3歳児に比べると自分でできることが少しずつ増えて、大きく成長していきます。
幼稚園や保育園に通い始める子どももいて、親の手を少しずつ離れていく時期です。
集団生活で社会性を身につけていく一方、4歳児は心が大きく揺れる時期とも言われています。
そのため、急にわがままになったり、甘えん坊になったり、反抗的になったりと、
お父さんやお母さんの心配の種になることもあります。
「発達が遅れている気がする…4歳児の心身の発達について知りたい!」
「4歳の壁って何?」
「4歳児と上手に接するためのアドバイスってある?」
など、初めての子育てであれば、知らないことが多く不安になることも多々あります。
まずは、4歳児に見られる心や体の発達の特徴、言葉の発達の特徴などについての知識を蓄えましょう。
すると、子どもの行動や言動で、理解できることが増えてきます。
しつけなどの教育もスムーズに行えるようになりますし、両親の不安やイライラも解消できますよ。
今回は4歳児の心身の発達の特徴と、今からでもできる上手な接し方についてご説明していきます。
・4歳児の体の発達について
・4歳児の心の発達について
・4歳児の言葉の発達について
・「4歳の壁」とは
・上手に接する11つのポイント
4歳児の子育てで不安やイライラを抱えているご家族や、
どのように対応してよいのか困っているお母さんなどの参考になれば嬉しいです。
目次
4歳児の体は急激に発達する!その特徴とは?
4歳児の平均身長と体重
厚生労働省によると、男の子では身長が102.0~105.1㎝で、体重が15.9~16.9㎏です。
女の子では、身長が100.9~104.1㎝で、体重が15.6~16.6㎏です。
成長には個人差があり、他の子どもと比較してしまいがちですが、ゆっくり見守ってあげましょう。
幼稚園や保育園では年少~年中にあたり、実際に並んでいる様子を見ても、身長はバラバラですし、
体つきも大きな子どもやほっそりした子どもなどいてバラバラです。
しかし、4歳になると体全体のつり合いがとれてくる時期といわれています。
運動機能が急成長する!
4歳児になると、運動機能がぐんと伸びてきます。
片足でケンケンと飛ぶことができるようになる、前転ができるようになる、
スキップが少しずつ上手になっていく、走るスピードをコントロールできるようになる、
しゃがんで前進すること(いざり歩き)ができるようになる、滑り台やジャングルジムなどに挑戦する、
三輪車でスピードを出せるようになる、2~3段上の段差から飛び降りることができる、
ブランコで立ちこぎをするようなバランスが取れるようになるなどの発達がみられます。
幼稚園などで他の子どもを見る機会も増え、お母さんは「うちの子の発達は遅いのでは?」と、
不安に思うこともありますが、できるスピードは違うので、あまり比較はしないようにしましょう。
手先が器用になる
手先が自分の思うように動かせるようになってきます。
そのため、手先を使った遊びが大好きで、とても集中して遊ぶようになります。
その他に、ハサミが上手に使えるようになる、紐のかた結びができるようになる、
ボタンのかけ外しができる、まるや三角など簡単な形を描くことができるようになる、
箸でものをつかむことができるようになる、ビーズに紐を通すことができる、
大きなボールを受け止めることができるようになるなど、指をしっかりと使うことができます。
手先が器用な子どもに育てる為にも、このような機会を生活の中に多く取り入れてみましょう。
生活習慣が身についてくる
4歳児になると、自分の身の回りのことは自分でするようになっていきます。
大人のお手伝いは必要ですが、少しずつ上達し、自分でできるように成長します。
自分で衣服を着脱できるようになる、歯磨きやうがいができる、トイレがひとりでできる、
片付けは正しい場所に元通りに戻すことができる、洗濯物をたたむことができる、
鼻をかむことができる、食事を自分で食べることができるようになる、
時計の読み方が少しずつ理解できるようになるなどの成長が見られ始めます。
手助けを必要としたり、「ママやって~」と甘えてきたりすることもあるのですが、
そんなときには、突き放さず優しくお手伝いをしてあげましょう。
4歳児の心は大きく揺れる!その特徴とは?
