「妊娠しやすい体位があるって本当?」
「絶対に妊娠したいから、効果がありそうなものは何でも試したい!」
このような考えをお持ちではありませんか?
見落とされがちですが、体位は妊娠に影響を与えると述べる著名な医師は少なくありません。
子宮の形によってピッタリの体位は異なり、妊娠率を上げれば下げる体位もあるのです。
今回は妊娠とセックスの関係、妊娠しやすい7つの体位をメインに解説していきます。
「セックス中にオーガズムを感じるべき?」
「男の子が産まれやすい体位はあるの?」
ありとあらゆる疑問にお答えするので、ぜひ最後まで読み進めて下さい。
目次
体位で妊娠する確率が変わるって本当?
女性が最も自然妊娠しやすい時期は、20歳代から30歳代前半にかけてです。
しかし女性の社会進出や晩婚が原因で、女性が出産する年齢が遅くなっています。
つまり高齢出産の割合が増加しているということ。
30歳代後半からは自然妊娠が難しくなってきます。
あらゆる手段を尽くしてでも、妊娠率を上げたい方はセックスの体位に注目してみてはいかがでしょうか?
「セックスの体位によって妊娠率が変わる」と多くの専門家・医師が言います。
しかしながら、妊娠率と体位の関係性は科学的根拠がありません。
専門家はあくまでも仮説を述べているというわけです。
不妊治療において著名なマリリン医師は、体位によって妊娠率が変わると断言する一人。
彼女は「男性が上側になる体位が妊娠に最適」だと言います。
その理由は、男性器を深く挿入できるから。
膣の浅い位置で射精すると、子宮までの距離が遠くなりますよね。
対して深い位置から射精することで、膣までの距離が短い状態で精子は卵子へと向かうことができるというわけです。
さらに彼女は、重力も考慮するべきだと述べます。
女性が男性の上になる体位だと、精子は重力に逆らいながら卵子へと向かうことになります。
これは精子にとって厳しい環境下です。
理論的な説明ではありますが、まだ研究で明らかになってはいません。
しかし体位によって妊娠率が変わる可能性は無きにしも非ず。
害はないので、妊活に取り組んでいる方は試してみるといいかもしれません。
2種類の子宮の形とそれぞれに最適な体位
子宮の形は大きく分けて2つあります。
子宮がお腹の方に向いている「前屈型」、子宮が腸の方に傾いている「後屈型」です。
ほとんどの方は前屈型ですが、5人に1人の確率で先天的に後屈型の方もいます。
子宮後屈症は腰痛、ひどい生理痛、便秘を引き起こす可能性が高いです。
さらに妊娠の可能性が低くなるかもしれません。
子宮が後ろに向いているため精子が進みにくい、受精卵が子宮の中にとどまりにくいのが原因です。
子宮後屈症の女性は、女性がうつ伏せになる、もしくは女性が上になる体位で性交するといいでしょう。
また性交後すぐに動くのではなく、しばらくうつ伏せになっておくのもポイントです。
性行為中はオーガズムに達するべき?
「女性がオーガズムを感じると妊娠率が高まる」との考えがあります。
しかしこれもまた、科学が証明したものではありません。
オーガズムが妊娠と関係あると考えられている理由は3つ。
1つ目は、オーガズムを迎えることで膣と子宮が収縮するからです。
膣がまるでポンプのように収縮し、この動きが精子を奥へ取り込むのに役立つと考えられます。
2つ目は、オーガズム後は子宮頚管が広がるため。
子宮頚管とは、膣と子宮をつなぐ管で精子の通り道となります。
広がることで、より多くの精子が子宮頚管内を通過できるようになります。
最後の理由は、オーガズムに達することで頸管粘液分泌が促進されるからです。
頸管粘液は精子が卵管へと進みやすくするためのもの。
オーガズムを感じた脳内では、ホルモン分泌が促進され粘液量が増加します。
しかしオーガズムを感じても、妊娠率には影響を与えないという意見もあります。
特に子宮収縮は気持ちよさを感じれば起き、必ずしもオーガズムに達する必要はありません。
どちらにせよ、オーガズムが妊娠に与える影響は少ないです。
性行為をするのは排卵日前日がベスト
妊娠確率を上げる一番の方法は、『妊娠しやすい時期を知ること』です。
最も妊娠しやすいのは排卵日2日前から前日の間。
この時期に性交をすることが重要です。
女性には月に1回月経が訪れます。
月経周期は個人差がありますが、基本的に28日周期~30日周期。
1回の周期の間に無数の卵胞細胞が育てられ、成熟したたった1つの卵子が体外に排出される日があるのです。
その日が、排卵日。
排卵された卵子の寿命は約24時間なので、排卵日当日ではなく、排卵日2日前もしくは前日のセックスが推奨されます。
タイミング法で正確に排卵日を予測する
よく「朝に性交をすると妊娠しやすくなる」と言われます。
このように言われる理由は、男性の精子数が多くなるからでしょう。
しかし朝でも夜でも、精子の数は大きく異なりません。
重要なのは最も妊娠しやすい時期、つまり排卵日前日に性交するということ。
排卵日に合わせて性交することを”タイミング法”と言います。
不妊治療でも実施されるタイミング法では、正確な排卵日の予測が成功のカギを握ります。
自分でできる排卵日予測方法は、毎日の基礎体温計測と排卵日予測検査薬の使用。
また病院で排卵日の予測もできます。
関連記事⇒妊娠しやすい時期っていつ?計算方法と妊娠確率をアップさせるタイミング
性交の回数が多ければ妊娠の確率が上がるは嘘!
