妊娠中は、妊娠初期はつわりに始まり、中期はつわりあけからの食欲で食べ過ぎに注意し、後期は体重管理…妊娠中は栄養バランスを気にするなど食生活において悩むことが多くなるかと思います。
そんな中お肉を食べる際、豚肉は牛肉に比べお値段も比較的安く、家計の面でも多用する家庭も多いのではないかと思います。
沖縄では耳(ミミガー)から足先(豚足)まで、余すことなく食べられる豚肉。
生姜焼きや豚しゃぶ、とんかつなど豚肉料理のレシピはたくさんありますね。
そんな和洋折衷で大活躍の豚肉は妊婦さんでも食べられるのでしょうか?
今回は妊娠中の豚肉について栄養素や注意点を含めてお伝えします。
- 豚肉の栄養素5つとその効果
- 妊娠中の豚肉の食べ方と豚レバーのポイント4つ
- 妊娠中にオススメな豚肉の部位
豚肉のことをよく知ってお腹の赤ちゃんのためにも、自分自身のためにも美味しくかつ上手に取り入れていきましょう。
それでは解説をしていきます♪
目次
妊娠中の豚肉の主な栄養素5つとその効果
まず豚肉にはどんな栄養があるのでしょうか?
- たんぱく質
- ビタミンB 1、ビタミンB2 、ビタミンB6、ビタミンB12などのビタミンB 群
- ナイアシン
- ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどミネラル
- 鉄や亜鉛
上記にあげた栄養素の中でも、特に豚肉のビタミンB1の含有量 は牛肉や鶏肉と比べて約10倍とされ、疲労回復に効果があります。
ビタミンB1には体内の糖質をエネルギーへ変化させる際に必要とされ、疲れやだるさの解消に効果的。
また豚肉のもつ良質なたんぱく質やナイアシンには筋肉や皮膚を形成する働きがあり、健康を維持する効果もあるので美肌効果が期待できます。
妊娠中は通常よりも疲れやすく、肌が敏感になりやすい状態ですよね。
豚肉にはそんな妊婦に嬉しい二大効果があるなんて驚きです。
妊娠中には不足しがちな鉄分、亜鉛には貧血予防、ミネラルには体内のむくみを解消する効果や足をつりにくくしてくれる効果があります。
妊娠中の妊婦さんは豚肉は加熱をしっかりとしよう!
妊婦が豚肉を食べる際に注意して欲しい食べ方があります。
それは生、あるいは半生の状態の豚肉を食べること。
これは妊娠初期であっても中期であっても、妊娠後期まで同じことがいえます。
豚肉は比較的しっかり焼き、ステーキなどの牛肉のようにレアなどで食べることはないとは思います。
ですが、調理してみたら半生だったなど、そういった時には必ず再加熱し、中までしっかり火を通してからたべるか、加熱不十分な豚肉は食べるのを避けましょう。
しゃぶしゃぶや生姜焼きのような薄切りの豚肉は目で見やすいですが、とんかつや豚足の角煮のような中を割ってみないとわからない食べ物は特に注意が必要です。
これは食中毒を防ぐ、という意味もありますが、一番はトキソプラズマ感染症を防ぐためです。
妊娠中にトキソプラズマ感染症に初めて感染した場合、母体を通じて胎児にも感染し、胎児に障害を引き起こす可能性が。
豚肉にはトキソプラズマという原虫がいることがあり、実際に日本で飼育している豚肉を検査してみると多くの豚がトキソプラズマの抗体を持っています。
加熱不十分の豚肉を食べると必ず感染するわけではありません。
ですが可能性は十分にあるので要注意です。
加熱をしっかりしていれば感染することはないので通常の調理法であれば心配する必要はないでしょう。
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注意が必要!妊娠中の豚レバーのポイント4つ
妊婦が豚肉を食べる際にはもう1つ注意して欲しいことがあります。
それは豚肉のとある部位です。
ずばり、妊娠中に豚肉を食べる際には豚レバーに注意してください。
一見レバーときくと鉄分が豊富で、妊娠中貧血になりがちな妊婦には適した部位のように思えますね。