想像力が広がる
4歳児になると、想像力がとても豊かになってきます。
想像でストーリーを考えることができるようになる、空想や夢を現実のように話すようになる、
うそをつくことができるようになるなど、想像だけで1時間以上遊んでいることもありますよ。
また、心が無生物や人以外の生き物にもあると信じて関わろうとします。
周りの大人は付き合うのが大変ですが、余裕があれば一緒に子どもの空想の世界に入って、
楽しんでみてくださいね♪
想像力が広がる分、暗い場所やお化け、怖い夢、1人になることを不安に感じて怖がることもあります。
記憶力がアップする
過去や未来、今の流れを理解し始め、過去に起こったことをよく覚えるようになります。
また、歌の歌詞や絵本の文なども、あっという間に覚えて、大人がびっくりすることもあります。
他にも、毎日幼稚園やスーパーに行く道順を覚える、お片付けの場所を細かく覚えている、
パズルが得意になる、長いお話の絵本も最後まで理解して聞くようになるなど、
記憶力があがることで、たくさんのことができるようになってきます。
「なんで?」「どうして?」の質問が増える
毎日のように質問攻めに合います。
目に見えるものなどから、とにかく質問して、答えない時にはずっと聞いてくることもあります。
例えば、「どうして海ができたの?」「なんでおへそがあるの?」など、
説明するのに困る内容も多く、どう答えようか頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。
4歳になると、因果関係も分かってくるようになってきます。
もっと知りたい、原因や理由を知りたいなどの知能があがっている証拠ですね。
社会性が身についてくる
幼稚園や保育園などの集団生活に入ることで、さらに社会性が磨かれていきます。
ひとり遊びもしますが、友だちと遊ぶことが好きになり、一緒に遊ぼうとします。
自分よりも小さな子どもがいると、特に女の子はお世話をするようになってきます。
また、役割やルールを決めて遊ぶことができるようになってきますが、
友だちとの衝突もあり、けんかをしたり、泣かせてしまったりすることもあります。
周囲の人に興味を持つ
幼稚園や保育園の友だち・先生・親など、子ども自身と関わる人が増えていきます。
関わっていく中で、自己主張をして失敗したり、けんかになったりと、不安になることもあります。
しかし、その経験から学ぶことも多く、社会性を身につける基礎となっていきます。
親以外の人とかかわっていくことで、
初めて「これが優しいということなのか。」「嫌な思いになる言葉だな。」と分かってくるようになってきます。
日常の会話がどんどん発達する!言葉の発達の特徴とは?
日常の会話ができるようになってくる
言葉もたくさん覚えて、おしゃべりも上手になってきます。
そのため、日常での会話が普通にできるようになってきて、子どもとの会話も楽しくなってきます。
幼稚園での出来事や、自分の気持ちなども話せるようになってきます。
まだまだ言い間違いはありますが、少しずつ改善されていくので大丈夫です。
悪い言葉も使ってみる
「どこで覚えてきたの!?」と、親が驚くような言葉を言う時がでてきます。
実は、幼稚園や保育園に通わせている子どもではよくある話なのです。
悪い言葉であることを知っているうえで、使ってみたらどうなるのか、おうちで試そうとしています。
そのときには、厳しく叱る必要はないのですが、「嫌な気持ちになるよ。」と、
素直な気持ちを伝えてみるか、大げさにリアクションをとってみましょう。
成長とともに徐々になくなっていきますが、放置してしまうことは避けましょう。
数字やひらがなに関心をもつ
1~10までの数を数えることができるようになり、次第に数字を読むことができるようになってきます。
自分の名まえや身近なひらがなも、形が分かりやすいものから覚えて読むことができるようになってきます。
他にも、大きい・小さいや多い・少ないなどの言葉も理解し、発信することができます。
「4歳の壁」ってなに?