むやみやたらにたくさん性交しても妊娠率は上がりません。
理想は週に2~3回セックスすることです。
健康的な精子は子宮の中で約3日から7日間生きられます。
対して、卵子の寿命は排卵後から24時間だけ。
精子と卵子の寿命を検討しても、妊娠するために性交すべきなのが排卵日2日前と前日だということが分かります。
もちろん排卵日3日前、5日前に性交しても精子と卵子が受精できる確率は十分にあります。
卵子の寿命は短いので、この場合は精子の寿命にかかっているのです。
毎日のように性交すると、後々義務となってセックスレスの原因になる可能性も考えられます。
自然妊娠のためにセックスは不可欠。
妊娠するためには、排卵日6日前から2~3度セックスするのが一番です。
そして義務感からのセックスレス防止のためにも、週に何度かは自由なセックスを楽しむといいですね。
毎日射精しても精子は薄くならない!
精子を濃ゆくするために一週間ほど禁欲して性交をする方がいますが、それは良い考えではありません。
精子は毎日作られ、定期的に射精しなければ古い精子が残るばかりです。
また2~3日に一度射精していた方が、精子の質と運動率が上がります。
無理に禁欲せず、また妊活のためにセックスをするのではなく、愛情表現の一種として定期的に性交しましょう。
男女を産み分ける体位はある?
「男の子・女の子が産まれやすい体位があれば知りたい!」
という方もいるでしょう。
残念ながら、科学的根拠に基づく産み分け体位はありません。
しかし昔から信じられている言い伝えはあります。
例えば女性が上になる体位は女の子の確率を高める、対して男性が上の体位は男の子の確率を高める等です。
体位ではありませんが、産み分けにはオーガズムの有無が関わってくることが明らかになっています。
女性がオーガズムを感じると、アルカリ性の子宮頚管粘液が多量に分泌され、膣内がアルカリ性寄りになるのです。
この環境は、男の子を作るY精子が生き残るのに有利な環境。
対して、女性が快感を感じないセックスだと女の子が産まれやすくなります。
妊娠しやすい7つの体位の特徴と注意点
意外なことに妊娠しやすいと言われている体位は数多くあるのです。
どの体位も深く挿入できる、男性が上側になるという特徴があります。
いつも同じ体位でセックスするのはマンネリ化につながるので、ぜひ様々な体位を楽しみながら行ってください。
ではさっそく、7つの体位の特徴と注意点を見ていきましょう。
1.正常位
ごく一般的な体位の正常位は、妊娠率を大きく高めるものとして広く知られています。
女性が仰向けに寝て、男性がその上から覆いかぶさる体位ですね。
正常位では男性器を深くまで挿入でき、さらに重力が精子の運動を手助けするとも考えられているのです。
先に紹介したマリリン医師も正常位を強く推奨しています。
注意点は、子宮後屈症の方に正常位の有効性はないということ。
子宮後屈症の方は、子宮が背中側に傾いています。
つまり精子は必要以上の運動を求められるのです。
子宮後屈症の方は正常位を避けるべきでしょう。
2.後背位
女性が四つんばいになって、男性が後ろから挿入する体位です。
前屈型の子宮を持つ方(ほとんどの女性)には、後背位をオススメできません。
後背位だと重力がかかるため、精子の運動能力を低下させるからです。
後背位がオススメなのは、子宮後屈症の方。
男性器を深く挿入できるうえに、子宮頚部近くで射精できるため正常位よりも妊娠率が高まります。
子宮の形は重要なので、一度婦人科で確認してもらうのもいいかもしれません。
ちなみに子宮前屈症の方は、お尻を頭よりも高い位置に突き出すようにすることで、妊娠率が高まります。
3.正常位の応用
正常位の時と同じように、女性は仰向けで寝て、男性は上から挿入を行います。
普通の正常位との違いは、男性が足を後ろに伸ばすこと。
女性が腰を少し上げて、足を男性に絡ませるといいですね。
この体位だと深い挿入が可能であれば、女性の骨盤が少し上に傾いているので精子が卵子までたどり着きやすくなります。
4.深山
