妊娠するとお腹の赤ちゃんのために少しでも良いものを取り入れたいですよね。
妊娠すると食べてはいけない食べ物や、食べ方や食べる量などにも注意しなければいけない食べ物もあります。
妊娠すると何をどれだけ食べればいいのか悩んでしまう人も少なくありません。
そこで今回は妊娠超初期の食事について4つのポイントをお伝えします。
- 妊娠超初期の胎児の成長
- 妊娠超初期に必要な5つの栄養素
- 妊娠超初期の食事方法と妊娠中の食事8つの注意点
- おすすめの食事レシピ10選と献立例
妊娠中の食事では制限が多く時には戸惑うことも。
妊娠に気付いたその時から自分の為にもお腹の赤ちゃんの為にも食事には気を付けていきたいですよね。
目次
妊娠期間と妊娠超初期~妊娠初期までの胎児の成長と食事
妊娠週数の数え方は最終月経開始日を妊娠0週0日として数えていきます。
妊娠超初期とは妊娠4週6日までの期間を指します。
妊娠5週0日~15週6日までは妊娠初期になります。
多くの人は妊娠初期に入った妊娠5週~6週頃に妊娠に気づくことが多く、妊娠初期症状もそのあたりから始まります。
ですが近年では生理予定日に使用できる早期妊娠検査薬によって生理予定日よりも早く妊娠が分かることもあります。
また人によっては妊娠超初期から妊娠症状を感じるということもあり、妊娠超初期に「妊娠しているかも」「妊娠した」と分かるようになりました。
なお、産婦人科での妊娠の確認は妊娠6週~8週頃、超音波にて子宮内に胎嚢が見え、心拍が確認できることで妊娠となります。
妊娠超初期の胎児の成長
妊娠超初期は妊娠0日~妊娠4週6日までをいいます。
排卵が妊娠2週頃、そして受精が起こります。
受精卵が子宮内膜に着床完了するのが妊娠3週~3週6日頃です。
この間受精卵は細胞分裂を絶えず行い成長しているのです。
以下は受精卵の細胞分裂の様子です。
・排卵(妊娠2週0日頃)
卵子の寿命は約8~12時間です。この間に卵子を精子が出会うと受精します。
受精卵は子宮卵管から子宮に向かって移動します。
・受精後約30時間 2細胞期(妊娠2週1日頃)
1つだった受精卵が2つに細胞分裂します。分裂後の細胞を割球と言います。
・受精後約40時間 4細胞期(妊娠2週2日頃)
割球が更に2つに細胞分裂し4細胞になります。
・受精後約60時間 8細胞期(妊娠2週3日頃)
4つになった割球がさらに分かれ8細胞に分裂します。
・受精後約3~4日 桑実胚(妊娠2週3日~4日頃)
細胞分裂が進み、8~16個の割球がある状態を桑の実に似ていることから桑実胚(そうじつはい)と呼びます。
桑実胚は子宮内部に辿り着きます。
・受精後約4~6日 胚盤胞(妊娠2週4日~6日頃)
桑実胚まで分裂したたくさんの割球はくっつきあい、胚盤胞になります。
・受精後約6~7日 胚盤胞(妊娠3週0日~3週1日頃)
胚盤胞は子宮内膜にもぐりこみ始めます。
・受精後約12~14日 胚盤胞(妊娠3週5日~4週0日頃)
胚盤胞は子宮内膜に根をはり、着床が完了します。
妊娠超初期では受精卵が細胞分裂を繰り返しながら、子宮内膜まで移動し、根を張り着床が完了するまでの時期です。胎児というよりは卵といった方がイメージしやすいでしょう。
この時期に受精卵が上手く細胞分裂できなかったり、子宮内膜にもぐりこめず着床できなかった場合には妊娠にはならずに生理が起こります。
妊娠超初期に必要な栄養素
妊娠超初期には受精卵が細胞分裂を行うために、また妊娠して身体が急激に変化していくため、それに備えて食事面で十分な栄養を取る必要があります。
以下は妊娠超初期に摂取したい栄養素です。
①鉄分
②葉酸
③タンパク質
④カルシウム
⑤ビタミン・ミネラル
鉄分
妊娠すると体内では血液を増やすようになります。
妊娠中は貧血になりやすいので意識して鉄分を摂るようにしましょう。
鉄分を摂る際には吸収をサポートしてくれるビタミンCと一緒に摂るのがおすすめです。
鉄分は多く含む食べ物は以下の通りです。
- 納豆 1食 1.7mg
