普段は、そんなに気を使っていなかった栄養バランスも、お腹に赤ちゃんがいると気になりますね。妊娠中には、赤ちゃんに必要な栄養素と、ママの健康管理、体重管理の両面から、毎日の食事を考えていく必要があります。
とは言っても、難しく考える必要はありません。何ごとも基本は「バランス良く」。
⓵肉・魚・豆、乳製品、果物、野菜といった色んな種類の食品を食べるということ。
⓶「茹でる、焼く、揚げる、炒める、蒸す、和える」という調理法、そして「甘味、辛味、酸味、苦味、塩味」といった味付けをバランス良く食事に取り入れること。
今回は、こうした食事の基礎を抑えた上で、妊娠中に積極的に取りたい食品をご紹介します。
目次
⒈豆腐
低カロリーで、カルシウム、たんぱく質といった栄養が豊富な豆腐は妊娠中にぴったりの食品。つわりの時期や体調が良くないときでも簡単な1品になりますし、体重管理にも最適な食品です。
大豆は「畑の肉」と昔から言われるほど、良質なたんぱく質を含んでいますが、豆腐は大豆そのものよりも食物繊維が少なく、消化・吸収に優れています。
おすすめメニュー 湯豆腐
昆布と水、豆腐を鍋に入れて火にかけます。豆腐が温まってゆらゆら動き出すくらいが食べごろ。ポン酢とすりおろし生姜、刻んだ長ネギで簡単にいただきます。
⒉納豆
納豆に含まれるナットウキナーゼという物質には、血流を良くして血圧を安定させる効果があります。
大豆と同様に良質なたんぱく質を含み、葉酸、鉄分といった妊娠中には特に摂っていきたい栄養素も豊富です。
納豆そのものでも十分栄養豊富ですが、野菜と和えるとビタミン、食物繊維も豊富な一品になります。
おすすめメニュー・納豆、長芋とオクラの和え物
【材料】
納豆 1パック
長芋 50gくらい
オクラ 半パック
【作り方】
納豆と5ミリ角に切った長芋、さっと茹でて輪切りにしたオクラをポン酢、またはだし醤油で和えて、鰹節をのせる。
⒊ひじき
わかめや昆布、ひじきなどの海藻には、赤ちゃんの成長を促す甲状腺ホルモンの元となるヨウ素をはじめ、鉄分やカルシウム、食物繊維が豊富です。カロリーもほとんどないので、体重制限中の食生活には取り入れていきたい食材です。
ただ、ヨウ素は摂りすぎると甲状腺の機能低下を引き起こすと言われているので、大量摂取は避けて。
ひじきは、βカロチンも多く、風邪予防にも役立ちます。作り置きしておけるので毎日の食卓に並べていきたいですね。
おすすめメニュー・ひじきの煮物
【材料】
乾燥ひじき 25g
油揚げ 1枚
人参 半分
だし汁 1カップ
砂糖 大さじ1
酒 大さじ1
醤油 大さじ1
【作り方】
⓵ひじきは水に5分ほど浸けて戻す。油揚げは湯通しして細切りに、人参も細切りにする。
⓶フライパンにゴマ油を入れて人参、油揚げを入れて炒める。
⓷ひじきも入れて軽く炒め、だし汁、砂糖、酒、醤油を入れて水分がなくなるまで煮る。
4.バナナ
バナナやリンゴ、キウィなどに豊富に含まれるカリウムには体内の塩分を排出する効果があります。特にバナナは食物繊維が豊富なので便秘解消にも役立ちます。カルシウムが豊富な牛乳でバナナシェイクにすれば、つわりの時や妊娠後期の胃もたれの時期にも飲みやすいですね。
おすすめメニュー・バナナシェイク
【材料】
冷凍したバナナ 1本
牛乳150cc
【作り方】
材料を全てミキサーに入れて攪拌する。
甘みが足りないときには蜂蜜などを足しましょう。
5胚芽米
ご飯が炊けるにおいがダメ、というつわり中の妊婦さんでも、意外に食べられるのが玄米や胚芽米などのお米。炭水化物の中でも、パンや麺類とは異なり、塩分を含まないので、妊娠中にはできるだけご飯を食べていきたいもの。
特に胚芽米は白米と同じように炊けるのでオススメです。
胚芽米はビタミンB1、カルシウムのほか、ビタミンEも含みます。
ビタミンEは、お母さんと赤ちゃんの体内に酸素を運ぶ大切な栄養素。疲労回復効果がありますので疲れ気味の妊娠中には積極的に摂っていきたい栄養素です。
ナッツ類や大豆にも含まれていますので、おやつにローストアーモンドを取っていくのもいいですね。
6小松菜
妊娠中に多くの妊婦さんが悩まされる貧血。鉄分が豊富な食材として代表的なのがほうれん草ですが、えぐみを取るために茹でこぼす必要があるために栄養素も流れてしまうのが残念なところ。
それに比べると、小松菜はカットしたものをレンジでチンすれば食べられるので便利です。
おすすめメニュー・小松菜とちりめんじゃこの和え物
【作り方】
小松菜1束
ちりめんじゃこ 大さじ3
砂糖 小さじ1
酒 大さじ1
醤油 大さじ1
【作り方】
