日本人の食生活に無くてはならない食材の1つ、昆布。
昆布だしのお味噌汁やこんぶ茶、特に和食料理には欠かせない存在ですよね。
実は昆布に含まれるヨウ素が足りなくても多すぎても、妊婦に影響があることをご存知ですか?
喫煙や飲酒がダメなことは広く知られていますが、「昆布の何がダメなの?」と思われた方も多いのではないでしょうか。
今回は、昆布の栄養素と、摂取量に注意が必要な『ヨウ素』について、まとめました。
・昆布に含まれる豊富な栄養
・実は怖い!ヨウ素の過剰摂取
・昆布以外の食品にも要注意!
昆布には豊富な栄養、特にミネラルがたくさん含まれます。
しかし、昆布に含まれるヨウ素を過剰摂取すると妊婦にも赤ちゃんにも悪影響が・・・。
妊娠~出産までは、注意しなければいけないことが多過ぎて息が詰まりがち。
それでも、お腹の中の大切な赤ちゃんのためです。正しい知識を身に着けて、無事に出産の日を迎えましょう。
目次
昆布から摂取可能な8種類の栄養素
昆布には主に以下の栄養素が含まれています。
・水溶性食物繊維(アルギン酸、フコイダン)
・カルシウム
・鉄分
・カリウム
・ナトリウム
・ヨウ素
・色素
・グルタミン酸
特にカルシウム、鉄分、カリウム、ナトリウム、ヨウ素といったミネラルが非常に豊富に含まれています。
例えば鉄分は、牛乳の約39倍も含まれているんですよ!
さらに、妊婦に必要なミネラルを効率的に摂取することができるヨウ素も含まれています。
ヨウ素の摂取は妊婦やお腹の中の赤ちゃんに、どのような影響があるのでしょうか。
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ヨウ素不足は妊婦にも赤ちゃんにも影響が!
ミネラルたっぷりの昆布。
中でもヨウ素には、私たちの甲状腺の状態を正常に保ってくれる働きがあります。
ヨウ素が不足して甲状腺機能が低下すると、妊娠中かどうかに関わらず、私たちの身体に以下3つの影響を及ぼします。
・全身に倦怠感を感じる
・低体温になる
・体重が増える
また、お腹の中の赤ちゃんへの影響はさらに大きく、
厚生労働省の勧告によると、
・死産
・流産
・胎児の先天異常
・胎児甲状腺機能低下症
以上4つのリスクがあります。
ヨウ素不足がこれほどまでに胎児に影響を与えるなんて、考えるだけで怖いですよね。
「お腹の中の赤ちゃんに、元気で産まれてきて欲しい」というのは妊婦共通の思い。
赤ちゃんのことを考えると、ヨウ素不足は絶対に避けたいですね。
ヨウ素の過剰摂取もNG
不足すると赤ちゃんに影響が大きいヨウ素。
昆布をいっぱい食べなきゃ!と思った妊婦さん、ちょっと待ってください。
実は、ヨウ素の過剰摂取も赤ちゃんに悪影響を与えてしまうんです。
ヨウ素の過剰摂取をすると「先天性甲状腺機能低下症」を発症するリスクが高まります。
厚生労働省によると、ヨウ素の過剰摂取により赤ちゃんに影響が出たケースでは、1日に2. 28~3. 18 mgのヨウ素を妊婦が摂取していたとのこと。
ヨウ素の過剰摂取にも気を付けなければいけませんね。
妊婦のヨウ素摂取量の目安
取らな過ぎても、取り過ぎても赤ちゃんに影響が出てしまうヨウ素。
それでは、どのくらいの摂取が望ましいのでしょうか?
妊婦が1日に必要なヨウ素の摂取量は170μg、摂取の上限は2000μgです。
このように数値だけ見ても、実際どのくらいの量なのか、分かりづらいですよね。
では、事項以降で具体的に説明していきます。
昆布にはたくさんのヨウ素が!昆布出汁はどう?
昆布にはヨウ素がどのくらい含まれているのでしょうか。
昆布だしを500ml取るのに使われる昆布は5gです。
この乾燥昆布5gに含まれるヨウ素は12000μg、なんとたった5gで1日の上限(2000μg)を超えてしまいます。
とはいっても、昆布だしでは、昆布その物を食べるわけではありませんよね。
5gの昆布でとった昆布だし500mlに含まれるヨウ素量は650μg、これなら摂取上限内でおさまります。
ちなみに乾燥昆布は、たった5g食べただけでも上限値を超えてしまいます。
もちろん間食として食べやすいおしゃぶり昆布にもヨウ素は含まれています。
手軽に食べられるからと多量に食べがちですが、食べ過ぎには十分に注意しましょう。
また塩昆布はヨウ素だけではなく塩分が豊富に含まれます。
妊娠中の塩分の過剰摂取は妊娠高血圧症候群になる可能性があるので、なるべく避けたいですね。
妊婦が昆布を食べる時は、週に数回と回数を制限するか、昆布だしのように、昆布その物を摂取しない料理にしましょう。
関連記事⇒妊婦はひじきを食べて大丈夫?妊娠中のひじき6つの栄養素と注意点
昆布以外の食品にも注意して
昆布以外にも、ヨウ素を含む食品はたくさんありますよ。
ヨウ素が多く含まれる4つの食品と、ヨウ素量をご紹介します。
量は、1人分(1食分)です。
・わかめ(10g) 190μg
・ところてん(100g) 240μg
・まだら(100g)350μg
・あわび(中1個100g) 180μg
特にわかめは、日本料理によく使われています。
例えば昆布でだしを取り、わかめを入れたお味噌汁を飲んでしまうと、1食で摂取上限を超えてしまうことに。
上記の食材は、昆布に比べてヨウ素の量は少ないですが、食べ合わせには注意が必要です。
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まとめ
ヨウ素は不足すると妊婦にも赤ちゃんにも影響がある栄養素です。
しかし、日本料理には、昆布やわかめ等のヨウ素を多く含むお料理がたくさん!
よっぽど洋食の多い家庭でなければ、取りすぎることはあっても、不足する心配はありません。
ヨウ素を含む食品の中でも、特にヨウ素の量が多い昆布は食べ過ぎないように注意をして下さい。
カルシウムやミネラルを豊富に含む昆布ですが、カルシウムなどは牛乳や小魚といった食材から摂取するといいでしょう。
既に食べ過ぎてしまった!と思った方は、1週間の摂取量で調整すれば大丈夫ですので、心配する必要はありません。
正しい摂取量を守って、妊娠中の食事を楽しんでくださいね。