- あさりの味噌汁 1.2mg
- 牛レバー1切れ 2.0mg
鉄分はカフェインやタンニンを含むものと一緒に取ると吸収を阻害されてしまいます。
鉄食事時に緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒーを飲む人は注意が必要です。
食事の前後30分は飲むのを止めましょう。
葉酸
妊娠超初期から妊娠初期には葉酸の摂取が重要です。
特に葉酸は妊娠前から摂取した方がいいとも言われています。
葉酸は通常一日当たり240μg摂取することを推奨されています。
妊婦さんでは上記の240μgにプラスして240μg、合計で480μg摂取することが望ましいとされています。
妊娠予定の女性には神経管閉鎖障害の発生リスクを抑えるために240μgに400μgプラスして合計640μg摂取した方が良いとしています。
葉酸はビタミンBの一種で水溶性です。
熱に弱く、水に溶けだしてしまうため、調理中に50%が失われてしまいます。
サプリメントなどの栄養機能食品中の葉酸は85%が体内に取り込まれます。
したがって妊娠中に葉酸を摂取するときには食事からとサプリメントなどからの両方から摂取するのが効率的です。
上記のとおり、葉酸は体内に取り込まれにくい点から、妊娠1カ月前~妊娠3カ月までの女性では、食品中から400μg、サプリメントなどの栄養補助食品から400μg摂ることを推奨しています。
葉酸は細胞分裂に必要な栄養素とされています。先天異常の多くは妊娠直後~妊娠7週に発生し、その内、中枢神経系の異常は妊娠7週未満に発生していることが分かっています。
つまり、妊娠初期に妊娠が分かってから葉酸と取り始めることにも効果はありますが、より効果を発揮させるためには、妊娠前からが一番理想であり、妊娠超初期に妊娠に気づけた場合にはできるだけ早く葉酸を十分量摂取することをおすすめします。
葉酸を多く含む食品は以下の物があります。
- ほうれん草 小1/2束 189μg
- ブロッコリー 1/2株 105μg
- 枝豆 100g 260μg
なお、一日の耐容上限は1300~1400μgとされています。
葉酸は摂取しすぎると、ビタミンB12欠乏症の診断を困難にすることもあります。
一日1000μg(1mg)を超えないようにしましょう。
食品中からの葉酸の摂取量が超えることは稀です。
サプリメントなど栄養補助食品を使用する時には過剰摂取にならないように注意しましょう。
タンパク質
妊娠超初期ではタンパク質の摂取量を無理に増やす必要はありません。
妊娠初期までは通常通りの食事内容からタンパク質を摂取していきましょう。
タンパク質は筋肉、皮膚、骨格をはじめ、ホルモンや酵素なども作る元となります。
動物性たんぱく質と植物性タンパク質があり、どちらのタンパク質ばかりに偏らないようにバランスよく食べるように心がけましょう。
タンパク質は牛・豚・鶏などの肉類や、魚・貝などの魚介類、大豆・納豆・豆腐などの大豆製品、牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品や卵に含まれています。
カルシウム
カルシウムは不足しがちな栄養素の1つです。
妊娠初期の4~9週頃に赤ちゃんの骨の形成が行われるため、母体のカルシウムが消費されます。
体内の血中のカルシウム濃度は常に一定ですが、不足すると骨の中からカルシウムを取り出し使用するため骨がスカスカになり骨粗鬆症の発生リスクが上がってしまうのです。
またカルシウム不足は高血圧にも影響を与えるため、妊娠高血圧症の予防の為にも意識して摂取しましょう。
妊娠中は一日900mgを意識して摂るようにしましょう。
またカルシウムの吸収を助けるビタミンDやクエン酸を含む食品を一緒に食べるようにしましょう。
ただし、大量にカルシウムとビタミンDを摂取すると、結石や高カルシウム血症などを引き起こすことがあります。
サプリメントなどの併用には十分気を付けるようにしましょう。
