妊婦は玄米を食べちゃダメ?妊娠中の玄米の栄養素と5つの注意点

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玄米は栄養豊富で健康によく、ダイエットができる上にデトックス効果がある食品!

そんなプラスのイメージが強いかもしれません。

しかし、妊婦さんにはおすすめできない5つの注意点があることをご存知でしょうか?

この記事では、玄米の栄養や特徴、注意点についてまとめました。

いい面が強調されがちな玄米ですが、実は妊婦さんには不向きな食品なんです。

その理由をひとつずつ見ていきましょう。

目次

玄米は栄養が多いけれど、吸収率が悪い食材

玄米というのは、精米されていないお米のことで、イネの実の籾(もみ)から籾殻だけを取り除いたもの。

糠(ぬか)が付いたままなので、糠の中に含まれている多くの栄養分を取ることができます。

玄米は栄養豊富というイメージは糠が付いているからなんですね。

事実、精白米と比べてみると、カリウムは5倍以上、マグネシウムは7倍以上、鉄は6倍以上、葉酸は3倍以上、ビタミンB1は8倍以上含まれています。

精白米を炊いた白飯と、玄米の茶碗1杯当たりの栄養を一覧表にしてみたので比べてみてください。

(参考:食品成分データベース|文部科学省

精白米と玄米では、カロリーはほとんど変わりません。

しかし、ミネラルやビタミン、食物繊維は玄米の方が多いですね。

「これは凄い!食べなければ!」

と思うかもしれません。

しかし、残念なことに玄米は消化・吸収しにくい特徴があります。

食物繊維が多く、なかなか消化できない食材なんです。

栄養豊富ですが、私たちの体は玄米の栄養を無駄なく吸収することができません。

胃腸に負担がかかる分、損をしていると言ってもいいでしょう。

また、上記の表の右端に「妊婦さんが1日に取りたい栄養素の量」を書いていますが、精白米より栄養素が多いとはいえ、特筆するほどでもありませんよね。

玄米を食べたからといって、一日分の摂取目安量をクリアできるわけではありませんので気をつけてくださいね。

わざわざ精白米を玄米に変えて食べるより、副菜を増やした方が、簡単で効率良く栄養素を取ることができます。

また、次の5つの注意点を考えると、妊婦さんには大きなメリットがない食材であると言えます。

【注意1】玄米の衛生管理に要注意

玄米は田で取れたイネの実の籾殻を取り除いただけのものです。

籾殻を取り除く作業は田んぼだったり、農家さんの作業場などで行われています。

精白米の場合は、玄米を精米工場へ運び、ゴミや異物を取り除く選別作業をしてから精米しています。

このため、出来上がった米には異物やゴミなどが混ざっていません。

しかし、選別作業をしない玄米には、石やガラス、土、虫など、色々な異物が混ざっている可能性があります。

工場のように製品の品質管理基準や異物検査、製造ラインの清掃基準などがない作業場で袋詰めされている玄米は、精白米よりもよくない衛生環境下で袋詰めされていることも。

全ての玄米が衛生管理に注意が必要という訳ではありませんが、精白米のような工場とは全く違う環境で製品にされているので、十分に注意して中身を確認してくださいね。

【注意2】玄米で便秘が悪化する可能性も

玄米の魅力のひとつに、食物繊維が多いというのがあります。

しかし、栄養素の表をチェックしてみると食物繊維は不溶性のもの。

便のカサを増したり、腸を刺激して蠕動運動を促し、排便に繋げる役割を担ってくれます。

ただ、既に便秘になっている人が不溶性食物繊維を多く取ると、便の量がさらに増えて苦しくなったり、便が詰まってパンパンの腸が刺激されて強い腹痛に悩まされることが!