4歳児は、時間や空間を理解する力、自分と他人の区別、友だちの気持ちなどを理解するなど、
大脳が大きく発達し認知能力があがっていきます。
成長していく上で、その変化に不安を感じたり抵抗したりしようとして心が大きく揺れ始めます。
そのため、自分の感情をコントロールできずに、反抗的になる、わがままになる、かんしゃくを起こすなど、
大人も困るような現象が起こり、これが「4歳の壁」と言われています。
成長の証であるので、上手に乗り切っていきたいですね。
他の特徴としては、人を傷つける言葉を使う、親や先生の言うことに反抗する、
「○○しなさい!」と命令されるのを嫌がる、思うようにいかないと泣く、叩くようになる、
嫌なことがあると短時間だけどふてくされる、こだわりが強いなどが挙げられます。
4歳児ですが、なかなかの反抗期ぶりに、周りの大人もびっくりです。
しかし、子どもも親も誰も悪くなく、成長の過程であるので、
「葛藤しているのかな~」とまずは受け止めてあげてくださいね。
反抗する反面、ものすごく甘えてくることもあります。
そのときには、たくさん甘えさせてください。
甘えることで、心の不安が解消され、自分で壁を乗り越えていくのです。
また、4歳の壁により自分の心をコントロールしていく力を付けていくのですが、
ここで自律が育たないことがあり、発達障害のひとつの特徴でもあります。
ADHDといって注意欠陥多動性障害の一側面と言われていますが、すぐに判断できるものでもありません。
あまりに癇癪を起こしたり、反抗的な態度がひどいときには、一度医師に相談してみるのもよいでしょう。
この4歳の壁にどのように対応することが適切なのか、悩むこともたくさんあります。
さらなる成長を促すために、周りの大人には何ができるのでしょうか。
子どもをぐんぐん伸ばそう!4歳児に接するときの11つのポイント
質問攻めにもなるべく答えるようにする
毎日「なんで?」「どうして?」と聞かれていると苦に思うこともあります。
しかし、その答えが子どもを成長させることもあるので、できるだけ答えてあげるようにしましょう。
子どもが理解できる内容であれば、分かるように簡単にして説明してあげます。
しかし、答えが難しく子どもが理解しにくいときや、答えがない時には、どう答えるのがよいでしょうか?
そんなときには、「お母さんの考えだけどね、○○だと思うよ♪」と返してみてはいかがでしょう。
また、質問を質問で返してみても面白いですよ!
「○○ちゃんは、どうしてだと思う?」と聞いてみると、面白い答えが返ってくることがあります。
「自分でできた!」という経験で自信をつけさせる
「これやってみたい!」と何事にも積極的になり、自分でしようとします。
その時には、子どもにチャレンジさせてみましょう。
どう考えても無理そうであれば、途中までしてあげたり、一緒にお手伝いをしながらやってみたりします。
大人は「お手伝いをするね!」とお手伝いに徹して、主は子どもという感覚で進めてあげましょう。
できることで自信になり、次に挑戦する意欲が湧いてきます。
身の回りのことは自分でできるようにさせる
4歳になってから、自分の身の回りのことは自分でできるようにサポートしていきましょう。
小学生になっても、お着替えやトイレなどがひとりでできないと、お母さんも大変ですし、
周りにも驚かれて、子どもも恥ずかしい思いをすることがあります。
パジャマを自分で着る、明日の洋服の準備をする、寝る前にトイレに行く、手洗いやうがいができる、
鼻をかむ、朝は顔を洗ってタオルで拭くなど、日々の生活の中で、毎日行うことを中心にさせます。
初めはできないことも多いのですが、少しずつできるようになってくることも増えてくるので、
長い目で手伝っていきましょう。
甘える時には思う存分甘えさせて良い
4歳になると、下の子どもが生まれていることもありますね。
また、幼稚園などに通って、家族と離れる時間も増えてきます。
自立しようと頑張る反面、お母さんやお父さんに甘えたい衝動に駆られるのです。
もし、甘えてくるのであれば、「赤ちゃんみたい~。」とあしらわずに、受け止めてあげてください。
たくさんの愛情を受けて安心することで、次のステップにまた踏み出す勇気をもつことができるでしょう。
叱るときには子どもの言い分も聞くこと
4歳というのは、実は心が傷つきやすい時期なのです。
何かトラブルがあって、子どもを叱るときに、子どもが言い分を話そうとすることがあります。
もちろん、言い訳やウソなどをつくこともありますが、他の理由がある場合もあります。
子どもの言い分を聞いてあげてください。
その上で、やはりしかるべきであれば、「これは良くなかったね。次はこうしよう。」と話します。
癇癪や泣き叫ぶときの対応は、提案がおすすめ!