カルシウムを多く含む食品は以下のものがあります。
- 牛乳 200ml 220mg
- プレーンヨーグルト 1/2カップ 126mg
- しらす干し 大さじ2 52mg
- 干し桜エビ 大さじ2 120mg
- 小松菜 1/4束 116mg
- もめん豆腐 1/2丁 180mg
カルシウムは日本人には不足しがちな栄養素です。
乳製品や魚など色々な食品を組み合わせて上手に摂取しましょう。
ビタミン・ミネラル
妊娠超初期に関わらず、ビタミンやミネラルは必要な栄養素です。
ビタミンにはA、C、Bなどがあります。ミネラルは鉄分やカルシウム、食物繊維などがあります。
ビタミンやミネラルの多くは野菜や果物に含まれています。
野菜は1日350gの摂取が推奨されていますが、どの世代でも不足しがちな状態です。
妊娠中は胎児へ優先して栄養素が使用されるため更に不足した状態に。
意識して野菜を取るようにしましょう。
ミネラルを多く含むホウレン草ややカボチャ、人参などの緑黄色野菜をはじめ、ごぼうやレンコンなどの食物繊維を含む根菜、イチゴやキウイフルーツなどのビタミンを多く含む果物を積極的に取り入れていきましょう。
妊娠超初期の食事の仕方
妊娠超初期では食事の仕方にも注意が必要です。
①三食きちんと食べる
②栄養バランスを意識する
③水分補給を意識する
④食事量は妊娠初期に入るまでは今までと同量
妊娠前は朝食を抜いていた、朝と昼を兼用していた、ということもあった事でしょう。
ですが妊娠してからは自分一人に体ではありません。
三食きちんと食べるようにしましょう。
また食事内容も栄養バランスを意識し、偏りが出来る限り無いようにしましょう。
妊娠すると妊娠前よりも体は水分を必要とします。
朝起きた時、お風呂の前後などに水分を摂るよう習慣づけしていきましょう。
妊娠すると二人分食べなきゃ、と思う人もいるかも知れません。
妊娠超初期は通常通りの一人前の食事を摂るようにしましょう。
また体重増加を気にして食べる量が少ないと胎児の成長に影響を及ぼすこともあります。
妊娠中の体重増加は良くないものですが、体重が増えすぎないのもよくありません。
妊娠を期に食事内容や食事量が多すぎないか、少なすぎないか見直してみましょう。
つわりが始まったら…
妊娠症状の1つであるつわりは、大体妊娠5~6週頃始まる人が大半です。
ですが中には妊娠超初期からでもつわりが始まる人がいます。
吐きつわりの場合には無理に食べずに、食べられるものを食べましょう。
また、こまめに水分をとるようにしましょう。
食べつわりの場合には、小さなおにぎりを用意したり、プチトマトを常備したりするなどこまめに食べるようにしましょう。
妊娠超初期のおすすめの食事レシピ10選
妊娠が分かった時から自分の健康のため、お腹の赤ちゃんのため、栄養バランスの良い食事をこころがけましょう。
出来る限り妊娠超初期に必要な栄養素を取れるよう意識しましょう。
バナナヨーグルト
材料 バナナ、ヨーグルト
食欲が無い時や、おやつなどにおすすめです。
ヨーグルトからはカルシウムがとれ、腸内環境を整えてくれます。
バナナは食物繊維とカリウムがあるため、むくみにも効果的です。
妊娠超初期から便秘に悩まされることもあるため、バナナヨーグルトで予防しましょう。
ヨーグルトは出来れば無糖のもの、甘さが欲しい時にはオリゴ糖や蜂蜜を足すのが良いでしょう。
またきな粉を掛けても効果的です。
お浸し
材料 小松菜やホウレン草 1/2束
醤油 大さじ1/2
粉末だし 小さじ1/3
鰹節 少々
ホウレン草や小松菜はたっぷりのお湯に塩を加えて茹でます。
茹でたら、冷水に取り、しっかり絞ります。
長さ3cm程に切り、器に盛ります。
醤油とだし汁を混ぜ、ホウレン草にかけ、上に鰹節をまぶして出来上がりです。
お好みで湯抜きした油あげやシラスや桜エビを入れても美味しく出来ます。
砂糖、すりごま、和風粉末出汁を混ぜて掛ければ胡麻和えにもなります。
三色ナムル
材料
ほうれん草 1/2袋
もやし 1袋
人参 1/3~1/2本
