妊娠中は赤ちゃんのために強い薬を使うことはできません。
もし妊娠中に虫歯や親しらずが痛みだしたらどうしたらいいのか、治療はしてもいいのか、悩む方もいらっしゃるでしょう。
答えから先にお伝えしますと、いくつかの治療はできますが、できないものもあります。
この記事では妊婦の歯科事情について詳しくご紹介いたします。
ポイントは3つです。
- 妊婦はいつ治療するべきか
- 妊婦はどのような治療ができるか
- 親知らずの治療は妊娠前か妊娠後にしかできない
目次
■妊婦はいつ治療をするべきか■
治療は『妊娠中期(妊娠5ヶ月~7ヶ月)の安定期』がおすすめです。
この時期は、歯科での治療が胎児にも影響が出にくいと言われており、
つわりも落ち着き、お腹も後期と比べ大きくないので、横になって口を開いていられる時期です。
ママへの身体の負担も少ないので、治療をするならこの時期を選ぶようにしましょう。
もし、妊娠初期の段階で虫歯が痛んだら応急処置をしてもらい、中期まで待って治療をするように。
後期にそのような症状が現れたら、やはり応急処置をしてもらい、出産が終わってから治療を開始するようにしたほうがいいですね。
■妊婦はどのような治療ができるのか■
・歯肉炎の治療
ホルモンバランスの影響で、妊娠すると歯周病・歯肉炎が起きやすくなります。
一般的な歯周病の治療を体調の様子を見ながらではありますが、受けることができます。
・歯を削り詰め物をする虫歯治療
一般的な虫歯の治療は、妊娠時も行うことができます。
放っておくとどんどん虫歯は酷くなっていきますので、体調と相談して早めに処置をしてもらうようにしましょう。
しかし、妊娠時期によっては治療が勧められない場合もありますので、医師とよく相談し、できない場合は応急処置をしてもらいましょう。
・局所麻酔
麻酔!?とびっくりされた方もいるかもしれません。
歯の治療で行う身体のごく一部の、しかも少量の麻酔は胎児への影響はありません。
抜歯やレントゲンも可能ですが、親しらずの治療だけは避けるようにしましょう。
■親知らずの治療は妊娠前か妊娠後に■
親しらずは歯の奥、歯ブラシで磨きにくい場所に、それこそ名のとおりこっそりと生えるので、歯科トラブルの原因になりやすいです。
私の場合ですが、横に生えてしまって隣の歯にぶつかって痛みがでたりと、未だに悩まされています。
妊娠中も痛みが出て大変でした。妊娠時は親知らずの治療をすることはできないので応急処置をしてもらいなんとかしのぎましたが、
また痛みだしてきましたので時期をみて抜歯しようと考えています。
では、どうして妊娠時には親しらずを治療できないのか、詳しく解説していきましょう。
・親しらずの治療は長期になる
親しらずを抜くときに麻酔をするのはもちろんですが、その後も治療が続きます。
膿まないために抗生物質を服用したり、人によってはものすごく痛みがでるので痛み止めを飲んだりと……、
1週間~2週間ぐらい、薬の服用や痛みと闘う日々が続きます。
抗生物質など強い薬を使用しますので、抜歯して治療をするとなると赤ちゃんにも影響が出てしまいます。
・最適な治療時期は……?
治療が長期になる親しらずは、妊娠前に抜歯しておくのがおすすめです。
とはいえ、なかなか痛みがでないと踏ん切りがつかないものですよね。
しかしそのまま妊娠してしまうと……突然痛みが出てしまった時に大変なことになるかもしれません。
妊娠時には痛み止めを歯に塗ってもらったりして応急処置をしてもらうしか方法がないので、
痛みに耐えながら出産という、なんとも辛いことになってしまう可能性が……。
なんて、怖がらせるようなこと書きましたが、歯科医師がちゃんと痛みをとってくれますので安心してください。
なぜ私がこんな怖がらせるようなことを言ってまで妊娠前に抜くことをオススメするかというと、
赤ちゃんが生まれてから治療となると、痛みに耐えながら赤ちゃんのお世話するのは本当に大変です。
しかも、歯医者に行く時間さえない日々が続きます。
ですので、比較的時間に余裕のある妊娠前に、できることなら妊娠中起こりうるトラブルの原因を防いでおくと安心です。
■妊娠時は歯科トラブルになりやすい■
妊娠中は、つわりがひどく起き上がれなかったり、お腹が大きくなって動くのが億劫になったり、
歯を磨きたいのにできないことが多くなってしまう人も少なくありません。
このように妊娠時にはホルモンバランスの影響の他にも、歯に対するトラブルが増えてしまう時期です。
記事でご紹介したように、親しらずの抜歯以外でしたら歯の治療は受けられますので、異変を感じたらすぐに歯科を受診するようにしましょう。
何事も早いに越したことはありませんので、『悪くなる前に防ぐ』を妊娠中は常に意識してくださいね。
歯のトラブルを見つけるきっかけになる『妊婦歯科検診』も必ず受けるようにしましょう。