トリマーとして働いている妊婦さん、自分は妊娠中で体が思う通りに動けない中、ペットを相手に作業…何かと大変ですよね。
ペットのトリミングだけでなく、皮膚の状態を見て病気をチェックしたり、器具の消毒や管理、掃除等、場合によってはペットをお客さんの家まで送迎したり…
作業は多岐に渡るため休む時間などないことが一般的です。
そんな忙しい日々を送る妊婦のトリマーさん。
大型犬のトリミングが辛い
お腹を蹴られてしまうのが怖い
感染症は大丈夫かな?
お腹が大きくなっても働けるかな?
こんな思いを抱えているトリマーの妊婦さんもいますよね。
そんな不安を取り払って働くための3つのポイントをまとめました。
- 気を付けたい感染症とは
- 大変な作業を楽にするために
- いつまで働けるのか
不安や悩みを解決すれば、気持ちもすっきりと楽になりますよね。
これさえ知っていればもう大丈夫です。
目次
トキソプラズマってなに?トリマーとして気を付けたい感染症のこと
トキソプラズマは動物がもつ寄生虫が人間にうつることで引き起こされる感染症です。
哺乳類や鳥類ではほとんどがトキソプラズマを保有しています。
猫の小腸に寄生し、糞に卵として紛れ込み排出され、それが人間の口や鼻から体内に取り込まれて感染します。
母子感染のリスク
妊娠中に感染すると、胎盤を通してお腹の中の赤ちゃんに感染する可能性があります。
お腹の赤ちゃんへの感染率は妊娠時期が後期になればなるほど、感染してしまうリスクがあがります。
そして感染した時期が初期であれば初期であるほど、赤ちゃんの重症度が高くなります。
症状
母子感染による先天性トキソプラズマ症では、水頭症、脈絡膜炎による視力障害、脳内石灰化、精神運動機能障害、子宮体内成育不全症が主な兆候です。
しかしすぐには症状が現れずに、生まれた後に成長してから眼の病気が発症する場合もあり、長期に渡る経過観察は必要です。
診断と治療
妊婦さん全員が抗トキソプラズマの検査を受けるものではありません。
日常的に動物と触れ合う機会があるトリマーの妊婦さんは、主治医に申し出て検査をすることをお勧めします。
検査結果が陽性だった時は「いつ初感染したのか」ということが、とても重要になります。
妊娠前にトキソプラズマに感染していたとしたら、心配することはありません。
しかし妊娠中に感染したと判明した場合は、感染時期の特定を急ぎ、慎重な経過観察が直ぐに必要です。
治療法は国内で生産されている薬がトキソプラズマ症に適応されていなかったり、外国でのトキソプラズマの薬に認可が下りていなかったり、治療薬が入手することが難しい状況です。
従って個人輸入や適応外使用が一般的となっており、国内での新薬の開発が待たれています。
感染を防ぐ4つの方法
- 熱処理が不十分な生肉を食べないこと
- 土いじりの後はきちんと手洗いをすること
- 店内の糞の始末や掃除は慎重に行う
- トリミング中はマスクとゴム手袋の着用して、衛生面にも気を付けること
これらを意識して、感染を防ぐようにしましょう。
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妊娠中は重たいものを持たない、立ち仕事は控えること、疲れたらすぐに休むこと等、
その真逆の作業をしなければならないのがトリマーの仕事です。
つわりの時期やお腹が大きくなってくると、作業の負担がさらに体調に影響するようになります。
この大変な作業を乗り切るにはどうしたら良いのでしょうか?
ポイントは1つ、
周囲に協力をお願いすること!
出来ないことを無理に一人でするということで、体に負担が掛かり、母体や赤ちゃんに影響することだけは避けるようにしましょう。
そしてお客さんにも迷惑が掛かるということも避けなければなりません。
当たり前のことかも知れませんが、周囲に支えてもらいながら働くことはとても大切です。
出来ないことは、お願いする。
そして感謝の気持ちを伝えることを忘れずにしましょう。
周囲とのコミュニケーションを円滑にしたいのであれば、当然のことですよね。
産休明けに戻ってきたら、助けてもらっていた分を頑張って働く心掛けでいたいものです。
いつまでトリマーとして働けるかな?産休に入るタイミングの見極め方
同僚や友達が臨月まで働いていたら、つい自分自身も同じ時期まで働けるのでは?と思い込んでしまいがちになります。
しかし妊娠中の経過や体調は人それぞれ異なるのです。
また昨日まで元気に動けていたのに、今日の検診では切迫早産の診断が下り、急遽安静になってしまう時もあります。
このように自覚症状が無い場合もあることを覚えておきましょう。
自分の希望だけでなく、主治医とも相談をして産休に入る時期を決められると良いですね。
まとめ
様々なペットを時間内にお世話しなくてはならない職業上、体力が勝負のハードな日々を送るトリマーさん。
衛生面に気を配り、周囲の助けを借りながらお仕事することが出来ると良いですね。
妊娠中、必要以上に神経質になることはないですが、少しでも気になる症状がある場合は、すぐに主治医に相談するようにしましょう。
お腹の赤ちゃんを守れるのは、母である妊婦さんしかいないのですから。