中華だし 小さじ1/2
醤油 小さじ1/2
ごま油 大さじ1/2
白ゴマ 適量
もやしはヒゲ根をとり、人参は厚めの千切りにし、合わせて茹で、水気をきります。
ほうれん草もゆで、冷水にとり絞ったら3cmサイズに切ります。
醤油と中華だしを合わせておきます。
もやし、人参、ホウレン草をボウルに入れ、調味料を入れて和えます。馴染んだらごま油を回し入れ和えます。
最後に白ゴマを振って完成です。
具たくさんきんぴら
材料
ごぼう 1本
人参 1/2本
大根 1/4本
糸こんにゃく 1/3袋
豚肉 100g
和風だし 小さじ1/2
醤油 大さじ2
みりん 大さじ2
砂糖 大さじ1
白ゴマ 適量
ごま油 少々
ごぼうはささがき、人参、大根は千切り、糸こんにゃくはあく抜きし、豚肉とともに1口大に切る。
フライパンにごま油を熱し、ごぼう、人参、大根、豚肉の順で炒めていく。
全てに火が通ったら、調味料いれなじませる。
汁気が少なくなくなれば火を止める。
仕上げに白ゴマを振れば完成。
食物繊維たっぷりの一品。
豚肉入りで満腹感も得られます。
お好みで、輪切りたかのつめをごま油と熱して辛さを足しても。
一味や七味なら個人で辛さの調整もできます。
他にれんこんを足しても美味しく出来ます。
枝豆とかぼちゃのサラダ
材料
かぼちゃ 1/4個
えだまめ(豆のみ) 50g
マヨネーズ 大さじ2~
塩・コショウ 適量
かぼちゃは1.5cm角に切り、茹でるか蒸す。枝豆はゆでて鞘から実を出す。
水気を切ったかぼちゃと枝豆をボウルに入れ、マヨネーズ、塩コショウをして和えれば完成です。
葉酸を含むビタミンを摂る事が出来ます。
お好みでマヨネーズの半量をヨーグルトに変えるとヘルシーに。
お好みでツナやプロセスチーズ、レーズン、くるみなどのナッツを入れても美味しく出来ます。
レーズンやナッツを入れる時はお砂糖を少し足すとおやつの代わりにもなりますよ。
ブルスケッタ
材料
トマト 1個
プロセスチーズ 30g
バジル 2枚
オリーブオイル 大さじ1~
塩 適量
フランスパン 6枚
トマトは角切りにして塩を振り、しばらくおいておきます。
しばらくおいたら汁気をよくきり、オリーブオイル、細かく刻んだバジル、角切りにしたプロセスチーズと混ぜ合わせます。
トーストしたフランスパンにのせてブルスケッタの出来上がりです。
つわりが始まると、白米がダメになる事が多いので主食にパンを、トマトは比較的食べやすいという妊婦さんが多いものです。
ミネラル、ビタミン、カルシウムを摂ることが出来ます。
オイルはお好みでグレプシードオイルに変えても良いでしょう。
チーズの代わりに、シラスや茹でた鶏ささみ、ツナ缶でも美味しくできます。
人参チャンプルー
材料 人参 1本
豆腐 1/2丁
豚肉 100g
卵 1個
和風だし 小さじ1/2
醤油 大さじ1
鰹節・塩コショウ 適量
人参は薄い短冊切り、豚肉は一口大に切ります。
豆腐は軽く水気を切っておきましょう。
フライパンを熱し、サラダ油を引きます。
人参を炒め、火が通ったら、豚肉を入れ炒めます。
豚肉の色が変わったら、一口大にした豆腐を入れ崩さないように火を通します。
豆腐に火が通ったら、醤油、和風だし、塩こしょうをして全体になじませます。
とき卵を加え、卵に火が通ったら、器に盛り、鰹節をまぶして完成です。
動物性、植物性のどちらのタンパク質も摂ることができます。
人参からビタミンAも安心してとることができます。
お好みでもやしを加えても美味しくできます。
タイのアクアパッツァ
材料 鯛(切り身) 2切れ
プチトマト 5個~8程 (普通のトマトなら1/2個)
あさり 200g
にんにく 1片
オリーブオイル 大さじ1
白ワイン 大さじ2
水 1/2カップ
塩コショウ・パセリ 適量
アサリは砂抜きをしておきます。鯛には塩を振って5分置きます。
フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、にんにくを入れ炒めます。
