう力を加減します。
1歳児【背部こう打法変法】:立て膝で太ももがうつ伏せにした子のみぞおちを圧迫するようにして、頭を低くして、背中の真ん中を平手で何度も連続してたたきます。なお、腹部臓器を傷つけないよう力を加減します。
満5歳以上【腹部突き上げ法(ハイムリック法)】:後ろから両腕を回し、みぞおちの下で片方の手を握り拳にして、腹部を上方へ圧迫します。この方法が行えない場合は、横向きに寝かせて、又は、座って前かがみにして背部こう打変法を試みます。
注意してほしいこと!
気道に入ってしまったのに、そのまま放置することはやめましょう。
後々それが、肺炎などを引き起こしてしまう可能性があります。
また、気管に入った小さな豆が水分を吸って徐々に大きくなり、窒息の原因となることも…。
お母さんから見て、赤ちゃんの様子が変だなと思ったら必ず病院に行ってみてもらいましょう。
誤嚥しないような煮豆は?
フジッコでは介護食として口の中でまとまりやすいソフトデリの優しい豆を出しています。
咀嚼力の弱い赤ちゃんに、こういった食品を与えてあげるのもいいですね。
煮豆を使ったおすすめレシピ!
最後に赤ちゃんが離乳食で食べられるおすすめの煮豆レシピを紹介します!
煮豆スープ
<材料>
煮豆…10g
牛乳1/3カップ
<作り方>
1.煮豆は薄皮を取り除き、細かく刻む。
2.鍋に1の煮豆と牛乳を入れて火にかけ、温まったら器に盛る。
かぼちゃのいとこ煮
<材料>
かぼちゃ…3cm角(8g)
煮豆…5g
野菜スープ…1/4カップ
<作り方>
1.かぼちゃは種を取り除き、皮をむく。
2.1のかぼちゃを5cm角に切り、煮豆は裏ごしする。
3.鍋に2のかぼちゃと煮豆、野菜スープを入れ、かぼちゃが柔らかくなるまで煮る。
手作り煮豆
<材料>
大豆…10g
にんじん…5g
ひじき…5g
だし汁…1/2カップ
<作り方>
1.大豆は水で柔らかくゆでて、皮を取り除き、細かくきざむ。ひじきは水にいれて戻して、細かくきざむ。
2.にんじんは食べやすい大きさに切る。
3.だし汁で、1の大豆とひじき、2のにんじんを柔らかくなるまで煮る。
まとめ
煮赤ちゃんと煮豆についていかがでしたでしょうか。
赤ちゃんは煮豆をカミカミ期(9~11ヶ月)から食べることができます。
市販の甘い煮豆は糖度や塩分濃度が高く添加物も含まれているため、与えるのは少量にしましょう。
また家庭で赤ちゃん用に低糖や塩分濃度が低いものを作ってあげた場合でも、誤嚥の危険性があるので、必ず小さく切ったりすり潰したりして、皮は取り除くこと。
万が一、誤嚥しまった場合の緊急対応の方法は、両親で一度確認して、いつでも対応できるようにしておきましょう。