便秘になっている腸に、不溶性の食物繊維は逆効果。

消化吸収し難い不溶性食物繊維を多く取ると、胃腸に負担がかかります。

胃腸の調子がよくない時は、玄米は避けた方がベター。

ホルモンや大きくなった子宮の影響で胃腸の調子が変わりやすい妊婦さんに、玄米はおすすめできません。

関連記事:妊婦に食物繊維は必要?摂取量の目安やおすすめ食品と4つの注意点

【注意3】玄米でダイエットや栄養補充は難しい

玄米でダイエットを考える方もいますが、期待できないと思っておきましょう。

まず、精白米と玄米のカロリーはほぼ同じ。

玄米に変えてもカロリーは変わりません。

さらに、玄米の方が精白米よりも栄養が多いのですが、玄米は消化されにくいため、栄養は十分に吸収されず「栄養豊富でいい!」と言えるほどの栄養は摂取できません。

普通に精白米を食べ、主菜や副菜に野菜をプラスする方がずっと効率的で手軽に栄養を摂取できますよ。

【注意4】アブシジン酸という有害物質を除去する手間が必要

あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、玄米には「アブシジン酸」という物質が含まれています。

これは、植物が持つホルモン。

動物などに食べられるのを防ぐ役割を持っています。

アブシジン酸は人の体に入るとエネルギーを作り出す源でもあるミトコンドリアを傷付けてしまうことが分かっています。人にとっては毒なんですね。

玄米を長時間水に浸けて、発芽できる状態に変化させるとアブシジン酸はファゼイン酸という別の物質に変化。

毒性がなくなります。

玄米はしっかり水に浸けてから炊くようにしてくださいね。

常温の水を使用した場合には、夏場ですと約12時間程度、冬場の場合ですと約24時間浸しておけば確実です。ですが、発芽させすぎると青臭みがでて食べづらくなったり、水に浸しっぱなしにしてしまいますと、そこから菌が入り込んでしまい、腐ってしまう可能性がありますので、6時間おき程度に水をチェックして、水を変えるようにしましょう。

(引用元:発芽玄米とアブシジン酸の関係|日本美健

一晩水に浸ける手間を忘れると、毒を体に入れることになってしまいます。

妊娠中、体に毒を入れるのは怖いですよね。

必ず水に長時間付けてから炊くようにしてくださいね。

【注意5】フィチン酸でガン予防&デトックス!はウソ

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玄米が健康にいいと言われる理由のひとつに「フィチン酸が体の中の重金属などを吸着して外へ出してくれる」「強力なデトックス効果がある」という話があります。

残念ながら、これはウソ!

フィチン酸という物質は玄米の中に含まれていますが、人の体の中で吸収されずに体の外へ出ていってしまうんです!

食べ物を体内に吸収するためには、その食べ物が水に溶けやすい状態になる必要があります。一般にフィチン酸は、アルカリ条件(体内の多くの環境)では、鉄や亜鉛と強く結合してしまい、水に溶けにくい物質(フィチン酸塩と呼ばれています。)になると考えられています。つまり、そのまま体内に吸収される事はなく、フィチン酸が鉄、亜鉛などを捕まえたまま体外へと排出される事になります。

(引用元:フィチン酸について|日本植物生理学会

フィチン酸が玄米の中の鉄や亜鉛と結びついたまま吸収されずに排泄されてしまうので、鉄や亜鉛を吸収できないことになります。

つまり、いくら玄米が栄養豊富でも人は吸収できず無駄になるんですね。

ガンに効くという話も十分な科学的根拠がなく、確かな効果は確認されていません。

フィチン酸については不明なことも多いのですが、栄養素の面でメリットがないと言えますね。

玄米は妊婦さんにはおすすめできない食材

玄米は精白米に比べて栄養素が多く含まれています。

しかし、玄米だけで複数の栄養素を大量に摂取できる訳ではありませんし、不溶性食物繊維が多いため便秘の症状を悪化させる可能性が!

カロリーは精白米とほとんど変わりませんし、アブシジン酸という人体に毒になる物質が含まれています。

ガンに効くと言われるフィチン酸も、吸収できない状態であり、玄米の中の鉄や亜鉛を人が吸収できない原因になっているなど、不安な点があります。

玄米には妊婦さん向けのメリットがほとんどなく、胃腸に負担がかかったり、調理に手間がかかるものなので積極的に食べることは避けた方がいいでしょう。

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