にんにくの良い香りがしたら、魚の水分をキッチンペーパーなどでふき取ってから皮目からフライパンに入れ、両面よく焼きます。
半分に切ったプチトマト、アサリ、水、白ワインをいれフツフツしてきたら、蓋をして弱火で蒸します。
スープの味見をして物足りなければ塩コショウをたします。
パセリを散らして出来上がりです。
切り身を使って簡単にアクアパッツァができます。
あっさりとしているので煮魚よりも食べやすいです。
魚からタンパク質やDHA、EPAが摂ることができます。
あさりからは鉄分を摂る事が出来ます。
小松菜と厚揚げの中華炒め
材料 小松菜 1袋
厚揚げ 1枚
粉末中華だし 小さじ1/3~1/2
オイスターソース 大さじ1
醤油 大さじ1
酒 大さじ1
砂糖 大さじ1/2
塩コショウ 適量
ごま油 適量
フライパンを熱し、ごま油を入れる。
5cm幅に切った小松菜を茎、葉の順番に入れ炒める。
一口大に切った厚揚げを入れ、火が通ったら、調味料を入れ全体に混ぜ合わせれば完成。
卵やシメジや舞茸などのキノコ類や人参などをいれてリュームアップも出来ます。
小松菜から葉酸と鉄分を摂ることができます。
ほうれん草や青梗菜に変えても美味しく出来ます。
鶏肉のみぞれ煮
材料 鶏胸肉 大1枚
大根おろし 5~10cm分
柚子コショウ 小さじ1/2
酒 大さじ1
酒 大さじ2
砂糖 大さじ1
みりん 大さじ2
醤油 大さじ2
片栗粉 適量
ネギ 適量
鶏胸肉は一口大のそぎ切りにし、柚子コショウ小1/2と酒大1に付けて揉む。
他の調味料は合わせておく。
鶏胸肉に柚子コショウが馴染んだら、片栗粉をまぶし、サラダ油を熱したフライパンで焼く。
両面焼き色が付いたら、合わせ調味料と大根おろしを汁ごと入れ煮込む。
汁気が減り、鶏肉の中まで火が通ったら、器に盛り、上にネギを散らして出来上がり。
鶏胸肉は低カロリー、高タンパクで妊娠中には嬉しいものです。
柚子コショウとみぞれでさっぱりと食べることができます。
お好みで胸肉をモモ肉に変えても美味しいです。
妊娠超初期の献立例①
朝食
- バナナきな粉ヨーグルト
- ブルスケッタ
- 具だくさん野菜入りコンソメスープ
昼食
- 桜エビと小松菜のチャーハン
- 中華コーンスープ
夕食
- 根菜入り味噌汁
- 豚の生姜焼き
- いんげんの胡麻和え
妊娠超初期の献立例②
朝食
- 白米
- 納豆(生卵はNG)
- ほうれん草入り卵焼き
- 具だくさんきんぴら
昼食
- ピザトースト
- ミネストローネ
- キウイフルーツ
夕食
- 白米
- 小松菜と厚揚げの中華炒め
- 大根の味噌汁
- 三色ナムル
妊娠超初期の献立例③
朝食
- 味噌焼きおにぎり
- ほうれん草のお浸し
- 桜エビとシラス入りの卵焼き
- 豚汁
昼食
- トマト、レタス、茹で卵のサンドウィッチ
- ホットミルク
夕食
- タイのアクアパッツァ
- フランスパン
- かぼちゃと玉ねぎのポタージュ
野菜を多く摂れるように、また栄養バランスが偏らないように心がけましょう。
あと一品で迷う時には、ほうれん草の胡麻和えなど妊娠中に摂りたい葉酸など多く含む食品を積極的に取り入れるようにしましょう。
妊娠中のご飯は栄養バランスよく食べることが大切です。
またこの機会に、朝食抜きや、早食いなどを改善しましょう。
妊娠中の食事8つの注意点
ここからは妊娠超初期のみならず、妊娠中すべての期間に大切な食事について紹介します。
妊娠中の食事には食べる量や調理法など注意点することがたくさんあります。
また妊娠中は食べてはいけないものもあります。
知らずに食べてしまって、後から心配することがないように注意しましょう。
アルコール
妊娠が分かったら飲酒は止めましょう。
妊婦はアルコールを摂取すると、胎児にも影響を及ぼします。
アルコールを摂取すると「胎児性アルコール症候群」を引き起こすことがあります。
飲酒すると必ずなるわけではありません。
ですが妊婦さんにとって少量の一杯であっても小さい胎児には大きく影響するのです。