確かにレバーには豊富にビタミンAを含み、妊婦さんにもビタミンAは大切な栄養素ですが、このビタミンAは妊娠中には少し注意が必要な栄養素になります。
ビタミンAには植物性のβカロテンと動物性のレチノールの2種類に分けられます。
この動物性のビタミンAであるレチノールは妊娠中、特に妊娠初期では過剰に摂取すると胎児に奇形を招く恐れがあると報告されています。
- 豚レバーに100gあたりにレチノールが1300μgふくまれている。
- 妊娠中のレチノールの一日当たりの摂取上限は2700μg
- 妊娠初期~中期のビタミンAの一日推奨摂取量は650μg
- 妊娠後期のビタミンAの一日推奨摂取量は780μg
妊娠中は豚レバーを食べる時には、含まれるレチノール量が一日当たりの摂取上限を超えないように注意しましょう。
またレチノールは牛レバー、鶏レバー、うなぎにも豊富に含まれます。
食べる時は豚レバーだけでなく、一日の食事のなかでレチノールを摂りすぎていないか注意が必要です。
とはいえ全く摂らないことは胎児の発達おいても良くありません。
ビタミンAは野菜からのβカロテンでも補えます。動物性と植物性のビタミンAを上手く取り入れていくのが良いでしょう。
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妊婦にオススメな豚肉の部位
妊娠中に妊婦が豚肉を食べる際には一体どの部位をどれくらい食べるのがよいのでしょうか?目安は一日90グラムとされています。
豚肉は部位によってカロリーや含まれる栄養度が若干異なります。
そこで妊婦にオススメなのが、脂身の少ない豚ヒレ肉や豚モモ肉という部位になります。
また豚ロース肉もオススメです。
豚ヒレ肉や豚モモ肉がお勧めな理由はは脂身が少ない為。
カロリーが抑えられる点、またビタミンB群が豊富なので栄養素からみてもオススメです。
豚ロースは手に入りやすく調理しやすい上に、豚バラ肉などに比べるとカロリーが控えめになっています。
豚肉はたまねぎと一緒に調理すると栄養素がより吸収されやすいので、豚ロース肉でつくる生姜焼きは非常に理にかなった調理法でも言えるでしょう。
同じ原理で、豚しゃぶもお勧め。
茹でることで余計な脂肪も落とせますし、玉ねぎなどの野菜も一緒に摂れます。
夏場などは冷しゃぶサラダにしても良いですね。
このように美味しく、且つカロリーをあまり気にせずに食べらるのは、妊娠中の体重管理には嬉しいものです。
これらは、つわりで辛い時でも比較的食べられる部位でもあります。
つわり中はどうしても食べ物が喉を通りませんが、必要最低限の栄養は摂る事が非常に重要。
ただしカロリーが控えめだからといって食べ過ぎたり、豚肉ばかりを食べるのはやめましょう。
何事もバランスよくが大事です。
妊娠中は様々な栄養素が必要になりますが、つわりや食欲不振等が理由で栄養が不足する事が多いのも事実。
妊娠中の栄養不足はお腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼしかねません。
特に、厚生労働省も注意喚起している葉酸サプリについては必ず摂取する事を徹底してください。
葉酸については下記ページで詳しく解説をしています。
葉酸サプリランキング2018~市販vs通販!妊娠中におすすめ葉酸サプリ35選
まとめ
豚肉には妊婦に嬉しい、栄養素ビタミンB群と良質なたんぱく質、ナイアシンが含まれているのでぜひ食べて欲しい食材の一つです。
食べる際には十分に加熱調理して食中毒はもちろん、トキソプラズマ感染症への予防に努めましょう。
また豚レバーには妊娠周期によってはレチノールの過剰摂取による胎児奇形を招く可能性があります。
食べる際には量にレチノールに注意してして食べるようにしましょう。
妊娠中には脂身がすくない豚ヒレ肉や豚モモ肉、豚ロース肉はカロリーが低くオススメです。
これらを様々なレシピで美味しく食べて、上手に栄養を摂取していきましょうね。