深山もまた正常位の応用編です。
基本姿勢は正常位と同じ。
異なる点は、男性が女性の足を抱え込むように挿入すること。
女性の腰とお尻を浮かせ、ぴったりと密着できる角度を見つけるのがポイントです。
深山は深い挿入感に加え、女性が快感を得やすいです。
5.後背位の応用
通常の後背位のように、女性が男性に背中を向けて四つん這いになります。
後背位と異なる点は、男性が体を女性と密着させること。
女性は下に枕やクッションを置いてバランスをとるといいかもしれません。
深い挿入、精子の運動を手助けるので、子宮後屈症の方にオススメです。
6.騎乗位
騎乗位は仰向けになっている男性の上に女性がまたがるように乗る体位。
子宮前屈症の方が行うと、妊娠の可能性が低下してしまいます。
そのため射精の際には、正常位等に切り替えるのがいいでしょう。
騎乗位が向いているのは、子宮後屈症の方。
基本的に子宮後屈症の方は、女性が上になる体位の方が妊娠しやすいです。
7.松葉崩し
松葉崩しは、女性人気が高い体位として知られています。
うつ伏せになった女性の片足を持ち上げ、持ち上げた足に男性の足を交差させるように挿入します。
女性が最もオーガズムを感じやすい体位であり、深く挿入できるのもポイントです。
性交後に試したい妊娠確率を上げる4つのこと
セックス直後の行為が妊娠の確率を高めることもあれば、低くすることもあるかもしれません。
これから紹介する4つのこともまた、研究によって明らかにされてはいませんが、多くの医師は効果的だと言います。
特に難しいことではないので、ぜひ試してみてください。
1.すぐに立たない
性交後20~30分は横になって休憩するのが推奨されています。
すぐに立ち上がると、精子が重力の影響を受けると考えられているからです。
2.腰の下に枕を置いて20~30分休む
セックス後の休憩中は腰の下に枕やクッションを置くと良いと言われています。
そうすることで、角度がつき精子の運動を助けると信じられているからです。
研究で有効性は示されていませんが、悪影響があるわけでもないので試してみる価値はあります。
3.すぐに排尿しない
性交後すぐに排尿すると、妊娠の可能性を下げると考える方もいます。
これもまた有効性が議論されていますが、性交後「すぐに立たない」という考えのサポートはしていますね。
4.足を高く上げる
足を高く上げることで、重力が精子の運動を手助けします。
そのため性交後に、壁に足をかけて20~30分休憩する女性が多いです。
不妊外来に行くべきタイミング
体位からタイミング法までありとあらゆる手段を試しても、妊娠できないことは多々あります。
もし妊娠できそうにない場合は、不妊外来に頼ることを強くオススメします。
妊娠できる確率は高齢になるほど低下するので、どれだけ早く不妊治療に取りかかれるのかも重要なのです。
また結果の出ない自然妊娠を長期間続けるよりも、不妊治療を受けた方が希望はあるでしょう。
以下のいずれかに該当した方は、夫婦で不妊外来に訪れるのをオススメします。
- 半年間妊活に取り組んでいる35歳以上の方
- 1年間妊活に取り組んでいる35歳未満の方
- 生理周期が安定しない方
- 子宮内膜症、子宮筋腫等の子宮に関する病気を患っている方
その他にも、何か不安なことがあれば遠慮なく不妊外来に訪れましょう。
子宮内膜症や子宮筋腫は自覚症状があまりないため、知らないうちに罹患している可能性もあります。
単に医師のアドバイスを聞き、妊活プランを組むためだけでもいいです。
不妊外来を上手に利用することも、妊娠確率を高める1つの方法です。
まとめ
今回は妊娠しやすい体位を中心に解説しました。
一つ頭にとどめておくべきことは、『妊娠には時間がかかる』ということです。
最初の試みで妊娠に成功するカップルもいますが、一年もしくは数年かかってやっと妊娠するカップルもいます。
妊活で何よりも大事なことは『楽しむこと』!!
残念ながら妊活が上手くいかないことが原因で、結婚生活を終えたカップルもいます。
様々な体位を楽しみながら、我慢強く妊活生活を送ってくださいね。