胎児性アルコール症候群では成長に影響があり、低体重、低身長を引き起こします。
また外見に奇形や歩行などの運動機能やうつなど精神機能への問題も引き起こされます。
アルコールは胎盤を通じて胎児へ影響します。
また妊娠初期は薬やアルコールの影響を受けやすい過敏な時期です。
妊娠超初期では着床するまでは影響が無いとされています。
妊娠中の飲酒は少量であれば問題ないとされています。
ですが、胎児への影響や影響による心配を考えるとお酒を飲まない方が良いのは間違いありません。
カフェイン
妊娠中のカフェインの摂取は量に注意が必要です。
日本ではカフェイン摂取量に特に規定はありませんが、コーヒーであれば1日2杯程度とされています。
カフェインの過剰摂取には胎児の発育を阻害し、低体重児を引き起こす可能性があることや、研究報告は少ないながらも、死産や胎内死亡との関係があるとも言われています。
妊娠中のカフェインは1日当たり200mgまでにするのが良いでしょう。
以下はカフェインを含む飲み物です。
- コーヒー 200ml中120mg
- 紅茶 200ml中60mg
- 煎茶 200ml中40g
カフェインは商品によっては含有量が前後することや、栄養ドリンクなどにも含まれていることがあります。
カフェインと聞くとコーヒーを思い浮かべてしまいますが、コーヒーだけに注意していると思わぬ食品から摂取してしまうこともあるので気をつけましょう。
コーヒーを飲みたい時には妊娠中はカフェインレスコーヒーなどに切り替えるのも良いでしょう。
チーズ
妊娠中はチーズの種類に注意が必要です。
チーズはナチュラルチーズとプロセスチーズの2種類あります。
この2種のチーズのうち注意しなければいけないのはナチュラルチーズです。
ナチュラルチーズは製造過程で加熱殺菌されていないため、リステリア菌による食中毒が起こる可能性があります。
通常リステリア菌による食中毒は感染することはなく、感染しても重症化することはありません。
ですが妊娠中は免疫力が低下しているため感染しやすいのです。
リステリア菌に感染すると、発熱、筋肉痛、吐気、下痢などを引き起こします。
症状はインフルエンザに似ています。
リステリア菌感染症で問題なのは胎児も感染してしまうことです。
胎児がリステリア菌に感染すると、流産や早産、死産などが起こる可能性があります。
また無事生まれても、新生児感染があり、肺炎を始め、髄膜炎などが引き起こされることがあります。
後遺症が残る可能性があることや、胎児、新生児ともに致死率が20%ほどあり、非常に注意が必要です。
国内で製造され、スーパーなどで販売されているナチュラルチーズは加熱殺菌義務があるため、ナチュラルチーズでも心配はありません。
注意が必要なのは輸入品のナチュラルチーズと自家製ナチュラルチーズ、加熱が不十分なナチュラルチーズです。
リステリア菌は冷蔵保存や塩分濃度が高い状態でも生存します。
ですが加熱により死滅します。
ピザやチーズケーキなどチーズが使用されていても加熱が不十分な場合があるので注意しましょう。
生もの
生もの、またはレアな焼き加減などの生焼けのものは注意が必要です。
生ものにはリステリア菌が生存していることがあるのです。
これはチーズだけでなく、生ハムやスモークサーモン、馬刺しにも注意が必要です。
またお肉に関してはトキソプラズマ感染症に感染する可能性があります。
トキソプラズマ感染症は、牛肉、馬肉、鶏肉、豚肉などに寄生するトキソプラズマ原虫によって引き起こされます。
妊娠中にトキソプラズマ感染症に初感染すると母体を通じて胎児も感染し、「先天性トキソプラズマ症」になることがあります。
妊娠初期に近い程、胎児への感染移行は低く、後期になるほど胎児も感染しやすいです。
ですが、感染した際には妊娠初期程、重症化しやすいとされています。
感染時には最悪の場合、流産や死産になることもあり、水頭症、脳内石灰化、網脈絡膜炎、精神運動発達の遅れが起こることがあります。
無事生まれてきても、成人までの間に発症することもあります。