自分の思うとおりにいかずにかんしゃくを起こす、泣き叫ぶこともあります。
まずは、なぜそうなっているのかを把握する必要があります。
頭ごなしに「落ち着きなさい!」と言っても、悪化するばかりです。
まずは、子どもの心が落ち着くまで待つようにします。
家の中であれば、子どもがひとりで心を落ち着かせる場所に座らせるほうがよいでしょう。
外であれば、周りに迷惑のかからない場所に移動して、落ち着かせてあげます。
落ち着いたら、何が嫌だったのか、どうして攻撃的になったのかなど、理由を聞いてみます。
まだこの世に生まれてきて4年目なので、どうすればよいのか分からずに、癇癪を起こすこともあります。
4歳の心を傷つけずに、良い方向にもっていくのであれば、「○○してみたらどう?」という風に、
提案する方法が一番おすすめです。
子どもも、前向きな気持ちになれますし、どうすれば良いのかもはっきり分かります。
絵本をたくさん読んであげる
4歳になると、長めのお話でも最後まで聞いてくれるようになってきます。
絵本は社会性や知識などを蓄えることができる素晴らしい道具です。
忙しいとは思いますが、子どもが眠る前などのちょっとした時間をみつけて、
出来る限り毎日読んであげるようにしてあげましょう。
周りとのお友だちとの遊びをサポートする
4歳になると、たくさんのお友だちとかかわり始めて、家に遊びに行くこともあるでしょう。
親も一緒に行くこともありますが、できるだけ子どもたちだけで遊ばせていくようにします。
けんかやトラブルがあった場合は、少し様子をみてみましょう。
自分たちで解決できることもありますし、無理そうであれば仲裁しつつもどうすればよいか、
子どもの気持ちをすくってあげていきましょう。
危険なことや危険な遊びは注意する
4歳になると運動機能が発達するため、とても活発になります。
走ることも早くなりますし、自分で考えて勝手に行動することも増えてきます。
そのため、危険な場面に出くわすこともあります。
危険な場面を避けるために、先に親子でルール作りをしておくことが大切です。
「道路や駐車場では大人と手を繋ぐ。」「けがをしそうな遊具は〇〇歳から遊ぶ。」など、
普段の生活の中で、これは危ないなと思うものがあれば、先に伝えておく方がよいでしょう。
また、目の前で危険な行為や危ない時には、はっきりと「危ない!」「だめ!」と声をはってください。
自己肯定感を強めてあげる
4歳になると、自分を大切な存在であると感じる自己肯定感を高めていきます。
これからの社会で生きていくために、絶対に必要となる心です。
この頃に自己肯定感を高める方法としていくつかあるのですが、簡単にできるものをご紹介します。
子どもを幼稚園に車で送る、買い物に行くときに、いつも同じ道順を通っていますか?
子どもは、運転していないながらも、「次はこっちに曲がるぞ!」と道順を覚えています。
毎日の移動の中で、「自動販売機を右に曲がるぞ→やっぱり♪→緑のお家を左に曲がるぞ→そうだね♪→
信号を過ぎたら幼稚園が見えてくるぞ→僕の正解だ!」と声を出さずとも、そう考えています。
これが、自分の考えが正しかったという自己肯定感を高めることに繋がるのです。
ちょっとしたことですが、とても大切なことです。
後でね、ちょっと待っててね!はNG
4歳は、どんどん話しかけてきますし、一緒に遊ぼうと上手に甘えてきます。
しかし、家事や仕事もあるので、全部を受け入れるのは無理ですよね。
その時に行ってしまいがちなのが、「今忙しいから後でね!」や「ちょっと待っててね!」ですね。
しかし、すぐにまた戻ってきて、話しかけてきてどうしようもなくなります。
大人にとってのちょっとと、子どもにとってもちょっとの時間の感覚が違うのです。
上手く伝えるためには、時計を見せて「長い針が7になるまで待っててね。」と目で確認できるものにします。
他には、「お母さんがこのお皿をすべて洗い終えるまで待っててね。」でも良いでしょう。
すると、時計を気にしたり、お母さんの手元を見に来たりしながらもしっかりと待ってくれますよ。
まとめ
イヤイヤ期を卒業したら、今度は4歳の壁があります。
次から次にと思いますが、どれも成長の証なので、温かく見守りサポートしてあげましょう。
辛いときには、周りのお母さんたちに相談する、幼稚園の先生や保育士さんに相談してみましょう。
同じ悩みをもっている人がたくさんいるので、良い解決方法を教えてくれることもあります。
上手な接し方のポイントを参考に、イライラせずに乗り越えられることを願っています。