あれ?子供の頬がなんとなく赤い、体調も優れないせいかぐずぐずだし…これってもしかしてリンゴ病かも!
このように子供の頬を見て、気が付く妊婦さんもいますよね。
私は妊娠中だけど、リンゴ病が移ってしまったらどうなるのかな?
お腹の赤ちゃんに影響はないのかな?
数日前に遊んだお友達がリンゴ病になった…これって感染したかな?
もう自分一人だけではない身体です。
一気に不安が広がる妊婦さんもいますよね。
残念ながら、リンゴ病は予防のためのワクチンもなく、薬もありません。
そしてリンゴ病は感染した時期によっては、母体を通してお腹の赤ちゃんに影響が出ることがあるので注意が必要なのです。
但し、きちんとリンゴ病について知っておけば余計な不安を抱えることはありません。
リンゴ病について5つのポイントをまとめました。
- リンゴ病とは?
- リンゴ病の検査方法
- 感染した時期が意味するもの
- リンゴ病に感染した時は
- リンゴ病の予防方法とは
予めリンゴ病の知識を頭に入れておくことで、もしかして?と疑問を抱いたら、
主治医に早く相談することもでき、迅速な対応に繋がるので、より安心できますね。
では解説していきます。
目次
リンゴ病って一体どんな病気?風邪と似ている初期症状に注意!
リンゴ病とは、主に幼児が多くかかる病気で、ヒトパルボウイルスB19というウイルスが、赤血球を作る細胞である赤芽球に感染する病気です。
初期症状は
- 発熱
- 倦怠感
- 頭痛
- 筋肉痛
といった風邪の症状に似ています。
風邪と違うのは、このあと頬や手足に赤い発疹が出てくることから「りんご病」といわれています。
厄介なのは風邪のような初期症状の段階で、既にウイルスは増殖して感染力を発揮しており、発疹が出てきた時はもう感染力はほとんどなくなっています。
そして成人がかかった場合は子供と違い、特徴とする発疹が出ない場合も多いので、見分けることが難しいのです。
リンゴ病に感染したかも?リンゴ病の検査方法とは
一度リンゴ病にかかると生涯免疫がつくので、再度感染することはありません。
従って、母子感染の可能性もありません。
子供や周囲がリンゴ病にかかっている時、患者のくしゃみや接触などで感染する可能性があります。
自分が過去にリンゴ病にかかったかどうか分からない妊婦さんは、ヒトパピロマウイルスB19の抗体があるか否かを調べるため、血液検査を受けた方が良いでしょう。
血液検査の結果で
・IgMが陰性、IgGが陽性の場合は、昔リンゴ病にかかったことがあり、既に抗体を持っていることを意味しているので、心配する必要はありません。
・IgMが陽性の場合は、リンゴ病に最近感染したという結果になります。
なおIgMは感染3か月後には陰性になってしまいます。
気が付くのが遅れた場合は注意が必要です。
リンゴ病の患者と接触したかもしれないという妊婦さんは、その旨を必ず主治医に相談しておきましょう。
妊娠20週より前にかかると危険?リンゴ病は感染した時期が重要!
妊娠中にリンゴ病に感染した場合、感染した時期がとても重要になります。
妊娠20週より後に母体が感染した場合
一般的に20週以降の感染では、胎児水腫はほとんど起こらないので、安心して良いです。
妊娠20週より前に母体に感染した場合
母体がリンゴ病に感染した場合、胎盤を通して感染する可能性がある胎児は、約30%と言われています。
さらに感染した胎児のうち10%の胎児が、赤血球が作られずに減ってしまう為、重度の貧血となります。
症状が進行すると、むくみがひどくなる胎児水腫という状態に陥り、亡くなる場合もあります。
また胎児水腫にはならずに、子宮内胎児死亡となる場合もあります。
感染時の週数が早ければ早い程、重篤な状況になるリスクが上がりますので、注意が必要です。
リンゴ病に感染してしまった!長期の経過観察は必須
万が一、妊婦さんがリンゴ病に感染してしまった場合、どのような経過を辿るのでしょうか。
妊婦さんが感染してから、2~17週間後に胎児に影響が出て来ると言われています。
この間、長期に渡って妊娠経過を注意深く見守っていく必要があります。
流れとしては、このような順になります。
1.胎児水腫を起こしていないか早期に発見できるように、エコー検査を一週間に1、2回行います。
2.胎児水腫の異常が見つかった時は、胎児採血や胎盤組織や羊水等を採取してB19DNAがあるか否かを調べ、胎児感染の確定を行います。
しかし現状では、胎児感染に対しての有効な治療法は確立されていません。
だからこそ主治医とよく相談をし、しっかりと経過を見て行く必要があるのです。
どうすればリンゴ病を防げるの?これと言って予防策がない現状
残念ながら、リンゴ病は予防できるワクチンも開発されておらず、効果のある薬もありません。
患者の咳やくしゃみなどの飛沫・接触を通して感染するので、通常の風邪と同じ3つの予防策をとるしかないのが現状です。
- 手洗い、うがいをする
- マスクの着用
- 患者との接触をできるだけ避ける
周囲で流行している時は、特に意識をして行いましょう。
もし周囲にリンゴ病が流行っていて、妊婦さん自身に抗体があるかないかが定かではない場合、主治医に相談をして、血液検査を受けると良いですね。
風疹と違って、全妊婦さんが対象の検査は設けられていないので自己申告になります。
事前に抗体を持っているか否かを把握しておくことで、精神的にも落ち着くことができます。
まとめ
感染した時期が20週の前か後かによって、胎児へのリスクが大きく変わってくるリンゴ病。長期に渡って経過観察を慎重に見守る必要があるので、過去に感染したか否かを把握しておくと良いでしょう。
そしてリンゴ病について知っておくことで、もしかして?と疑問に感じた時はすぐに主治医に相談することが出来るのです。
これと言って治療法がないリンゴ病、知らなかったでは済まされない状況にならないよう、心掛けて行きたいですね。