トキソプラズマ感染症は加熱不十分のお肉を食べたときや、それ以外に、猫のフン、猫のフンを含む土いじりをした際に感染する恐れがあります。
妊娠中には免疫力が低下しているため、レアやミディアムレアのステーキなどは我慢するようにしましょう。
魚
妊娠中には魚の種類や食べる量に注意が必要になります。
魚の種類によっては食物連鎖の関係で水銀を多く蓄積している魚がいます。
妊娠中に水銀を多くもつ魚を食べ過ぎると生まれてきた赤ちゃんの聴覚が1/1000秒以下のレベルで反応が遅れることがあるのです。
通常大人が水銀を含む魚を食べた場合、徐々に体外へ排出するので問題有りませんが、胎児には水銀を代謝する力はありません。
とはいえ赤ちゃんは水銀を、胎盤を通して摂りこみます。
胎盤は妊娠15週頃~16週頃に完成します。
妊娠超初期~初期の妊娠に気付いた時点では水銀による影響はとくに無いと考えても良さそうです。
妊娠に気づいてから魚の種類と量に注意して食べるようにしましょう。
魚は大きな魚ほど水銀量が多いと考えられます。
以下は刺身であれば一人前、切り身であれば80gに含まれる水銀量の目安です。
●が一週間に1個になるように食べる魚の種類や量に工夫をしましょう。
○は●の1/2量を表します。
バンドウイルカ
●●●●●●●●
コビレゴンドウ
●●
キンメダイ、マカジキ、クロマグロ(本マグロ)、メバチ、エッチュウバイガイ、マッコウクジラ
●
キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロ(インドマグロ)ヨシキリザメ、イシイルカ
○
キハダ、ビンナガ、メジマグロ、ツナ缶、サケ、アジ、サバ、イワシ、サンマ、タイ、ブリ、カツオなど
水銀量に特に注意が必要無いもの
例えば一週間の内に、●一個のキンメダイの煮付けを食べることがあれば、その週は水銀を含む魚を食べるのは避けましょう。
もしキンメダイの煮付けの量が半人前であれば例えばkマカジキ刺身一人前など○の魚と組み合わせることも可能です。
また一週間の内に○は2個食べても大丈夫です。
ミナミマグロ一人前とキダイ一人前であれば問題はありません。
なおどの週でも水銀量に注意が必要でない魚は食べることができます。
魚にはDHAやEPAなどの胎児へ良い栄養素を含みます。
水銀が心配だからといって全く食べないのでは無く、工夫しながら上手に取り入れるようにしましょう。
ビタミンA
ビタミンAは動物性ビタミンAであるレチノールと植物性ビタミンAであるプロビタミンAにわけられます。
植物性のプロビタミンAは体内でビタミンAが不足している時のみ、ビタミンAに変換されるため、過剰摂取になることはありません。
妊娠中に注意必要なのは体内に蓄積されてしまうレチノールの摂取量です。
レチノールの大量摂取は妊娠初期において胎児奇形を引き起こす可能性があるとされています。
とくに、10000IUのビタミンAを長期的に摂取していると、催奇形性が起こるとされています。
特に初期では大量摂取していると、そうでない妊婦に比べて3.5倍リスクが上がるとされ、水頭症や口蓋裂などを引き起こす可能性が報告されています。
妊娠中のビタミンAは1日の上限が5000IUとなっています。
以下は食品100g中に含まれるレチノール量です。
- 鶏レバー 14000μg
- 豚レバー 13000μg
- 牛レバー 1100μg
- やつめうなぎ(生) 8200μg
- ほたるいか(ゆで) 1900μg
- うなぎ(かば焼き) 1500μg
- ぎんだら(生) 1100μg
妊娠中はビタミンAの過剰摂取にならないように食べる量に注意しましょう。
とはいえビタミンAは胎児には欠かせない栄養素の一つです。
不安な時は緑黄色野菜からビタミンAを摂取していきましょう。
海藻類
海藻類には、ヨウ素(ヨード)を多く含んでいます。
ヨウ素は甲状腺ホルモンの元となり、胎児にも母体にも大切な栄養素です。