⓵小松菜を4cm長さに切り、耐熱容器に入れてレンジ600wで2分加熱する。
⓶別の容器に調味料を入れてレンジでふつふつ沸騰するまで加熱する。
⓷ちりめんじゃこと⓵を⓶に入れて混ぜる。
7.ヨーグルト
日本人に不足しがちなカルシウム。妊娠中には赤ちゃんの骨や歯の発育のために十分なカルシウムを摂取していきたいですね。
カルシウムが豊富で、妊娠中に多くの妊婦さんが悩まされている便秘というトラブルを解消してくれるのがヨーグルト。無糖のヨーグルトで、糖分の取りすぎ、体重増加が気になる時期にぴったりのデザートを作ってみましょう。
おすすめメニュー・クレメダンジュ風ヨーグルト
【材料】
無糖のヨーグルト 適量
はちみつ
【作り方】
⓵コーヒーのペーパーフィルターを小さめのザルの中に入れて、ヨーグルトをその中に流し入れる。下にボウルを敷いて冷蔵庫で5時間〜1晩水切りをする。
⓶器に盛って、はちみつを添える。
8.ピーマン
ビタミンCは、天然の抗生物質とも言われるぐらい免疫力を高めるのに効果的。妊娠中は薬もあまり飲みたくありませんから、寒い時期にはたっぷりのビタミンCを摂りたいですね。
ピーマンは、トマトなどの4倍にも及ぶビタミンCを含む健康野菜。βカロチンも豊富に含んでいますから、疲労回復にも役立ちます。
おすすめレシピ・ピーマンのおかか和え
【材料】
ピーマン 1パック
鰹節 1パック
醤油 少々
【作り方】
種を取って、縦に8等分したピーマンをアルミホイルの上にのせ、グリル中弱火で5〜6分焼く。鰹節と醤油をかけて混ぜる。
(レンジ加熱でも美味しくできます。その際には600wのレンジで30秒くらい加熱してください)
9.ジャガイモ
ジャガイモというと炭水化物で糖質が多いと敬遠されがちですが、実はビタミンCやビタミンB1、B6といったビタミン類、カリウムやマグネシウムなどのミネラルを豊富に含み、食物繊維もたっぷりのバランスの良い食品なのです。
特にジャガイモのビタミンは、加熱しても壊れにくいのが特徴。豊富なカリウムは、塩分を排出する働きがあり、妊娠中の高血圧やむくみなどに有効です。
栄養たっぷりのジャガイモを、カルシウムたっぷりの牛乳で炊いたジャガイモグラタンは寒い時期にオススメのメニューです。
おすすめメニュー・ジャガイモグラタン
【材料】
じゃがいも 3個
牛乳 適量
塩・胡椒 適量
チーズ 軽く一つかみ
にんにく 1かけ
【作り方】
⓵皮をむいたじゃがいもを3mmくらいの厚さにスライスし、水にさらす。
⓶ 底の平らな鍋に水を切ったじゃがいも、ひたひたの量の牛乳を入れて弱火でじゃがいもが柔らかくなるまで煮る。柔らかくなったら塩、胡椒を加えて混ぜる。
⓷グラタン用の耐熱皿ににんにくの切り口を擦り付け、⓶を入れてチーズをかけて200℃のオーブンで10分ほど焼く。
10.マグロ
マグロは良質なたんぱく質のほか、血をサラサラにして脳の神経機能を高めたり学習能力を高めるDHAが豊富な食材。鉄分も豊富で、赤身の部分はカロリーも低いので妊娠中には積極的に摂っていきたいですね。
水産物は、水銀含有量が心配されますが、キハダマグロ、ビンナガマグロなどの種類のマグロやツナ缶は水銀含有量が低く、適量を取るのであれば妊娠中でも問題ありません。
おすすめメニュー・マグロのステーキ
【材料】
マグロ(カツオでも)1柵
にんにく 2かけ
ポン酢 適量
万能ネギ 適量
オリーブオイル 大さじ2
【作り方】
⓵フライパンにオリーブオイルと薄切りにしたにんにくを入れて弱火で熱し、にんにくがこんがりときつね色になったら取り出す。
⓶⓵のフライパンの中にマグロを入れて、中強火で両面をこんがりと焼く。(中まで火を通さない)
⓷マグロを取り出し、そぎ切りにする。⓶のフライパンにポン酢を入れて煮立たせる。
➃器に並べたマグロの上に万能ネギとにんにく、⓷のポン酢をかける。
まとめ
妊娠中は、少しでも体重を抑えたいとダイエットをしている妊婦さんも最近では多いようです。確かに出産後の体型を戻すことを考えると、あまり体重は増やしたくありませんよね。特に炭水化物は糖質の面からも気になるところです。
でも、赤ちゃんの栄養と出産までにかかる体力を考えると、野菜やたんぱく質だけでなく、炭水化物でエネルギーも補給しておくことも必要です。
食事はバランスが大切。体を動かすエネルギー、体を作るたんぱく質、体の調子を整えるビタミン、ミネラルをバランス良く摂って、お腹の赤ちゃんが元気に育つように母体も整えていく必要があります。
今回の記事では、妊娠中に特に摂っていきたい栄養素に注目し、つわりや体が不調なときでも簡単に作れるレシピを集めました。参考にしていただければ幸いです。