PM2.5という単語を見たことはありませんか?
なんとなく体にとっては悪い成分なんだろうな、と漠然と思っている人はいるかも知れません。
妊婦さんだったら、お腹の赤ちゃんにはどんな影響があるのか、気になりますよね。
そもそもPM2.5って何だろう?
妊娠中だけどPM2.5って赤ちゃんに何か影響はあるの?
PM2.5から体を守る方法ってあるのかな?
こんな風にPM2.5のことを良く知らないが為に、漠然と不安を抱えてしまう妊婦さんもいますよね。
でもこれは当然のこと。
良く分からないことに不安を抱くのは当たり前です。
だけどPM2.5のことをちゃんと理解すれば、もう大丈夫です!
3つのポイントを押さえて、PM2.5の不安を解消しましょう。
- PM2.5とは
- PM2.5が赤ちゃんに影響を及ぼすわけ
- PM2.5の対策
対策をしっかりとって、PM2.5から赤ちゃんを守りましょう。
安心して暮らしていかれるために、PM2.5について、徹底解説をしていきます。
目次
・実はPM2.5のことは良く知らない…そもそもPM2.5って一体何?
PM2.5とは大気中に漂っている物質です。
大きさは髪の毛の太さの1/30程度と非常に小さく、2.5㎛以下となっていて、
粒子状物質のParticulate Matterの頭文字をとり、PM2.5と呼ばれています。
非常に粒が小さいので、体内に取り込まれると呼吸器だけでなく、
心臓や循環器への影響もあると言われているのが、PM2.5なのです。
PM2.5に含まれている物質は2種類に分類されます。
ガス状大気汚染物質
自動車、船、飛行機、ゴミ焼却場、火力発電所、工場、家庭等、燃料が燃えることで直接発生するもの
粒状の汚染物質
A:①で発生した時に生まれた硫化酸化物や窒素酸化物
B:自然(火山、海、土壌)による汚染で生まれた揮発性有機化合物
AとBが大気中の紫外線やオゾンに反応して発生するもの
このような2種類となっています。
主な成分としては、炭素成分、硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩などですが、具体的にどの物質が何%というように成分含有量が一定になっておりません。
土地や工場の種類、自然環境や気象の変化にも影響を受けているからです。
だから地域により濃度や成分のばらつきがあります。
しかし体にとって有害であることには違いはありません。
・知らなかったでは済まされない、PM2.5は赤ちゃんにも影響を与えるということ
2014年4月15日、中国の蘭州大学より非常にショッキングな論文が発表されました。
その内容は「PM2.5は妊婦の胎盤を通り抜けることにより、胎児の体の中に到達する。それにより、PM2.5は妊娠に影響を与えることが分かった」という内容です。
これによって、2つのリスクが明らかになりました。
・PM2.5が胎盤を通ることで、胎盤内の血管を傷付けられてしまい、赤ちゃんに栄養と酸素が届きにくくなる
・赤ちゃんに行く栄養と酸素の量が減るので、赤ちゃんの成長と発育に遅れが生じ、低出生体重児のリスクも高まる
このことから、PM2.5が妊娠に与える影響が分かったので、非常に深刻な大気汚染地域に住む妊婦さんには注意を呼びかける必要があるとしています。
・どういうことに注意すれば良いの?PM2.5から身を守る方法
平成25年に中国からのPM2.5の飛来による影響で、一時的に西日本では環境基準を超える値を観測し、大騒ぎになりました。
しかし日本では以前から日本の大気中にPM2.5が観測されているので、このまま継続して注意して行かねばなりません。
環境省は人々が健康で過ごすことができるPM2.5の値の基準を設けています。
その数値は
1年平均値 15㎍/㎥以下 かつ 1日平均値35㎍/㎥以下 としています。
反対に人々の健康に影響を及ぼす可能性が高まるPM2.5の値の基準として、
1日平均値 70㎍/㎥ と定めています。
これは一般的な基準ですので、呼吸器系に疾患のある人や子供やお年寄り等、影響を受けるのは個人差があり、この数値より低い場合でも影響を受ける人もいます。
あくまでも参考程度にしてもらいたいと注意を促しています。
住んでいる地域のPM2.5の値を知りたい時は下記のページが参考になります。
・そらまめくん という環境省が掲載している大気汚染による監視システムのページです。数値で大気汚染の状態を一日2回掲載しています。
もし数値が70㎍/㎥を超えていたら
- 屋外での活動を出来るだけ控えること
- 部屋の換気を控え、外気が室内に入らないようにすること
- 外出時はN95といった高性能のフィルターを持つマスクを使用すること
- PM2.5に対応できる空気清浄機を活用する
・また、国立環境研究所は東アジアの大気汚染の予報を掲載しています。
PM2.5についても詳しく掲載されているので、一読してみるのも良いでしょう。
http://www.nies.go.jp/index.html
できるだけ体内にPM2.5を取り込まないように注意しましょう。
自分の住んでいる地域がどの程度のPM2.5による影響を受けているのか、知っておくと良いですね。
・まとめ
PM2.5は暖房器具の使用や黄砂、そして気象条件から、冬から春にかけて濃度があがる傾向があります。大気汚染の数値をチェックし、妊婦さんは注意を心掛けていきましょう。
PM2.5の影響を心配して、全く外出しないということは生活している以上、無理な話です。
妊婦さんもお腹の中の赤ちゃんも元気に過ごせるように、数値の高い日はできるだけ外出を避け、外出の際はマスクをするなどして、身を守りましょう。
しっかりと対策を取ることで、安心することができますね。