ですが妊娠中に過剰に摂取してしまうと、赤ちゃんが先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)になることがあります。
妊娠中のヨウ素は1日当たり240μgの摂取を推奨されています。
ヨウ素は昆布、わかめ、ひじき、のり、ところてんなどに多く含まれます。
また昆布だしなどにも含まれているために知らず知らずに内に摂取していることが多い栄養素です。
- 乾燥昆布5g 12000μg
- 乾燥わかめ5g 100μg
- 海苔 1枚 20μg
妊娠中に限らずヨウ素の耐容上限量は2000μg(2mg)までとなっています。
昆布だしを愛用している、海苔屋昆布の佃煮、わかめのお味噌汁などヨウ素を含む食品の摂り過ぎに注意しましょう。
まためんつゆなどの調味料にも使用されていることもあります。
通常の生活ではバランスよく食べている限りでは過剰摂取になることはありませんし、ヨウ素は不足しても赤ちゃんの成長にはよくありません。
不安な時は、妊娠中は昆布だしをかつお出汁にする、海藻類は連続して食事に出さないなど工夫しましょう。
ひじき
ひじきには微量ながらもヒ素が含まれています。
ヒ素は自然界に存在するもので、私たちは微量ながらも水道水や魚介類からなどからヒ素を摂取しています。
ひじきには無機ヒ素がふくまれており、無機ヒ素は胎盤を通過し胎児に影響を与える可能性があるとされています。
具体的には催奇形性、脳障害などの影響が動物実験によって確認されています。
ヒジキには鉄分などのミネラルが豊富なため、妊娠中の栄養素では良い面もありますが、やはり胎児への影響が気になるところです。
英国食品規格庁ではヒジキが含むヒ素の量が圧倒的に多いとして、厚生労働省が発表している内容よりも深刻な印象を受けます。
また日本の医師の中には妊娠中はひじきを避けた方が良いと意見する医師もいます。
妊娠中のひじきは食べ過ぎないことはもちろん、週に1~2回程度、小鉢サイズを食べるくらいにとどめておくのがベターでしょう。
塩分量
妊娠中は塩分の摂り過ぎに注意しなければいけません。
塩分の摂り過ぎは高血圧を引き起こします。妊娠中の塩分の摂り過ぎは妊娠高血圧症候群を引き起こす可能性が多いのです。
妊娠高血圧症候群は胎盤の機能を低下させ、胎児の発育や機能において影響を与えます。
最悪の場合には胎児が死亡してしまうケースもあります。
妊娠中に限らず塩分は1日7.0gまでが目安量となっています。
ハムやベーコン、はんぺん、ちくわなどの加工食品には塩分が多く含まれます。
またインスタント食品や、麺類の汁にも塩分が多いものです。
加工食品は少なめ、外食は控える、麺類のスープなどは残すなどして塩分を摂り過ぎないように注意しましょう
妊娠中はむくみやすい状態のため、塩分過多の食事をしているとむくんでしまうこともあります。
妊娠中に塩分を摂りすぎた、むくんだ時には、カリウムを多く含む食品を食べましょう。
カリウムには体内の塩分を体外に排出する作用をもっています。
カリウムはバナナ、アボカド、ホウレン草、納豆、トマトジュースなどに多く含まれています。
まとめ
妊娠超初期に妊娠に気付いた時には、できるだけ早く葉酸を摂取するようにしましょう。
妊娠初期までの間、胎児は脳や脊髄の元となる神経管を作っています。
葉酸には、神経管が上手く作られず神経管閉鎖障害になることを防いでくれます。
妊娠超初期にはひとによってはつわりが始まっている場合もあります。
つわりがある時には食べられるものを食べ、水分補給をし、サプリメントなどを活用しましょう。
妊娠中のサプリメントの使用時にはビタミンAの過剰摂取にならないように注意が必要です。
また妊娠中はビタミンAの摂取量だけでなく、チーズの種類、魚の種類や量、カフェインの量などにも注意が必要なほか、生ものにも注意しなければいけません。
妊娠中は何かと注意すべきことが多く始めのうちは戸惑うことも多いでしょう。
ですが10ヵ月と限られた期間です。
工夫しながら食事を楽しむようにしましょう。